恋愛? 暴走超特急!
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■ショートシナリオ
担当:なちか。
対応レベル:8〜14lv
難易度:普通
成功報酬:2 G 98 C
参加人数:5人
サポート参加人数:-人
冒険期間:02月06日〜02月09日
リプレイ公開日:2007年02月08日
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●オープニング
●遥か彼方へ、ただひとつ、愛だけをもって――。
遠距離恋愛というものがある。
天界では国際結婚などという国と国を隔ててなお愛を貫き、共に夫婦の契りを交わす男女がいる。
ここアトランティス、メイの国にもその愛を貫こうとメイディアから遥かリザベへと一人、愛する者の元へと向かう娘がいた。
メイディアのとある商人の娘、カレアはリザベ領に仕える騎士の息子と恋に落ちた。
彼もまたカレアの事を愛しており、しかし、彼には婚約者が既におりカレアとの結婚などはなから認めていなかったのだ。
当然の如く、それは政略結婚であった。今も昔も、貴族というのはネームバリューやステータスの為に存続するというしきたりみたいなものがごくごく当たり前のように根付いていたし、最初は騎士の息子ダインスもその婚約者と結婚するものと考えていた。
ところが、ある日、メイディアから行商にやってきた商人の娘にぞっこん一目惚れ。
そこからダインスとカレアの遠距離恋愛がはじまった――。
●残された道は、駆け落ち!?
しかし、豪商の娘となればその恋も多少は見向きもされただろうが、カレアの父はそう大きい商いをしている訳ではない。
はじめから結ばれるはずのない絶望的な恋だ。
最初はカレアは驚きながらも、彼の熱烈なアタックに困惑していた。だが、カレアもダインスの強烈なアプローチに次第に思いが強まり、遂には越えてはいけない一線を越えてしまう。
そして二人は、互いの愛を確かめ合う為、ある日、家を飛び出してしまった!
しかしダインスはすぐに見付かってしまい連れ戻されてしまう。
それを知らないカレアは、一人、遥かリザベへと向かう道を必死で馬を走らせる。
だが、途中で馬が故障してしまい、途方に暮れてしまうのだった。
しかも立ち往生している間にゴブリンに襲われてしまう!
絶対絶命のピンチを救ったのは、運良く通りかかったリザベから帰還した冒険者たちだった。
カレアは一人でリザベに向かおうとしていたという内容の話を冒険者たちに打ち明けたが、微妙な失笑を買うはめになってしまう。
それはそうだろう。行商をしているなら、一人で向かうという事がどんなに危険なのか知らないはずがない。
それでも、どうしようもなかった。
カレアは再度馬を調達するついでに冒険者の護衛を依頼する為、冒険者ギルドへと急ぐ。
ちなみにカレアが襲われた地点はゴブリンの好む通り道なのか、誰彼かまわずに襲ってきては物品を盗んでいくスポットである。
何度も調査されているが巣(集落のようなコミュニティ)のようなものもないし、どこから沸いてきているのか判明していない。
しかも過去、相当頻繁に襲撃ポイントとなっているようで、何度も被害報告を受けているポイントだ。
何度掃討しても沸いて出てくるゴブリンたちに旅人や行商などもほとほと困っているという次第。
その数、ほんの数体から十数体と振れ幅は広いがやたらと攻撃的らしくその上逃げ足も速いというどうにも手のつけられない奴らだ。
リザベから帰還した冒険者たちも、土地柄が土地柄だけに非常に情勢が不安定だと勧めなかったが、彼女はそれでも構わないと言い張る。だが、先にゴブリンに襲われた事もあり、やはり護衛は必要のようだ。
しかも、メイディアからリザベ領へはサミアド砂漠が横目に見える天候が非常に不安定な場所がある。更に砂漠にはカオスニアンや恐獣が徘徊しているという噂まである。
情勢も不安定なら、そこに辿り着くまでも一波乱二波乱ありそうな雰囲気だ。
決して楽な道のりではない。恋の行方も定かではない。
それでもカレアは確かめたかった。
ダインスが本当に愛してくれているのか。家を捨てても、自分を選んでくれるのか。
この恋は実るのか。
今は何もわからない。
それでも。
カレアはそれを確かめる為、メイディアから遥かリザベへと向かう旅を決意する‥‥。
●リプレイ本文
●あの人に、会いたい――。
本日も見事なまでに快晴。日差しが強すぎるという事もないが、出発するのには絶好のコンディションであった。
急ぎ旅とはいえ、依頼人の娘を守り固める四人ともが女性陣というのも、なかなかの見栄えのよさだ。
しかし女性の冒険者だからと侮るなかれ、四人の護衛担当のうち何と三名はそこらの男性よりも背格好は逞しい。
パトリアンナ・ケイジ(ea0353)、カロ・カイリ・コートン(eb8962)の二名は特に豪快な性格であるし、冒険初心者とはいえ剣を構えればアンドレア・サイフォス(ec0993)の長身も見た目で十二分に戦意を削り取る事が出来るだろう。
都古嶋 菊花(eb9789)も冒険初心者ではあるが、その好奇心旺盛なところはその緊張感と注意力をもって、変化や異変を察知する能力へと伸びていいく可能性は高い。それに等身大の恋愛事情となれば、人一倍親身になれるというものだ。
相談の結果、カロと都古嶋がウォーホースに。パトリアンナとアンドレアがカロから借用した通常馬に二人乗りしながらカレアと同行する事になった。
「‥‥結構揺れるのね。あ、ある意味貴重な体験!?」
実はこの四人、四人ともが騎乗に慣れていない。
慣れていないならゆっくりと、と行きたいところだが、残念ながら一分一秒を争う強行軍だ。せめて落馬しないようにと必死に扱っているようだが、傍目から見ると妙な緊張感で肩が懲りそうである。
「馬車を借りてくればよかったわね」
出発してからしばらく、かなりの速度で移動した。全速力であればもっと行けたのだろうが、また馬の故障で立ち往生などはごめんだった。カレアは騎乗になれていないという四人のやや疲れた表情に気をつかって休憩する事を決める。
休憩中、カレアを囲んでの恋愛討論の場と化した。
「いくらなんでも単騎で行ったなんて無茶すぎる。教えておくれよ、たかが他人のために、それも利益で言えば迷惑になることが目に見えてるつながりの為に後先も考えず身を投げ出せる、その激情を」
ダインスはとても真面目な性格で、婚約者がいるという事を一番最初に打ち明けてくれたという。しかし親の決めた相手と結婚する事を『当たり前』だと思っていたのはカレアと出会う時まで。
ダインスは婚約者である相手の事は知っているが、そんなに親しかったりはなかった。別に結婚するのが嫌だった訳ではなく、それまで本当に好きになった事が無かっただけなのだ。
そんな彼はたまたま行商でリザベに来ていたカレアに一目惚れし、今まで感じたことの無い感情に戸惑いながらも、真剣に心のうちを彼女に打ち明けた。
そんな騎士の息子の猛アタックに当初困惑していたカレア。当然だろう、相手は既に婚約者のいる身だ。
ただの気の迷いだろうとわざと避けていた時もあった。
だが、その真剣な思いに嘘が無いことに気付いた彼女は、いつしか彼の思いを受け止めようと気持ちが変化していったのだ。
「まったく、若くて熱いのぉ。羨ましいぜよ!」
そして。
――運命の時はやってきた。
ふたりは互いの家を抜け出し、二人だけで生きようと約束し、その日を向かえた。
しかし、その強すぎる思いは皮肉にも空回りしてしまう。
ダインスは見付かってしまい家に連れ戻され、カレアはゴブリンに襲われメイディアに帰還するはめになってしまった。
都古嶋はカレアの強い思いと言葉に頬を染めながら、瞳をきらきら輝かせていた。
「だから、一刻も早くあの人のもとへ行かねばならないの。確かめたいの、もしわたしがあの人に騙されたとしても、それを確かめるまでは信じていたい」
そう。
カレアはその事を知らずに、約束の場所へと向かっているのだ。
はじめから負けるとわかっていながら、それでも真実を知りたい。信じたい。
カレアはそうする事で彼の思いに答えるつもりなのだ。
●戦え! オンナノコ!
しかし人の恋路には、トラブルはつきもの。
カレアが襲われたという噂のゴブリン地帯にさしかかると、まるでお約束の如くゴブリンたちが襲い掛かってくる!
その数、八体。護衛しながら捌くには少々多めだ。
戦闘に突入してしまえば、カレアも馬から降りざるを得ない。下手に暴れられれば落馬する危険性もあるからだ。
そうなれば、もう円陣を組んで護衛しながら退ける以外、切り抜ける方法はない。
しかし、それは逆に依頼人を危険に晒す事になる。
「逃げる方向を進行方向に、後は守りながら突っ切るべきでしょう」
アンドレアが剣を構えるのと同時に叫ぶ。都古嶋もはじめての実戦に、鼓動が凄まじい勢いで耳元に聞こえるほど緊張する。
「‥‥初めての戦闘だけど、持ち前の運動神経で乗り切ってみせるわ!」
剣を持つ手が、どうしようもない位、震える。
頭ではわかっていても、いざ本番となると熟練の冒険者でも体が勝手に動いてくれるまではぎこちなくなってしまうのは当然だろう。初心者であれば、緊張しないほうがおかしい。
パトリアンナもカロもそれがわかっているから、この微妙な数を相手にどう立ち回るかを、いくつもの戦いの中から得た経験で学んでいた。
「根絶やしに出来ねえと聞いてる。ならば! おとなしく引きこもって木の実食って生きるよう、調教してやらあ!」
二人は先ず逃走経路を確保する為、進行方向‥‥つまりリザベ側に溜まっているゴブリンたちをひとまとめに、一気に活路を開く方法を取る。
「乙女の恋路を邪魔する輩は、馬の蹴たぐり地獄行きじゃ!」
カロ以外は一度馬から降り、カロが先陣をきってゴブリンたちを戦闘馬とともにかき回す!
乱れた隊列を突っ切るのは戦略としては実に簡単な事だ。数こそ多いが、一瞬のスキを突けば突破口をこじ開ける事が出来る。
多少強引でも数体なぎ倒してしまえば、確実なアドバンテージを得る事が出来る訳だ。囲むように襲い掛かってきたゴブリンたちのうち、二体が見事に馬に轢かれ、横道に吹っ飛んでいった!
パトリアンナもそのスキをつくように前方のゴブリン一体の目をカウンターで突き、更にもう一体の背後に回りこむと両腕で掴みかかりそのまま引き抜くように投げ飛ばす! スープレックスだ!
吹き飛ばされたゴブリンは仲間のゴブリンに直撃し、仲間ともども気絶してしまう。
道中、スープレックスの美しさというものを延々説かれていたアンドレアはその『本物』を見て、一瞬唖然としていたが。
なんとか受け流しする事に成功した都古嶋の目には、カロが切り開いた活路が映っていた。
「このまま突っ切ってしまおう! カレアさんを行かせてあげて!」
「早駆けできないあたしは足手まといだ、置いて行け! なぁに、格の違いを見せ付けてやるさ」
パトリアンナ、アンドレア、都古嶋の三人がこの場を何とかしのぎ、カレアを先に行かせる作戦に切り替えた。
カロはカレアに同行し、安全が確保されればすぐに戻る事を約束する。
「雑魚相手にビビるんじゃないよ? お前さんがただって、やりゃあ出来るってもんさ!」
アンドレアと都古嶋の初戦をサポートするように立ち回るパトリアンナ。
――残りは三体。形勢不利とあらばゴブリンたちは逃げ出しそうなものだが、なかなかしつこい。金目のものを奪わないと帰れない事情でもあるのだろうか?
ともかく三体は必死に三人に襲い掛かる! なんとかそれを退け、全滅させる事に成功した‥‥。
「本当にここはゴブリンの巣が無いのかしら? 二度も襲われるとは思わなかったわ」
無事合流した三人を迎えるとカレアは嘆息しながらゴブリン地帯を訝しんでみせた。ゴブリン地帯を抜けると、今度はカオスニアンや恐獣が出現すると言われるサミアド砂漠の付近を横断する事になる。
もちろんリザベ行きの道中であり、街道ではあるのだが、急速に広がったサミアド砂漠が今にもこの街道をも飲み込みそうな雰囲気ではある。
いつか――この道も砂に埋もれる事があるのだろうか?
夜を待ち、彼らが寝ている事を祈りながら移動する事として、一旦休憩を取る一行。
しかし、サミアド砂漠にはなぜカオスニアンが出現するのだろうか。諸説さまざまだが、どうやらリザベ領の西方、大陸のど真ん中に『開いた』穴が問題らしい。
カオスニアンたちの巣のようなものがあるとされているのが目下有力情報だ。
ともかく、狂暴な彼らに見付かることがあれば非常に厄介な事になるのは目に見えている。護衛する四人もだが、カレアもさすがにゴブリンに次いでカオスニアンにまで襲われたのではたまったものではないと苦笑する。
夜も更け。慎重に移動をはじめた一同だが、カオスニアンたちも眠るという情報が正しかったのか、運良くサミアド砂漠付近を夜のうちに抜けきった。
抜けた後、まだ距離を残すものの休憩を兼ねての短い睡眠をとる一同。
「目にクマなんてつくってたら、百年の恋も冷めちゃうからね!」
カレアの寝顔を見ていた都古嶋はそう言いながら、先の戦闘との緊張感で眠りにつくことが出来ずにいた。
「さあ、あともうひと踏ん張り。約束の場所はこの山を抜けたらすぐよ」
より安全なルートを選び、そして急ぐ。人命優先でありながらも、急行するというのは相当の体力が必要だ。
メイディアからリザベまで、その街道沿いに都市が無い訳ではないが、寄り道する訳にもいかない。
ほぼ直行便となる今回の強行軍は途中休憩は挟むものの、立ち寄る暇もなく、観光がてら旅を楽しむという訳にいかないのが残念であった。
ところで、今回の依頼。依頼人であるカレアは行き先を『リザベまで』と言っていたが、実は約束の場所は『リザベ』ではない。
そして。
運命の輪はどんどんとあらぬ方向へと暴走していく事となる――。
「そ、そんな……!」
「親御さんも、随分強引だにゃあ」
リザベより南にやや進んだ所にカレアとダインスが約束を交わした場所がある。
その場所に到着した時、カレアの表情がとても複雑であった事に気付いたのは、都古嶋だった。
約束の場所に、待つ人がいなかったからだ。
いや、正確には、そこに人はいた。ダインスが使者を向かわせていたのだ。
そこで一同は衝撃的な事実を告げられる!
――ダインスとその婚約者の結婚式が間もなくはじまるというのだ!
彼は、婚約者にもカレアの事を話していたという。更に両親に彼女の事を打ち明けていたが、当然父親は大反対。
激怒した父は挙式の日程を早め、ダインスを無理やり結婚させようとしたのだった。
そしてその日が、カレアたちがリザベ南に到着したその日だ。
まさしく絶体絶命――ダインスとカレアの恋もこれで最期か‥‥。
誰もがそう思っていた。
しかし。
都古嶋はそれは違う、と口を開いた。
「いくら最初から決まっていたって、そんなのひどすぎる! カレアさんの事、ちゃんとお話を聞いてあげてからでも遅くないよ、そんなの!」
「‥‥もういいの。ありがとう‥‥あなたたちの依頼は、ここで終わりよ」
カレアは。
一粒、涙を零すと冒険者たちに笑顔で依頼の終了を告げる。
「だめ! だって、だって‥‥カレアさんはまだ何にも確かめてない! 確かめるまで諦めないって言ったじゃない、だったら、最後まで諦めないで彼に会いに行こうよ!」
「でも、もう無理よ‥‥」
「無理して、無茶して、ここまで来たのに! あと一歩なのに、諦めちゃうの? せめてダインスさんにちゃんと会って、ちゃんと言ってあげようよ!」
「式まで、もう時間が無いですね。どうします?」
「別に邪魔しないってんなら、行っても問題はあるまい? あとはカレア次第だしね」
「結婚式に、彼氏を奪いに行きますって? なかなか面白い展開になってきたにゃあ」
四人に後押しされるように、カレアの最後のチャンスが回ってくる。
行こう、彼のもとへ――カレアはひとり肯くと、馬に飛び乗った! これが、本当に最後のチャンスだ!
●逆転! 逆転? 大逆転!?
「会いたいんです! あの人に、ダインスに!」
「退いてもらうよ、ここまで来たら最後まで付き合ってやらにゃあならんからね!」
結婚式の会場に完全武装した冒険者が乱入してくれば、それは当然、止める者が出てこよう。だが、その制止を今は聞く訳にいかない。
剣こそ抜かないものの、素手でも相手を吹き飛ばす程度の技はいくらでもある。
格闘など使わずとも、体当たりで吹き飛ばしたっていいのだ。素手戦闘は冒険者の心得としては基本中の基本である。
「邪魔をしているのか、邪魔をされているのか、わかりませんね」
アンドレアは、あと扉一枚の、文字通り防壁の前で、侵入妨害してきた男の腕をひねりながら苦笑する。
「行って! 行って会ってきて!」
そして、最後の扉は開け放たれた――。
「ダインス!」
もっと、色んな事を言いたかった。けれど、その顔を見た瞬間、それ以外の言葉が出てこなかった。
だが彼にとってはそのたった一言に、唯一求めるものを感じていた。
「カレア!」
すぐそばにいた婚約者の娘は、ぼろぼろになって傷だらけでダインスの名を叫ぶ少女を見て直感する。
そして今にもカレアに駆け寄ろうとするダインスを引き止めると、その頬にくちづけして耳元で囁いた。
「最初から、あんたの事なんか好きじゃなかったのよ」
そう言うと、美しい花嫁衣裳に身を包んだ女性は、思い切りダインスの頬に拳をぶち込んだ!
騒然とする結婚式会場。呆気にとられたのは、互いの両親だった。
「バカ‥‥行ってやりなさいよ、あの子のところに!」
ダインスは肯くと少女のもとへ走り出した。
「あーあ、玉の輿が台無しだわよ‥‥」
婚約者の娘の瞳から、大粒の涙がぼろぼろと零れる。その涙は、悔しさか、悲しさか、或いはその拳の痛みからか。
それとも。
その後――。
ダインスとカレアは一度は駆け落ち同然で飛び出していったが、冒険者たちのアフターケアも手伝ってか何とか正式に結婚することを認められたらしい。
結局、カレアの依頼通り『片道』だけの護衛同行は終了した。
「これでよかったんでしょうか」
アンドレアはギルドへ報告する為の道中、ふとそんな事を洩らした。
「いいの、いいの! こういうのを、一件落着っていうのよ」
都古嶋は終始にこにこしながら、ああいう恋をしてみたいなと身悶えするようにくねくねしている。
「こらこら、落馬したいのか? もっとしっかりつかまっとき」
「まあ、よかったんじゃないのかね? あんなに真っ直ぐな気持ちっていうのは、縁遠いからね。おばちゃんはそいつが、羨ましいのさ」
カロ、パトリアンナも無事依頼を成功させた事に概ね満足したのか、いつも通りの豪快な笑顔で凱旋するのだった。