ただいま修行中!

■ショートシナリオ


担当:宮本圭

対応レベル:1〜5lv

難易度:易しい

成功報酬:1 G 29 C

参加人数:8人

サポート参加人数:-人

冒険期間:09月30日〜10月07日

リプレイ公開日:2004年10月08日

●オープニング

「お嬢ちゃん、どうだい今晩」
「‥‥あの、もしかして、来るところを間違えておいででは」
「いーやここでいいはずだ。俺がいま来てるのは、冒険者ギルドだろ?」
 いかにもその通りです、と言うのもなんだか馬鹿みたいなので、冒険者ギルドの受付嬢は赤面して沈黙した。カウンターに頬杖をついて彼女を見ている男は、顔は無精髭が点々と目立ち、体は引き締まった筋肉によろわれていて、いかにも堅気者ではない雰囲気を醸している。
 対する受付嬢は、つい最近依頼にやってきた人々の相手をするようになったばかりであった。
「いや悪い悪い。玄人女相手みてえな口聞いちまったな。どうも商売柄、口が悪くていけねえ」
「しょ、商売?」
「俺ァゲオルグってもんだ。小さい傭兵団を率いてる」
 あまりにも萎縮している彼女を思いやってか男が軽く笑みを浮かべると、強面に見えた印象がわずかに和らいだ。
 傭兵。要するに、雇われ兵である。冒険者らの中にも腕っぷしを活かし傭兵を生業としている者がいるので、窓口嬢もそういう仕事があるのは知っていた。信念ではなく金次第で動くという者たちという風評もあるが、実際にはごろつきから在野の名将までさまざまな者がいるものだとか。
「ウィリアム三世陛下の御世が平和なのはいいことだがよ。おかげで傭兵に舞い込んでくる仕事といやあ、商人の屋敷の警備だの、貴族さまの護衛だの‥‥言っちゃなんだが、ちっと退屈な仕事ばっかりでな」
「はあ」
「うちの若いのが、こんなんじゃ腕がなまる、なんとかしてくれって言い出してなあ‥‥まあ確かにもっともだ。俺たちゃ腕っぷしあっての商売なのに、それを振るう機会もないと来ちゃ自慢の剣も錆び付くってもんよ」
 もちろん傭兵として生きる以上剣の稽古を欠かしたことはないが、小さな団である。打ち合う相手はほぼ決まっている。型どおりの剣術試合ならばそれもいいだろうが、いつ実戦に出るかわからない傭兵たちがそんなことでは困るのだ。
「つまり、団員のみなさんの剣の相手をしてほしいと‥‥そういうことですか」
「そのとおり。団員の士気を保つのも、団長のつとめだからな」
「冒険者の皆さんも仕事ですから、無料というわけにもいかないのですが‥‥」
「こいつで文句ねえだろう」
 中身のぎっしり詰まった革袋をどっかと置かれてテーブルが揺れ、窓口嬢はふたつ返事で了承した。

 ゲオルグが上機嫌で帰ったあと袋の中身を確認すると、中がすべて銅貨であったことが判明し、新人の窓口嬢はしばらく他のギルド員から白い目で見られた。

●今回の参加者

 ea2059 エリック・レニアートン(29歳・♂・バード・人間・ビザンチン帝国)
 ea2816 オイフェミア・シルバーブルーメ(42歳・♀・ウィザード・人間・フランク王国)
 ea3079 グレイ・ロウ(36歳・♂・ファイター・人間・フランク王国)
 ea3651 シルバー・ストーム(23歳・♂・レンジャー・エルフ・ノルマン王国)
 ea3674 源真 霧矢(34歳・♂・ナイト・人間・ジャパン)
 ea4909 アリオス・セディオン(33歳・♂・神聖騎士・人間・ノルマン王国)
 ea5001 ルクス・シュラウヴェル(31歳・♀・神聖騎士・エルフ・ノルマン王国)
 ea5688 フィリア・シェーンハイト(22歳・♀・レンジャー・シフール・ノルマン王国)

●リプレイ本文

 パリから馬で数日ほどの距離にある名も無き街の片隅に、現在傭兵団『鷲の翼』が身を寄せている下宿がある。
 傭兵とはすなわち根無し草だが、冬の間の野宿は厳しい。毎年冬から春にかけては、拠点を定めて活動するのが団長ゲオルグの方針であり、少し早いが今年もこうして軒先を確保することになった。
 だがたとえ住む場所があっても、腕っぷし以外にさして取り得のない荒くれ者たちが冬を乗り切るためには、蓄えが要る。
「‥‥ううむ」
「何を唸っている」
 机に向かい羊皮紙になにか書き付けている男を見咎め、ルクス・シュラウヴェル(ea5001)は眉根を寄せた。
「ああ‥‥あんたは確か」
「そちらの団長殿に雇われた冒険者だ。何をしている?」
 ルクスが覗きこむと、机の上には計算のメモらしき羊皮紙の束、金貨や銀貨などの貨幣類などが散乱している。
「お金の計算?」
 食事を運んできたエリック・レニアートン(ea2059)が尋ねると、男はそうだと頷いた。
「うちは団長も団員もみんな稼ぐことには熱心だが、払うほうには皆まったく無頓着でなあ‥‥放っておくとまあ豪快に酒は呑みまくるわ博打は打つわ女は買うわ‥‥おっと」
 そこまで言いかけて、女性であり神聖騎士でもあるルクスの手前口をつぐんだが、当のルクスは眉ひとつ動かさない。
「気にしなくていい。それで?」
「あー‥‥とにかく誰かが財布の紐を締めとかないと、傭兵稼業で稼いだ蓄えなんてあっという間になくなっちまう。それでこうやって俺が貧乏くじを買って出て、こうして会計役の真似事で頭を痛めてるってわけさ」
「ふうん‥‥」
 エリックが納得して、とりあえず食事を置くところを確保するために、羊皮紙の束を重ねて机の脇にどけた。
「このメシ、坊主が作ったのか。結構美味そうだな」
「ありあわせのもので悪いけど‥‥それより、台所が凄いことになっててびっくりしたよ‥‥」
 話によればここに住み始めてまだ一ヶ月経たないというのに、食器と調理器具がまとめて山になっていた惨状を思い出してエリックがひきつった笑みを浮かべる。ルクスも眉をひそめて首を振った。
 ひどかったのは台所だけではない。詳しい状況は公序良俗を考慮して省かせてもらうが、ルクスが団員たちの尻を叩いて掃除・洗濯をさせなければ、冒険者たちはとてもここで寝泊りする気にはなれなかっただろう。
「俺がさんざん言っても掃除しなかったのに‥‥野郎どもも、女がいるからちっとは気を遣ったかな」
 軽く笑って、自称会計係の男は遅い昼食にとりかかる。
「そんなに苦しいのに、よく冒険者を雇う気になったね?」
「うちの団長は言い出したら聞かねえから‥‥まあ確かに腕が鈍るのは死活問題だしな。幸い冬まではまだ間があるし、それまでせいぜい気張って働きゃなんとかなるはずだ」
「では私たちも、せいぜい金額ぶんは働かせてもらう」
 冗談か本気か判断しづらい表情で、ルクスは重々しく頷いた。

「本当にそんな棒きれでいいのか? こっちは刃を落としちゃいるが、れっきとした鉄の剣なんだぞ」
「ええってええって。日本の剣術ちゅうのは、こういう木太刀で稽古するもんなんやで」
 源真霧矢(ea3674)はにんまりと笑って、右の木刀の切っ先をひらひらと振った。適当な枝を削って作った即席の木刀は、霧矢の流儀に従って、片手に一本、もう片手にはそれよりも小ぶりなものが一本。所謂二刀流だ。
「怪我しても知らねえぞ」
「ルクスはんがいてるから怪我しても大丈夫やろ。わざわざ稽古相手に雇っといて遠慮なんて、かなわんわ」
「へいへい」
 肩をすくめ、まだ若いと見える傭兵は地を蹴った。
 まだ完成しきっていない体による踏み込みは速く軽い。
「おっと!」
 軽く斜めにした木刀でそれを押し流すと、丸く潰した刃ががりがりと木の表面を削るが、折れるまでには至らない。空いた手で手首めがけた打ち込みは、意外なほどの速さで跳ね上がった剣に打ち払われた。軽い音とともにかすかに木っ端が散り、両者はお互いに距離をとる。
「うーん。やっぱ、日本刀同士とは勝手が違うもんやな」
 日本刀は強度も重さも、鉄の塊である西洋剣を受け止めるのには適していない。木の刀ではなおさらだ。だからこそ剣筋を一瞬で見極め、『流す』ことが肝要になる。
「じゃ、もう一合行ってみよか」
「おう、望むところだ!」
 そうかと思えば一方では、アリオス・セディオン(ea4909)が、団でも年嵩と見える傭兵を相手にしている。彼の修めるのは、ノルマンで興った新しい流派『ノルド』。技の多彩さと手数の多さで知られるこの剣技だ。
 横に薙がれた剣筋をサイドステップでかわす。返す刃はしなやかに軽く、硬質な音を響かせて相手の剣と打ち合った。一合、二合。力ののった一撃一撃はじゅうぶんに重く、速く、その間合いから一旦逃れようと傭兵は飛び退って距離をとる。
 そこへ『ソニックブーム』による追撃。
 剣筋が生み出す衝撃波は、咄嗟に剣で受け止めてもなお大きい。あおられてよろけ、バランスを崩す。その隙を見逃さず、アリオスは間合いを詰め、次の攻撃のためにいったん剣を引いて――。
「そこまでッ!」
 鋭い声は団長のゲオルグのもので、それを認めると同時にアリオスの動きが急停止する。
 ふたりの間に割って入ったゲオルグの剣、その切っ先が、アリオスの喉元を正確に狙ったまま静止していた。
「あんまり熱くなりなさんな、若いの」
 アリオスの使う『ソニックブーム』は、『スタンアタック』と併用でもしない限り手加減が難しい。空気の衝撃波という特性上、刃をつぶされていることは威力に影響がない。あまり細かい狙いの調整もきかない。当たり所が悪ければ大怪我をしかねない。
「確かに稽古相手は頼んだが、これでも体が元手の商売なんだ。あとに響くような怪我はなしで頼むぜ」
 神聖魔法で治すのにも限界があるんだからなと、そう言って傭兵団の団長は背中を向けた。

「どうした、どうした! これしきの魔法が避けられなくてどうする!?」
 問答無用で目隠しをさせた傭兵たちに、グラビティーキャノンの魔法を乱射しているのはオイフェミア・シルバーブルーメ(ea2816)である。ある者は重力波にあおられて転倒し、ある者は逃げようとして吹き飛ばされ、なんだかこの一角だけがえらいことになっている。ていうか魔法は普通避けられませんオイフェミアさん。
「そこは気合だ!」
 無茶な要求をしてなおも魔法を放とうとするオイフェミアの背後に迫る黒い影。
「その顔はなんだ! その目はなんだ! そんなことでヤツが倒せるか!? このジ・アースが」
 すっぱーん!
 その背後からゲオルグのぶあつい掌が、のりのりの科白の途中だったオイフェミアの後頭部をどついた。まともに前のめりにこけて鼻を打った女ウィザードが、ほとんど間髪入れずに身を起こし立ち上がり抗議する。
「痛いじゃないっ舌噛んだらどうすんのよっ」
「ちったぁ常識を考えろ! こんなバカバカしい訓練で、いざってときに団員が使い物にならなくなったらどうするっ。まだ冬までにガンガン稼がなくちゃならねえんだぞ!」
「ばばばバカバカしいですってえ!?」
 憤慨のあまり喋りが素に戻ってしまったオイフェミアの様子に、ふと皮肉げにゲオルグが唇を曲げた。
「‥‥化物との戦いで足を悪くしたとか言ってたよな?」
「うっ」
 舐められないために演出としてついていた杖は今は地面にころがっている。ひるんだオイフェミアの体がふわりと浮き上がった。荷物を抱え上げる要領で、彼女の体をゲオルグが肩にかるがる担ぎ上げる。
「な、何すんのよっ」
「‥‥とこのように密着しちまえば魔法使いはうかつに魔法を撃てなくなる。ウィザードの攻撃魔法は派手なのが多い。至近距離だと自分を巻き込む可能性があるからな。いつも使える戦法ってわけじゃないが、覚えておくといい」
「はい、団長!」
「下ろしなさいよーっ!」

 羊皮紙に描かれた大きな二重丸のほぼ中央部を、シルバー・ストーム(ea3651)の矢が射抜く。すっと背筋を伸ばした姿勢のまま、シルバーは愛用の長弓を少し下げてかたわらを見た。
 やはり同じように、的を狙い弓の弦を引いている男がいる。痩身の傭兵のつがえた矢は次の瞬間、かすかな空を切る音とともに的をめがけ放たれ、シルバーの矢のすぐ横に命中する。
「なかなかやりますね」
「へへっ。あんたもな」
 目がいいのだろう。腕一本で生きていると称するだけあって、狙いも弓の扱いも手馴れて正確そのものだった。まだまだこの世には使い手がたくさんいるのだと、シルバーはあらためて認識する。
 そのさらに横に、小さなナイフがすとん、と音を立てて突き刺さった。
 シルバーも傭兵も横を見る。
「へへ、大当たり〜っ」
 二人の間をひらひらふよふよと漂っていた当のフィリア・シェーンハイト(ea5688)が、得意げに手を掲げていた。
「おー、偉いなー嬢ちゃん」
「でしょ、でしょー?」
 傭兵たちもさすがにシフールの女性は守備範囲外なのか、フィリアに対しては友好的――というよりも、娘か孫に対するような扱いである。とはいえ、シルバーたちと同じ距離から的に当てたのだから、なかなかどうして射撃の腕は確かなのだろう。
 これは負けてはいられない。
 シルバーは練習用の矢をまた一本つがえて、また別の的に狙いを定め弦を引いた。口には出さなくても、心の内でひそかに燃えるのが彼という人物である。
「‥‥だからよ、ここでこう来るだろ?」
 そこから離れたところで、若手の傭兵に稽古をつけているのがグレイ・ロウ(ea3079)だ。先ほど決着のついたばかりの手合わせの内容を、稽古用の剣で軽くゆっくり打ち合わせながらおさらいしている。
「そんで俺がこう打ち込んで、お前が受けて‥‥」
「ここでこう流せば、絶対次はこう来ると思ったんだよな」
「いやいや、それはお前がいつも手合わせしてるヤツの癖だろ。実際の敵がそう来るとは限らねぇぜ? 俺ならここはこっちに流して、こうやって回りこんで腕を狙ったほうがいいと」
「え、だったら剣は受けないでこう避けた方が次の攻撃に対応しやすいんじゃ」
 こうとかこっちとか指示代名詞だらけでわかりづらいが、実際にはちゃんとグレイの動作つきで解説されている。ああでもないこうでもないと意見交換しあうグレイの稽古を見て、他の者まで口を出している。こちらはなかなか賑わってきているようだ。
「いいもんだな、こういうのは」
 団員の稽古の様子を見守りながら、ゲオルグはかたわらのエリックにぼそりと洩らす。
 稽古相手というよりも、むしろ彼らに剣を習うつもりで来たエリックだったが、団員は皆目新しい稽古相手に夢中である。ひとりぶらぶらしていた団長に手合わせを頼んでみたところ、少し一緒に付き合えと話を逸らされたのだ。
「お前は体が細いし小柄だ。これは剣の打ち合いにゃあでかいハンデだ。わかるよな?」
「‥‥まあね」
「うちの団員は皆身長がお前さんより頭ひとつは高い。腕だって、ほら」
 ずい、と突き出された団長の腕は、エリックの太腿ぐらいはありそうな太さである。一方のエリックの手首が、まるで芽吹いたばかりの若木のようにさえ見える差だった。
「もちろん筋力ばかりが強さじゃないが、力がなきゃまず重い武器が振れない。つまり間合いの長い武器が使えない。それだけでお前の戦い方って奴は、おのずと限られてくる」
「でも、僕だって冒険者だ」
 見返して即答したエリックのことを、ゲオルグは目を細めて眺める。小さい子供にするように頭を撫でられて、エリックは思わず顔を大きくしかめた。
「夕方でいいなら、相手をしてやるよ」

 日が暮れる前に、シルバーの提案で模擬戦を行った。オイフェミアは団長(つまり雇い主)命令で観戦である。
「ちゃんと手加減は加えるさ」
「攻撃魔法で手加減なんて器用な真似ができるのか」
「‥‥‥‥」
 そんなわけで、模擬戦は人数をあわせ六対六で行われた。旗取り合戦という形で行われたそれは、シルバーの弓、フィリアのナイフ投げなど、後方支援にすぐれた者の数の差で冒険者たちの勝利に終わる。
 互いに健闘を称えた握手をかわしているところで、夕飯の支度を終えたルクスが呼びに来た。

●修行の終わり・修行のはじまり
 傭兵たちに背を向けたとたんに尻に伸びてきただれかの手を、ルクスはすかさずぺちりとはたいた。この程度でうろたえるには、彼女はいささか人生経験を積みすぎている。金属製の小皿に、得意料理である野菜たっぷりのシチューをよそい、
「次は?」
「「「俺だ!!」」」
 たずねると、いっせいにおかわりの皿を差し出して口々に主張する。大きく顔をしかめ、エルフの神聖騎士は冷たい口調で言い放った。
「頼むから別々に喋れ。私の耳はお前たちにくらべれば確かに長いが、二つしかないのはお前たちと同じだ」
 エリックやルクスの作った料理はもちろんだが、それ以上に減りが早いのがワインである。まるで水のように、皆の杯の中身がぐんぐん減っている。会計係が心配するはずで、団の面々は皆恐るべき飲んべえだった。シルバーなどは騒がしい席が苦手なのか、食事だけとって早々と引き上げてしまっている。
「なああんたら。実は俺、人を探してるんだが‥‥」
 いい加減ほろ酔いになった相手をつかまえて、グレイは話を切り出している。
「‥‥こんな感じの奴なんだけどよ」
「‥‥なんだこりゃ。新手の化け物か?」
「似顔絵のつもりなんだが」
 もともと得手ではない絵を評されて、グレイは顔を赤くした。最初からこうすればよかったのだと、わずかな記憶をたどって探し人の特徴を口にすると、さてなあ‥‥と皆が考え込む。
「お前の家族とか、友達とか、そういうアレかい?」
「いや、なんつーか‥‥実は名前も知らねえんだよな」
 やはりこんな貧弱な情報では無理かと、ひそかに嘆息する。苦心して描きあげた似顔絵に至っては描いた当人でさえ似てないのがわかるのだから、もう焚きつけにでもするほかない。
 食事を運んでいたエリックを、ふと、隅のほうで飲んでいたゲオルグが呼び止めた。
「おい。飲んでねえだろうな?」
「そんな暇ないの、見てわかるだろ?」
「ならいい。ガキが粋がって飲むと、稽古のとき大怪我するからな」
 適当に頃合を見て外に出るぞと、言われたエリックは途端にそわそわし始めたという。

●ピンナップ

ルクス・シュラウヴェル(ea5001


PCシングルピンナップ
Illusted by 泉