なんとなく合コン

■ショートシナリオ


担当:みそか

対応レベル:フリーlv

難易度:易しい

成功報酬:0 G 62 C

参加人数:8人

サポート参加人数:4人

冒険期間:06月04日〜06月11日

リプレイ公開日:2005年06月14日

●オープニング

 突然ですがあなたは甘すぎる!!
 何もしないでも恋人ができると思っているそこのあなた!
 引きこもって想像上の恋人を創り出しているそこのあなた!!
「恋人なんざ俺には必要ないのさ」と、心にも無いことを言って強がるそこのあなた!!!
「だって〜、私は自然な恋愛を目指したいし〜〜」とか言っているそこのあなた!!!!
 そして毎回この広告文が使いまわしだと思っていたそこのあなた!!!!!

 あなたは甘すぎるのです。
 現実を見てください。目を覚ましてください!
 動かなければ何も生まれないのです。引きこもっていて手紙友達はできてもそれ以上にはならないんです。必要ないんじゃありません、いないから言っている負け惜しみです。自然な恋愛とかいって、結局何もしていないことはありませんか? そして・・・・・・・・一年もやっていれば変わることもあるんですこの広告文も!
 もう深いことを考えるのはやめにしましょう。動きましょう! 外に出ましょう! 正直になりましょう! 現実を見詰めましょう!! たまには更新するんです!
 当商会主催のパーティにてお相手を見つけ、ホットになりたいという方はすぐにご連絡ください。
 てぐすねを引いてお待ちしております。

<冒険者ギルド>
 当商会では不幸にも出会う機会に恵まれない方を対象にしてパーティーを開催しているのですが、心もホットになるこの季節、ホットになりすぎて暴走を始める方も中にはいらっしゃいます。
 そこで冒険者の皆様にはそのような方をなだめる役目を担っていただきたいのです。
 気品あるパーティーに参加でき、その上報酬までもらえる。・・・・決して悪いお話ではないと思うのですが、いかがでしょうか?

●今回の参加者

 ea0664 ゼファー・ハノーヴァー(35歳・♀・レンジャー・人間・イギリス王国)
 ea0717 オーガ・シン(60歳・♂・レンジャー・ドワーフ・ノルマン王国)
 ea1743 エル・サーディミスト(29歳・♀・ウィザード・人間・ビザンチン帝国)
 ea3468 エリス・ローエル(24歳・♀・神聖騎士・エルフ・イギリス王国)
 ea4358 カレン・ロスト(28歳・♀・クレリック・エルフ・イギリス王国)
 ea8765 リュイス・クラウディオス(25歳・♂・バード・ハーフエルフ・ロシア王国)
 ea8936 メロディ・ブルー(22歳・♀・ナイト・ハーフエルフ・ノルマン王国)
 eb1293 山本 修一郎(30歳・♂・侍・人間・ジャパン)

●サポート参加者

ルシフェル・クライム(ea0673)/ ツァイード・フェンネル(ea6260)/ ショウゴ・クレナイ(ea8247)/ 小野 織部(ea8689

●リプレイ本文

●一幕
「いつもは儂の縁者がご迷惑を掛けておる様で申し訳ない、厳しく言い聞かせておくので、今後もキャメロットの冒険者ギルドを贔屓にお願いしますのじゃ」
 商品を売り込む商人よろしく、ペコペコと頭を下げてパーティーの主催者へ営業を仕掛けるオーガ・シン(ea0717)。主催者は毎回会場に参加しては、老若男(?)女問わずに声をかけてきたオーガの縁者の名を聞いて、眉を釣り上がらせると思いきや‥‥
「ああ、あの方ですか。‥‥まあできることならもう少し絞って声をかけてほしいですが、あの方のお陰で周りの方も声をかけやすくなっているんですよ」
 ‥‥と、意外にも素敵な大人の笑顔をオーガへ返す。年齢的には主催者よりも年上のオーガではあったが、このジェントルメンな微笑みに思わず顔を紅潮させる。
「ただ、会場内での健康器具販売は控えてくださいね。褌にダーツを刺されても困りますので、ナイフもダーツも預からせていただきます」
 そしてその微笑を崩さないまま、武器を会場内に持ち込もうとしていたオーガからそれらを没収する主催者。最近キャメロットの路上で怪しいパフォーマンスをして『ぶら下がり君』なる健康器具販売に手を出していたオーガはそれに従わざるをえない。
「残念だったなオーガ殿。もてない男たちに健康器具を販売しようという着眼点はよかったと思うのだが‥‥ところであの珍妙な器具はどこに隠しているのだ?」
「あ〜〜‥‥」
 カマや葱よりはマシかもしれないが、また妙なところで自分の名が売れてしまったと言葉にならない声を出すオーガを尻目に、ゼファー・ハノーヴァー(ea0664)は料理を物色するついでに会場内を見回した。
「え〜〜、会場内では商売しちゃいけないの?」
 一方、本気で芳香効果や催淫効果がある(らしい)薬草を参加者に売り込もうとしていたエル・サーディミスト(ea1743)も関係者にそれらを全て没収される。仕事中に副業を行ってはならないのは至極当然のことである。
「ふぅ、今回は恋人できる人いるんでしょうか‥‥」
 出会いというパーティーの趣旨そっちのけで盛り上がる参加者たちを目の前にして溜息を吐くリュイス・クラウディオス(ea8765)。
 自分を除きほとんど誰も恋人をつくろうと燃えていない‥‥こんなの、こんなの望んだパーティーじゃない。

●二幕
「生涯神に仕える身ですから、残念ですが別の出会いを探してください」
 そしていざパーティーが始まると、その傾向はさらに色の濃さを増していった。そりゃ会場内の治安維持が依頼内容ではあるが、『恋人を作る目的』で集まった参加者の中で参加意義を失わせる発言をするエリス・ローエル(ea3468)。
 彼女と同じように冒険者、そして他の参加者にも恋人を作る気持ちのない人が多かったのか、最初あれほど和やかだった空気は徐々に険悪になっていく。
 そしてそれが頂点に達したとき‥‥‥‥とんでもない事態が会場内で発生した。
「会場中で最も美しい女性は、このメルディアンが貰い受けた!」
 会場の入り口で警備員が殴り倒され、顔を仮面で、全身を黒マントで覆った謎の男が声を会場内に響き渡らせる! そして言うが早いか会場内で一番と思われる女性の手をとると、退屈なショータイムはこれでおしまいと言わんばかりにロープによって二階の廊下にまで引き揚げられる。
 この何の脈絡もない男の登場に一般参加者の大半はおろか攫われてしまった女性ですら主催者側のイベントかと微笑むが、主催者側の人間である冒険者はそうは言っていられない。
「とんだ邪魔が入ってしまったようで‥‥」
 持ち前の器量の良さで一般参加者の女性と踊っていた山本修一郎(eb1293)は、文字通り事件の発生に踊りを中断させ、手の甲に淡い接吻だけを残して階段へと駆けていく。視線を他に向ければ、同じく階段に向かって走る仲間たちの姿があった。
「以前より油っぽくなった料理にちょうど飽きていたところだ。ここはいい汗をかいて、少しでも料理の味を上げねばならないな‥‥なあリュイス殿」
「そうですね‥‥退屈しのぎにはいいことだと思います」
 階段を駆け上がりながら、女性の手を握る謎の男を追いかける冒険者達。距離はみるみる内に縮まっていくが、ここで彼らは一つの事実に気付かされる。
 そう、『武器を持っていない』という事実に。

●三幕(もはやパーティーではない)
「おやおや、この美しい夜にふさわしい決闘をしてくれるつもりかい?」
「ぐぬぬ、だからわしがこんなこともあろうかとナイフとダーツを持ち込もうとしていたのに‥‥主催者の連中は無能者ばかりか!?」
 月の光を受けて黄金色に光る剣を目の前に、グヌヌと歯ぎしりをするオーガ。明らかにこうなることは予想していなかっただろうが、細かいことは気にしてはならない。
「女の子を誘うんならもう少し丁寧にやった方が‥‥」
 ウィザードであり、高速詠唱の使い手であるエルは仮面の男へ攻撃をしかけようとするが、それはメロディ・ブルー(ea8936)の右手によって制された。
「身体に負担をかけちゃだめよ、エルは今大切な時期なんだから。‥‥僕がなんとかする」
「おや、可愛らしいハーフエルフのお嬢さん。そのリュートベイルでどう戦うおつもりで? できることならあなたのような女性を傷つけたくはないのですが‥‥っ!」
 男が言葉を紡ぎ終える刹那、リュイスの掌より飛び出した光の矢が、月明かりが闇を刺すように男の漆黒のマントに突き刺さる!
「できる限り穏便にとのことでしたが‥‥そうも言っていられないでしょう。皆さんもよろしいですか?」
「女性を攫おうとするなど、禁を破る以前の問題です。その方の未来に約束された祝福を取り戻すためにも‥‥‥‥あなたにはここで報いを受けてもらいます」
 仲間へ向けられたリュイスの質問に、代表して答えるカレン・ロスト(ea4358)。下のパーティー会場では、一人の男と八名の冒険者が向き合うという展開に俄然盛り上がりを増していく。
「成る程、ある種まっとうな考えとでも言いましょうか‥‥ですが、堅苦しい視界の彩りは色あせることでしょう。そのようにならぬためにも‥‥今宵くらいは熱情に燃えてみられてもよろしいのではっ?」
 慣れた手つきで女性を小脇に抱えこむと、何と二階の廊下より飛び降りる男! 落下の寸前、右手に絡めてあったロープが衝撃を吸収し、彼はテーブルの上に大きな音をたてながら着地に成功する。
「やってくれるではないか。だが、その状態でこれは回避できまい!」
 食べていた料理からフォークを抜き差し、狙いを定めて男へ投擲するゼファー。微かな音が木霊し、男の左腕から血液がフォークを伝って滴り落ちる。
「悪ふざけはこの辺りにしておいたらどうじゃ。今ならまだ‥‥‥‥ぃ!?」
 動きの止まった男を取り押さえようとしたオーガの視界が上下逆転し、オーガは床へしたたかに叩きつけられる。ようやく女性を放し、軽やかに跳躍する男。
「‥‥ここまで警備が厳重だとは思わなかった。どちらにしろ美しくない手段は好まないのでね。目的は達成したことだしこの辺りで失礼させていただくよ」
「力だけで女性を引きつけようとするあなたの手段のどこが美しいと!?」
 エリスの滑らかな指先が食事用のナイフを掴み、背を向けた男へ投げつけられる。
「なぁに、きょうはほんの余興ですよ。できることならあなた、そして他の美しい女性たちとはこのような形ではなく、パーティーの参加者同士としてお会いしたかったですね」
 投げられたナイフは壁にカチンと音を鳴らしながらぶつかり、そのまま力なく床へと落下する。協力者がいるのか、再びロープによって引き上げられた彼の身体は‥‥漆黒のローブと同じ色の闇の中へと消えていった。

●終幕
「皆様方、余興はお楽しみいただけましたか? 少しばかり会場が汚れてしまいましたが、これは私どもからの気の早い‥‥ちょっと気の早すぎたかもしれないクリスマスプレゼントです。すぐ元の状態にいたしますので、そのままパーティーをお楽しみください。‥‥ただし、余興以外のエスコートはあくまで紳士的にお願いしますよ」
 会場内から笑い声が響く中、青白い顔のまま何とか平静を装いパーティーを再開する主催者。程なくして心を落ち着かせるような音楽が会場の中を満たし、参加者たちは落ちついた表情を取り戻していく。
「結局なんだったのじゃあの男。まさか目立ちたいだけのために来た訳でもないじゃろうし」
「いえ、案外それだけなのかもしれませんよ。‥‥まあどちらにしろこれで少し会場の空気も和んだようですし、オーガさんも残り時間を楽しんでは?」
 ヒリヒリと傷む背中をさすりながら起き上がったオーガの服についた埃を払い落とす修一郎。あの男が主催者の意図せぬ乱入者であったことは間違いないが、こうして追い出せた以上、それほど気にすることもない。
 彼は残された時間を楽しむべく、再びダンスを踊る相手を探しに会場の中央へと歩いていくのであった。

「私、お酒は飲めないんだ〜〜〜ごめんねっ」
「‥‥あ、いやお気になさらず。‥‥‥‥ところで、キャメロットのどこかでお会いしませんでしたか? 確か‥‥」
 スキンシップのつもりか、参加者の男性と腕を絡ませながら会話を楽しんでいたエルの顔を見て、男性はふと疑問を抱く。そう、どこかで‥‥確か酒場で盛大に‥‥
「ハハハハ! エルって似てるでしょ。でも酒場で結婚式を開催しているのはエルザなんだよ〜〜」
 渇いた笑いながら、なんとかエルにフォローを入れるメロディ。まさかこんな会場に本人曰く既婚の女性が混じっていることなど言えようもない。
「へぇ、そうなんだ。‥‥それじゃあ今は二人ともフリーなんだ?」
『うんそうだよ』
「そうなんだっ。それじゃあよかったら棲家の場所教えてくれないかな。きょうの素敵な出会いを祝して、何か贈りたいんだ」
 若干目を逸らし気味だが、あっさりと返答する二人。そして、あっさりと騙されてプレゼント攻勢に打って出ようとする男。
 ‥‥普段用心深い男ほど、こういう時には騙されやすいものなのであろう。

 結局冒険者達はパーティー終了まで参加者達と談笑を交わし、その後は何事もなく依頼を達成したのであった。