【黙示録】小さな魔法使い/タイムリミット
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■ショートシナリオ&プロモート
担当:西尾厚哉
対応レベル:11〜lv
難易度:難しい
成功報酬:10 G 85 C
参加人数:6人
サポート参加人数:2人
冒険期間:11月25日〜11月30日
リプレイ公開日:2008年12月03日
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●オープニング
「大隊長殿!」
ただごとならぬ声にステヴァンは振り向く。兵士が青ざめた顔で敬礼をしている。
「ブラート・アクロワが‥死んでいます!」
「どういうことだ」
「分かりません! 朝にはもう‥冷たくなっておりました!」
蛮族エルフとの戦い。それは50年にも及び、未だ決着がつかない。
そもそも蛮族エルフの抵抗は自らの生活圏を守り抜こうとする抗いであったはずだ。それが今や、引けば彼らに侵略されかねないという危惧を持つのはなぜだろうか。
先達て領主が依頼した冒険者たちの偵察によって、蛮族エルフはエルフ以外の魔法使いの集団とデビルに加勢されていることが判明した。なおかつ内通者も明らかになる。その内通者が死亡したというブラート・アクロワであり、皮肉にも彼はステヴァンの直下であった。
ブラートは数日前より厳重な見張りを受けながら取調べを受けていたが一向に口を割ろうとしなかった。そして死んだ。
サクはアルトスに手を引かれて領主の屋敷の門をくぐる。
エルフのサクは先に偵察を行った冒険者たちが保護した少年だ。年は6歳。大きな赤い目を持ち、母の形見という青い石のペンダントを肌身離さず首からかけている。
サクはもともと抵抗エルフの集落の者ではない。それが何故幼い身で魔法を使う戦士として動くことになったのかアルトスは疑問だった。道中いろいろ尋ねてみたが、サクの言うことは要領を得なかった。
「僕はお兄ちゃんと一緒に選ばれたの」
「何に?」
「お師匠さんのところに行くことに」
「何のお師匠さんなんだ?」
「魔法を教えてくれるおじいちゃん‥。でも、お兄ちゃんとお母さんは死んじゃったの。どっちがいいかって聞かれて、お兄ちゃんが自分でいいって‥」
「誰に聞かれたんだ?」
「‥分からない。おっきくて、黒くって‥」
サクは泣き出す。
「ああ、ごめんよ。辛いことを聞いてしまったね」
アルトスは彼の頭を撫でた。幼い身で戦士として戦い、多くの血を見てきた彼の心の傷はいかほどだろう。アルトスは幼い彼の横顔を見て思う。
領主のレオニード・ガルシンはセルゲイ・ガルシン伯爵の長男でまだ若い当主だ。代々勇壮な騎士として名を連ねてきたガルシン家にふさわしく彼も実戦地での経験を持ち、若いながらも思慮深く堂々とした風格は当主たるべきものだった。
「ご苦労だった」
レオニードの声にアルトスは恐縮しつつ敬礼をする。
「ギルドからの報告は受けた。現在、対デビルの装備を整えた大隊を編成中だ。報告からデビルにはアザゼルがいたことが判明している。エルフ外の魔法使い集団についても調査中だが‥こちらはどうにも手掛かりが掴めぬ」
レオニードはそこでサクに目を向ける。
「名は何という?」
アルトスがそっとサクの肩を押す。
「‥サク‥」
サクはそう答えたあとアルトスの手をぎゅっと握った。レオニードは笑みを浮かべる。
「怖がることはない。私にも君くらいの子供がいるんだ。一緒に遊ぶかね?」
サクはかぶりを振り、さらにアルトスの後ろに隠れる。レオニードは苦笑してアルトスを見た。
「暫く共に滞在してこの子の気持ちを落ち着かせてやってくれ。君も疲れていることだろう」
レオニードは言い、アルトスは敬礼を返した。
しかし翌日、早馬に乗った戦地からの伝令が領主の元に着く。
「申し上げます!」
兵士はこわばった顔で言った。
「ブラート・アクロワが死亡いたしました! その原因を探る間もなく、我が隊は敵の総攻撃を受け、甚大な痛手を! 現在総数180余名、さらに‥」
ごほごほと咳き込む兵士。
「さらに‥敵エルフも‥! 魔法を使う者とデビルは加勢していたはずのエルフを殺害し、集落は全滅! 森に点在する他のエルフ集落にも攻撃を開始した模様です‥! 応援を‥! 応援を求めます!」
「敵の総数は?」
レオニードは冷静さを崩さない。
「数えきれません! 魔法攻撃が多くこのままでは‥全滅を待つばかりです!」
「アルトスとサクをここへ」
レオニードは言った。
「大隊が半分に‥?」
アルトスは呆然とする。わずか数日で? こんなことは今までなかった。
「サク」
レオニードはサクの視線の高さに腰を落とし、彼の顔を覗きこむ。サクは泣きながらアルトスの手を握り締める。
「みんな‥みんな死んじゃったの‥? おばあちゃんは? お師匠様は? ねえ、おじさん、みんなを助けて」
レオニードは小さく頷く。
「サク、君は沢山の魔法使いと一緒にいただろう。頭に角の生えたデビルも見たね。彼らはなぜ君の村にいるのだね?」
その問いにサクは目を伏せた。レオニードとアルトスは辛抱強く彼の返事を待つ。
「あの人たちは最初からいたから‥。頭に角があるなんて‥。でも、お師匠様はあの人のこと好きじゃなかったみたい」
「あの人とは?」
レオニードが尋ねたが、サクはかぶりを振った。
「よく分からないけど、偉い人‥。魔法を使う人たちに指図するから。背が高くて青い刺しゅうのある立派な服を着てて、僕の魔法を一日だけよく利くようにしてくれる」
レオニードは頷く。魔法の発動効果をあげるらしい、という記録はあがっていた。。
「あの人の言うことはいつも正しい感じがするの。外から人が来るからお兄ちゃんとお母さんは死んじゃった。そう思った。でも、僕はいっぱい血が流れるのは嫌だった。嫌だけど、でも‥」
服の袖で顔を拭おうとしたサクの手を制し、レオニードは自分の手でサクの顔を拭ってやった。
「青い服の人はたくさんいるのかね?」
その問いにサクは自分の顔を拭ってくれた温かい手に目を移し、再び彼の顔を見る。
「ひとりだけ‥。あのね、魔法を使っても、僕らとおんなじように食べ物を食べておしっこしに行く人はいっぱいいる。悪魔っておしっこするの?」
レオニードはそれを聞いて思わず笑みを漏らした。
「そうだな‥しないかもしれないな」
彼は立ち上がり、アルトスに顔を向けた。微かな緊張感にアルトスは姿勢を正す。
「ギルドに助太刀を依頼する」
レオニードは言った。
「分隊規模なら何とかなる。それ以上の兵を集めるのはどう急いでもあと二週間必要だ。ギルドからの報告とこの子の言うことから考えて、魔法使いは全員がデビルではない。だとしたらせめて要員が揃うまでにそちらだけでも阻止したい。無理ならせめて捕虜を。助け手が集まり次第、君は分隊と共に戻り、彼らのバックアップを」
「御意」
敬礼をするアルトスの手をサクは慌てて掴む。
「また戻るの?」
アルトスはサクに笑みを見せた。
「これからもガルシン様に君の知っていることをお話するんだよ。それが大きな助けになることもある」
サクは顔を歪め俯いた。その目に母の形見のペンダントが映る。サクはペンダントをアルトスの手の平に押しつけた。アルトスが目を丸くする。
「この石にはおばあちゃんとお母さんとお師匠様が念を込めてる。身につける人が無事でいられるように。お願い、死なないで」
アルトスはしばらくためらったが、必死に訴えるサクに頷き、ペンダントを受け取った。
「アルトス」
レオニードは言った。
「猶予ならず兵力100を切った場合は、総員退却の方針に転換せよ。ステヴァンにもそう伝えろ」
アルトスは口を引き結んで頷いた。
●今回の参加者
ea0042 デュラン・ハイアット(33歳・♂・ナイト・人間・ビザンチン帝国)
ea2350 シクル・ザーン(23歳・♂・神聖騎士・ジャイアント・イギリス王国)
ea3947 双海 一刃(30歳・♂・忍者・人間・ジャパン)
ea6264 アイーダ・ノースフィールド(40歳・♀・ナイト・人間・イギリス王国)
ea7871 バーク・ダンロック(51歳・♂・パラディン・ジャイアント・ビザンチン帝国)
eb3096 アルク・スターリン(33歳・♂・ナイト・ハーフエルフ・ロシア王国)
●サポート参加者
ジョシュア・フォクトゥー(
ea8076)/
ラトーヤ・ルイン(
eb2610)
●リプレイ本文
15頭の馬が蹴足で目的地を目指す。
シクル・ザーン(ea2350)の要望もあり、出発前にレオニード・ガルシンは全員に経緯を説明した。
デュラン・ハイアット(ea0042)がゲルマン語に通じていないアイーダ・ノースフィールド(ea6264)に小声で通訳をしていたが、しばらくして神聖騎士の一人が代理を申し出た。数人の騎士は現代語の知識を有しているらしい。
説明のあと、バーク・ダンロック(ea7871)がガルシンに尋ねる。
「この戦いはデビルとその配下から人々を守るためのものであり、政治的な駆け引きではないと誓ってもらえるか?」
ガルシンは彼を見据えて十字をきった。
「私は悪魔どもの無差別な殺戮を許さぬ。これが愚かであるならば、私には裁きが下されよう」
バークはそれを聞き、笑みと共に一礼をした。
戦地に近づくにつれ雪が深くなる。
双海一刃(ea3947)が犬たちの様子に目を向け呟く。
「デビルにとっては何だったんだろうな‥この『戦争』は」
蛮族の味方をし、そして今度は全てに牙を向ける。目的は何なのか‥。
味方のテントが見えた時、先頭にいたアルク・スターリン(eb3096)が言葉にならない声を漏らした。
雪上に残る赤い粒、折れた剣、髪まで白く凍った無数の兵の亡骸‥。
アルトスが馬から飛び降りテントに向かって走り出した。他の者も馬を降りてそれに続く。
テント内にいたステヴァンが顔を向ける。デュランが肩の雪を払いながら尋ねた。
「兵の数はどれくらいに?」
ステヴァンは敬礼をして答える。
「約150名。内、無傷の者は50余名。残りは‥」
「大隊長、ガルシン閣下から伝言があります」
ステヴァンはアルトスを手で制し、テントの外を確認して入り口の布をぎゅっと合わせた。
「残念ながら私は他の内通者の存在も疑っている」
「それなら」
双海がテントの外を目で示す。
「藤丸と萩丸に任せていい。誰も近づけまい」
「神聖騎士たちもいます」
シクルが言う。ステヴァンは糸が切れたように椅子に座り込んだ。
「閣下は兵力100を切った場合、退却の方針に転ぜよと仰せです」
アルトスの言葉にステヴァンは座り込んだままかぶりを振る。
「撤退してその後どうなる‥」
「しかし‥」
デュランがアルトスの肩を掴む。
「まだ日は高い。潰せるだけの敵は潰しておく。そのために私たちはここに来たのだ」
彼は仲間を振り向く。全員が頷いた。
デュランとバークは騎士1人を伴い偵察に向かった。敵陣営に夜襲をかけるためだ。
神聖騎士全てが達人級のレジストマジックを持っているのは心強かった。ただ、全員が黒の神聖騎士だ。それでもあらかたの黒魔法は網羅している。
できる限りの消耗を相手に与えるべくシクルと双海、アイーダとスターリンと神聖騎士6名が前線に向かう。
アルトスは残った騎士と内通者を探る。彼はステヴァンに退却を説得する、と言った。
「空の奴は私が。地上はお願いするわ」
アイーダの言葉は騎士を通じてスターリンに伝わる。騎士のティディクトライフフォースの情報で彼女の最初の矢が飛ぶ。
スターリンは太刀を構える。バーストアタックで振り下ろされた文殊はざくりと相手の体を裂く。雪の上に倒れる角のついたデビルのあと、インプとグレムリンの群れが襲ってくる。
「アイーダの邪魔をさせるな!」
スターリンは騎士に叫び、そして再び太刀を構えた。
戦闘の中心部にいる双海とシクルの周辺は雪の上に点々と血が散っている。こちらはデビルが主体だ。体の小さいデビルが多い。中に数体、角のある者もいる。それにしても数が多い。
シクルはケルティック・ハイクロスで結界を張り、相手を確実に倒していく。双海は敏捷さを活かしインプの群れに切り込んだ。
「焚き火の煙でも見えればいいが‥」
フライで上空にあがるバーク。その後を地上から騎士と共にデュランが追う。
20分後、デュランは木立の中にバークの姿を見つける。
「こっちだ。味方陣営からだと3、4キロというところだな」
バークは南西の方向を指差した。
「この木の上がいいぞ。かなり遠くまで見渡せる」
彼は自分の横の木を叩いて笑った。確かに高い。テレスコープのスクロールを広げたあと、リトルフライで上に登るデュランをバークが見守る。
「どうだった」
しばらくして降りてきたデュランにバークが待ちかねたように尋ねる。
「陣営どころかあれは村だ。奴ら、エルフの村を乗っ取ったらしい」
「エルフはいないのか?」
「ここから見た限りでは。デビルばかりが目立つが、ざっと100はいるだろう」
「100‥」
バークは唸る。
「森を突っ切ると3時間くらいか‥」
「空からならもう少し早いかもしれんぞ?」
バークの言葉にデュランは肩をすくめた。
「リトルフライはだめだったが、どうかな」
日没。
敵にはかなりのダメージを与えたが、アルトスは説得も内通者の特定も失敗した。
「彼はなぜそんなに退却を拒む?」
デュランが尋ねるとアルトスは分からないというようにかぶりを振った。
「皆さんが戻るまでに何とか説得します」
兵の体力をある程度回復させるには明け方前までかかる。つまりそれまでにはここに戻って来なくてはならない。幸いにも雪は降っていない。6人は一時間後に出発を決めた。
途中まで馬を走らせ、足元が厳しくなった後は2人の神聖騎士に馬を託して徒歩となった。バークが激しく揺れる枝を見上げて唸る。気温も昼間の比ではない。夜間にフライで一人離れるのも無茶だろう。
雪上や森林の移動に長けたアルクやシクル、バークの助言を得ながら敏捷なアイーダと双海が犬たちと共に先頭を行く。デュランは石の中の蝶を確認し、騎士はティディクトライフフォースを使った。
「火が見える」
スターリンがそう言ったのは出発して一時間以上過ぎた頃だ。全員に緊張が走る。
デュラン以外は騎士からのレジストマジック付与が基本だ。双海とアイーダは付与後すぐに先へ。デュランもそれに続く。シクルはケルティック・ハイクロスを取り出し、その後自らにミミクリーを。バークはオーラエリベイション、オーラソード、オーラボディを付与した。
タイムリミットは1時間。
唸り声と共に猛烈に進み出すバーク。スターリンが雄叫びをあげてそれに続く。足が伸びるシクルは更に先に。
敵陣営は騒乱状態だ。しかしよほど疲弊していたのか、格闘術に長けたバークやシクル、スターリン、両刀使いの双海の前にひとたまりもない。
「てめえら、デビルに従って人々を襲うとは、人の心を捨てやがったか!」
バークの声を聞きながら、デュランはアイーダの矢を受け倒れている魔法使いの布を剥ぎ取ってみる。出てきたのは人間の顔だった。
「バーク!」
太刀を振り下ろしたあとスターリンが言った。
「デビルの数が少ないのでは」
「ああ、確かに」
スターリンと背を突き合わせながらバークは答えた。ふいに周囲のデビルが叫び声をあげる。アイスブリザードだ。どこからかと確かめる前にデュランが次の一波をストームで弾き返す。
吹き飛ぶデビルの中に転倒する魔法使いの姿が見えた。双海が素早く飛び掛る。しかし彼は相手の直前でぴたりと刃を止めた。
肩に落ちた布の下には、エルフの老人の顔があった。
1時間が過ぎる。
周囲は倒れる魔法使い。生きていてもこのままだと凍死は免れないだろう。デビルの姿はどこにもない。
バークが老人を後ろから助け起こす。
「ここにいたエルフはどうなった。皆、殺されたのか?」
バークが問うと、老人はかぶりを振った。
「そんなことはさせん。‥ストウの村に行かせた」
彼は震える声で訴える。
「軍を退却させろ。ヴィッサリオンが侵攻を開始するぞ! ヴァブラというデビル‥! 私を連れて行け。奴の力で一度だけ最大効果のストーンが使える! 食い止める!」
全員が顔を見合わせた。今まで敵だった者の言葉はにわかに信じ難い。躊躇したのち、老人を捕虜として連れ帰ることに決めた。彼は事情に詳しいかもしれない。シクルはリカバーポーションを老人に飲ませる。彼とバーク、神聖騎士が交互に老人をおぶって馬のいる場所まで戻ることになった。騎乗技術に長けたスターリンが老人を一緒に馬に乗せ、予定よりも一時間遅れて味方陣営へ戻った。
陣営前では兵が既に退却の準備を整えていた。アルトスは説得に成功したらしい。馬と兵が動き始める。
しばらくして老人は言った。
「止まってくれ」
スターリンは後ろを振り向く。老人の頭越しに遠くの木々の揺れが目に映る。風の揺れではない。その緊張は全員に伝わる。老人は馬から下りて木々を見据えて言う。
「私のストーンでも、全てを止めきることはできぬ。あとは運だ」
そしてストーンは放たれた。
前方からすさまじい咆哮が響く。
6人が構えの姿勢になった直後、今度は背後から雄叫びが聞こえた。思わず振り向いた目に数えきれないほどの兵の姿が映る。ガウシンの集めた大隊だ。大隊は6人を追い越し、デビルの群れに突入していった。ステヴァンとアルトスも馬で走ってくる。
「今のうちに‥」
叫ぶアルトスをステヴァンが追い越す。それは一瞬のことだった。
ステヴァンが剣を振り上げる。剣はスターリンをかすめ、傍にいた老人を裂く。スターリンがそのまま駆け去ろうとするステヴァンに一撃を与え、さらにアイーダが矢を放つ。80mほど先まで走ってステヴァンはどさりと馬から落ちた。
呆然とするアルトスの胸にあるペンダントに老人は目を向け、掠れた声で言った。
「おお、サク、無事であったか‥もっとおまえに魔法を‥」
それが最期だった。
疲弊した大隊は戦線から離脱し、戦地の魔法使いは全滅した。
新たに投入した大隊が堪えきれるのはそう長くはない。しかし、ヴァブラという首謀デビルの存在は明確になった。
老人はサクの師であったのだろう。彼が生きていればもっと情報は掴めたかもしれないが、その死によりステヴァンの裏切りも判明した。他に内通者がいるとうそぶき、退却命令を拒否し、老人を殺めたのも彼自身が内通者ゆえか‥。
6人は未だ呆然としたままのアルトスの肩に順に触れ、報告のため屋敷をあとにした。