犬鬼に成ろう。1
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■ショートシナリオ
担当:凪
対応レベル:1〜5lv
難易度:難しい
成功報酬:2 G 70 C
参加人数:5人
サポート参加人数:-人
冒険期間:01月17日〜01月23日
リプレイ公開日:2007年01月24日
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●オープニング
●犬鬼に成ろう。1
とある盗賊団が豚鬼達が闊歩し、群雄割拠する山へ潜伏している。
とある事情で町中に潜伏することが難しく成ったため、犬鬼に化けて豚鬼を襲い、食べ物などを奪ってこそこそと潜伏している。
盗賊の頭領の名は石川五右衛門。
凄腕の浪人を何人か雇い、西洋河童を数人引き連れて20人を超える盗賊団を結成している。
そんな盗賊団である彼らから冒険者への依頼‥‥もちろん盗賊で有ることは伏せて依頼は来ている。
『豚鬼に占領された村を取り返したいので力を貸してくれ』との事である。
彼らはエジプト渡りの怪しい兵器を豊富な竹で作成し、豚鬼達と戦いつつ根城となる拠点を作ろうとしているが、なかなか人手が足りなくて敵を倒せない。のである。
「強い敵は何とかする。雑魚の群れをザクザク倒して貰いたい。ただし、人間が山に居る事が豚鬼や人間達に知られると困る。この犬鬼の毛皮を被って犬鬼になりすまして豚鬼を倒して欲しい。報酬は弾む」
っと言う訳で、それほど難しくは無いため初級冒険者募集である。
犬鬼に化けて豚鬼をザクザク倒してくれる冒険者。是非来て欲しい
●リプレイ本文
●犬鬼に成ろう。1
雪、雪雪雪‥‥雪!
北西近江の山岳地帯はどこもかしこも雪で覆われている。
「良く来てくれた若き冒険者の‥‥諸君‥‥」
大盗賊の石川五右衛門に挨拶される冒険者達だが、今回の頭数は3名
3名で力を合わせて豚鬼を退治しなければならない。
「まぁ3名でも仕方ない、こちらは人手が足りないのだ。悪いが犬鬼に化けて豚鬼退治の方ヨロシク頼むよ。君たちに助っ人‥‥西洋河童3号を付ける。我々は後方から雪玉投げることに専念するから‥‥ヨロシク」
そう言って石川五右衛門が3人に挨拶する。
一匹の謎の河童が彼らの前に現れた。
西洋河童3号と呼ばれたそれは、亀の甲羅の盾を左手に装備し、日本刀を装備した小柄の河童(?)であった。
ジャパンの河童と違い頭に皿はない。
ジャパンの言葉も分からないらしい。
エリス・スコットランド(ea6437)が言葉が分からないと言う西洋河童3号に挨拶をする。
「私の名はエリス・スコットランド。今回は散発的なゲリラ戦法で戦おうと思っています。言葉の壁は有っても仲良くやっていきましょう。よろしく」
握手を求めるエリス・スコットランドに握手で返す西洋河童3号。
「もう少し兵力を借りても良いかな?」
石川五右衛門に兵力増強を頼むのは東雲八雲(eb8467)。
「兵力は雪玉投石機に使うのでこれ以上は避けないが、雪玉を後ろから投げつけて援護はする。それで勘弁して貰えないか?」
石川五右衛門はそう言って竹で出来た大きな雪玉投石機を指さした。
雪で作った大きな弾を、竹のしなりを利用して投げる兵器である。
これが今回のビックリドッキリ秘密兵器だ。
時が流れて日の出、本来なら夜襲と行きたい所だが、正々堂々朝日と共に村に向かう面々。
前衛にエリス・スコットランド。東雲八雲。そしてナミ・ツユダーク(eb2472)と西洋河童3号。
後衛に雪玉投石機が2機である。
「では‥‥えーと豚鬼の儀式に乗っ取って、犬鬼的の敵の殲滅を行いたいと思う。みな犬鬼の毛皮をかぶってくれたまえ」
そう言って手渡される狼の毛皮、今日からボクも私も犬鬼だ。
「ぼ〜う〜♪ ぼ〜う〜♪」
法螺貝の音が鳴る。
「どん! どん!」
陣太鼓の音が鳴る。
攻撃するぞと言うのを音で意思表示してから戦を仕掛ける。
町から飛び出してきたのは豚鬼が4匹。
一匹は他の物より少しばかり大きい。
なるほど倒そうと思って倒せない数では無いようだ。
先ずは3人が一匹の豚鬼に飛びかかる。
エリス・スコットランドのクルスソードがチャージングで正面の豚鬼に深々と突き刺さる。
つづいてナミ・ツユダークのスマッシュ。
普通なら当たらない程の大降りの一撃だが、チャージングで負傷していた豚鬼は反応が一歩遅れた。
袈裟懸けにばっさりと切られて血しぶきが舞い上がる豚鬼。
返り血で頬を染めるナミ・ツユダーク。
東雲八雲がトドメとばかりにグラビティーキャノンをたたき込んで、豚鬼の一匹が白目を剥いて雪に倒れ込む。
雪がみるみる赤く染まって行く。
「きしゃー! きしゃー!」
金切り声を上げる西洋河童三号。
右手の日本刀と左手の甲羅の盾で敵の攻撃を流す。
そこへ後方から雪の塊が飛来する。
豚鬼の頭に直撃するが、ダメージは軽度の様だ。
「よし、二匹目」
助走距離を取ったエリス・スコットランドが2匹目の豚鬼にチャージングをたたき込む。
それにまたも同じようにスマッシュをたたき込むナミ・ツユダーク。
今度は東雲八雲も刀で斬りつける。
3発の攻撃を浴びても元気を保っていた豚鬼だったが、
動きが鈍くなったところに西洋河童3号のシュライクの一撃が入り形成逆転、みるみる内に敵を殲滅させてゆく。
気が付いてみれば全身汗びっしょりの3人と、血に染まった4つの豚鬼の死体があるだけだった。
「皆さんありがたいありがたい。早速死体を処理してから荷物を持ち込んで村を要塞化しよう。イヤイヤこの村には天然の温泉が有ってな。どうしてもそれが必要だったんじゃよ」
石川五右衛門が大喜びで冒険者達の頭を下げる。
夕食を用意するから食べていってくれと言うほどだ。
「西洋河童‥‥こんなに強いのが3匹もいるなら‥‥冒険者いらなかったのでは?」
ナミ・ツユダークの言葉に石川五右衛門が苦笑を浮かべる。
「残念ながら西洋河童どもは雪‥‥冷却に弱くてな、寒い中では途中で動けなく成ってしまうかも知れないというデメリットを抱えて負ったのだ。だからそんなときに後ろからお湯をかけてやる係りが必要デナ。そのために前衛を雇うしかなかったのだ。‥‥ここなら温泉もあるし、いつでも後ろからお湯がかけてやれるからな。先ずは村の回りにお濠りを掘って温泉を流すとしよう」
そんなこんなで大八車に乗せられた米やら食料やら盗品と思わしき金品の数々やらが村に運び込まれて行く。
村の回りを竹で増強して温泉のお湯を竹を通して村の回りに流してから昼食。
猪の肉で作った薫製肉と野菜たっぷりの雑炊。
大根たっぷりのみそ汁が用意され3人は‥‥特にナミ・ツユダークは鍋を一つ空けるほどの大変なご相伴であった。
こうして盗賊団はおんせん村を根城にして今後はしばらく潜伏していることになるのだろう。
それはもちろん春に成るまでのか細い間だけかも知れないが。