ウタウタイの鼓

■ショートシナリオ


担当:なちか。

対応レベル:8〜14lv

難易度:普通

成功報酬:4 G 15 C

参加人数:4人

サポート参加人数:-人

冒険期間:11月24日〜11月29日

リプレイ公開日:2007年11月28日

●オープニング

●ウタウタイの鼓動
 オカリナ製作教室も順調に受講生を増やし、多忙な吟遊詩人にして考古学者にして復元師でもある青年ユニウス。
 今回は徐々に慣れてきた教室の臨時講師を育成しながら新しい楽器の復元を再開したいと考えているようだ。
 古くから音楽として定着しており、最も原始的な楽器のひとつが打楽器である。リードを使った管楽器や加工が難しく製作期間が長くなる弦楽器などと違い、非常にシンプルでありながら誰しもが心躍る楽器だ。
 ――『メロディー』とは違う、その『リズム』に、人々は古くから文字通り鼓舞するように熱狂した。
 それは生命の鼓動、心臓の鼓動の音とどこかシンクロしているからなのかも知れない。
 落ち着いている時の柔らかな鼓動。
 胸が高鳴った時の激しい鼓動。
 大人にも子供にも理解出来、ドンドントントンと体の芯に響いてくるような『鼓』の響きは、音楽という広義の中でも最もベーシックな『音』の一つである。

 さて、今回は。
 太鼓などのようにバチやスティックなどを使用しない、手で打つ打楽器の復元を目指す事にした。
 元々楽器は直に触れる事で一体感を増すものであるから、打楽器の中でもシンプルなタイプを選択したのである。
 さて、打楽器とひとくくりにしてしまったがユニが目指す楽器はいわゆる太鼓のタイプ、楽器分類学では『膜鳴楽器』に属すタイプが最も原始的で、メイの国でも再現可能な楽器であると判断した。
 しかし楽器だけでなく、演奏までも含めて全体像を把握した時、いわゆる『鼓』――つづみ――というのはメイの空気には馴染みが無いように感じていた彼はそこで、メイ式『コンガ』を作成する事を思案する。
 基本的にコンガはバチやスティックといったものを使わないで主に手や指を使ってヘッド(皮の部分)を打ち付ける楽器だ。道具を使わず、古典的、いや、原始的なレベルでの膜鳴楽器の代表といっていい。
 この類の音色はメイの楽器の歴史でもかなり古くから扱われており、立っても座っても演奏出来る意外と万能な楽器でもある。
 また肩などにかけて移動しながらの演奏も可能で、パレードやカーニバルなどの演奏でも使用される事がある。つまり音楽行進や儀式行進などでもその姿を見ることが出来るという訳だ。

●材料はどうする?
 それではメイ式コンガを製作するにさしあたって、必要なものは何だろうか。
 単純に考えれば木材――しかも丸太は必要だろう。理由は丸太をくりぬいて胴体を作りたいからだ。加工用の道具はユニがすでに発注しているものと所持している道具類で加工自体は問題無いだろう。
 それから膜、つまり皮だ。
 これからの時期は寒気が激しくなり、近く冬が訪れる。そうなると肝心の皮が手に入りにくくなるというもの。
 元々この時期か動物の皮――毛皮というのは非常に需要が多く、逆に供給が減少する。本格的な冬が来る前に毛皮の補充をしておきたいのは衣類を扱う業者にとっても道具屋などにとっても死活問題となる。
 しかしユニのように楽器用になめした皮が欲しいというのは珍しく、なかなか用意しにくいものがあった。
 そこで彼は冒険者ギルドに依頼を求めてきた、という訳なのだった。

 猟のシーズンはずれているが、冬を前に餌などを集めている鹿などが近くの山林でちらほら見かけるという事もあり毛の生え変わりで体毛がアンバランスになっている可能性もある。
 本来そういう場合は売り物にはならないが、ユニからしてみれば何の問題もない。
 以前シカといえばクレイジェルが潜んでいたようだが、最近はそういった被害の声も聞こえてこない。
 純粋に狩りで鹿などを捕獲すれば問題なさそうである。
 丸太などを伐採する班、鹿狩り班と二班に分かれての分担作業で材料を集めてきて欲しい。
 一班四名ずつの計最大八名程で行ってもらう。足りない場合は大体半々位のバランスで編成してもらう事になるだろう。

●今回の参加者

 ea4868 マグナ・アドミラル(69歳・♂・ファイター・ジャイアント・ビザンチン帝国)
 eb0884 グレイ・ドレイク(40歳・♂・ナイト・ハーフエルフ・ビザンチン帝国)
 eb3526 アルフレッド・ラグナーソン(33歳・♂・クレリック・エルフ・イギリス王国)
 eb7851 アルファ・ベーテフィル(36歳・♂・鎧騎士・パラ・メイの国)

●リプレイ本文

●冬を待つ、その前に
 秋も深まり、景色は一面見渡す限りの紅葉が広がっていた。もうすぐ冬が訪れるその前に、材料を揃えておきたいというのがユニウスの依頼内容である。
「本当ならばマホガニーやアッシュ材などを材料にしたかったのだけれど、メイにはそういう種類の樹木は少ない傾向にあるようだね。今回も特別にオーク木材の伐採の許可をいただいたので、以前切らせてもらった伐採場に行ってもらえないかい? 輸送用の荷馬車もこちらで用意させてもらったから、少し人数が厳しいかも知れないが、よろしく頼むよ」
 リュートベイルや弓を製作した時同様に、霊木オークを感謝しながら伐採してもらいたいという事で向かったのはマグナ・アドミラル(ea4868)とグレイ・ドレイク(eb0884)の二名である。
 二人ともが無骨ながらギラリと光る刃をつけた大型の斧を持ちながら、にやりと返した。
「戦闘以外の依頼と言うのも面白そうだ。戦場でしか生かせないと思っていた技術をどれだけ物を作る事に生かせるか試してみよう」
 確かに戦いの場ではない。それでも『現場』はどこも仕事中は戦場である。マグナほどの男ならば、現場で養った工作技術でオークという巨木の伐採であってもこなせる気力と体力は充実している事だろう。
「今回は、重労働になるが、たまにはこんな汗も良い物だ。久々に森の空気を吸いに行くぜ」
 同じく、均整の取れた筋肉がちらりと見え隠れするグレイもやる気に満ちた表情でこれからの仕事に期待を寄せる。

「鹿もまだ餌を探して村の近くまで降りているかも知れないから、一頭は見つけられると思う。もし不安だったら、村で取って置いた木の実を少し持っていってくれても構わない。鹿一頭といっても二人で‥‥君たち二人だけで運ぶには辛そうだ。一応荷馬車を用意しておいて良かった」
 エルフにしてはしっかりした体つきのアルフレッド・ラグナーソン(eb3526)、パラにしては体格のいいアルファ・ベーテフィル(eb7851)の二人を見ながら、今回の作業に必要だと先に用意していた荷馬車を貸し出すユニ。
 人数が揃っていていなくても、輸送などのトータル時間を考えればユニウスの『先手』は結果的に彼ら四人の冒険者をしっかりとサポートする役に立つ筈だ。特に今回のような少人数であればなおの事嬉しい助っ人だろう。

「ユニウス殿はどちらかに付かれるのか?」
「いや、今回は残念ながら作業中でね。どうしても君たちの手伝いが出来そうも無い。申し訳ないがそれぞれで頼まれてくれないか」
「そうか。いや、やるべき事があるのならそちらを優先してくれればいい。材料の事ならわしらに任せておいてくれ」
「ああ、それはありがたい。お願いするよ」
 こうしてマグナ・グレイ組、アルフレッド・アルファ組の二組がそれぞれの『現場』に向かって行った。

●待っても、待っても
 しかしいくら平均気温が高いメイの国でも、一般的な四季は訪れる。天界の日本のようなはっきりとした春夏秋冬というのとは違うし、それぞれの季節の期間も違うのだが――。
 例えば春には草木が芽吹き、夏には海でも川でも水温は暖かく泳ぐことも出来るし釣りも楽しめる。秋には収穫祭があり、そしてまた冬には雪も積もる(場所によってはあまり積もらない所もある)。
 それぞれの季節をメイの国でも味わうことは充分に出来るのだ。

 そんな紅葉真っ盛りの山中に入ったのは鹿狩り班のアルフレッド・アルファ組だ。
「ユニウスさんが、『モミジガリ』にちょうどいい季節だと言っていましたが‥‥」
「あれ、確か狩るのは鹿であって、『モミジガリ』では無いのでは?」
「そうなのですが、モミジガリというのはどういうものなのでしょうね。彼が一緒なら、詳しいお話も聞けたのでしょうが」
「狩りという位だから、何か、モミジというものを狩るシーズンという事なんでしょうね」
 そんな話をしながら、獣道などの形跡を慎重に探っていく二人。
「ん‥‥確か、餌が取れない時期は木の皮などを食べるんでしたね」
「まだそういう時期じゃないんですね。木の実もまだ残っていますから、罠を張っておびき寄せられれば何とかなりそうです」
 そうしてアルフレッドは木の実の調達と、足りなそうならクリエイトハンドで補おうという考えのようで、出来るだけ現地調達する方向で餌探しを開始した。それでも足らない場合はユニウスから譲ってもらった木の実をおびき寄せる餌にするつもりだった。
 必要なものを必要なだけ――。
 依頼人のユニは、その部分だけは徹底していた。自然も野生の動物も人間も、冬季はやはり厳しい。
 気持ち的には出来るだけ多くの食料や衣料品、暖房用の材木などを確保したいところだが、人間だけがわがままに自然を、生態系を壊す訳にはいかない。だからこそ、『余分』を生み出さない、『ちょうどぴったり』を、ユニは徹底的にこだわった。
 過剰はいつしか破綻を引き起こす。
 天界で起こった、これまでの数々の資源や絶滅危惧種などの生物を見てきた彼にとって、メイで同じ悲劇を繰り返し見たくは無いという気持ちが相当強かったのだろう。

 一方、アルファはより誘い込ませるのに適した地形などを調査。罠の作成も彼が担当する事になった。
 アルファが地形にこだわったのは、実は非常に重要なファクターだった。人間でもそうだが、物事を成そうとする場合、最も自分が優位に立てるように立ち位置や、立ち回りに注意するものだ。
 動物だって、野生ならなおの事、そういう事には敏感だ。わざわざ大きなリスクを選ぶより、少ないリスクで大きなリターンを得た方が結果的に得策なのだから。
 リスクを負うのは、真冬などで食料が枯渇状態になってサバイバルな生活に突入してからでも充分すぎるほどである。

 そんな二人の苦労もあってか、何とかおびき寄せる為の準備が整った。
 後は、罠にかかってくれる事だけを祈るだけだ。
 しかし、悲しい事に、待っても待っても、中々罠ポイントに動物の気配が現れることは無かったのである‥‥。
 現実は、とても厳しい――。

●こんな所にも楽器が?
 さて、そんな寂しい待機チームとは裏腹に、文字通り引っ切り無しで斧を入れまくるマグナの熱気はバカみたいに沸騰寸前だった!
 そんなにいきなりハイペースだったら、疲れてしまいそう、という心配もしたくなるほど、小気味良いカコーンガコーンという音色が伐採場に響き渡っていた。
 もちろん、今も昔もメイの国。いや、アトランティスでは基本的に木の伐採に使うのは鋸(ノコギリ)では無く斧と相場が決まっている。ノコギリを作るのが技術的に難しい、という事もあるが、メイの木こりの主力が斧なので斧での伐採が基本中の基本となっていた。

 ちなみに、ノコギリ自体は相当歴史が古いものだが、実は楽器としても密かに流行したミュージックソウという『楽器』がある。
 形状はノコギリなのだが、刃がついておらず、ヴァイオリンの弓のようなもので弾くことが出来るという珍しいもので、胡弓のような不思議な高音域のビブラートを振るわせて奏でる音色はある種の神秘性を感じるほどだ。
 ユニウスはもしノコギリを作る技術がメイにもあったなら(決して不可能という訳ではなく、特注ならあるだろう程度)きっと彼はミュージックソウを次回の音楽祭に向けて製作を依頼していたことだろう。
 斧で同じような演奏は出来ないというのが悔やまれる。

 さておき、軽快なリズムでガッコンガッコンと斧を入れるマグナ。恐獣をも屠るといわれるその斧は非常に力強いシルエットで、ジャイアントのファイターである彼の両腕と体格からするとちょうどいい風に見えるが、グレイが持つとその大きさに驚きを隠せない。
 そんな大振りすぎる斧を現場の木こりよろしくしっくりと両手に馴染ませているのだから、ジャイアントというのはやはり豪快なイメージに映ってしまうのだろう。
 また、それだけ巨大な斧であるから、相当なハイペースで作業が進んでいったというのもある。
 これが普通の人間の普通のサイズの斧だったら、こうは上手くいかなかったであろう事は、彼の作業ペースを見れば明らかだ。
 一人で二人分、いや、三人分にも四人分にも感じられるほど。
「恐獣すら断ち切る斧に、切れぬ木は無い。しかし、こうして物を作り出す依頼と言うのは、なんだか面白いものだ」
 余裕すら感じられる彼の両腕は、的確に、オークの樹木を捉えていた。慎重にして大胆に、そして一定のペースで一撃一撃が深く刻まれていく。
「さすがに二人だと、きついな。倒れないように少し休憩しようぜ」
 マグナが作業をしている間、グレイはテントなどの準備を進めていた。季節も秋の終わり、昼でもだいぶ肌寒く感じられる時期である。
 休憩や休息の為に暖を取れるように、火を起こすなどして準備を整えていたのである。
「ふむ。酒でも持ってくれば良かったな。体も温められたのだが」
「はは、違ぇねぇ」

 少しの間休憩していたグレイは今度は自分が、とオーク樹木に向かって行ったのだが、ここでひとつ大変な事態に遭遇する。
 さすがにこんな事は想定していなかった。
「どうした、グレイ殿‥‥?」
「そういえば、あんたとの体格差を考慮してなかったな‥‥」
「‥‥‥‥う、うむ。そうであったな」
 二人はジャイアントとハーフエルフ。明らかに体格の差ははっきりしていた。もうお分かりだろうか。
 そう、マグナの体格から見て平均の切り口とグレイから見て平均の切り口とでは頭一つと半分位の差があるのである。これではグレイが斧を入れられない!
 もし仮に、グレイが先に作業を始めていたら、今度は逆にマグナが作業出来ないという風になっていただろう。
 そういう事もあり、今回は仕方なしにマグナが単独で伐採を行うという風に作業を変更せざるを得なかったのである。
 厳しい選択だが、明確な体格差とすでに切り進めている巨木との関係が埋められそうに無かったのもまた事実だ。

 ともかく、そういう事もあって何と二組とも順調とは言い難いスローな展開を迎える事となってしまった。

●たーおれーるぞー!
 とはいえ、マグナの伐採作業は実質数人分の作業ペースだったので休み休みでもかろうじてそれなりの進展を見せる事になったのは上記の通り。日中の作業はマグナに任せ、夜の見張りをグレイが担当するという体制で乗り切るしかなかったというのが正直なところか。
 それでも結局、全行程のうち最後までハイペースを維持したマグナ・グレイ組は丸一日と半日ほどをかけて何とか巨木を切り倒すことに成功。
 その時のお約束エピソードを紹介しよう。

 後はマグナの強靭な肉体で押し込めば簡単に切り倒せるだろうと踏んで、最後のラッシュを迎えた斧入れ。仕上げに彼がうんうんと巨木を傾けた時の事だ。
「こういう時は、こう叫ぶのだろう? たーおれーるぞー!!」
 果たしてオーク樹木は、確かに倒れてきた。

 マグナとグレイの方向に。

「う、嘘だろ、うお! こっちに倒れてくるぞ!?」
「むむっ、これはどういう事だ!」
 これはもう世界の基本とも言えたお約束である。倒れるぞと言った方向に向かって倒れてくるのは、宿命。
 いや、運命(ディスティニー)といっても過言ではないのである!!
 ‥‥もしかしたら言い過ぎたかもしれない。
 それはともかくバリバリメリメリと轟音響かせて、遂にオークの巨木を伐採する事が出来た! 後は雨などで資材が濡れたりしないようにカバーするなどして荷馬車に積み込む作業だが、それはグレイが率先して行った。
 行きの時も感じたが、出発前数日前に降った雨が多少路面を粗くぬかるませており、帰りもやや心配ではあったが何とか無事にユニウスのいる村に到着した。
 安全第一と馬を潰さない為、半日以上をじっくりかけて輸送したのが功を奏したのか、非常に状態のいいオーク木材を提供する事に成功した。
「それにしても戦場の技術を、この様に生かせるとは、思いも余等なんだ。人生とは実に面白い」
「地味で大変だったでしょう。二人ともお疲れ様、鹿狩りのお二人はまだ戻っていませんが、きっと彼らも成し遂げてくれるでしょう」
「そうそう、大変だったと言えば実はこういう事があったぜ‥‥」
 疲れもそこそこに話が弾む三人。温かい暖炉を囲んでの軽い夕食もマグナとグレイには振舞われた。
 後は鹿狩りの二人、アルフレッドとアルファの帰りを待つだけだ。

●神の祝福がありますように
「もう後は最後までじっくり待つしかないようですよ」
 数日経過した後、未だに一つの罠にも成果が見られない。近くにまでは来ている感じもするのだが、決定打にかけるのか。
「信じましょう。必ずユニウスさんにお届け出来るように」
 アルフレッドの呼びかけに、アルファも今はもう頷く事しか出来ずにいる。アルフレッドもまた、神に祈りを捧げていた――。
 そして、その祈りは遂に祝福をもたらした。
 最終日に程近い、早朝の事だ。罠を確認しに山に入った二人は大きな雄鹿が罠にかかってもがいているのを発見する!
「可哀想ですが、糧になって下さい」
 アルファは約束どおり苦しまずに死ねるようにアルフレッドにコアギュレイトをかけてもらった後、的確に急所をえぐるように喉笛を掻き切る。そうする事で、痛みや苦しみを与え続けないようにとの、二人の最大限の配慮だった。
 こうして鹿狩り班も何とか最終日に間に合う形で村に帰ってくる事が出来たのだが――。
「おかえり、二人とも。随分、疲れているようだね、さあ、温かいスープでもどうぞ、暖炉に毛布もある」
「ありがとうございます、さすがに、朝晩の冷え込みがきつかったですよ」
 少しだけやつれたような、だがただひたすら待つしかないという我慢比べから解放されたという安心感も手伝って、二人はスープを平らげた後、暖炉の前ですっかり眠りこけていた。

 一夜明け、残念ながら最終日を迎えてしまった冒険者たち。
 先に帰還したマグナたちのおかげでベースとなるオーク材のウッドボディは八割がたくり貫かれ成形されつつあった。
「製作の過程や完成を見ずに帰る事になって残念ですが、もし機会があればその完成した音色、聞かせてくださいね」
 アルフレッドたちはそう言うと、ユニウスの見送りを手を振って答えながら冒険者ギルドに報告の為メイディアに帰還した。

 ちなみに、四人の間では、しばらくたおれるぞごっこがプチブームになっていたという。