隊商護衛 峠を走る影

■ショートシナリオ


担当:美虎

対応レベル:1〜3lv

難易度:やや難

成功報酬:0 G 71 C

参加人数:8人

サポート参加人数:-人

冒険期間:08月27日〜09月02日

リプレイ公開日:2004年09月04日

●オープニング

「これなんかどうかな? 護衛の依頼」
 冒険者ギルドの受付口、受付担当者はにこやかに言った。
「荷物を運ぶ隊商を護衛する、単純明快な仕事なんだけど?」

 依頼人は大商人というほどではないがそこそこの規模の流通商人。護衛するモノは馬車二台分に載せられた商品である。
 期間は町から町へ移動する間。急げば一日で踏破できる道のりだが、商品を破損させないように気遣わなければならないので、途中で一泊する必要があるだろう。
 道は少々寂れた一本道で、森の中と険しい峠を通るそうだ。
「今までは森に住む野生動物に気をつければいい程度だったんだけど、最近この道筋にモンスターがすみついたらしくってね。実際に襲われた隊商の人は、『ゴブリン』だって言っていたよ」
 目撃証言でそのモンスターは、人と同じ体格に犬の頭。皮鎧を装備していて、剣と棍棒を‥‥

 ‥‥あれ?
 犬の頭をしたモンスターは確か、コボルトだったはず‥‥?
 首をかしげる冒険者たちに、受付担当者はハタハタと手を振って。
「話にはまだ続きがあるから」

 その日も依頼人が所有する隊商はゴブリン(仮)に襲われていた。
 何度も何度も商品をダメにされた従業員は相当頭にきていたよう。「まったく襲われない隊商もいるのに、何でいつもいつも自分のところばかり!」ってね。
 食われてもいい! 一矢報いてやる! と、彼は手近にあった塩漬けのツボを、力いっぱいゴブリンの頭に投げつけた。
 見事命中!
 その時、ゴブリン(仮)は思わずこう言った。

「『痛い!‥‥でゴブリン!』って」
 ‥‥‥‥‥‥。
「ちなみにゲルマン語だったって」
 ‥‥‥‥‥‥。
 ‥‥‥‥‥‥。
 ‥‥‥‥‥‥。
 いや‥‥それ、本当にゴブリン‥‥なのか?
 ギルドの受付担当者はひとしきり笑ったあと、真顔になって。
「とにかくこの『ゴブリン』に隊商が襲われるのは事実なんだから、くれぐれも気をつけてね」

●今回の参加者

 ea1888 アルベルト・シェフィールド(35歳・♂・ウィザード・人間・ノルマン王国)
 ea2448 相馬 ちとせ(26歳・♀・志士・人間・ジャパン)
 ea3852 マート・セレスティア(46歳・♂・レンジャー・パラ・ノルマン王国)
 ea4739 レティシア・ヴェリルレット(29歳・♂・レンジャー・エルフ・フランク王国)
 ea4954 リースト・オーストラフ(20歳・♀・ファイター・エルフ・ロシア王国)
 ea5225 レイ・ファラン(35歳・♂・ファイター・人間・イスパニア王国)
 ea5950 チャミリエル・ファウボーラ(17歳・♀・ナイト・シフール・イスパニア王国)
 ea6056 トパッシュ・ロイス(33歳・♂・ナイト・人間・ノルマン王国)

●リプレイ本文

●町の噂
 木漏れ日の中、険しい峠の道を二台の馬車が進んでいく。
「世の中には回りくどい方法をとる人もいるものだね‥‥あ。いや、相手はゴブリンだったね」
 軽く肩をすくめるのは、馬車の左を歩くリースト・オーストラフ(ea4954)。
「『痛い!‥‥でゴブリン』ってのは、どう考えても‥‥」
 苦笑しながら進むレイ・ファラン(ea5225)は、隊商の前方に注意を払う。
「とにかく‥‥荷物は守らなければなりませんよね‥‥」
 姿勢のいい相馬ちとせ(ea2448)が生真面目にうなづく。
「早く戦闘にならないかね〜っと」
 レティシア・ヴェリルレット(ea4739)はハナ歌まじりに持参の毒物をなでさする。ゴブリン(仮)と言いつつ用意した麻痺毒(弱効性)が人間相手の分量と同じなのは、おそらく偶然なのだろう。
 『ゴブリン(仮)は人間だ!‥‥たぶん』というのが、一同の見解であるようだ。

 時間は少しさかのぼる。
 集合地にギルドが指定したのは、依頼人が所有する流通の中継地だった。
 立ち並ぶ倉庫。いななく馬。荷物を馬車に運び入れ、あるいは運びおろす従業員たち。
 護衛する隊商に声をかけてみると、荷物を積み終えるまでもう少しかかるとのこと。そこで冒険者たちはこの間に情報を集めることにした。
 中継地に依頼人はいなかった。すでに受け入れ先に赴いているらしい。
 かわりに襲われた従業員がいたので話を聞いた。
「どんな場所で襲われたのかな?」
 と、マート・セレスティア(ea3852)。
「ん〜‥‥森の中に急に薄暗くなるところがあるでしょう? 確かあの時もそんな場所で‥‥」
 いきなり黒い影が飛び出し、奇声を上げつつ馬車へと押し寄せてきたのだと従業員は言う。
 大げさに馬車の周りで騒いで従業員をひきつけている間に、別のゴブリン(仮)がこっそり馬車の中に忍び込んで商品を蹴散らかすそうだ。
「何もとらないのか?」
 と、レイ。
「あ。いわれてみれば‥‥」
 壊すだけ壊したゴブリン(仮)はその後、後ろも見ずに逃走するらしい。
「まったく襲われない隊商がいるみたいだけど、仲いいいの?」
 と、レティシア。
「まぁ、羽振りがよければ、ねたみもありますからねぇ」
 あまり友好的ではないようだ。
「ここ最近、誰かに恨まれることは? その商売敵とかは?」 と、リースト。
「恨みといわれても‥‥あ。いや、そういえば、その隊商を取り仕切っている商店の旦那が昔、うちのだんな様と奥様を取り合ったとかなんだとかって‥‥」
 雑談好きの従業員の話を簡潔にまとめるとこういうことらしい。
 このあたりには依頼人と同じぐらいの規模の商売敵が存在する。
 扱う品揃え、手がける地域、その勢力もほぼ同じため、何かにつけてよくぶつかっているそうだ。
 なぜその商人だけ襲われないのかと聞いてみると、「日ごろの行いだよ」とうそぶいているそうだが‥‥胡散臭い話。
「となるとやはり商売を邪魔するために雇われた人間、というところですかね?」
 育ちのよさそうな風貌を若干しかめて、トパッシュ・ロイス(ea6056)。
「とりあえず捕まえるところからかな。でないと話が進みそうにない」
 憶測はいくら重ねても憶測でしかない。アルベルト・シェフィールド(ea1888)は苦笑した。

●峠の道
 のどかな峠の道を中ほどまで登ったところで、偵察に出ていたマートが戻ってきた。
 馬車によじ登ったマートは、「何もなかった〜」と馬車の中に倒れこむ。
「襲撃の予想地点を三つほど調べてみたんだけどね〜」
 マートは子供のように唇をとがらせた。
「元からいなかったのか、感づかれたのか‥‥」
 レイはつぶやく。
 獣ならばともかく、相手は(たぶん)人間である。見えるだけでも常時5人の冒険者が、偽装もなく馬車の周りを警戒している状態を見ればうかつに手を出してこないだろう。
 さらに峠を登りきったところでチャミリエル・ファウボーラ(ea5950)の馬が戻ってきた。
「つかれた〜! 気配もわかんないし、誰も襲ってこなかったよ〜」
 と、馬。
 正確には馬に載せられたバックパックの影に隠れたチャミリエルの言葉なのだが、ぱっと見には馬がしゃべっているように見える。
 彼女は囮として馬車の前を先行して歩いていたのだが、よくよく考えてみればゴブリン(仮)の狙うのは馬車の荷物。馬ではない。
「偵察もしようとしたんだけど‥‥人の気配のある方向に向うっていうのは、ちょっと大雑把すぎたかな?」
 確かに。
「あ、そだ。あのね。この先にぽっかり森が開けた場所があったんだ。今日の泊りの場所かなって思ったんだけど」
 チャミリエル尋ねると、御者の人は「そうですよ」とにこやかにうなづいた。

 夕食の準備は隊商の従業員がしてくれた。
 アーモンドを砕いて入れたバターをそえたライ麦パン。塩漬けブタとキュウリのスープ。ちょっと熟れすぎた旬も終わりの黄桃。
 日が暮れると早々に、馬車の御者と従業員たちはテントに入って眠ってしまった。
 アルベルトとトパッシュ、マートは馬車の中、守るべき商品のすぐ側で眠りについた。
「藁のベット!」
 緩衝材のワラの上でピョンピョコ飛び跳ねていたマートが、うっかりツボの一つを落としかけたのは秘密である。
(余談であるが、緩衝材であるワラをいつもよりたくさん馬車に敷き詰めてもらうように頼んだのは、チャミリエルだ。ちなみに彼女は愛馬グランガランの背中でグッスリ就寝中)
 それ以外の冒険者たちは焚き火を囲み、万一に備えて警戒を続けた。
「今夜は新月だったかな?」
 見回りから焚き火にもどったレイが、月のない星空を眺めながらほんの少しだけ笑う。夜空を眺めるのが好きなのだ。
 それでも忍び寄る睡魔にあくびをかみ殺していると、向かいに座っていたリーストがそっけなく言う。
「少し休むといい。私たちが起きているから」
 彼女と同じく徹夜に強いちとせがほほ笑んで同意した。
「見張りが二人だけというわけには‥‥」
「なら次の見回り時に起こすよ」
 苦笑するリースト。
「あ。俺も俺も! リーストちゃんになら、起こしてもらいたいな〜っと」
「‥‥‥‥」
 マントにくるまって休んでいたはずのレティシアが挙手。リーストは懇切丁寧に聞こえないフリをした。

 異変に最初に気づいたのはトパッシュ。
 見張りの目を盗みつつ、焚き火の火の当たらない馬車の影から乗り込んだそれは、荷物の暗がりで眠っていたトパッシュの足を思いっきり踏んだ!
「っ! あいたっ!」
 トパッシュの声を聞いた『それ』は、驚いて逃げ去ってしまった。
 夜目の利かないトパッシュだったが、焚き火のおかげでシルエットだけが見えた。それは間違えようもない犬の頭。
「‥‥ゴブリン!」
 (仮)が抜けたのはさておき、トパッシュは剣を抜き払ってさらに声を張り上げた。
「ゴブリンが出たぞっ!」
 その声に、番をしていた冒険者たちが飛び上がる。
「いつの間に!」
 馬車に向かって駆け出そうとしたその瞬間、焚き火に何かが投げ込まれた。
 吹き飛ぶ焚き火。
 投げ込まれたモノが何かと確認する間もなく、森の中から放たれる殺気。振り向く冒険者たち。
 そこには犬頭の人影が数名、こちらを見つめて立っていた。
「ゴブリン‥‥?」
 問いかけに答える声はもちろんなく、ゴブリン(仮)たちは一斉に突撃を開始した。

●朔の夜
 ゴブリン(仮)は思いのほか知能が高かったようだ。護衛がついた隊商をいつも通りに襲うのはマズイと考えたのだろう。
 人が最も無防備になる寝入りばなを狙い、唯一の光源である焚き火を消し、声もあげて自分の場所を知らせる愚を冒さずに一気に馬車へと迫る!
 武装したまま寝ずの番をしていたリーストとちとせがこれを迎え撃った。
 武器と武器が打ち合わされる鈍い音が夜闇に響く。
 一拍遅れ、いつでも動けるように焚き火の側で休んでいたレイが飛び起きて参戦する。
 焚き火の残骸は今まさに消えようとしていた。
 夜目が利くちとせやリーストならともかく、暗闇になっていまったら自分は‥‥レイの背筋に冷たいモノが走る。

 地面に落ちた最後の火が消えた時、「ひゃぁああああっ!」っと叫びながらマートが馬車から飛び降りてきた。
「ひぃいいい、お助け〜」
 芝居がかった情けない叫び声をあげながら、襲撃者の足元をチョロチョロと走りまわる。
 邪魔! とばかりに攻撃するゴブリン(仮)だが、身軽な彼を捕らえられる者はいない。
 ギリギリのところで攻撃をすり抜けてみせる身のこなし。翻弄されるゴブリン(仮)たち。
「今のうちに明かりを‥‥!」
 しかし火が消えてしまった今、焚き火のあった位置がわからない!
 レイだけでなく、同じく夜目の利かないトパッシュもまた動けずにいた。
 多勢に無勢。
 冒険者たちの妨害をすり抜け、ゴブリン(仮)の一人が馬車の縁に手をかけた‥‥その時。

「マグナブロー!」

 放たれる魔法。地面から吹き上げたマグマがゴブリン(仮)の一人を弾き飛ばす。アルベルトだ!
 この時、火の精霊魔法は副次的な結果をもたらした。明かりである。
 マグナブローを頼りに焚き火の跡を掘り返し、くすぶる熾き火から手早く火を大きくするレイ。
「よし‥‥!」
 ロングソードを握りなおしたレイは、疾風のごとく駆け出した。

 形勢逆転。冒険者たちがゴブリン(仮)を押し始めた。
 焦った襲撃者の一人がモンスターのフリを忘れ、馬車に向かって魔法の印を結ぶ。
 とっさに身を投げ出したのは、ちとせ。体当たりをして集中を途切れさせ、荷物をかばうように立ちはだかる。
「邪魔だ!」
 視界をさえぎられたゴブリン(仮)が、苛立ち紛れにスマッシュを放つ!
「きゃぁっっ!」
 ちとせは軽微のダメージ。ストーンアーマーで防御力を上げていなかったらもっと痛い目にあっていただろう。
「女の子に手をあげるなんて! むむむ‥‥私の闘気力(オーラちから)を受けてみろぉぉっ!!」
 仲間を傷つけられたチャミリエル、怒りのオーラショット!
 しかし‥‥抵抗された!
「俺にこんなものが効く‥‥んぁ?」
 棍棒を振り上げたゴブリン(仮)は途方にくれた。
 焚き火だけの薄暗さのなか、小さなチャミリエルがどこにいるのか視認できないのだ。
 そして第二弾目の、
「オーラショォォット!」
 抵抗に失敗したゴブリン(仮)は、勢いよく跳ね飛ばされた。


 軽いステップと共に襲撃者に攻撃を加えるレイ。
 一撃離脱。襲撃者が反撃に移る時、すでにその間合いに彼の姿はない。
 体勢を崩した襲撃者の隙をつき、杖を構えたリーストが襲撃者にせまる。
 一合、二合‥‥軽く襲撃者の攻撃をいなした彼女は小手を打ち、その武器を叩き落す。絶妙の連携。
 格闘術にかけて、この二人はこの場の誰よりも高い技量を持っていた。
「‥‥ち。引くぞ!」
 ゴブリン(仮)のリーダーがほえる。
 彼らにとって襲撃は荷物の破損が目的である。つかまったり命のやり取りをするのは論外だ。
 武器を拾いもせずに逃走を開始した彼らに、森の中から弓なりの音!
 命中!
 リーダーの尻に矢が生えた。
 痛みをこらえ駆け出した彼だったが、森の中に駆け込んだ所で足の力が抜けた。
 へたり込むリーダーのすぐ側で、土を踏みしめる足音。
「おやおや〜? まだ動いている。即効性に難ありだな」
 おどけた口調。
 ゴブリン(仮)リーダーが振り向くと闇の中、白髪のエルフが毒矢をもてあそびながら笑っていた。

●その後
 リーダーを見捨てたゴブリン(仮)たちの逃げ足は速かった。
 彼らのアジトを突き止めようとしたアルベルトが後を追ったのだが、早々に見失った。土地勘もない暗闇の森林をつけて走るのは至難の業。
 予想どうりゴブリン(仮)の正体は、犬のかぶり物をした人間だった。
 実行犯を捕まえることはできたが、しびれきってとても話せる状態ではない。リーストはしぶしぶ手持ちの解毒薬を投与する。
「なんで解毒薬もってないのっ!」
 リーストの叫びに、「怒った顔もかわいいね〜」なんて言いつつ、ちょいと肩をすくめるレティシア。
 弓を使う駆け出しのレンジャーの多くは、ビンボウと大親友だったりするのだ。

 しびれは取れたものの、男は何も語らない。
「尋問したら答えるんじゃないかな?」
 と、マート。
「じゃぁ俺、拷問します」
 と、トパッシュ。
 尋問と拷問では一字違いでエライ違いである。
 ゴブリン(仮)を毛布で目隠しし、その頭から水をたらす。携帯していた油を捕虜の鼻先でちらつかせ、
「すまない、油をこぼしてしまった。これに火がつくと大変だろうね」
 といいつつ、耳元で火打石をカチカチ打ち合わせて音を聞かせるトパッシュ。
 ゴブリン(仮)はやはり何も言わないので、迫力がなかったのかな? と小さくため息をついたトパッシュだったが、ゴブリン(仮)は恐怖のあまり固まっていただけだったらしい。
「な、なんでも話します! だから、命ばかりわぁあああっ!」
 目隠しをとるなり、ゴブリン(仮)は涙を流して哀願した。

 彼の話によると、指定された隊商の荷物をダメにするこの仕事を持ちかけられたのは酒場。話を持ちかけてきた男については、直接会えばわかるが名前はわからないとのこと。
「ちぇ〜‥‥依頼人に引き渡すしかないか」
 と、マート。
 ゴブリン(仮)を彼らの雇い主に引き渡して口止め料をいただこうとしてたなんて、口が裂けてもいえない。
「それにしても‥‥もうちょっと勉強した方が良かったんじゃないかな」
 粗雑な犬のかぶり物を手にリースト。
「語尾にゴブリンと付けるゴブリンなんている訳がないもんね〜」
 と、おどけてマート。
 ゴブリン(仮)はムッとして叫んだ。
「お、俺だって犬頭がコボルトだって知ってるやぃ! でもな、いきなりガツーンと殴られてみろ!? 舌なんかが回るかぁああああっ!!!」
 確かに、コボルトよりは若干ゴブリンの方が発音しやすい。


 指定の町へとたどり着き、捕まえた男を引き渡すと依頼人は飛び上がって喜んだ。
 隊商を襲うものが人間であるならば彼にも対応のしようがある。それがわかっただけでも大収穫である。
「うちで扱ってる品なんだけどね。よかったら持っていってくれ」
 機嫌のいい依頼人は一人ずつに毛布を分けてくれた。
 どうせならもうちょっと高いものをくれてもいいのに‥‥とは思ったが、ありがたく受け取っておくことにした。みんなの帰りの保存食、リーストの解毒薬も支給してくれた。
 黒幕の正体はわからなかったが荷物は無事、さらに実行犯の一人を捕まえることができた。依頼は成功である。
 冒険者たちは新品の毛布を手に、意気揚々と帰路につくのだった。