雪と戦と褌と。

■イベントシナリオ


担当:鳴神焔

対応レベル:フリーlv

難易度:普通

成功報酬:0 G 13 C

参加人数:8人

サポート参加人数:-人

冒険期間:12月19日〜12月19日

リプレイ公開日:2010年08月20日

●オープニング

 キエフの冬。
 それは生きとし生けるものを拒むかのような極寒の訪れ。
 当然そうなれば辺りは真っ白な雪景色に包まれ、辺りの景色は一変することとなる。
 だがそれはこの地方に伝わる新たな戦の幕開けでもあった。
 キエフより馬車で一日ほど行った場所にある二つの村。村同士は毎年この季節になるとある方法で戦争を始め、勝った方が一年間狩場を独占できるという取り決めがされていた。その方法とは―――雪合戦。
 だが今この伝統の雪合戦に、静かな異変が起ころうとしていた。

「村長! 村長〜!!」
 大きな声と共に一人の青年が小屋の中に転がり込んできた。
 中にいた老人はその声の大きさに思わず眉を顰める。
「何事じゃ騒々しい」
「す、すいません‥‥ですが、これを見てください!」
 息を切らせながら青年が差し出したのは一枚の手紙。
 怪訝そうな顔で受け取った村長と呼ばれた老人、読み進めるうちに顔色がだんだんと曇っていく。
 手紙に書かれていたのは、村から数キロ離れた場所にある村の前線基地が昨晩全滅したという報告だった。
「これは‥‥奴ら一体何をしたというのじゃ!?」
「わかりません。ただ報告によると巨大な雪男が出た、とか‥‥」
「雪男じゃと!? ではモンスターが出たというのか!」
「いえ、それがそういった被害は出ていないようでして‥‥あくまで合戦の参加が不可能になったというだけのようです」
 青年の報告に胸を撫で下ろす村長だったが、すぐに表情を引き締める。
「しかし参加が不可能ということは‥‥何か怪我でも負わされているということかの?」
「はぁ、それが‥‥戦意をなくしてしまっているというか‥‥」
「どういうことじゃ?」
「全滅した基地に偵察へ向かった若者の報告によりますと、前線にいた男たちは皆衣服を脱がされ、褌一丁の状態で発見されたそうです」
 キエフの冬は寒い。極寒だ。とてもじゃないが素っ裸の状態で常人が耐えれるものではない。
 想像してしまった村長は思わず身震いをした。
「しかし、これで外部勢力の投入に関してはこちらも遠慮する必要はなくなったというわけじゃな」
「はぁ。しかしそんなアテなんてあるんですか?」
 青年の問い掛けに村長はにやりと笑みを浮かべた。
「いるではないか―――冒険者という勢力が」


※簡単ルール説明※
試合形式
参加者の体力の続く限り投げ続ける。

ルール
○途中で雪玉作成は可能。事前に用意しておいても良い。
○魔法使用は適時OK。ただし著しく試合進行を阻害すると審判が判断したものは不許可。
○ペットやアイテムによる空中戦は、上空3メートルまで。
○チームや連携相談はお好きにどうぞ。

判定
○参加者が時間内(一定ターン)に雪玉を投げ合って、一番被弾数の少なかった人が勝者。
○ただし、雪玉を一度も投げずに逃げ回っていた場合は次点とみなされるPCが勝者に繰り上がる場合があります。

●今回の参加者

クリス・ラインハルト(ea2004)/ エルンスト・ヴェディゲン(ea8785)/ ラザフォード・サークレット(eb0655)/ レイズ・ニヴァルージュ(eb3308)/ メグレズ・ファウンテン(eb5451)/ アーシャ・イクティノス(eb6702)/ エルディン・アトワイト(ec0290)/ 桂木 涼花(ec6207

●リプレイ本文

 よその国では、面白おかしく雪合戦をやらかしているのに、なぜだかロシアでは事情までもが極寒だった。
「目標は完全勝利とヘンタイさんの春まで封印です!」
 クリス・ラインハルト(ea2004)が元気に拳を突き上げた天も、どんよりと重苦しい雲で覆われている。場所は山裾で、晴れていたって日が暮れるのは早そうだが、今日の天気では朝から薄暗い。
 そんな雰囲気だけでも薄ら寒い雪合戦会場からちょっくら離れた場所では、クリスがかなりよく知っている某月精霊が、無邪気に手を振っていた。ささやかな応援団だが、中身は考えたら色々問題があるすごさだろう。
 二つの村の、狩場独占を争う雪合戦。戦力増強の依頼があった村は、先日の前線基地崩壊で冒険者を含めても、相手の村の人数に比べて十人から劣るが、勝利への自信では確実に上回っていた。
「ふっふっふ〜、私を敵にまわしたことを後悔させてあげます!」
 アーシャ・イクティノス(eb6702)、最近結婚したので姓がエルダーになった彼女は、不敵に笑っている。腕を組み、見るからに自信ありげな笑顔は、まるごとすのーまん姿でなければ迫力も満点だったろう。寒さ対策としては万全だが、すこしばかり締まらない。
 その背後では、ラザフォード・サークレット(eb0655)がこれまた人の悪い笑みを浮かべて、辺りを睥睨している。こちらも実力やこれまで潜り抜けた依頼を聞けば、相手方はすくみあがったかもしれないが‥‥手にしているのがうさ耳なので、これまた迫力半減だ。
 依頼した村長も、不安そうな様子を隠さない。
「あの、よろしくお願いします。‥‥お邪魔にならないように頑張ります」
 唯一、レイズ・ニヴァルージュ(eb3308)が随分と丁寧に挨拶をして回っているが、丁寧すぎて戦力として頼れるのかと村の若者などは心配しているようだ。そんな彼が、仲間の間を流れるさっきはちゃんと感じ取っていることなど、村人も知るよしはない。
 もちろんそんなことは分からなくてもよいわけで、まずは雪合戦に備える必要がある。両村の取り決めで事前の雪玉作成が許されているのなら、まずは時間が許す限りは作らなくてはならなかった。
「作り置きすれば固くなるので、石などいらんぞ」
 あまり誉められないことをつれてきた精霊二体に平然と告げているのは、エルンスト・ヴェディゲン(ea8785)だ。希望者に次々とレジストコールドを付与しつつ、せっせと雪玉を作っている。もちろん、ぎゅぎゅうっと握り締めるのがお約束。
 同じことをエルディン・アトワイト(ec0290)やクリスも実行中だ。メグレズ・ファウンテン(eb5451)は、エルディンに勧められて、彼らが大雑把に握った雪玉をぎゅうぎゅうと握るのに忙しい。
「問題は、相手の雪玉の中に何がしこまれているかと、相手が雪玉以外で何かしでかすことと考えていましたが‥‥中に仕込む必要は確かにないようです」
 神聖騎士のジャイアントが力いっぱい握れば、特大の『氷』玉が出来る。だが、相手方にジャイアントがいるとは聞いていないが、キングスモーマンは種族が不明だ。目撃者証言ではジャイアントでもおかしくない背丈と体格なので、油断は出来ないだろう。
 相手の雪玉を避けるより、皆の盾になって突き進むつもりのメグレズは、顔にだけは雪玉を受けないようにと心に決めている。
 アーシャにいたっては、連れてきたペガサスの背に袋をつけて、そこに出来上がった雪玉を押し込んでいた。挙げ句に矢を取り出して、鏃部分に布を巻いている。自分に向かってくる雪玉は、これで射落としてやるつもりだとか。
「平和の象徴のような雪合戦が、よもやこのように物騒な話となるとは‥‥」
 桂木涼花(ec6207)がしみじみと呟いて、肩をすくめている。確かによそでは大抵が遊びだが、今回は狩場の使用権が掛かっているから、絶対に勝ってくれと村長が言い募ろうとしたところ、
「ともあれ、下帯一丁で放置とは死ねと言わんばかり。そのような輩には、きっちりお灸を据える必要がございましょうね」
 涼花もまるごと猫かぶり姿だが、こう口にした時の目付きは厳しい。会場の端のほうで、すっかりと意気消沈して様子を眺めているだけだった青年達が、涙ながらに彼女を見詰めていた。キングスモーマンに何をされたかは絶対に言わないのだが、敵討ちは切実に望んでいるようだ。
 村人も交えて雪玉作りに精を出し、完成した雪玉をあちらこちらに運んで、そろそろ雪合戦開始である。
「皆さんに祝福を」
 ジーザス教は黒派の村人に配慮して、短い祈りの言葉を口にしたエルディンの体が白く輝いた。グッドラックをエルディンが掛けられる最高峰で。要するにクレリックの最高峰技量で祝福された人々には、さぞかし幸運が味方してくれるだろう。
 そうして、ラザフォードがうさ耳を着けたら、ちょうど戦闘開始だ。

「轟く喚声、飛び行く雪玉! 勝利は我ら【細氷】の頭上にっ!」
 まったく聞いた事もない声に、突然そう叫ばれた村の若者達はぎょっとした。こちらもキングスモーマンと手を組んだ経緯には口をつぐみたいが、相手方は何をつれてきたのかと目と耳を疑う状況だ。
 うさぎ、雪だるま、犬か狼、猫と怪しげな装束と被り物の集団に加えて、
「うさ耳のリュー、此処に惨状!」
 妙に堂々とうさ耳を着けた男が、仁王立ちでそうのたまったのだ。発音がおかしいというか、明らかに間違っている。挙げ句に彼らの周辺には、子供が何人もふわふわ浮いているし。
「魔法使いを呼ぶなんて、卑怯だぞっ!」
 自分達の先制攻撃は棚に上げて叫んだ男が、次の瞬間には雪玉の山に埋もれていた。
「やあやあ、我こそはアーシャ・エルダー、いざ尋常に勝負〜」
 この声に上空を振り仰げば、いつの間にやら消えていた雪だるまが、ペガサスに乗って雪玉を投げ落としているところだった。先に作って袋に詰め込まれていた雪玉は、一つの歪な雪の塊と化している。これがペガサスの作ったホーリーフィールドの中、安全圏から投げ落とされたなどと知ったら、潰された男は更なる悔しさに身もだえしたことだろう。
「誰か向かってきたぞ!」
 今度は少年が声を張り上げて一角を指差し、まったく別方向から飛んできた雪改め氷玉の連打を食らった。
「少年、君に恨みはないが、これも純然たる勝負。すまんが全力でいかせて貰うよ」
『おとなげない〜』
 アースソウルのリトスの容赦ない突っ込みは聞こえなかったかのように、ラザフォードがサイコキネシスで雪玉をどんどか飛ばしている。もちろん急加速、急旋回、更には飛んできた雪玉まで戻す極悪非道。
 負けるものかと、彼に対して雪玉を転がしながら向かってきた一団もいたが、これはサイコキネシスと腕力の勝負になっていた。叩き壊せばいいのだが、ラザフォードがせっかくの雪玉を有効活用、その名目で巨大雪玉を操って攻守に役立てたらかっこいいなんて考えているものだから、いい勝負に。
 ちなみに最初に少年が見付けたのは、クリスが作成したメグレズの幻影だ。おかげで本物のメグレズを見て、
「双子だー、霍乱だー!」
 と叫ぶだけならまだましで、
「魔法だ、変な魔法!」
「なんて卑怯な奴らだっ」
 とか言いたい放題。挙げ句、
「寄るな、うつる〜っ」
 なぜか逃げ惑う者まで出始めた。いったい何がうつるのか、メグレズとしてはいささか複雑な気持ちだ。
 その間に、クリスはうきうきと雪玉を投げまくっている。彼女の思考はただ一点。
「ヘンタイさんの前に、一般人には沈んでもらうです」
 雪合戦の目的を忘れているが、やっていることは有効だ。彼女の後方では、もはや傍観者と化してきた村長以下村人達がやんやの大喝采である。その中にレイズが混じっているは、やる気がないからではない。単に自分の出番を見失っているだけだ。
「皆さん、ここで畳み掛けなくてどうしますか」
 涼花に促されて、村人とレイズも慌てて参戦する。とはいえ、やっていることはぶんぶん雪玉を投げているメグレズ、クリスの手元に追加の雪玉を運び、布に詰めた雪玉を、時々降りてくるアーシャに渡し、同様に空からの雪玉落下攻撃を試みる前に、果敢にこの一団に攻撃してきた相手の雪玉をストリュームフィールドで散らしたエルンストに拍手を送るくらい。たまに、いまだラザフォードとにらみ合っている連中に、ちまちま攻撃を加える。
「なんというか、我ながら大人気ないな‥‥」
 でもわかっていてもやってしまう。エルンストが上空からの雪玉落下で、また相手陣営に多大な損害を与えつつ、一人ごちた。彼の周りでは、精霊エプシロンとイヴリースが下から投げつけられる雪玉を避けて飛びつつ、キャッキャと楽しそうだ。
 こうして、雪合戦は冒険者達の絶対的有利で進んでいたが、ある時。
「先生、お願いします〜っ!」
 相手方の村人が叫ぶと同時に、レイズの愛犬レフが唸りだした。上空ではアーシャのペガサス・ベガも鼻息が荒くなっている。心なしか、精霊達も静まったようだ。
 ラザフォードが、いつの頃からか楽しんでいた風情のある巨大雪玉力比べを終了した。さくっと割れた雪玉の向こうで、罪のない青年達が悲鳴を上げて逃げ惑っている。逃げている方向がラザフォードがいる方角なのが不自然だが、理由はすぐに分かった。
「この男が敵です〜」
「俺達よりこの子でもっ」
 今までどこにいたのかよく分からないが、呼ばれて出てきたキングスモーマンから逃げ惑っているのだ。もちろんラザフォードの横を走って逃げる合間に、彼を指差して敵だと言い、たまたまぶつかったレイズをキングスモーマンのいる方向に押しやって、火事にあったねずみを思わせる勢いで逃げていく。
 最も近い位置でキングスモーマンと向かい合ったラザフォードは、彼我の差がまだ二十メートルはあるのを見て取り、冷静に判断した。仮に相手が何か攻撃を仕掛けようとしてきても、自分の高速詠唱の方が素早い。村の前線基地の面々があったような悲劇的な状況には、自分達は陥らないはずだと。
 ところが。
「まてっ、貴様、今私のことをすらっと無視したな!」
 キングスモーマンはラザフォードに目もくれず、雪を蹴立ててレイズのいる方向に走り出した。意味を成さない奇声を上げていたが、それがやたらと嬉しそうに聞こえるのはなぜだろう。
「あっ あのっ 僕の服を剥いてもっ、貧弱な身体を見ても何にも楽しくないと思いますのでっっ」
 走り寄られたレイズもとんでもないことを口走りつつ、必死に両足を動かして逃げる。捕まったら、女性もいるこの場でどんな姿にさせられるか分かったものじゃない。自分の尊厳と、女性陣の視覚的安定と、その他諸々のために逃げなくては!
 ちなみに四人の女性陣は、
「この寒空の中、褌姿‥‥地獄のコキュートスでエロスカリバーを抜き肌身をさらした豪傑達を彷彿とさせますね」
 メグレズが呟いたように、キングスモーマンの目に優しくない姿から受けた衝撃から立ち直るのに、いささかの時間を要していた。
 なにしろ、事前情報通りの褌一丁の体は、種族がなんだか判然としないがいらないお肉がたぷんたぷんと揺れ動くどころか、寒風に吹き流れるのだ。それも、いっぱい。もちろん全身だから、無駄に豊満すぎる胸とかし(以下冒険者ギルド規制)
 前線基地の面々が泣きながら村の方向に逃げ去り、残った人々も今夜は安眠できないと思っている中で、一人だけイイ笑顔の人物がいた。エルディンだ。
「さあ、私の慈愛パワーで守りましょう。一緒にホーリーフィールドから、天罰ですよ」
 かなり不遜な発言が多発しているが、彼のホーリーフィールドを一般人が破ることなどまず無理だ。冒険者だって、これを素手で壊せる者はたまにしかいない。
 何はともあれ、人生でも五指に入るくらいの全力疾走をしたレイズが、無事にエルディンの背後に隠れた時。
「あぶな〜いっ」
 これまできゃらきゃら笑って見物していた応援席から、一条の光が飛んできた。それが事もあろうにエルディンの結界に炸裂、そのまま破壊したのである。
 魔法を打った某月精霊は、後に語った。
『えっと、結界の中にいて、もしも破られたら逃げる時間がないから、早く逃げられるようにって思ったんです』
 何か色々混乱をきたしていたようだ。何と何をどう間違えて、短絡するとこうなるのか説明が付かないが、原因は肉ニクたぷんにあるらしい。おそるべし、キングスモーマン。
 そこから先は、目を覆う事態であった。エルディンの悲鳴が肉の壁の向こうからする、腰が抜けたレイズをレフが襟を咥えて引き摺っている、ラザフォードは真っ青で目を逸らし、エルンストは精霊達の目を塞ぐのに忙しい。冒険者でこれだから、敵味方問わず村人などもちろん戦力外。逃げないだけまだましな状態である。
「ヘンタイさん、封印ーっ!」
「雪に埋まりなさい!」
「エルディンさんを離しなさいっ」
「‥‥お覚悟、召されませ!」
 ここでようやく気を取り直した女性陣が、続々と戦線に復帰。『これ以上見苦しいものは見たくない』とか『男ってこういう時にだらしない』とか『埋めてしまえ』とか『いっそ切り刻んでも』などとも聞こえたが、それらは助力できなかった男性陣の幻聴だろう。きっとそうに違いない。
「あんなものを倒してくれるなんて、なんと素晴らしい方々か」
 村長のように、こうやって感謝しておくのが、処世術と言うものだ。いや、実際にありがたかったし。

 結局、キングスモーマンの存在は女性陣の尽力より視界はおろか、皆の記憶からも恐怖の上塗りという形で抹消されたが、雪合戦の決着はつかなかった。なんかもう、皆が色々と疲れ果てて、勝敗を決しないうちに夕暮れが来たのである。日が暮れた雪原で雪合戦‥‥それは遭難に直結だ。
「あくまで私個人の意見だが‥‥皆で狩場を共有することは出来なのかね?」
 そんなに獲物が少ないのかとラザフォードが問い掛ければ、そんなことはないらしい。単にいつの頃にか狩場独占のルールが生まれて、今まで継続してきたようだ。
「雪合戦は皆で仲良くやるものですよ」
 涼花も、先程の鬼神めいた戦いぶりが嘘のように、おっとりと口を挟む。まったくその通りと、アーシャも頷いていた。
 狩場が独占できれば、当然村の生活は豊かになるので、二つの村の人々は互いにちらちら目をやりつつもどうしようか迷っていたが‥‥
「こんな勝負でなければ、ああいうのが入り込んでくることはないですよね」
 まだ涙目のレイズに指摘されて、歩み寄ろうという気持ちになったようだ。
 キングスモーマンが女性陣にどうされたのかはよく分からず、また男性陣の誰も確かめようとはしなかったが、奴が二つの村に現われる事は、きっともう二度とないだろう。

(代筆:龍河流)