新田上杉会談
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■ショートシナリオ
担当:松原祥一
対応レベル:11〜lv
難易度:難しい
成功報酬:13 G 57 C
参加人数:3人
サポート参加人数:-人
冒険期間:01月20日〜01月30日
リプレイ公開日:2010年06月07日
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●オープニング
神聖暦一千五年一月。
ジャパン。
江戸。
松が明けて暫く過ぎた頃、冒険者ギルドに一人の侍がやって来た。
「拙者は上杉家家臣、安田長秀の郎党にて内倉兵庫と申します。卒爾ながら、是非とも頼みたい仕事がござる」
内倉と名乗った男は四十絡みの実直そうな武士だった。
「上杉家の御家中で‥‥遠い所を良くお出で下さりましたな」
応対した手代は声を落とした。
関東では源徳勢と反源徳勢の手打ちが成った。戦よりは平和が良いに違い無いが、これまでのゴタゴタは急に霧消しない。それに、いまだ天下泰平とも言い難い。
「どうぞ、此方へ」
奥に案内された越後武士が語った仕事とは、以前にギルドが関わった一件で‥。
「‥‥受けるより他に無かろう」
手代から話を聞いた江戸ギルド元締め、幡随院藍藤はこの依頼を預かった。
仕事の内容は、上野国北部に関する上杉家と新田家の領土問題の解決。
上州北部は数年前に新田義貞と戦った上杉謙信が占領し、現在も沼田を中心とする一帯は上杉家が治めている。新田は上杉に返還を求めたが、沼田には上杉家の庇護を求めて義貞に敗れた豪族達が集まっていた。特に前国主の上杉憲政は頑強に反対し、両家の交渉は進まなかった。様々な思惑が絡み合い、一時は新田と上杉の戦に発展する寸前となるが、冒険者らの活躍で事無きを得る。
その時に謙信と義貞の頭首会談にて沼田問題を決着する事が決まったのだが、その後も関東情勢は荒れ続けた為に今日まで沼田会談は実現していない。
「それを、この時期に、上杉側から是非にと頼みに来るとはね‥‥」
冒険者も困惑顔を隠せない。
関東は一応の休戦が決まったが、それも西にジャパン最大の脅威があればこそ。安祥神皇自ら親征を宣言、日本を守る為に各藩の精兵は現在、九州に赴いている。無論、上杉や新田も例外でなく、両家の将兵は今も黄泉軍と戦っている筈だ。
「領土問題なんて面倒な事は、戦が終わった後でいいじゃないか? まあ、終わった後に領土がまだ残ってたらの話だけど」
ここ数年の動乱で、世の中は様変わりした。五年前を懐かしむ者も居る。今度のイザナミとの決戦が本当に最後の戦になるかは分からない。或いは、戦乱の一区切りに過ぎないのかも。
が、それでも今度の戦は大きく、棚上げされた事柄もすさまじい。膨大な戦後処理が待っているのは確実で、沼田問題も一緒に片せば良いように思うのだが‥‥。
「だからこそ‥‥今の内に片づけておきたいのかもしれんな。下手をすれば、他の案件に押されて後回しになる可能性もある」
積もり積もった面倒は、取り扱いを間違えれば再燃する。終戦交渉ほど難しい物は無いだろう。
「或る意味、俺達が最も不得意とする分野なんだが」
「揉め事を収めるのも、冒険者の仕事と思いますが‥‥」
「部外者が好き勝手に云う方が良い場合もあれば、当事者同士で話すのが一番て事もあるもんだ。いつもいつも時の氏神とは行かねえよ」
揉めるのが見えた仕事で、今更の感もあってか冒険者達は及び腰である。
「そこを何とかお願いしますよ。とにかく、この一件はギルドで預かったんですから」
「‥‥気が向いたら、だな。それにしても頭首会談となりゃー、どう転んでも九州の戦が終わった後の話になるぜ?」
まさか謙信も義貞もイザナミを放り出して沼田には来ない。会談場所を替える手は在り得るが、どちらにしても、西の戦が一段落するのが最低条件か。
それでも構わないと、手代は両手を合わせて冒険者達に頼みこむのだった。
●リプレイ本文
今年は神聖暦一千五年だから‥‥上杉憲政が国司を務める上州にて、新田義貞の反乱が起きたのは五年前、ちょうど神聖暦一千年の夏だった。
新田氏は源氏の名門だが、義貞の代には没落していたらしい。この辺の話は、語ると長いので省く。ただ、すぐ鎮圧されると見えた乱は、次第に大きな争乱となる。それまで上州――上野国は小勢力が林立し、古くから争いが絶えぬ土地だった。新興勢力の源徳家康が関東王になり、家康に一早く臣従した上杉憲政が上野国司に就いた事で一時の平穏を得ていたのだが。
義貞が反乱を起こした頃の江戸は、御所に在る筈の神剣が江戸城の地下で発見されたとかで源平藤に安祥神皇、果ては冒険者までが参加する神剣争奪戦が起きていた。この神剣事件も、今以て不可解な点が多いが‥本旨では無いので省く。ともかくも世情不安な頃合で、家康への不信感も相乗してか義貞は快進撃を続けた。この義貞に呼応するように、北武蔵では長尾景春も挙兵したのだった。
義貞連勝の裏には、信濃から流れて来た真田昌幸や新田四天王、更には妖怪魔人の類まで噛んでいたらしい。家康統治下の江戸にはそうした話は殆ど入って来なかったが、ギルドには上州で戦った冒険者の記録も残っているので参考になるだろう。
11月には江戸で大火が在り、源徳は大打撃を被る(余談だが、江戸は世界最大級の巨大都市ながら、致命的なほど火事に弱い)。
翌冬、憲政の居城である平井城が新田軍の前に陥落。いよいよ義貞を無視できなくなった家康は上州征伐を決意、三月には大々的に馬揃えを行った。ちなみに、平井城陥落に前後して独立勢力が寡兵で当時新田の本拠だった金山城を強襲し、勝利している。主城交換の逆転現象はその後の微妙な情勢も相まってか長期化し、太田金山を占拠した勢力は一目置かれる存在となった。
家康は東国各藩へ檄を送るが、資金不足と大名達の足並みが揃わない事から、なかなか上州攻略に着手出来なかった。その間、5月には都で暗殺された虎長に代わって京都守護職に就いた五条の宮が京都乗っ取りを企んだ大逆事件が勃発。6月には下野勢が沼田城を攻めて戦果を挙げた。
情勢が大きく動いたのは10月、密かに上州を脱出した上杉憲政が同族である越後藩主上杉謙信に救援を求めた。これに応じた謙信は兵一千を率いて三国峠を超える。越後軍は新田方の支城、砦を鎧袖一触に通過し、上州北部の要、真田が守る沼田城に迫った。家康も自ら軍を発し、藤岡に代わる上州の府として義貞が転居した前橋蒼海城を目指す。
義貞の命運は尽きた。今だから云うが、筆者も当時、義貞はここまでと思っていた。さて西からも武田が上州へ攻め込む筈だったが、守護者不在の京都を憂いた延暦寺の要請で信玄は踵を返した。だが春に源徳軍にも領域侵犯され、延暦寺の横槍に不満な尾張藩は武田軍の進行を阻む。一方、五条の宮に感化された長州藩は京都に多数の藩士を潜入させて反乱の準備を整えていた。
11月、王道復古を掲げた長州藩は京都各所で決起。街に火を放ち、重要拠点の制圧を試みた。京都制圧に失敗して五条と長州軍は撤退するが、この際に勾玉を除いた神器を長州に奪われてしまう。
武田も来ず、街を焼かれて三種の神器を失くした都は大混乱に陥る。平井城を攻めていた家康は上州征伐を切り上げて京都御所に入り、事態の鎮静化を図った。困ったのは越後軍である。謙信は沼田城を陥し、上州北部の諸豪族は謙信に臣従した。源徳軍の撤兵で梯子を外された上杉軍だったが憲政らの嘆願で越後には戻らず、沼田で越冬する。この事が、三年後まで続く沼田問題を引き起こした。
そして激動の神聖暦一千二年。長州藩は筑前の太宰府を攻めて瞬く間に陥落させると、五条は安祥神皇の廃位と遷都を宣言。当然、摂政家康は直ぐにも長州征伐をと主張したが、この時の源平藤は互いに疑心暗鬼にあり、大遠征の実現は難しかった。
後顧の憂いを断つ為に家康は春に再び上州征伐を決行する。関東諸藩に加え、奥州藤原氏の伊達政宗まで動員した家康は――伊達武田上杉の裏切りに遭い、江戸を失う。世に云う華の乱である。華の乱の真相には諸説あるが、奥州の悪路王も関与したと言われ、政宗首謀説が有力である。この話も今以て謎が多いが長いので省く。なお、新田義貞の性格が華の乱の前と後で激変したとの評があるが‥‥華の乱以前の義貞自身を知る資料が非常に少ない為、今後の調査を待つ必要があるだろう。
話がだいぶ長くなったが、いよいよ核心に迫りつつある。家康を退けた関東諸侯は反源徳同盟を結ぶ。11月、三河に逃れた家康は四国同盟に対抗する術を欲し、不仲となっていた平織家との同盟に応じる。この同盟は、結ばれる筈だった。もし同盟が成っていれば、その後の歴史は全く違っていただろう。小田原は落ちず、家康は江戸に返り咲き‥‥平織は京都を手にしていたかもしれない。が、現実には運命の悪戯から決裂。源徳の江戸奪還計画は白紙となり、上州にも大きな影響を及ぼした。
華の乱の後、新田義貞は正式に上州国主となるべく朝廷に働きかけていたが、同盟者の援護があっても許可は下りなかった。しかし、同盟決裂で源徳を敵と再認識した平織が賛成派に回り、翌一千三年に義貞は悲願の上州国司に任ぜられた。
そこで浮上したのが、領土問題である。上州にはいまだ義貞に従わない者達が居た。一つは太田金山城。ただし太田勢は家康という後ろ盾を無くし、肩入れする冒険者の活動が何故か断ち切れた事もあり、恐い存在では無くなっていた。それより問題は、同盟国上杉家が占拠したままの上州北部。
義貞は謙信に沼田の返還を申し入れた。謙信は応ずるつもりだったとも聞くが、沼田で上杉の庇護を受けていた反新田方の豪族達が猛反対。俄然、沼田の周辺はキナ臭くなり、新田と上杉の小競り合いが起きた。決定的だったのは9月に起きた赤城砦の全滅。沼田を見張る新田方の砦の守備兵が壊滅し、新田と上杉の全面戦争が起きかけた。
冒険者らの働きにより、寸での所で戦は回避され、沼田問題の決着については上杉謙信と新田義貞の首脳会談が約される。――しかし、三河との講和交渉は決裂し、源徳家康が乾坤一擲の勝負に出たことで実現せず。昨年、神聖暦一千四年は日本中に戦国の嵐が吹き荒れた。東国のそれは家康という巨大な台風を中心とし、上杉も新田も領土問題どころでは無かった。
神や悪魔まで現れ、地獄の蓋まで外れた驚天動地の戦いは‥‥今現在も続いている。その決着は、分からない。ただ、当初は直ぐ終わるものと思われながら、五年に及んだ上州騒乱に、一つの区切りを付けようと、ここに冒険者が呼び集められたのである。
「我らは神皇軍に加わる所存」
言われた内倉兵庫は、固い表情で頷いた。
「何卒、よしなに」
兵庫は戦支度を整えた3人、グレン・アドミラル(eb9112)、イレイズ・アーレイノース(ea5934)、グレイ・ドレイク(eb0884)を交互に見つめ、改めて頭を下げた。
「ともあれ義貞様と謙信様にお会いして、遠征の後に京都で会談を行って頂けるよう、お頼みするつもりでおります」
イレイズは三人で討ち合わせた話を説明し、内倉は異論の無い様子で、グレンに沼田の資料を渡して帰っていく。資料をめくり、グレンは口を曲げる。中身は上州北部の近況などである。
「うーむ」
侍に成ったグレンだが、生粋の武辺者であり、学問に暗い。
「どれどれ」
神皇軍に合流する道すがら、ジャパン語に堪能なイレイズと貴族の心得を持つグレイの助けを借りて、何とか資料に目を通した。
「これを見ると、憲政殿はまだ上州を諦めていないようだな」
報告書に混じり、前国司の密書の写しが入っていた。憲政は半ば公然と新田打倒を訴え、上杉家も持て余し気味との噂もある。
「死ぬまで諦める事は無いでしょう。それが領主というものですから。会談には、憲政様の参加も願うつもりです」
「土地問題はどこの国も変わらんな。悪魔と戦うより百倍も厄介だ」
イレイズが生真面目な口調で言うのを聞いて、グレイは肩をすくめた。三人は、新田の録を食むグレンを含め、領土問題の中身をあれこれと勘考する事は控えていた。その分、別の事を気にしていた。
上杉軍本陣。
黄泉軍や第六天軍との戦に消耗する神皇軍にあって、機動力を買われる上杉謙信は馬車馬の如く奔走していた。小休止する上杉軍に追いついたグレイとイレイズは、謙信に頭首会談の場所変更を願い出る。
「不可解な」
両名の話を聞いた謙信は首を捻る。
「わしは義貞殿と何を話すのか?」
戦後のジャパン政権(もしかしたら、それを率いるのはイザナミや第六天かもしれない)が上州にどんな仕置を行うかは不明だが‥‥いずれにしても、朝廷の沙汰を待つならば、その後で沼田問題解決の為の頭首会談は不要だ。
「しかし」
「お主達を責めておるのではない。元はと言えば、わしが悪い」
安田長秀が窮して内倉をギルドに遣わしたのは、冒険者を頼る事を好まない謙信への当て擦りとも取れた。
「この期に及んでは是非も無いな。イレイズ殿、グレイ殿の言に従おう」
謙信は沼田問題を朝廷に委ねる事を決め、義貞にもその事を伝えるよう手配した。合わせて、沼田問題の証人や証拠を都に集める算段も行う。
新田軍本陣。
「叶うならば、謙信殿のように戦いたいものだ‥‥」
征西と関東休戦が決し、諸侯の軍は征西の準備を進めていたが新田軍の準備は捗らない。義貞の足を重くしたのは、所領問題だった。
「領地うんぬんも確かに大事だが、まずは戦に勝つことだ。生き残らねば、所領どころでは無かろう?」
最も多くの領土紛争を抱える伊達政宗は、さっさと江戸を離れて千葉に移っていた。伊達は下総で友好な関係を築いていたから、短期間であれば問題は出ないか。源徳側も今、伊達と揉めるは得策でないと牙を隠している。代わりに槍玉に挙がったのが新田である。源徳衰退の大本を作ったのは新田との見方もあり、本多正信も義貞には優しく無い。
「新田は名族故、名は残すが上州は返して貰う」
口には出さぬが、源徳軍は最低でも上州は諸侯で分割と考えているように思えた。
休戦、和睦と言っても、昨日まで殺し合っていた仲である。緊急措置、仮初の平和と誰もが認識していたから、足並みが揃う道理はない。相互に警戒しあうのは仕方無かった。
「我が新田軍は関東有数の精兵でござる。今、全軍で諏訪の防衛に動かねば勝機を失いますぞ」
「いや、まずは周辺国と約定を交わし、和睦を確かなものにするが先決じゃ」
「馬鹿な、周りが見えておらぬ」
「兵は国を守るものなれば、余力なくば派兵出来ぬも道理‥」
新田軍が各地で転戦する間、太田金山城を中心とする反新田勢は上州でゲリラ戦を展開し、兵糧を焼くなどしていた。或る意味では、混沌の江戸以上に上州は不安定な状況にあり、義貞は多くの兵力を上州に戻したまま動けない。
「グレン、朝廷の沙汰を待って会談を行うのでは、先日の江戸の合意と逆になるな」
そんな中、前橋に戻ったグレンは義貞に沼田問題を切り出す。
関東の領土問題については、領主の合議を尊重した上で、朝廷の裁可にて解決する旨を先日の江戸講和にて決した。昨今の乱れた風潮を正し、皇藩体制の基本を見直したとも見えるこの動きに対し、まず朝廷の沙汰ありきのグレンの進言はまた別の景色だった。
「御上も多忙だ。我らの間で良く話し合った上で、裁可を仰ぐが筋ではないか」
「しかしながら」
グレンは頭を低くしつつ、主君に抗弁した。
「他領は知らず、我が新田家は一昨年に諸侯の仲間入りをしたばかりの新興国。領主同士の合議では、国を割る事態となるは必定にござれば。上野にこれ以上の戦乱を起こさぬ為にも、朝廷に頼むより他はございませぬ」
自力で解決出来ないと暴露するに等しく、朝廷の裁きが公正とは限らない。が、泥沼にはまっていた義貞は感心を示す。
「‥‥左様。相手があの上杉ならば、朝廷に丸投げするのも悪い話ではないでしょう。下手をすれば朝廷に使い捨てにされますがな、これで諏訪進軍の大義名分が立ちます」
義貞の相談を受けた新田の副将、真田昌幸はこの案を歓迎した。
そして上杉からの連絡を受け、新田の沼田問題は朝廷に預ける事となる。
内倉に顛末を報告したイレイズ、グレン、グレイは、それから暫く上州に留まった。
「サブナクの居所を吐いて貰おうか」
三人は新田軍の術師の力を借り、以前に別の冒険者が捕まえて石化封印していた悪魔の尋問を行った。
「‥‥‥いいぜ、何でも話してやらあ」
悪魔は彼が知る上司の隠れ家3か所を教えた。ついでに新田軍と源徳軍の将兵の汚職や犯罪、知られたくない個人の秘密を11件教えた。
「どーだい、悪魔ってのは便利なんだぜ」
イレイズ達はサブナクの隠れ家を強襲した。3か所とも、怪しい人物が住んで居たのは確からしいが、随分前から姿が見えないという。捕えた悪魔の話では、サブナクは魔王マンモンの要請でジャパン侵攻に参加した指揮官の一人だという。サブナクが選ばれた理由は、彼がジャパンの古代遺跡に精通していたからで、とりわけ関東に残る遺跡に執着していたらしい。その理由までは、下っ端悪魔は知らないようだが。
「なんで、お偉方は揃いも揃って、こんなちっぽけな島国に執心なのかねぇ」
虜囚の下級悪魔は良く喋った。関東の戦で、悪魔はどの大名に加担していたのかと尋ねると、知らないと答えた。どの大名にも下っ端は居たような気がするが、大悪魔達がどんなゲームを行っていたかは分からないという。知能は高く無かったが、それでも人間とは比較にならない長命であり、知識は莫大。人を誑かす術に長けていたので、程なく処分された‥らしい。
三人の冒険者は警戒を続けたが、義貞と謙信を狙ったサブナクの襲撃は起こらなかった。元々襲撃計画が無かったのか、運命を変えたのかは、定かではない。
新田と上杉から沼田の裁定を頼まれた朝廷は遠征の後に調査を始めるようである(生き残れば、だが)。それも相当な時間が掛かりそうだ。道のりは遠い。