【黄泉人決戦】黄泉路
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■ショートシナリオ
担当:御言雪乃
対応レベル:1〜3lv
難易度:やや難
成功報酬:0 G 65 C
参加人数:8人
サポート参加人数:2人
冒険期間:06月26日〜07月01日
リプレイ公開日:2005年07月04日
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●オープニング
じっとり、と――
大和を濡らす雨は、どこか生暖かく、からみつくようで。
暗澹たる空は黒々と瘴気をはらみ、それは全てのものを穢しつくすように天を覆っていた。
ふっ、と――
生真面目そうな面立ちの若武者が溜息をついた。その背後に従う侍もまた小さな罵りの声をあげる。
彼らは、黄泉の化物の動静を探るために差し向けられた一団であった。
が、知らぬ間に予定していた偵察範囲を逸脱していまったようだ。大まかな方向以外、自分達の駐屯地がどこにあるのかすらも分からない。
すでに彼らの全身は、霧雨のように降る雨でずっぽりと濡れている。足元も泥濘と化し、疲労の色も濃かった。
「村だ」
誰かが声をあげた時、全員の眼にに歓喜の光がゆらめいた。これで雨をしのいで少しでも休息がとれる。
駆け出そうとした侍達を、先ほどの若侍がとめた。この隊の隊長、井上新三郎である。
「まて、あれを――」
彼の指差した方向――集落の中に、幾人かの人影が消えて行く。
集団――それ自体は不思議でもなんともないが、彼らの風体が異様であった。
中央に位置する侍。人相や身なりから推して、どこぞの武将であるらしいのだが――
その武将らしき侍が言葉を交している者。それは人ではなかった。
かさかさと干からびた肌に生命の息吹はなく、落ち窪んだ眼窩に情愛の煌きはない。ただ全身から噴き零れる禍々しき憎悪のみが冥く‥‥
黄泉人と呼ばれる化生の者だ。
しかし、なぜ武将らしき侍は敵である黄泉人と共にあるのだ。見たところ囚われているようにも見えぬが‥‥
沈思に眼を伏せた侍の脳裡を、以前聞いた噂が過った。
黄泉人は人の精気を吸い、人の身に変形する――
「!」
新三郎の眼がカッと見開かれた。
刹那、彼の手の中でパキリと小枝が折れた。知らぬうちに握り締めていたものらしい。
慌てて新三郎は叢に身を隠した。が、時すでに遅し――
武将らしき侍が振り返った。その硬玉に似た眼が、新三郎の潜む叢にじっと向けられている。
「きぃぃぃぃ!」
武将の口から、この世のものとは思えぬ叫びが迸った。
「拙い! 気づかれた!」
雷に撃たれたように、新三郎は叢を飛び出した。
「‥‥もう、動けぬ」
呻き、侍がずるずるとへたりこんだ。その身は傷だらけで、泥と血で赤黒く染まっている。他にも数人、泥人形のような侍がいるが、どれも皆似たように状態だ。
「‥‥な、何をしておる。た、立て。立たねば、黄泉人どもが来るぞ」
新三郎がうずくまる侍達を叱咤した。が、その彼にしてからが、すでにその手の刃は折れ、戦いの中で兵糧すら失う始末である。
それどころか――降り続く雨の為に、彼は方向すら見失っていた。
「‥‥が、 儂は戻らねばならぬのだ。戻らねば、大変な事になる」
●リプレイ本文
●陣うつ雨
天穹を覆う暗雲の濃度が増し、またも雨が降り出した。
銀の針のような雨滴に視界は塞がれ、生ぬるく濡れた衣服が肌に貼りつく。むし暑さ故に、それは命にかかわるほどの大事ではないが、しかし、確実に胸の内の何かが蝕まれていく感触がある。それは死の予感かも知れない。
「‥‥話はついた」
陽炎が立ち昇るように、ふっと黒影がわいた。
面頬をつけた風鳴鏡印(eb2555)である。気づいた山野田吾作(ea2019)が振り返った。
「では兵糧は?」
「大丈夫。用意してくれるそうだ」
鏡印の答えに、幾人かの冒険者が安堵の吐息をついた。
鏡印が話をつけたというのは、行方不明者の食糧についてである。幾人かの冒険者は余分に糒などを用意してきてはいるものの、十分といえるかどうか、分らない。何もかもが曖昧模糊とした状況の中では、確かにできるものはそうしておいた方が良い。
「助かりました」
鉄扇を手に、ゆるく笑ったのは志士の鷺宮吹雪(eb1530)である。
「すでに行方を絶って数日。おそらく食糧は尽きているはずですからね」
「傷薬も重要だけど、やっぱ、まずは食べ物だよね」
うんうんと頷いたのは深紅の瞳の可憐な少女――娘のアマラ・ロスト(eb2815)である。
命とは本来貪欲なものなのだ。萎え枯渇した命の炎を再び燃えあがらせるには、腹を満たすに如かず――
その時、雨を避けて女侍と陰陽師、そして巫女装束の僧侶が陣屋に駆け込んできた。侍は津上雪路(eb1605)、陰陽師は風樹護(eb1975)といった。また僧侶の名は観空小夜(ea6201)という。
「いかがであった?」
独り柱にもたれ、夜魔と名づけたコリーの頭を撫でていた紅麗華(eb2477)が問うた。
ちらり、麗華の薔薇の瞳を見遣ってから、雪路は髪の雨滴を忌々しげに払った。なぜ、此度の雨はこうもぬらつくのだろう。
「出立してからの日数は確認できた」
「顔ぶれと、どの辺りを調べるはずだったかも」
言って、護は小夜と眼を見交わした。
「これを――」
濡れぬように小夜が懐に忍ばせてきたものは、行方不明者の名を記した紙であった。
噂では黄泉の兵は人に化けるという。それは命がけで救出したその本人が敵であるおぞましき可能性を示唆している。その時、小夜のしたためしこの一枚の書面は大きな力になるに違いない。
「それは上出来です。で、黄泉の兵の動きは?」
今、行方を絶つ理由があるとすれば、まず黄泉の兵がかかわっていると疑うのが順当だ。吹雪が問うのも仕方ないことである。
「この辺りでは、あまり大きな動きはないようだ」
それほど陣の者も分っているようではないようだがな――雪路が薄く笑った。
当然だ。その為の斥候兵であっただろうから。
ともかく――雪路が咳をひとつ上げた。
「何らかの理由で経路を逸れた可能性も考慮の範疇に入れて、村や洞窟等も探してみねばなるまいな」
「それでは、皆様、これを」
小夜が並べて見せたのは、陣から調達したものであろう、たくさんの水筒だ。にっこりと菩薩の笑みに促されて、最初にアマラが水筒の幾つかを手にとった。
「確かにお団子だけじゃ、喉がつまっちゃうもんね」
「承知しました」
続いて吹雪もまた水筒を掴む。上げた眼差しの先で、篠突く雨はさらに勢いを増している。
「おおきに」
ソムグル・レイツェーン。独り雨の中を、行方知れずの者達のために駈けずりまわったであろう老シフールを想い、そっと吹雪は胸の内で手を合わせた。
●濡れる森
雨の勢いは、依然として、強い。
それは熱を奪い火を消す。が、同時にそれぱ気配を、臭気をも絶つ。果たして行方知れずとなった者達に、この雨は恵みとなるか血肉を削る死神の鎌となるか‥‥
「黄泉人、でござるか‥‥。冒険者としての初陣、成功にしたいものでござる」
陣で借り受けた陣笠の陰で、田吾作が呟いた。その身が震えているのは雨の冷たさのせいばかりではない。
「田吾作さん、初めての依頼なの?」
すいっとアマラが覗きこんだ。雨に濡れた衣服がへばりつき、彼女の可憐な面立ちには不釣合いなほど豊満な身体の線を際立たせている。
どぎまぎして、慌てて田吾作は頷いた。
どうも紅い眼のこの娘は苦手だ。酔うと全裸になるというのは本当だろうか?
そんなことを考えている田吾作の前で、しかしアマラは無邪気に笑っている。
「僕も初めての依頼なんだ。だからちょっと恐かったんだけど‥‥」
刃で斬り結ぶ。それも確かに戦いである。が、多くの命が失われ死の蔓延する中で、だからこそあるかなしかの蝋燭よりもか細い光明をすくいとることができれば、それは気分の良いものではないだろうか。
「お互い無理しないで頑張ろうね。もうっ!」
突然アマラが駆け戻った。
その先で――鏡印が荒い息をついて足を運んでいた。華奢な彼には、少々荷物が重かったようだ。
「毛布貸して。持ってあげる」
「いや、女人に荷物持ちをさせるなど、義侠の道に反する‥‥」
雨だか汗だかに満面を濡らした鏡印から、しかしアマラは無理やり毛布を奪いとった。
「いいよ、そんなこと気にしなくて‥‥後でお団子とかお団子とかお団子とか買って来なくてもいいからね」
じゅると涎を拭うアマラ。あくまであどけない笑顔に否やは通用しないだろう。
今回の依頼料で足りるであろうか。
鏡印は強張った笑みを返した。
「ぬしたちは、仲が良いのぉ。まるで寝所の睦み事を覗いておる心地じゃ」
鏡印とアマラに妖仙の如き笑みを送り、麗華は鮮血色の瞳を夜魔に落した。
「ぬしの方が、この山の中では動きやすかろう」
頼んだぞという麗華に答え、夜魔は一声哭いて、森に駆け込んで行った。
●乱心
がさり。
藪をかきわけ、雪路が顔を覗かせた。
素早く周囲に視線を走らせ、様子を探る。樹枝の折れ具合や地の刻跡、そして潜む気配‥‥
森に分け入ってから一刻ほど。それほど時は経ってはいないが、すでに雪路の面には疲労の色が濃い。
それも仕方のないこと――慣れぬ土地である。おまけに今の京では何に遭遇しても驚くにはあたらない。ましてやこの地は行方知れずが出た地、黄泉の瘴気が蔓延している巷である。
それは常時背に刃を突きつけられているようなものだ。神経がくたびれぬはずがない。
それに――止むことなき雨が肌を叩く。濡れた衣服がからみつく。泥濘が悪夢のように足をとる。真綿で首を締められるような、あるいは小刀で薄く皮膚を削り取られていくような。そういう不快感が、なおさら冒険者達の心身を苛むのだ。
雪路の案により、断ち切った紐を足底に巻きつけ、少しでも足取りを良くした事が唯一の救いである。
迷わぬ目印にと、木の根本に刃で切れ込みを入れた最前列の雪路から最も離れた殿に、鏡印はいた。
「泥遊び、楽しそう」
ややもすると遅れそうな鏡印を待って、アマラが冗談めかして笑った。
「馬鹿な」
答える鏡印は一際泥撥ねを身におい、足跡を散らすのに懸命であった。
ここは敵地である。少なくとも無風であるとは言えない場だ。敵の目をくらませるのは――影を始末することは、影を追う事と同じくらい重要なのだ。
「しかし、この分では足跡は当てにならぬな」
同様に自らの痕跡を誤魔化しつつ進んでいた護が顔をしかめた。
多くの足跡を残すことによって、大軍であるように見せかけ、敵の動きを牽制する――護の策であったが、ひたすら降りしぶく雨に、地はすぐにぬかるみと変わる。これでは護の策も効力を発揮しえないようである。勿論、それは探索行そのものについても言えることだ。
「難儀であるのう。やはり、ここは吹雪に頼るしかないようじゃ」
何時の間に被ったか、般若面の内から、麗華のくぐもった声が流れた。
彼女が面を塞ぐのは故ないことではない。面は表であり、それを閉じることは魔を防ぐことである。そして鬼の面のその内で、彼女は心気を研ぐのである。
その時、身を包んでいた燐光を散らし、吹雪は顔を拭った。市女笠の下で、彼女の面にはべったりと髪の毛がへばりついている。
「どうですか?」
小夜に問われ、吹雪は百合を思わせる白い首を振った。
未だ彼女の探知の呪には、何者の息吹も捉えられぬ。息吹探知の呪の巻物を開いた小夜の手を、やんわりと吹雪がおさえた。
「まだ大丈夫です。呪の力はまだまだ残っておりますゆえ。しかし‥‥」
斥候の兵に何が起こったのであろう。吹雪は独白した。
戦場で彼我の斥候同士が鉢合わせするのは良くあることだ。此度もそうであったのかも知れぬ。その過程で負傷し、あるいは散ったか‥‥
その時――
先陣の麗華が皆を制し、身を伏せた。それにならい、他の冒険者達も一斉に泥に這う。
その眼前に、ぼうっと人影が現れた。皮鎧に二本差し。衣装は間違いなく行方知れずの兵のそれだ。
が、その者の存在を吹雪の呪は探知しなかった。それは、とりもなおさず眼前の武者が息吹をもたぬ存在ということ。息吹――すなわち命の鼓動をもたぬ者は死者に他ならぬ。
我知らず、田吾作は大刀の柄に手をかけていた。
殺されてなお、無明の昏い闇を、何ゆえ彼等は歩まねばならぬのだ。それは気高きものの冒涜、優しきものへの蹂躙。せめて呪縛の糸を断ち切って――
「なりません」
小夜が制止した。
その声の意味することよりも、声音の震えに田吾作ははっと手をとめた。
振り向いた彼の眼差しの先――小夜の身もまた、震えている。
犠牲となり、そしてまた腐食の触手となって奈落の淵を広げて行く。対象は愛する者も、かつての朋輩もおかまいなしだ。
それはあまりに哀しく辛い。その煉獄の連鎖をとめ、安らぎを与えてやらねばならぬ。
そう分っていてなお、小夜は田吾作を、そして己を制したのである。
今は生きてある者を救うのが先決だ。無用の戦いは、ただでさえ小さな希望の光をさらに小さくする。懺悔は、その後で良い。
「よくぞ耐えた。下手に討って出ていれば、どうなっていたことか‥‥」
麗華の透徹した眼光は、さらに現れた死人憑きの姿を捉えている。
「己の力を過信しすぎることは、信じぬこと以上に危険なことじゃからのう。じゃからといって、引いてばかりもいられぬが」
「もはや引くことはないでしょう」
泥を払い、護が立ちあがった。その眼に揺らめくのは曙光に似た光だ。
「武者姿の死人憑きがさ迷っているということは、どうやら我等の見当は外れていないようです」
●黄泉路
望みというものは、こじあけてでも手に入れるものだ。
雪路は、時にそう思うことがある。
吹雪の指示に従い、彼女が壊れた人形のように討ち捨てられた行方知れずの兵達を見出したのは、すでに日が傾きかけた頃であった。
「‥‥斥候の――新三郎殿の隊か?」
鏡印が声を上げた。
ややあって、のろのろと顔が上がる。ひとつ、ふたつ、みっつ‥‥さらに幾つか。
ふくらみ、輝きを増す希望。
泥と血に滲んではいるが、そこには確かに命がある。冒険者達が求め、救おうとしたものが。
それでこそ来た甲斐がある。雨に濡れ、泥にまみれた意義がある。
すでに撤退の為の予想経路に頭を巡らせはじめた護の頬にも、微かな笑みが刷かれた。
いざという場合に備え、道中で地形は確認済みだ。利用すれば、逃走は幾分か有利になるはずである。
「新三郎殿はご存命か?」
田吾作の問いに、泥の塊と化した一人がよろよろと身を起こした。その手には刀身の折れた大刀が握られている。
「‥‥き、来たな、黄泉の化物め」
「貴殿が井上新三郎殿か?」
「ふっ」
泥の塊――新三郎がせせら笑った。
「儂の名まで承知しておるとは‥‥やはり陣に入り込んでおるな」
ふらつきつつ、しかし眼だけはギラと光らせ、新三郎が斬り込んできた。
「ええいっ」
ゆるりと走る刃の軌跡を避け、雪路が新三郎の腕をとった。
憔悴し、折れた刃になにほどの切れ味もない。が、長引けば面倒だ。この場の一刻は黄金数枚以上の価値があるのだから。
雪路が腕を捻った。直後、面白いように新三郎の身が舞った。
「時がない。貴殿が信じようと信じまいと、引きずってでも連れ戻る。観空殿!」
雪路が叫んだ。
静かに頷く小夜が呪符をするすると翻らせる。同時に麗華の身もまた暖かな闇の光に包まれた。
一瞬、ニ瞬――
小夜と見交わした麗華が、ゆっくりと一人の兵の元に歩み寄っていった。
「生きておるのか?」
優しく問う。
「た、助け‥‥」
言葉が終わらぬ内に、
「我、不浄なる者に安らぎの闇を与えん」
という呪とともに、麗華の手から迸り出た漆黒の光矢が叩きこまれた。
「な、何を――」
「とは、ぬしのことではないか」
般若面の内から、麗華のくぐもった笑いが響く。昏く、恐い笑みだ。
「人の振りをして、何をしておる?」
刹那、はじかれたように兵が立ちあがった。さらに一気に飛び退る。
「皆殺しにしてやろうと思ったに」
泥に汚れた口がきゅっと吊りあがる。魍魎にしか作り得ない、おぞましい笑みだ。
その前に、するすると吹雪が滑り寄って行く。手には光明朧立つ鉄扇かまえながら。
「待て。儂の本性は人ぞ。見間違うな」
兵が叫んだ。
が、吹雪はとまらない。
生と死。明と暗。聖と邪。
その見極めならつく。冷たく、心を研ぎ澄ませれば。
瞬間、黒影と白影が交差した。再び飛んで離れた時、吹雪の肩からは血がしぶき、黄泉の兵の膝は砕かれていた。
「おのれっ!」
憤怒の声をひしりあげる黄泉の兵の喉に、どかっと刃が突きこまれた。刀身がまとうのは邪を払う桜花の光。吹雪の鉄扇も同じ光に包まれていた。
「黄泉路への案内つかまつる」
田吾作は、さらに深く刃を突きいれた。
「良く頑張りましたね。もうひとふんばりです」
食べ物と水、そして薬を分け与え、小夜が生き残りの兵達を労った。疲れきり、傷ついた兵達にも生色が蘇りつつあるようだ。
「もうひとふんばりです」
また言った。何度でも言うつもりだった。
闇が深く遠い時、この言葉は歩み出す呪いになるのだ。いや、それは祈りであるかも知れない。
「来ましたよ」
吹雪の叫びが響いた。死人の群れの来襲を告げる――鬨の声だ。
「急かせて悪いが、行かねばならぬ」
「そうだね。木乃伊に木乃伊‥‥じゃないけど、死人憑きにされたらたまったものじゃないし」
同時に雪路とアマラが抜刀し、新三郎達に出立を促した。
黒々と変じ始めた森は、黄泉路の如く凍えて冥い。が、抜けた先には必ず光が、温もりがある。
冒険者が信じるものは、いつもその煌きだ。
「生き残る事こそ最大の勝利だ」
鏡印の呟きは、黄金の輝きを放っていた。
これより数刻後、満身創痍の冒険者と新三郎達が陣に帰還した。そして彼のもたらした情報が、陣のみならず、軍そのものを震撼させることとなる。