琵琶湖の海賊退治 3
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■ショートシナリオ
担当:凪
対応レベル:1〜5lv
難易度:難しい
成功報酬:2 G 4 C
参加人数:5人
サポート参加人数:-人
冒険期間:07月15日〜07月20日
リプレイ公開日:2007年07月24日
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●オープニング
●琵琶湖の海賊退治 3
「琵琶湖に海賊が現れた。退治してきて欲しい。」
依頼の内容は凄くシンプルな物だった。
琵琶湖は日本で一番大きな淡水湖である。
琵琶湖で捕れた淡水の幸は、海の無い京都では人気があり、高値で取引されている。
冷蔵庫が無く、輸送技術の発達していないこの世界では、捕れたて新鮮なお魚を出来るだけ早く町に届ける事が重要視されておりました。
そんなわけで琵琶湖の漁師。得に網元は大切であり、近江にとってはとても重要な税の収入源になっている
網元‥‥とは近江のお奉行様から、琵琶湖で漁をする許可を貰った人間の代表の事。
他の漁師は網元の許可を貰い、網元から有料で船や網を借りて漁をする。
捕れた魚は、一度全部網元を通してから、市場に売られて行くのだ。
網元を通した魚の何割かが手数料として、何割かが税として国に治められる。
船を持っていても、網を持っていても、網元か網元の許可がない者が漁をするのは違法行為なのです。
しかし、何処にも法を破る者はいる。
網元の許可を取らずに、無許可で漁をする者は違法であり、密漁である。
厳しく罰せられる。
だが、網元や近江に税を払っていないために捕れば捕るほど儲かる。
そんな密漁を取り締まる元達が居る。港奉行達である。
所が最近に成って琵琶湖に海賊が出るように成って人手が足りない。
密漁する海賊まで出るような始末である。
「ふむ‥‥冒険者の手を借りて、海賊退治をお願いすると言うのはどうだろうか?」
大津の港奉行から依頼を受け、町奉行の神楽坂紫苑が案を出す。
そんなわけで船に乗って海賊の船を襲撃し敵対する改造を倒して欲しい。
●リプレイ本文
●琵琶湖の海賊退治 3
おそれを知らない戦士のように振る舞うそれは鬼神の如くという。
「今回お主達に同行する神楽坂紫苑じゃ。わらわの戦闘スタンスでは余り役には立たぬと思うが水先案内人として同行する。ヌシらのために船も用意してあるのじゃ。ヨロシク頼む」
そう言って一人の少女が同行することになった。
彼女は神楽坂紫苑。身長は130〜140cmそこそこ、体重25kg、オーラを使う近江の侍、大津町奉行と対豚鬼特選部隊、アイアンリンクス隊長を兼任する人である。
そんな訳で冒険者五名+神楽坂紫苑+船頭1名で戦船は大津港を旅立つ事になる。
いや、旅立つと言っても半日もかからない場所なのだが。
「釈迦に説法だろうが海賊が出没するのは、この水域だそうだ。この水域へ船を出して欲しい」
結城弾正(ec2502)が琵琶湖の地図を指さしながら船頭につげる。
船頭は軽くうなずきながら、地図の通りに船を進める。
船は漁船に擬装されていた。
マアヤ・エンリケ(ec2494)の提案である。
魔法が届く距離まで船を近づける必要がある。
そのためのカモフラージュである。
目的ポイント海域に船を進める。
風は北の風、風力はそこそこ、船は風上に向かって真っ直ぐ進んでいた。
前方に見えるのは漁船が3。
だが、妙だ、何かが妙だ。
「あそこで漁してるぜ。あれは海賊か?」
結城弾正が質問する。
「うむ‥‥おそらくな。船を近づけて確認してみよう」
神楽坂紫苑の命令で3隻の内最も近い船に近づこうとする。
すると船に厳つい男集が数名現れ、こちらに警戒している。
間違いない、海賊船か密漁船である。
状況から察するに三隻全て‥‥。
敵は3隻、こちらは一隻、客観的に見てこちらの船を見て、相手の船が逃げることは無い。迎え撃つ気満々である。
こちらに冒険者が居ることなど知らないのだから。
「くらえ! アイスブリザード!」
レイン・フィルファニア(ea8878)が呪文の詠唱に入る。
彼女の放った魔法は扇状に海賊の船を包み込む。
突然の魔法攻撃に面食らった顔の海賊衆。
だが、船同士の距離は接近して行く。
本多文那(ec2195)が弓を使って矢を放つ
残念な事に矢は相手の船の胴体に当たって突き刺さった。
彼女の技量では動く船同士の間で船頭を射抜くには少々足りないようだ。
彼女は仕方なく弓を置き、日本刀に獲物を持ち変える。
「きゃははぁ、船の上でぇ溺れてみるぅ?」
マアヤ・エンリケが海賊に対してウォーターボムを放つ。
直撃した海賊が倒れているのが分かる。
レイン・フィルファニアが3発目のアイスブリザードを放ってから一呼吸で船同士がぶつかり合った。
敵の数は5名、どれもモリを構えている。
「接近戦ならばわらわも少しは力になるじゃろう」
神楽坂紫苑がいつのまにやら右手にオーラソードを、左手にオーラシールドを構えている。
結城弾正が刀を抜いて相手の船に斬りかかる。
それに続いて本多文那が続く。
メリア・イシュタル(ec2738)が後方から矢を放つ。
それが海賊の一人の肩を掠めた。
メリアが2発目の矢をつがえる。
それを邪魔するように敵の海賊の一人が乗り込んでいた。
彼女を狙ったモリは神楽坂紫苑の盾に寄って防がれる。
マアヤ・エンリケが敵の船の海賊にウォーターボムを唱える。
攻撃は結城弾正と本多文那が相手を攻撃し、射撃はウォーターボムとメリア・イシュタルの矢が放たれる。
防御は盾を持った神楽坂紫苑。
レイン・フィルファニアはアイスブリザードが広範囲なので自重している。
最初の船が彼らの手によって征圧されるまで10分とかからなかった。
それを見ていた他2隻の海賊達、何を思ったのか逃げれば良い物を、捕まった仲間を助けるためにこちらの船への接近し戦闘を仕掛けてきた。
ここは腕に覚えの有る冒険者、弓でけん制し、魔法で相手の生命力を削り、接近戦で仕留めるという流れを一つ一つ撃墜してゆく。
3隻全ての船を戦闘不能にし、海賊達を縛り上げるまで、ものの1時間もかからなかった。
「大漁ですね」
メリア・イシュタルがそう言って微笑を浮かべる。
「うむ。大漁じゃ、コヤツらはしばらく幽閉して取り調べを行おう。良くて島流し、悪くて縛り首と言う所じゃな」
そう言って神楽坂紫苑がかんらかんらと笑った。
冒険に参加した5人もかんらかんらと笑った。
戦いは終わった、あっさり終わった。
夏の日差しと玉のような汗をかきながら、冒険者達は満面の笑みを浮かべていた。
船は大津へと進路を取る。
3隻の海賊船を引き連れているため速度は殆どでないが。
船はロープで固定して牽引してゆく。
海賊達もそれに引かれて大津まで運ばれて行く。
冒険者達の船では祝宴が行われていた。
酒を振る舞われ、レイン・フィルファニアがそれを飲み干す。
続いてマアヤ・エンリケ、結城弾正も酒を振る舞われる。
メリア・イシュタル、本多文那も同様だ。
酒が入り笑い声が聞こえる。
勝利の笑い声だ。
敵の海賊を20人も捕まえ、こちらはかすり傷程度の傷で済んだ。
大勝である。これほど嬉しいことはない。
一頻り勝利の美酒に酔いしれてから、冒険者達は帰路につくのであった。
どっとはらい