初めてのゴブリン退治〜はらぺこごぶりんず

■ショートシナリオ


担当:マレーア4

対応レベル:8〜14lv

難易度:易しい

成功報酬:3 G 32 C

参加人数:4人

サポート参加人数:1人

冒険期間:04月25日〜04月30日

リプレイ公開日:2006年04月30日

●オープニング

「はらへった〜」
「兄ちゃん。はらへったよ〜」
「解った。‥‥なんとかしてやるから待ってろ!」

 ギルドの前で人とぶつかった。
 街は人が多くて目が回る。
 小さな村から来たというその男はマフラーをカウンターに置いてため息を付いた。
「‥‥ちょっと人にぶつかったら怒られるわ、スリに財布をすられそうになるわ。街は物騒でかなわん。まあ、旅先で行方不明になった子供を捜してるなんて親子もいたし、うちの村のこともある。今は、どこも物騒なのかもしれないけどな」
 そうだ、と思い出したように顔を上げ彼はカウンターに目をやる。
「まあ、そんなことを言いにわざわざ街まで来たんじゃない。冒険者に依頼があってな」
 そう、仕事をしなくてはならない。彼は依頼人として冒険者ギルドにやってきたのだから。
 こほんと咳払いを一つ。彼は話し始めた。
「うちの村はここから歩いて2日、街道から少し離れておる静かと、のどかだけがとりえの小さな村なんだが、幸い、今まで戦乱に巻き込まれたことや、モンスターに襲われたことは無かった。だが、最近どうやら変なモンスターが近くの森に住み着いたらしいんだ」
「変なモンスター?」 
「ああ、小っこくて、顔も髪も真っ黒でな、やたらとすばしこい奴だ。村の老人はゴブリンじゃないか、っていうんだがそれにしても小っこい。多分ゴブリンの子供じゃないかと思うんだ」
「へえ、ちびゴブリンか。珍しいなあ。子供のゴブリンなんて滅多に見ないんだが‥‥」
「そういうもんなのか? まあ、そのゴブリン、最初は畑の取り残し野菜とかを盗んでいくだけだったが、最近は納屋に潜り込んで、備蓄の食べ物なんかにまで手を出すようになっていてな‥‥」
 今は、丁度農繁期。備蓄食料も底をつきかけている時期に、そう多い量ではないとはいえ食べ物を盗まれるのはありがたいことではない。
 まして種用の小麦にまで手を出されるとなるととてもではないが、放置しておける事態ではなくなっているのだ。
「このままほっとくと、家畜にまで手を出しかねん。わし達も捕まえようとしたんだがさっきも言ったとおりやたらと素早い。それに‥‥」
 ある小屋を警戒して見張りを立てておくと、違う場所を狙う。
 村人達の警戒をそのちびゴブリンはいつも裏をかくのだという。
「へえ、ずいぶん頭のいい奴だなあ。ゴブリンの割に」
「そういうもんなのか? とにかく村を襲うゴブリンは一匹。そいつを退治してくれ。ただゴブリンとはいえ子供を殺すのは後味が悪いからな。捕まえて痛い目に合わせて、村をもう襲わないようにしてくれればそれでいい。まあ、殺してもかまわんがね。頼んだぞ」
 そう言って彼は帰っていった。

 場所の説明をして帰った男を見送って、係員は言う。
「ちびゴブリンの一匹や二匹くらいなら、駆け出しの冒険者でも大丈夫だろ? まあ、殺すか殺さないかはあんたらに任せるが‥‥」
 何故か係員の歯切れは悪い。
「どうしたんだ?」
 問われて係員は手に取ったマフラーを差し出す。
 元は赤だったのだろうが、今は薄汚れて真っ黒のそのマフラー。
「手編みだな。あ、名前が編みこんである。ソ‥ル?」
「森であの男が拾ったんだそうだ。ゴブリンの子供が似たようなのをつけてたから、と持って来たらしい。森にいるちびゴブリンのものなんだろうが‥‥」
 ゴブリンがマフラーをするのだろうか? まあ、服を着るのだからあるのかもしれないが。
「とにかく、気をつけて行って来いよ」
 張り切って準備をする冒険者にかけられた『気をつけて』の声。
 そのイントネーションに彼らは気が付いただろうか‥‥。

●今回の参加者

 eb3653 ケミカ・アクティオ(35歳・♀・ウィザード・シフール・イギリス王国)
 eb4096 山下 博士(19歳・♂・天界人・人間・天界(地球))
 eb4381 ザナック・アレスター(33歳・♂・鎧騎士・人間・アトランティス)
 eb4424 月白 うさぎ(27歳・♀・天界人・人間・天界(地球))

●サポート参加者

篠宮 沙華恵(eb4729

●リプレイ本文

●変わり行く空、変わり行く大地
 見上げれば抜けるような群青の空。
 空には舞う小鳥達の群れと、勇壮なグリフォン。
 精霊の国、幻想の大地アトランティスとはいえ、ごく当たり前の風景。ではない。
 その光景を見つめながらザナック・アレスター(eb4381)は
「ああ、空はいいなぁ」
 と呟いた。グリフォンに乗っているのは幼き少年、山下博士(eb4096)。
 憧れの空を見つめ思わず本音が口からこぼれる。
「子爵が空を行かれる。‥‥羨ましい限りですね」
 そんな思いに
「そうだね〜。空を飛ぶのは気持ちいいもんね。あんな高くだと爽快だろ〜ね〜。こっちも負けずに行くよ。はいよーシヴァっち!」
 ルン♪ と音がしそうなほど、明るい声でケミカ・アクティオ(eb3653)は答えた。
 大空に向いていた視線を、今度は下に降ろす。横に見るケミカは犬の背中で楽しそうに笑っている。
「犬の背に乗る妖精、ですか。うーん、なんとも幻想的な」
 本来ならグリフォンも、犬も簡単に他者を背中に乗せるようなことはしない。
 それを可能としているのは、積み重ねてきた絆。自ら背中を預ける信頼であると解っているのだが‥‥
「しかし、こうしてわが身を省みると、自分が非常に普通に思えてきますね」
 自分と、天界人達との差のように思えて、ザナックはどうも落ち着かなかった。
 特別な技術や、知識、品物を持つ高位の存在達。
「天界の方が来て、この世界も随分変化した物です」
 そう、彼らがこの地にやってくるようになって本当にいろいろ変わった。
 こういう時にそれを実感させられる‥‥。だが、
「どうしたんですか?」
 月白うさぎ(eb4424)が心配そうにザナックの顔を覗き込んだ。
「なんでもありませんよ。それよりお疲れではありませんか?」
 首を振りザナックは笑顔を作って見せた。はいと、返事をし、うさぎも笑みを返す。
「今回の中で、私が一番弱いみたいです。知識も少ないし‥‥いろいろ教えて下さいね」
「勿論ですよ。‥‥これから、どうなって行くのか。そんな中でも変わらない物があると信じて、私は騎士道を貫きましょう」
「えっ? 何ですか?」
「いえ、何でも有りません。道が悪いですから足元に気をつけて」
「はい‥‥‥‥キャっ!」
 転びそうなうさぎに手を差し伸べてザナックは笑った。今度は作ったものではない決意の笑み。
 そんな二人の様子を、仲間と暖かな光が見つめていた。

●作戦相談?
「今まで、そんなにモンスター退治の依頼、受けたことが無かったんだけどね。う〜ん、しかしゴブリン退治なんて、何年ぶりかしらね〜。こっちおいで、シヴァっち」
 ふわふわの犬の背中に持たれ、ぬくぬくと。どこまでも明るいケミカだが、目は真剣な光を帯びている。
 冒険者の目だ。
 明日は村に着く、そんな夜、冒険者達は炎を囲み、最後の相談をしていた。
「ゴブリンってのはね、茶色や黒っぽい肌をした小鬼のことなの。ちょっとずる賢こくて、人間が困るのを見て喜ぶようなところがあるのよ。こっちでも同じでしょ?」
 博士やうさぎにゴブリンやモンスターなどの知識を教えていたケミカは思い出したようにザナックに視線を合わせた。
 聞けば天界地球と呼ばれる世界ではモンスターは殆どいないらしい。
 ならば、このアトランティスとジ・アース。同じ名前をしていても違うモンスターということもあるだろうか? そんな考えからだ。
 だが、ザナックは頷く。それはモンスターの生態や、呼び名に大差は無い、ということである。
「なら、ちょっとした罠を使えばいいんじゃないかな? 使わない納屋とか借りてさ」
「なるほど。そこ以外をがっちりと固めれば、話に聞くほどに賢いゴブリンの子ならおそらくは‥‥」
「ずる賢い、とおっしゃいましたが、聞いた限りでは知能はそれほど高くは無いのですよね。でも、その子はかなり賢い。ふむ‥‥」
 博士はケミカやザナックの話を聞きなが腕組みをして何事か考えている。そんな彼に
「何を考えているんですか?」
 今までマフラーを手の中で弄びながらも黙っていたうさぎが問いかけた。
「いえ。思ったんです。話を聞く限り子供のゴブリンにしては知恵が回りすぎるのでは、と。ひょっとしたら‥‥」
 言葉にはっきりと出した訳ではないが、博士の意図したところは他の冒険者達にも理解できる。
「うん、実は私もその辺が心配なんだ」
「ええ、このマフラー、手編みでとても暖かですし‥‥ソルって編みこんであるんです。文字も読めない人が多いと聞いているのに‥‥」
 例えばウィルの街で、子供とはぐれたと言っていた親がいた。
 彼らは必死で街を、いや、街のみならず近隣の村まで捜しているという話だ。
 旅の行商人の一家が、戦乱の中離れ離れになってしまうという話も聞く。
 この世の中、その手の話は珍しくも無いのだ。
 だから、そう、ひょっとして‥‥
「とりあえず、村に行ったら良く調べてみましょう。村人達も追い出せばいい、と言っていますしね」
「ソル、という名前の子が村にいれば、その子がゴブリンにあげたのかもしれません。手荒な手段は避けられるといいと‥‥思います」
 甘いかも、しれないけれど‥‥。
 うさぎの意見は肯定された。冒険者達の笑顔に。
 
●やってきたごぶりんず。
 オレンジ色の光が村を照らす。
 陽精霊と、月精霊の交替の刻。
 がさがさがさ、ごそごそごそ。
 森の中から、ひょい、ひょいひょい、と村を見つめる小さな頭が覗いた。
 一つ、二つ。そして遅れて三つめ。
 最初に覗いた頭は周囲を見つめ、ため息を付く。
「くそ、あっちもだめだ。がっちり見張りが付いてやがる。倉庫はこれであそこだけだ‥‥」
 一つだけ、見張りの無い倉庫を悔しそうにその頭は見つめていた。
 周囲は見張りだらけでとても中には入れない。そしてその中に一つだけ見張りの無い小屋がある。
 中には山のように積み重ねられた保存食の山。
「怪しいよなあ。どうみても罠っぽいじゃないか‥‥」
 悔しげな頭に、二つ目。最初の頭より少し小さな頭が耳打ちするように近づく。
「ねえねえ、兄ちゃん。そろそろあぶないんじゃないかなあ? 本気でおいら達を捕まえるつもりなんじゃ‥‥」
「確かに‥‥な。村の連中も、なんだか最近妙にしつこいし‥‥。だけど、まとまった食い物が無いと父さんや母さんを探しにもいけないし‥‥。こうなったら夜更けに危険を承知であそこに‥‥」
 爪を噛んで何かを考えていた影は、何かに気が付いたように頭を左右に振った。
「おい! ノブは?」
「あ! いない? どこいったんだよ!」
 必死で何かを探す二人は、やがて驚きに肩を震わせた。
「あ、兄ちゃん。あそこ!」
 指差した先に、それはいた。
 精一杯、柵や壁に身体を隠して村に、小屋に近づく小さな存在。
 そして迫る黒い影。
「危ない!」
 躊躇う間もなく、彼らは草陰から飛び出していた。

「うわっ! 本当にちっちゃい、子供だあ。子爵。グリフォンは止めて! シヴァっちもそこまで!」
 ドン! 犬の体当たりにころん、と転んだ小さな影を見て、影から様子を見ていたケミカは声を上げた。
 尻餅をつき、泣き出す子供ゴブリン。いや‥‥
「ノブを放せ!」
 振り回された木の棒が空をきる。とっさに避けたケミカに寄り添うように犬は近づき唸り声を上げた。
「止めて。シヴァっち! やっぱり‥‥」
 犬を制して目の前に増えた影達を見る。最初に現れた一番小さな影を守るように、疾風の速さで現れた二つの影がある。
 一番大きなものでも、博士と同じかそれ以下の大きさ。
「大丈夫か? ノブ! 逃げるぞ!」
 中くらいの影が、一番小さな影を立ち上がらせて走ろうとする。それを、
「待って下さい!」
 柔らかい声が止めた。
 影達は後ろと、横を見て、歯を噛んでいるようだ。
 気が付けば前方のケミカに気を取られていて、退路が塞がれている。
 横には大きなグリフォンと、それに守られた存在。 
 前には犬とシフールと、小屋と言う名の袋小路。そして、背後には女性と、騎士。
「くそおっ! ノブ。アル。逃げろ!」
「兄ちゃん!」
 一番大きな影が女性に向けて地面を蹴る。木の棒を力任せに振り下ろそうとして
「うわあっ!」
 ソードシールドに弾かれた。尻餅をつくその影に、うさぎは駆け寄った。
「もう止めて。これ‥‥きみの落とし物だよね?」
 恐怖を振り払って、うさぎはそれを影に向けて差し出す。
 自らの手と一緒に、影を強く、そして優しく抱きしめる。
 棒は‥‥振り下ろされなかった。
「どうして‥‥これを‥‥。あんた達は一体?」
 月精霊の光が闇を照らす。
 そこに浮かび上がったのは、うさぎの手の中にいたのは破れた服、黒い顔。たが、紛れも無い少年の、人間の姿だった。

●はらぺこごぶりんずの真相
 目の前に積み重ねられた保存食が次から次へと減っていく。
 村から時折盗っていったとはいえ、多くは無かったであろう食料は、育ち盛りの少年達の空腹を満たすには足りなかったのかもしれない。
「ほらほら、焦らないで。ゆっくり食べないとむせるよ。ほら口元についてる」
 まるで子供を見守るような気分でケミカは一番小さな男の子の口元を布で拭った。
「なるほど、旅先でお父さんやお母さんとはぐれちゃって‥‥かぁ。盗みに入らずに村の人に言えば良かったのに」
「だって‥‥。俺達この国はじめてで、良くわからなかったんだ。助けてくれるかどうか、わかんないし‥‥」
 弟達を守ってきた兄。ソルと名乗った一番上の男の子はそう言って顔を下に向けた。
 旅から旅へいろいろな国を行商する旅の商人一家。
 彼らがこの国に来た時、丁度合戦があり、それに巻き込まれはぐれてしまったのだ、と彼は語った。
 両親がどこに向かうつもりだったかも、ここがどこか、さえも解らずにあてどなく彷徨い、倒れる寸前でこの村に辿り着いた。
 空腹で何も考えられず、手近な倉庫にあった食料に手を出してしまった。というのがこの事件の発端だったようだ。
「事情はわかった。でもね」
 子供達の目線に降りてうさぎは語りかける。
「きみがしたことはいけないことなんだよ。きみのおなかがすくように、他の人のおなかもすくの。他の人もご飯を食べなきゃ生きていけなくて、勝手にそのご飯を取っちゃったら、とっても困ってしまうんだよ」
 しょんぼりと、ソルは頭を下に下げた。
 どうやらちゃんとした道徳観念はあるようだ。自分が悪い事をしたと、ちゃんと解っている。
 うさぎはほっとしてソルの頭に手を置いた。
「じゃあ、なんて言えばいいのか解るよね」
「うん‥‥ごめんなさい」
「ごめんなさい」
「ごめんさい」
 兄の真似をして、他の子供達も頭を下げる。その様子に思わず冒険者達の頬に笑みが浮かぶ。
「まぁ乗りかかった船ね、お父さんやお母さんを探すの、手伝うわよ」
「とりあえず、ウィルのギルドに連れて行きましょう。確か街ではぐれた子供を捜す商人の噂を聞いたような気がします」
 ケミカの言葉に博士も頷いた。
「ホントに? ホントに父さんや母さんに会えるの?」
「少なくとも、ここで盗みを働いているよりは家族と会える確立はあがると思いますよ」
 肩をすくめ、ザナックも笑う。子供達がわあ、と声を上げた。
「ありがとう!」
「ただし!」
 依頼解決のその前にうさぎは、何よりも大切な事を教えるのを忘れなかった。
「村の人たちに、ちゃんと謝ってからね」
「うん!」
 
●変わらぬ空。変わらぬ思い。
「ソル! アル! ノブ!」
「「「父さん! 母さん!!」」」
「心配してたんだぞ。‥‥無事でよかった」
 最高の場面を見つめ、博士は思わず目元を手で拭った。
 ウィルの街に戻ってすぐ、子供達の親は見つけることができた。
 我が子を必死になって捜していたと、戦いと苦難を懸命に生き抜いた子供達の再会に立ち会えたことが、この依頼の最高の報酬の一つだと、ザナックは騎士らしく心に思った。
 親達はせめてもの礼と、子供達が食べた分を、と保存食を全て弁償してくれた。
 保存食を忘れたケミカに貸した分も含めてだ。
「よかった‥‥。親子が‥‥再会できて」
 うさぎの呟きが冒険者達の思いを全て代弁していた。
「本当に、お世話になりました」
「お兄ちゃん、お姉ちゃん達。どうもありがとう!」
 顔を洗い、服を着替え、笑顔を見せた少年達は本当に幸せそうで、どこから見てもゴブリンなどには見えない。
 そして、その中で一番前に立った少年の首には眩しいまでに赤いマフラーが揺れていた。
「本当に、ありがとうございました。このご恩は一生忘れません」
 ペコリ、頭を下げた少年はいきなり駆け出すと、うさぎの側に寄ってその首に飛びついた。
「キャッ♪」
 驚いてうさぎは頬を押さえた。微かに触れた唇の感触。
 走り寄った彼は、彼女の頬にキスをしたのだ。触れるだけの軽い感謝のキス。
「こら!」
 真っ赤になったうさぎの顔を見てザナックが軽く拳を上げる。
 ぺろりと下を出す男の子の笑顔は本当に少年らしくて
「アハハ」「ハハ!」「ハハハハハ!」
 見ている者達の上に満開の笑顔を咲かせた。
 
 青い空に赤いマフラーが揺れる。
 どの世界でも空は青く、人々をいつも見守っている。
 その下にあるのは家族の幸せ、小さな思い。そして眩しい光とそれに負けずに輝く笑顔。
 どこの世界でも変わらない、当たり前だからこそ大事なもの。

 それを冒険者達は救い、守ることができたのだった。