蒼の花、咲く頃。
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■ショートシナリオ
担当:蓮華・水無月
対応レベル:8〜14lv
難易度:普通
成功報酬:4 G 15 C
参加人数:8人
サポート参加人数:-人
冒険期間:09月11日〜09月16日
リプレイ公開日:2009年09月19日
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●オープニング
それは、とても美しい花園なのだという。
荒野の真ん中、まるで精霊がそこにだけ特別の恵みと祝福を垂らしたが如く、美しく咲き誇る様々な色合いの青、蒼、藍、紺。それはさながら、澄みきった夏の空を切り取り、荒野に映したかのような。
それを教えてくれたのは仲良しの隊商の息子だった。町の外の世界など、せいぜいが少し離れた所に流れる川くらいしか知らないキルティを、彼はいつも世間知らずと馬鹿にして。
それでも町に隊商が立ち寄った時には、必ずキルティに会いに来た。そうしてキルティを世間知らずと言い、ぷっくりむくれる彼女を可笑しそうに見て、旅の最中にあった面白い話や、珍しい事柄を身振り手振りを交えて話してくれた。
いつか隊商を持てるようになったらお前にあの花園を見せてやる。隊商の息子はキラキラした瞳でキルティに言って、キルティはそれを眩しく思いながら頷いたものだ。それは二人だけの、ささやかな約束だった。
だが今月、隊商がやってきても息子は現れなかった。心配になって隊商が泊まる宿まで見に行ったキルティに、隊商の長は沈痛の面持ちで、彼の息子は隊商を狙ってやってきた獣と勇敢に戦い、立派に隊商を守り抜いて精霊界に召されたと言った。
その場を、果たして何と言って離れたのだったか。気付いたらキルティは家に戻っていて、自室の床にぺったり座り込んでいて、頭の中で何度も言われた言葉を反芻していた。
獣と戦って死んだ息子。あんなにも当たり前に、またね、と手を振り合って別れたのがついこの前のように思えるのに。
もう彼はキルティに会いには来ない。キルティを世間知らずと馬鹿にして、そうしてあのキラキラした瞳で旅の話をしてはくれない。
「あ、ああぁぁぁ‥‥ッ」
そのことに、ようやく思い至ったキルティは不意に込み上げてきた衝動に任せ、大声を上げて泣き始めたのだった。
冒険者ギルドを訪れたのは、キルティの友人達だった。
「私達、キルティが見ていられなくて」
仲良しだった隊商の息子が居なくなってから、キルティはめっきり塞ぎ込んでしまった。心配して訪ねれば友人達に笑いもするが、それは見ていて痛々しいものに過ぎず。
食事も喉を通らず、家族に心配を掛けまいと無理矢理飲み込んだものもすぐに吐いてしまう娘が可哀想だと、母親は泣いていた。
だから、
「キルティが彼と一緒に見るのを楽しみしていた、荒野の花園まで連れて行って上げてもらえませんか?」
「もしかして、もっと悲しくなるだけかも知れないけど‥‥」
「何もしないより良いんじゃないかって」
口々に訴える少女達が、本当にキルティのことが心配で仕方ないことは、傍目にも明らかだった。
●リプレイ本文
その部屋で、少女はやつれた顔でぽつねんと座り、ぼんやりどこかを見ていた。一人でいる時はずっとなのだと、母親が唇を震わせる。
加藤瑠璃(eb4288)がポツリ、言った。
「アトランティスは死が身近にある世界なのよね」
忘れそうになるけど、と付け加える。彼女が暮らしていた場所では、死は縁遠いものだった。
凍りついた様な部屋に、倉城響(ea1466)が一歩、踏み込む。ビクリと少女が振り返って、初めて人がいる事に気付いた。
「倉城と言います。よろしくお願いしますね♪」
「‥‥?」
「私達はキルティちゃんのお友達に頼まれて来たの」
癖なのだろう、話しかけられ笑みを浮かべたキルティに、瑠璃が言う。それに目を見開いた少女は、確かめる様に冒険者を見回した。
ルスト・リカルム(eb4750)が努めて明るい笑顔で頷くと、少女は顔を曇らせる。友達にも心配をかけた事を知り、申し訳なく思ったのだ。
だが。
「きっと最後まであなたとの約束を守りたいと思っていたはずよ。少しでも真実に変える事ができたなら、精霊界で彼も喜ぶんじゃないかしら」
一緒に行く事は出来なくとも、あの花園を見せたい、というルズの願いを叶える為にも。そう、説得する瑠璃の言葉に、少女は沈黙した。
だが心配そうな母親に気付き、冒険者達の気遣う眼差しに気付いて、はい、とキルティは憔悴した顔で微笑む。明らかに無理をしている笑顔だ。
ソード・エアシールド(eb3838)が親友にだけ聞こえる声で呟いた。
「‥‥あんな状態の子供、放っておけない」
「‥‥少しでも、状態が改善したら宜しいのですが‥‥」
その言葉に、イシュカ・エアシールド(eb3839)も頷く。養女を育てたイシュカには、娘が心配な親の気持ちは痛いほど良く判る。故に、共に養女を育てたソードに共に来てくれるよう頼み、そのソードもまた少女の姿に胸を痛めて。
この旅が、せめて少しでも少女の心を救えれば。
そう祈ったのは響きも同じだ。
「キルティさんの事はご安心下さい」
こっそり囁いた彼女に、母親は何度も頭を下げた。パタパタと、床に幾つも雫が零れ落ちた。
町の小さな市場で、イシュカは道中の食糧を買い求めた。日持ちのする野菜や肉類、ミルクや果実等も。食事を受け付けない少女の為に、出来るだけ食べやすく、少量でも栄養価の高いものを。
その間に、リール・アルシャス(eb4402)とモディリヤーノ・アルシャス(ec6278)は一緒に、ルズの父親の隊商を訪ねた。ルズが言っていた荒野の花園の場所や、道中で出没する獣を確認する為だ。
「この辺りに目印の大岩‥‥解りました。ありがとうございます」
「他に気をつけた方が良い事はありますか?」
リールが聞いた道程を譲って貰った地図に書き込み、モディリヤーノがそう尋ねると、井戸が少ないから水も多めに、と隊商の長は言った。それから瞳を険しくして「あの馬鹿息子が」と毒吐く。
隊商の仲間達も、ルズが仲良しだった少女の事は知っている。隊商を持ったら坊はまず結婚か、とさんざんからかってやったものだ。
だから長は毒吐いて、仲間達は嬢ちゃんを頼むと悔しそうに言う。それに、任せて下さい、と姉弟は頷いた。
キルティの家に戻ると、移動に借りた幌馬車に、買い込んだ食料類を積み込んでいる所だった。恐縮する少女には日射しや雨を避ける為と説明したが、一番の目的は獣が襲ってきた時キルティに戦いを見せない為だった。
帰ってきたモディリヤーノに気付いた瑠璃が、持ってきた空飛ぶ絨毯を渡す。万一、地上で守り切れなくなっても、空に逃げる事が出来るように。
幌馬車に繋ぐのは、リールとイシュカの馬。その2人とルストは御者も兼ねて馬車に乗り、モディリヤーノは馬車の速度を落とさないよう預かった絨毯で移動することにする。瑠璃とソードは馬で併走。響は韋駄天の草履で行くらしい。
そして幌馬車は走り出した。
「キルティちゃん。これから通るのは、隊商がいつも使ってる道よ」
「‥‥ッ」
瑠璃の言葉に少女が息を飲み、じっと流れる景色を見つめた。手綱を取るリールが「もうしばらく走ったら緑が少なくなってくるそうだ」と肩越しに説明する。
これはルズがいつも見ていた景色だ。キルティを世間知らずと馬鹿にして、色々な話をしてくれた。
こんなだったんだ、と少女は呟いた。ルストがちらっとキルティを見て、どうやら返事が欲しい訳じゃないようだ、と見守るに留まる。
だからルストが少女に話しかけたのは、小休止で馬車を止めてからだった。馬達に水や餌を与えて軽く汗を拭く間。
「この辺りは綺麗な景色ね」
「‥‥ありがとうございます」
「ウィルは色々なものがあるけど、なかなかこんな景色はないわ」
「たまに、ウィルから観光に来る人も居ます。だからそれを商売にしたらって、ルズがいつも」
微笑んで言いかけたキルティはギクリと顔を強ばらせ、ふつと言葉を切った。ルストがわずかに目を見張り、だが口調は変わらぬよう気をつけて、そう、と相槌を打つ。
少女は自分の言葉にショックを受けた様に、少し顔を強ばらせたままだった。だが軽く首を振り、必死の顔でルストを見上げる。
「すみません‥‥私‥‥早く、大丈夫にならなきゃダメなのに‥‥」
「辛い時は、辛いで良いと思うよ」
自分を責める言葉に、聞いていたモディリヤーノが首を振った。こんな時まで周り心配をかけまいと頑張る必要はない。今は落ち込んで、時間をかけてゆっくり立ち上がれば良いのだ。
少女はその言葉に頷いた。きっと体も疲れているから、と薬用人参を渡し、煎じて飲むよう勧める。ありがとうございます、と少女は受け取り、疲れたように瞳を閉じた。
野営は隊商に教えてもらった、荒野の手前の最後の草原になった。多くの隊商がここを利用しているという言葉通り、比較的新しい焚火の後があった。
馬車から放された馬は喜んで辺りを歩き回ると、やがて立ち止まって草を食み出す。リールがイシュカの馬も引き受け、ご苦労様、と優しく労いながら身体を拭いてやった。
そのイシュカは響と一緒に、夕食の調理に取り掛かる。ルストが馬車から降ろした食料から使うものを選び、簡単に下拵えを始めた2人に、じゃあ、とルストは食事する場所を作り始めた。
瑠璃とソードは今のうちに辺りの様子を確認に行った。モディリヤーノは夜に備えて鳴子を作る木切れを探している。
イシュカを手伝い野菜を切っていた響は、どこか居心地悪そうなキルティに気付き、声をかけた。
「一緒に拵えませんか?」
「ぁ‥‥」
キルティはホッとした表情で頷いた。自分だけ何もしないのが居た堪れなかったらしい。
少女には豆の筋取りを頼む。傍で、準備を終えたルストがモディリヤーノと鳴子を作り始めた。豆以外の下拵えを済ませ、鍋を火にかけて順々に火を通していく。空腹を刺激する良い匂いが、辺りに漂い始めた。
最後に筋を取った豆を入れてさっと火を通し、鮮やかな緑が引き立った所で鍋を下ろすと、少女が珍しそうに覗き込んだ。今なら少しは食べられるかも、と響が味見してみないか誘う。
少女は逡巡の末、頷いた。昼間はイシュカが渡した缶ジュースしか飲んでいない。それすら後で吐いてしまったので、申し訳なかった。
恐る恐る、柔らかそうな野菜を匙ですくって、口に入れるのを、冒険者達が固唾を呑んで見守る。
「‥‥お味は如何でしょう?」
「美味しい、です‥‥‥ゥッ」
窺う言葉に頷きを返した少女は、だが不意に口元を押さえて少し離れた草むらに駆け込んだ。直後、嘔吐の声が聞こえてくる。
駆け寄ろうとした仲間達を、イシュカが目で止めた。全員で行くと、また心配をかけた、と少女は気に病むだろう。動けない事も考えて念の為親友にだけついて来て貰い、口を漱ぐ水を持って行く。
2人の気配に、少女が涙の滲む瞳で見上げた。肩で荒く息をしている。
「すみ、ませ‥‥」
「なに、立てるか」
「‥‥暫く物を口にしてないのでしたら‥‥固形物は体が受け付けなくなっているかも知れませんし‥‥」
そんな事もあろうかと、キルティ用に小麦粉粥を作ってある。蜂蜜も入っているので栄養価も高いし、まだ食べやすいだろう。後はスープと、蜂蜜で甘みを付けたミルク。この調子だと、果物は難しいかもしれない。
キルティは何度も吐きながら何とか椀の半分程を食べ、スープとミルクに少しずつ口を付けて無理矢理流し込んだ。頑張ったのは、冒険者に気を使ったのと、実際胃が空っぽだったからだろう。
食事を終え、ぐったりしたキルティをリールが抱き上げ、自分のテントに連れて行った。夕食の後片付けをし、火勢を落として一晩中薪がもつ様にする。夜、獣を遠ざけるには火が一番効果的だ。
テントの外で、鳴子を仕掛ける音がする。それを聞きながら、リールは目元を涙で赤くして横たわる少女に語りかけた。
「キルティ殿、皆では無いかもしれないが、心が落ちる所まで落ちてしまえば、後は、上を向くしかないという時がくる。かなり前の事だが、自分も一度、大事な人を失った事がある‥‥」
「‥‥?」
少女がわずかに瞼を持ち上げ、ぼんやりとリールを見た。それに、複雑な微笑を返す。彼女の場合はキルティの様に死に別れた訳ではない。だがそれでも、食事がなかなか喉を通らず、心がぐちゃぐちゃに乱れた。
それでも頑張れたのは、今ここに居られるのは、一つは彼女の事を心配してくれる人達がいたから。そしてそれはキルティにも居るのだ。
だから無理はしなくて良いと、語りかけるうちに少女は眠りの淵に落ちていった。ただでさえ体力が衰えている少女には、出来うる限り無理をさせないようにしても、一日馬車に乗っているだけでも体力を消耗したのだろう。
ルストが最初の火の番を買って出て、後は二時間ごとに交代で見回りと火番を持ちまわる。瑠璃と響がキルティを見に行った時は、イシュカの毛布に包まり、魘されていた。
時々薪の爆ぜる音と、キルティの呻き声が聞こえる他は、とても静かな夜だった。
目印の大岩を過ぎると、花園はもう道なりに見えるはずだ。だがその直前、御者を務めるリールがグイと大きく手綱を引き、馬を止めた。高く嘶いて馬が足を止め、馬車がガクンと止まる。
行く手に、立ちはだかる獣が居た。チーターだ。群れるのは珍しいが、ざっと数えて7頭ほど居る。家族なのかもしれない。
瑠璃が険しい顔で馬から滑り降り、名刀「祖師野丸」アニマルスレイヤーを構えた。数だけ見れば彼我の差はなし、だが実際の戦力となればあちらの方が遥かに優位。ならば手数が多いに越した事はないと、オーラエリベイション専門とオーラマックス達人を自分にかける。
イシュカが仲間にグットラックをかけた。それから、幌馬車の奥でまだ事態に気付いていないキルティを守り、専門ホーリーフィールドを発動させる。
事前に空飛ぶ絨毯についてそれとなく確認したが、少女は空を飛ぶ事自体が想像出来なかった様で、首を傾げるばかりだった。もし幌馬車が危なくなれば、嫌でも空に逃がす他なくなるのだが。
ソードが同じく馬を降り、ノーマルソード「雷斬」を油断なく構えた。リールも名刀「獅子王」を抜く。今一人、刀を得手とする響は日本刀「虎徹」を構え、馬車の護衛についた。
チーターがじり、と距離を詰めてくる。瞬発力を鑑みれば、すでに獣の攻撃範囲だ。モディリヤーノとルストが後方から、魔法で援護する体勢を整える。
先に駆け出したのはやはり、獣だった。ダッ! と太い足で地面を蹴り、かと思えば見る見るうちに彼我の距離が縮まっていく。初手を、瑠璃とソードが同時に放った。上手く狙い通りのタイミングに合わせられ、ギャッ! と獣が蹈鞴を踏む。
ルストが高速詠唱でコアギュレイト。立ち直って射程範囲外に逃げられる前にと、1頭を束縛するのに成功した。
だが残る獣は素早く距離を取り、冒険者達を窺っている。離れていては埒が明かない、とモディリヤーノは意を決して距離を詰め、ウィンドスラッシュを獣に放った。見えぬ風の刃に獣が悲鳴を上げ、それを隙と見計らったリールが走る。
戦闘音は幌馬車の中まで聞こえた。最初は怯えてちらちら外を窺っていた少女は、獣の鳴き声を聞くや顔を蒼褪めさせ、ガタガタ震え始める。
見かねた響が刀を置き、幌馬車の中の怯える少女をぎゅっと抱きしめた。
「大丈夫ですよ。私達が居ますから、大丈夫です♪」
「‥‥キルティ様、獣はすぐに居なくなりますから‥‥」
イシュカも務めて安心させる声色で少女にメンタルリカバーを掛ける。少女の表情が和らぎ、だが剣戟や獣の声が聞こえる度にビクリと跳ね上がる度、イシュカはメンタルリカバーをかけ続けた。
――やがて、最後の一体が倒れて、冒険者達は大きな安堵の息を吐いた。強さ自体はともかく、素早い敵はそれだけで神経を削るものがある。知らず、傷を負っていた仲間達をルストがリカバーで癒して回った。
幸いそれぞれの馬も無事だった。キルティは魔法のお陰で、それほど取り乱した様子はない。それらを確認し、倒した獣の骸を少し離れた場所に簡単に埋めて、彼らは再び動き出した。
花園は、もう目の前だ。
それは、とても美しい花園だった。まるで此処にだけ精霊が特別な祝福を垂らした様な一面の蒼。頭上に広がる澄み渡る空を、そのまま切り取って地上に映したかのような。
ほぅ、と冒険者達の口から感嘆の息が漏れた。それからキルティを振り返る。少女は馬車の縁で、限界まで目を見開いて、一面の蒼を見つめていた。
危なっかしい足取りで馬車から降りようとするのを助け、花園まで導く。少女はただ蒼を見つめたまま、ふらふらと導かれるまま足を動かす。
そうして。
「―――ぁ‥‥‥ッ!!」
辿り着いた蒼の花の前で、少女は泣き声を上げた。嗚咽が後から後から込み上げて来る。
これが、ルズが見せたかった光景。いつか見せてくれると約束した光景。ルズはもう永遠に居ないけれど、キルティは今この蒼に囲まれている。
少女が引き攣れる様な声でしゃくり上げ、激しく泣きじゃくるのを、冒険者達は見守った。心配を掛けまいと気を張り、早く大丈夫にならなくちゃと気負っていた少女が今、身も蓋もなく泣くのを見守った。
――やがて、泣き止んだ少女に瑠璃が声を掛けた。行程的に、もう戻らなくてはならない頃合だ。この花は荒野でしか根付かないと言うから、せめてと皆で探した種を大切そうに掌に包むのを見る。
「どう、ここに来て良かった?」
「はい‥‥たくさん、貰いましたから」
キルティは小さく頷いた。たくさんの気持ちと、たくさんの言葉をこの人達から貰った。まだ大丈夫にはなれなくても、この日々を想えばいつか大丈夫になれるかも知れない。
そう、少女は微笑んだ。それは冒険者達は初めて見る、キルティの本当の笑顔だった。