真夏の妄執
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■ショートシナリオ
担当:松原祥一
対応レベル:7〜11lv
難易度:難しい
成功報酬:4 G 13 C
参加人数:8人
サポート参加人数:2人
冒険期間:08月15日〜08月20日
リプレイ公開日:2005年08月24日
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●オープニング
江戸八月、風の強い日だった。
冒険者長屋もある秋葉町で、大きな喧嘩があった。
「おーおー、派手にやってるなぁ」
「どっちも負けるなよ!」
「助っ人一両でどうだ?」
野次や声援が軽快に飛んだ。昨晩に起きた小火騒動で、現場に駆けつけた火消し同士がいざこざがあったらしい。一晩空けて、顔を見た途端に取っ組み合いである。
火事と喧嘩は江戸の華と云う。
殊更に江戸に喧嘩屋紛いのガラの悪いのが多かった訳ではなく、火事の多い江戸で、火事場に喧嘩が付き物だったという話だ。無論、火事も喧嘩も歓迎すべき事では無いが、くよくよしても良い事は無い。だから江戸の華と言っておく。
喧嘩を見物し、それから冒険者ギルドを覗いた冒険者は馴染みの手代が若い娘と話しているのを見た。
「あま‥‥の刀ですか?」
「そう。どうしても必要な物なんです。こちらで探して頂けないでしょうか」
探し物の依頼らしい。手代は渋い顔で、見当が付かないといった返事をした。
(「ちっ‥‥」)
何気なく聞いていた冒険者は心中で舌を鳴らす。付くか付かないかは俺達が決めるから仕事を回せと、喉まででかかった。最近、暫く依頼を受けていない。
娘は本郷のどこそこに住むと連絡先を教えたが、手代は期待しないようにと娘に言った。涙を流すようにしてギルドを出て行く娘の横顔が印象に残った。
ギルドの片隅で、依頼にあぶれた学者風の者達が話をしていた。
「この世には霊剣、神剣と呼ばれるモノが数あるが、一番は何であろう?」
「魔剣と云えばフランクであろう。中でも王の剣は敵う者無しと聞くが」
「いやいや、イギリスはアーサー王のエクスカリバーに勝る宝剣はあるまい。何しろ、伝説でなくアーサーを王にしたのだからな」
「見当違いのことばかり云いおって。ジャパンで神剣と云えば畏れ多くも神皇様の草薙の剣を置いて他に無いわ。良いか、かの素戔嗚尊が八岐大蛇を成敗した折‥‥」
この手の話はお国自慢になるので、決着など付く筈も無い与太話である。そもそも冒険者達は大体現物を持った事が無いのだから比べられる道理が無い。
「‥‥」
どこかで見たシフールが冒険者達を一瞥し、彼方に飛び去っていった。
「おい!」
‥‥一体、いつになったら依頼の話になるのかと焦れて冒険者の一人が立ち上がった。
手代が仕事があると云うから来て見れば、待たされるばかりで一向に仕事の話にならない。
「すみませんねぇ、近頃どうも変でして‥‥」
汗を拭きながら漸く手代は冒険者達の前に座った。少し疲れている風である。
「手代さんも、夏バテなんじゃないの」
「うーん、盆は休ませて貰いましょうかねぇ」
咳払いを一つして、手代は持っていた依頼書を冒険者の前に広げた。
「死人憑き退治です」
冒険者達の落胆は大きかった。
散々待たされた挙句に、死人憑き退治とはあんまりだと大げさに天を仰ぐ者もいた。
「死人憑きはお嫌いですか?」
真顔で聞く手代。好きな人は居ないだろう。嫌われ度の高さは、死人憑き退治の後に直ぐ飯が食えたら一人前と云われる事もある程である。しかも夏場はキツイ。
冒険者の中には京都で亡者退治をしてきたばかりの者もいたから、またかという印象は強い。
「そこまで云われるなら、この依頼は別に回しましょう。‥‥実は既に一度冒険者を送っているんですが、ただの死人憑きでは無いようで、やられてしまったんですよ。今回は厳選しなくては此方の面子にも関わりますしね」
手代の口調は淡々としていた。
「‥‥おい」
やられたの意味を聞く。一名も戻ってこないという。
「考えさせてくれるか?」
●リプレイ本文
●刀
「武器はただただ武器でしかありません、その武器の価値を決めるのは結局使い手次第だと思うのです」
白髪朱眼の少女の言葉。
ただ当たり前の事を言っただけだが、何故か頭に残った。
「あのー‥‥すみません、人違いでした」
金髪碧眼のまるで西洋人のような少女忍者、丙荊姫(ea2497)はギルドで人を捜した。本来なら直ぐに依頼の現場に向うべき所を、残って先日見かけた女を探した。
先に出発する仲間に旧知の者が居て、荊姫は過日のお礼を言った。
「何だ?」
「この簪‥‥長らくお待たせしたお約束、漸く果たす事が出来て嬉しいです」
白い頬をわずかに上気させて、少女は赤い長髪の浪人を見上げた。
「‥‥そうか、有難うよ。所でお前さんは一緒に行かないのか?」
「あたしは少し調べたい事がありまして。でも、すぐに追いつきますから」
少し考える顔になり、貴藤緋狩(ea2319)は荊姫と残る事にした。体の弱い荊姫が単独行動というのも捨て置けないし、久しぶりの戦いの依頼で勘の働かない彼は仲間に合わせる事を考えていた。
半日ほどして、先日の女性がギルドに現れる。
「何度来られても、江戸であまくにの刀を探すなんて無茶でございますよ」
「ん?」
手代の言葉に、奥で茶を飲んでいた緋狩が反応した。見れば荊姫がその女性に近寄って、何事か話しかけている。
「先ずはお話を聞くだけでも。少々お疲れ気味の手代が付けた見当‥勘が鈍っておられるかも知れません」
「聞こえておりますよ」
手代が憮然とした表情を向ける。荊姫は笑顔で振り向く。
「手代さん、あまくにの刀というのはそんなに見つけ難い物なんですか?」
「それは何しろ伝説の名工ですからねぇ。これぞ天国(あまくに)の刀と言えるのは神皇家の小烏丸だけという話ですよ」
相当に珍しい品物らしい。女の力になれないかと思っていた荊姫も表情を暗くした。女の話では彼女の想い人を助けるのに天国の刀が必要らしいのだが、手代の言うように無理な注文なのだろう。
「ふーむ」
聞くとも無しに聞いていた緋狩は不思議な話があるものだと唸り、手代と女達に近寄った。
「少し話を聞いてくれるか?」
学者先生達の話に触発されて考えたが、剣にまつわる伝説なぞ実際に剣を手にする戦士には何の足しにもならんよな。手放したくなくなる程良いものなのだろうか。
先日手に入れた太刀は確かに扱いやすい。だがそれだけだ。俺自身の技量が上がるわけではない。力を持つ物を手にしたところで、それを手放せばなくなってしまうなら、浮かれる事なぞ出来ない。
「?」
皆は緋狩が何を話しているのか分からない。
「もし俺の武器を欲しがる奴がいたら、くれてやろうと思っている」
この時の貴藤緋狩は、まるで魔法使いだった。
●死人退治
「死人憑き‥‥か。さて、若手がやられてしまったようだが‥‥強敵、か」
「1体の死人に6人の冒険者が敵わない、きな臭いですよネ」
騎馬の鋼蒼牙(ea3167)と赤霧連(ea3619)はこれから向う先の事を話していた。
「その若手の事も少し調べましたが、油断できない敵であるのは間違いありませんね」
闇目幻十郎(ea0548)は徒歩で騎馬達と並走する。韋駄天の草履のお蔭で表情に疲れは見えない。
「おい速過ぎるぜ。後ろから来る奴らもいるんだからそんなに急ぐなよ」
馬も魔法の靴も無い伊達正和(ea0489)は汗だくで仲間に付いて行く。本番前に体を温めるのは伊達の望む所だが、ヘバってしまっては意味が無い。
「早く着けばそれだけ近隣の聞込みに時間をかけられます。伊達さんは荒事担当なのですから、ゆっくりと来られても大丈夫ですよ」
「はぁ、そんな事しなくてもよ、廃寺一帯を焼き払えば楽なんじゃねえか?」
「聞き捨てなりませんね。火付けは大罪ですよ?」
女志士の神薙理雄(ea0263)は淡々と返した。火事の多い江戸、ぼや同然でも極刑は珍しく無い。
「本気じゃねえさ。ただな、正面から力押しで勝てる相手か分からねえだろう?」
「‥‥なるほど。私はてっきり今から言い訳を考えておいでなのかと‥‥失礼を致しました」
「ひでぇな。まあ俺の戦い方を見とけ。人呼んで江戸の紫龍、口先だけの漢じゃないぜ」
伊達の言う通り、彼を含めて今回のメンバーは手錬れ揃いである。若手を屠った難敵と言えど、彼らの実力なら決して倒せぬ事は無い筈であった。それでも慎重に慎重をと冒険者達は思っていた。
「話を戻しますけど、私は死人憑き以外に誰かが絡んでいると思うのです。例えば、死人憑きを倒す武器を所有する冒険者を誘き寄せるとか‥‥考えすぎですネ?」
連は同意を求めて左右を見る。自分より実力者の仲間達に不安を払拭して欲しい。
「‥‥考えられぬ事では無いな。連殿の得物は但馬国光であろう。理雄殿の持ち物はあの呪いの小柄、私も今回は色々と用意してきたが、歴戦の冒険者一人の身包み剥げば倉が建つほどの宝が手に入ろうな」
涼しげに答えたのは志士の白河千里(ea0012)。名声では今回の冒険者で一番だろう。
「そんな‥‥こんな所で恐がらせるのはナシですよ?」
連はぶるぶると首を振った。冒険者と言っても生身の人間、恐い物は恐い。
「夏に怪談は付き物だぜ」
一抹の不安を連れて、一行は死人憑きを目撃した村に辿り着いた。
「‥‥」
千里は、死人憑きとは何だろうと考えていた。
京都で黄泉人と対決した彼は嫌と言うほど実物を見てきたが、死人憑きの事を理解して戦った訳では無い。見た目はただの死体だ。時々思う。自分が切り倒した死人憑きは、本当に死んでいたのかと。
「完熟の死人憑きもそれは嫌なものだが、死にたてはまた別に嫌なものだ。生きているかと錯覚する、またあの目がな、生者全てを憎むかのような嫌な目をするのだ」
亡者の念、それを体感してきた冒険者達は真夏の夜に言いようのない寒気を感じた。
「夜に戦うのは得策ではありません。作戦決行は仲間が合流した後、日向のうちに」
幻十郎は昼間の戦いを進言し、また忍びとして自分が偵察に向うと言った。
「異存はないッ俺は鍛錬してるから時間が来たら呼んでくれっ」
適当な空き地を見つけて正和は死人戦を想定したイメージトレーニングを始める。蒼牙も正和に付き合った。聞込みは千里、理雄、連の3人が中心になる。
「予想はしていましたが、死人憑きの出現がこの村の気を澱ませているようです」
村の様子を一通り見た理雄は荷物を混ぜ返して踊りの用意を始める。
「何をするの?」
「大した腕ではありませんが、勝利を祈る舞を舞わせて頂こうかと‥‥この村の穢れを祓う一助とはなりましょう」
巫女装束に荷物から取り出した飾りをつけて立つ理雄はもう冒険者には見えない。神楽の巫女であった。
村に死人憑きが出た事は退治されても穢れとして村人の記憶に留まる。それを祓うのは、神仏に仕える者達の役割だ。
理雄の舞いに釣られて出て来た村人達に、連は先に来た6人の事や死人の事を聞いた。
「今度は大丈夫なのかね? 前の人達も心配ないって笑顔で出かけていったんだよ」
「私達は必ず勝ちます! 絶対に絶対ですッ」
握り拳を固めて子供のように断言する連。その真っ直ぐな瞳に村人は困惑する。
「信じても、いいのかい?」
「大丈夫ですよぉ。私の仲間はみんな、強ーい冒険者ですから」
「まぁ、お嬢ちゃんがそんなに言うなら‥‥」
連に断言され、村人はぎこちない笑顔を浮かべた。
「可愛いなんてお世辞をいっても何も出ませんよぉ♪(背中をバシバシ)」
言ってません。
ともあれ、村人達は冒険者達を信用して知っている事を話し始めた。
先に言った六人は出発前に聞いたギルドの手代の話と村人の聞き込みに相違点はなく、巨人の侍一人、浪人二人、エルフのウィザード一人、僧侶一人、忍者一人の編成だったそうだ。
同じようにこの村で聞き込みをし、廃寺に死人憑きが一体と聞いて、冒険者達は楽勝だと請け負って出かけていった。村から廃寺までは約3時間の距離、所が一晩過ぎても二晩過ぎても冒険者が戻らない。心配になって村人が数名、廃寺に言ってみるとまだ死人憑きがうろついていた。
「待った。その死人憑きはどんな姿をしていた?」
「それはもう、肉の腐った死人で‥‥恐ろしい姿でございました」
千里の質問に、怯えつつ村人が答える。
「‥‥6人の冒険者には似ておらなんだか?」
「は? と、とんでもねぇ。冒険者に、に似てなどおりませんでした」
村人の答えに、千里は安堵するように息を吐き出した。
「それならば良いのだ」
重ねて、過去に同様の事件が起きた事は無いかと聞いたが、特に目ぼしい話は無かった。古い村のようで幽霊話は幾つか聞けたが、今回と関連は見えない。僧侶が居れば別の見解を示したかもしれないが。
話を聞いてその日は休み、一夜が空けると貴藤と丙も合流した。
「では行きましょう。村人の話では元同業者と戦う可能性は薄いようですが、油断は禁物ですよ」
偵察をしていた幻十郎が仲間を先導した。
「寺はどうだった?」
「村人の話の通りです。死人憑きが一匹うろついていました」
「‥‥変だな」
「変です」
●死者と冒険者
「寺はもうすぐですネ。持てる力の全てを使い、死人憑きに立ち向かいましょう。私はオーラを使えぬ故、どこまで力になれるかはわかりませんが‥‥」
廃寺を目前に連が言うと、オーラエリベイションを使っていた蒼牙がかぶりを振った。
「そいつは心得違いってやつだな。ちょっとこっちに来い」
連が近づくと蒼牙は彼女の華奢な手を掴んだ。
「え」
「ん、違った」
一度手を離し、連の薙刀に触れてそのまま目を閉じて気を練る。
「‥‥ん。いま、俺の生の力をお前に渡した。分かるか?」
「え、ええと何となく」
実際にはオーラパワーに手応えは無いに等しい。薙刀で殴ってみれば分かるが‥。
「つまり、そういうことだ。俺の力は仲間と戦う力だ。オーラを使える奴だけが戦うんじゃない。俺が戦えるようにしてやる」
蒼牙は自分に掛ける暇があれば、先に仲間にオーラをかける。自分にかけてから仲間にかけるよりその方が効率が良い。信じられる仲間が居なければ出来ない事だが。
「剣の方は自信がないんでね、俺の分も前で頼むぜ」
他に緋狩の霞刀にオーラをかけた。その間に、千里が己の小太刀と正和の刀にバーニングソードを付与したり、理雄がライトニングアーマーをかけておいた。
準備が出来て廃寺に入ると、そこに待ち構えたように五体の武装した死者が立っていた。
「罠‥‥か?」
「どうして悪い予感ってのは良く当たるんだか」
戦闘開始の合図となったのは正和の真空剣。
「くらえ、陸奥流・風切りの太刀っ」
炎を纏ったソニックブームが刀を持った浪人らしい死人に直撃する。
「‥なんだと!?」
正和の一撃は浪人の死者に殆どダメージを与えない。
「下がれ! 俺のオーラをかける」
蒼牙が正和を呼んだ。毎度感じる事だが、死人憑きの耐久力の高さは脅威だ。
「代わりは俺が」
鳴弦の弓を装備していた緋狩は前衛を補う為に弓を落として、霞刀を抜いた。
前衛を千里、理雄、幻十郎、連、緋狩の五人にしてそれぞれ死者を止める。
オーラ使いの蒼牙、手裏剣に縄をつけて縄ひょう代わりにした荊姫が後衛だ。
死者は特徴から先の六人のうち、エルフのウィザード、浪人二人、巨人の侍、僧侶と思えた。
「させません」
死者のウィザードが何事か詠唱するのを見て、理雄はウィンドスラッシュを唱えた。
「ファイヤーボムだ!」
自身も炎の精霊魔法を使う千里が仲間に警告する。理雄の魔法が先に完成し、風の刃が死人を撃つが死者は詠唱を完了する。火球が飛び、炎の爆発が冒険者を襲った。
ファイヤーボムと聞いて退いた後衛は無事だったが、前衛と死者達は爆発をもろにかぶった。
巨人には緋狩が、浪人にはそれぞれ幻十郎と連が、僧侶には千里が付く。
「緋狩、もう1本はどうした?」
二刀流の筈の緋狩が一刀のみを構えている。
「くれてやった」
巨人の野太刀を緋狩は霞刀で受け流し、出来た隙に踏み込む。巨人は鎧を着ていたが、鎧の隙間に霞刀を突き立てた。刀のオーラが死体を動かす力と反発するように、死者は苦悶の叫びをあげた。
「若手にしてはやる。生きていれば、ひとかどの侍になれたかもしれぬな」
一撃の心配はあるが緋狩は巨人を圧倒した。理雄は接近してエルフを封じ込め、千里は腕を伸ばす僧侶の死者を相手に善戦している。そして。
「‥つっ」
連は死者の浪人と互角の戦い。薙刀で斬られるのを構わず、踏み込んで斬りつけて来る相手は戦い難いが、後ろから蒼牙がオーラショットで援護した。
しかし、もう一人の浪人の相手をしていた幻十郎がいつのまにか地面に倒れている。
「つ、強い‥‥?」
幻十郎は浪人の攻撃をオフシフトで避けたつもりだった。しかし、予想以上の太刀筋で腹を切り裂かれる。
「よっしゃぁ、これで奴を斬れるッ行くぜっ」
止めを差される所を、刀にオーラを付与された正和が窮地を救った。荊姫も援護に回るが、手裏剣の縄を断ち切られる。強さが他の死者とは違った。
正和も劣勢になるが、他の死者を倒した仲間と協力して倒した。死者を全て打倒した時には冒険者達も満身創痍だった。
「刀はどれも鈍らか」
「‥‥」
浪人が気になった闇目は上等な服を着ているのに気付いて持ち帰った。ギルドで報告すると、手代は難しい顔をして、冒険者の治療費を出してくれた。
その後、手代は荊姫と緋狩だけを残した。
「これをお返しいたします」
手代は緋狩が女に渡した刀を彼に返した。
「どういう事だ?」
「‥‥」
お七という女性が火付けの罪で捕まったと話を聞いたのはそれから暫くの事だ。
合縁奇縁は世に数知れず、冒険者の好奇心から物語は転がった。それは別の話で語られる事となるだろう。
ひとまず、勝利し生還した冒険者達には休息が必要だ。