『謎の温泉教団の温泉宿 1』

■ショートシナリオ


担当:

対応レベル:1〜3lv

難易度:普通

成功報酬:0 G 71 C

参加人数:12人

サポート参加人数:-人

冒険期間:07月22日〜07月28日

リプレイ公開日:2004年07月30日

●オープニング

 初夏の日差しの差し込む関東甲信越、江戸から北へ2日ほど行った山間の温泉寺を中心に、謎の温泉教団は活発に活動していた。
 彼らは八百万の神を信仰する宗教団体で、温泉には神が住んでおり、温泉に入ることが教義と成っている団体である。
 温泉に入るための礼儀作法には厳しいがそれ以外はおおむねざっくばらんである。
 彼らは温泉寺に住み、檀家の者達も温泉へといざなう。
 温泉寺の裏はもちろん温泉である。温泉に入り身体を癒し、心を癒し、平和に生きていこうと言うのが彼らの考え方である。
 石灯籠の明かりの中でのんびりと温泉に入るのが彼ら流のやり方だ。
温泉脇には屋台が数軒並んでいる。甘酒や蜜柑酒、冷えた瓜や無花果などが売られている。
 そのほかにも野生の豚肉を使った串焼きの焼き豚。鯨の肉を使った鯨丼。山の清流で取れたばかりの虹鱒を使った鱒寿司や鯉の刺身等も売られている。
 檀家の人間達はここでお金を使ってくれる。これが彼女たち謎の温泉教団の軍資金に成っているのだが‥‥。
「いかんせん、ちょっと資金面に問題を感じるわね」
 そう言って温泉教団幹部の彩花がため息をつく。教団の人間の屋台や、教団経営の畑で取れた野菜で一応の生計は立てられているのだが、大幅な黒字というわけではない。もっとドーンと軍資金を稼ぐためにはもっと大きく商売をする必要がある。
「仕方がないわ。ちょっと経費がかかるけど。裏手の竹林にもっと大きな湯治客専用の温泉を作りましょう」
 のんびりと温泉に浸かりながら、彩花が普段使っている温泉の裏に見える竹林の一つを指さした。そこは鬱蒼とした竹林である。
「お恐れながら彩花さま。確かに彼処なら良い温泉が作れると思いますが、あの竹林にはオークが出没します。オークを何とかしなければ温泉を作ることが出来ませんよ?」
 そう言って数名の女性達が彩花に対して意見を温泉の中で意見を述べた。
「分かっています。まずは冒険者を雇ってオーク達を追い払いましょう。温泉作りはそれからです」
 そう言って彩花はザバンと温泉の中で立ち上がりビシっと竹林を指さした。
「見ていなさいオーク達。きっと立派な温泉を作って見せるから」
そう言って腰に手を当てて大きく高笑いをするのであった。

●今回の参加者

 ea0233 榊原 信也(30歳・♂・忍者・人間・ジャパン)
 ea0299 鳳 刹那(36歳・♀・武道家・人間・華仙教大国)
 ea0547 野村 小鳥(27歳・♀・武道家・人間・華仙教大国)
 ea0758 奉丈 遮那(32歳・♂・忍者・人間・ジャパン)
 ea1233 桜澤 真昼(26歳・♂・志士・人間・ジャパン)
 ea1874 虎 玲於奈(30歳・♀・武道家・人間・華仙教大国)
 ea2480 グラス・ライン(13歳・♀・僧侶・エルフ・インドゥーラ国)
 ea2823 茘 茗眉(32歳・♀・武道家・エルフ・華仙教大国)
 ea3082 愛染 鼎(32歳・♀・浪人・人間・ジャパン)
 ea3823 設楽 葵(30歳・♀・浪人・人間・ジャパン)
 ea4598 不破 黎威(28歳・♂・忍者・人間・ジャパン)
 ea5209 神山 明人(39歳・♂・忍者・人間・ジャパン)

●リプレイ本文

●戦闘
 草木も眠る丑三つ時。静かに竹藪の中を動く人影がある。忍びである。
不破黎威(ea4598)静かに、密やかに竹藪の中を探っていた。
 オークの数は約5匹。それぞれがそれぞれに武器を携えている。
 オーク以外の敵にも警戒を払わなければ成らない。
 今の所それらしい敵は見つけることが出来ない。おそらくオークの縄張りには他のモンスターは近づかないのかも知れない。
 榊原信也(ea0233)罠を設置してオークを退治する案を温泉教団に提出していたが、問答無用でそれは却下されていた。少なくても落とし穴の様な罠は設置が困難であり、ましてや敵のテリトリーに罠を設置することは難しい。それが答えだった。
 本心は出来るだけ自然のままにこの土地を残したいのだと言うことも榊原は分かっていた。故にそれ以上に無理は通さず、春花の術のエンゲージポイントのみを探していた。

 茘茗眉(ea2823)が焼きたての香ばしい焼き豚(焼き鳥の豚肉バージョン、バーベキューの焼き串の様な物)を持ってその香りを漂わせていた。
 オーク達がそれに少なからず反応する。5匹のオークのウチの3匹までもが、そのニオイに連れられて、風上へ風上へと足を進めていた。
 そして、その先には奉丈遮那(ea0758)が待機している。
「後は頼むわよ。遮那さん」
 茘茗眉が奉丈遮那に合流する。間合いを計る。距離を10m圏内にしなければ成らない。
 緊張の中に3匹のオークが間合いの中に入ってくる。

 そして春花の術が静かに発動する。

 甘い香り、睡魔がオークを襲う。運が良いのか悪いのか、2匹のオークがその睡魔の中に沈んでいった。残るは一匹。だが、音を立てれば眠っているオークを起こす事にもつながる。十分に注意した作戦が必要である。
「ここでオレの出番だな」
 神山明人(ea5209)が春花の術を試みる。
 2発同時発動の春花の術に流石のオークも静かな眠りの中に落ちていった。

 一方残った2匹のオークと対峙するのは

 野村小鳥(ea0547)と虎玲於奈(ea1874)それに愛染鼎(ea3082)である
日本語を話せない虎の言葉を、小鳥が通訳に回りながら、一匹のオークを相手に対峙していた。
「唸れ!! 必殺爆虎掌!!」
「必殺!! 鳥爪撃!!」
「そしてトドメにダブルアタック!!」
 予期せぬ攻撃でオーク達を翻弄させる3人。オークもゴブリンに倍するHPと防御力を用いてソレを受け止め、堪え忍んで、ジリジリと戦闘を繰り返す。
 3対2それでもオーク側が有利なのは変わらない。
「負けるものか‥‥オマエタチを倒して玲於奈とムフフでHな嘆美な温泉を楽しむのじゃ〜」
  愛染鼎が刀を抜き特攻する途中でへろへろと倒れ込む。
 小鳥も虎さえもフラフラと地面に倒れ込む。そして2匹のオークも‥‥。
「春花の術。成功だな」
 いつの間にやら神山明人が合流し、春花の術を使っていた。

 今回は運良く春花の術が戦局を大きく左右する決定打に成ってくれていた。

「あら、今回ウチの出番が有りませんでしたなぁ」
グラス・ライン(ea2480)が少々寂しそうに戦闘の終わった空間を眺めていた。

●宴
 オークを追い払い、新たな温泉建設地を手に入れた謎の温泉教団の面々達は、冒険者達の労を労い、宴を催していた。
 温泉の中で疲れを取る者。マッサージを受ける者。屋台で食べ物をほおばる者人それぞれに宴を楽しんでいた。
 設楽葵(ea3823)が蜜柑酒を煽り、焼豚の串を頬張り、鮎寿司を堪能し、そしてすっかり出来上がった状態で、全裸のままで舞を踊り歌を歌い始めた。
「あらあら、まだ夜は始まったばかりよ? そんなに飛ばしていて良いの?」
 彩花ねぇさんが設楽葵に語りかける。だが、設楽葵はご機嫌で踊り続けた。

「あのー。混浴なのは構わないですし‥‥手ぬぐいを湯の中に入れるなどもってのほかだと私も思うのですが‥‥女性の方に堂々とされると逆に目のやり場に困るのですがー。温泉に入って、ゆっくり疲れを取るつもりだったのですが、余計に疲れそうです‥‥恥ずかしい」
 桜澤真昼(ea1233)がお湯の中で首まで浸かり、目のやり場に困りながらも、その目は設楽葵の全裸での舞を、彩花ねぇさんの裸体へと流れてゆく。そして目線が合うと、カーッと耳まで真っ赤にしてお湯の中に沈んでいった。
 彩花はそれを見てクスクスと微笑を浮かべている。

「御苦労様です〜♪」とばかりに、彩花姐さんの背中を流す鳳刹那(ea0299)。
 手ぬぐいで彩花の肌を優しく撫でると、今度は彩花が鳳刹那の身体をなで回すように、なめ回すようにして垢擦りを滑らせる。
「あぁ、そんなところ行けません。私そこは‥‥そこは‥‥」
 足をひくひくさせ、全身をのけぞらせるようにして身体をフルフルと震えさせる鳳刹那。
それに気分を良くしたのか、彩花の洗身攻撃は続いてゆく。

 野村小鳥がそんな騒動の片隅で静かにお湯に浸かっていた。
 その隣には女性に変身した奉丈遮那(ea0758)の姿がある。
 男性に肌を見せるのを恥ずかしいと角の方で小さく成っている小鳥であるが、彩花に身体を洗ってもらうと胸が大きくなると聞き、少々悩んでいた。
「小鳥さん‥‥だったかしら? 胸が小さい事を悩んでいるの? それならおねぇさんがマッサージしてあげる。さぁおねぇさんに任せなさい♪」
 彩花がお湯の中に入ってくると小鳥を後ろから抱きしめる。背中に彩花の大きな胸の感触を受けながら、後ろから回された手が優しく小鳥の胸をマッサージしてゆく。
 小鳥の心臓は徐々に高鳴りを上げ、胸の上を流れる彩花の指の動きに翻弄される。
「あっ、あの、凄く気持ちよくて‥‥あの、あぅん」
 胸を大きくするためにマッサージでドンドン変な気持ちに成ってゆく小鳥。
 全身を走るような感覚にぐったりとして彩花に身体を任せた。

「さて、今度は貴方にもサービスしてあげるわよ」
 ぐったりとした小鳥を寝かせると、こんどは彩花が奉丈遮那を後ろから抱きしめた。
背中に当たる胸の感触。全身をまさぐられる指の感触が彼を襲う。
「女の子の身体で、こういうサービスを受けるのは初めて?」
 奉丈遮那の耳元で小さく囁くと、女性の身体の奉丈遮那をもてあそび始めた。
「うっ、んっ、くっ」
 奉丈遮那が身悶え、声が漏れないように必死に抵抗をする。
 女性の身体に成って女性にサービスしてもらうなど彼に取っては初めての経験である。
 もし失神などしようものなら術が溶けてもとに戻ってしまうかも知れない。
「そうそう、がんばらないとね。術が溶けたら小鳥ちゃんに嫌われちゃうわよ?」
 そう言って彩花は人遁の術が溶けるまでの一時間、女性の身体の奉丈遮那をもてあそび続けた。

「僕らの前には言葉の壁なんて問題じゃ無いのさ」
 虎玲於奈がお湯に浸かってのんびりと温泉を楽しんでいる。
 その傍らには愛染鼎。ふたりは親友であるが、言葉が通じない複雑な関係である。
「玲於奈マッサージしてあげる」
 無抵抗な玲於奈をHなマッサージで優しくほぐして行く愛染鼎。
「やだ、くすぐったいよ。愛染鼎」
 その言葉は愛染鼎には通じていない。ふたりの甘い一時は朝まで続くのであった。

●ピンナップ

奉丈 遮那(ea0758


PCシングルピンナップ
Illusted by KAXAK