潜入!女だけの花屋敷!
|
■ショートシナリオ
担当:相楽蒼華
対応レベル:フリーlv
難易度:易しい
成功報酬:0 G 65 C
参加人数:8人
サポート参加人数:-人
冒険期間:12月13日〜12月18日
リプレイ公開日:2004年12月20日
|
●オープニング
江戸から少し離れた町に、一つの大きな屋敷がそびえ立っていた。
そこは昔からの男子禁制なる女人だけの屋敷。中でどんな生活をしているのか、外部の人間は知る事もない。
その屋敷には、とある筋から選ばれた女人しか入る事が出来ないという。そんな屋敷に、一人の女が興味を持った。
「ね、あの屋敷の中がどんな感じなのか調べてくれないかしら?」
ギルド員に目を輝かせながら頼む女性。歳は二十歳になるかならないかぐらいだろうか。
どうやらあの屋敷の中での生活に憧れているようで、今月の女人として選ばれたのはいいのだが、少し不安があるようだ。
「どうやったら入れるかまではわかってるの。でも、どんな人がいるのか不安で仕方ないし、だからといって入るのを諦めるっていうわけにはいかないの!」
あの屋敷は町では女の憧れの里。花園があって男には縛られないという天国尽くめ。
この江戸では荒れくれた男が多いからだろうか。女は屋敷に入る事を望むのだという。
「手続きならあたしがどうにかしてあげるからさ?お願い!中、どんな様子なのか見てきてくれる?
あ、男の人が行くんだったらバレないような女装じゃないとダメよ?バレたら門番のさくらっていう娘が簀巻きにして表に捨てちゃうって話よ」
女は念押しにそう言うと、目の前で手を合わせ頼みたおした。
これも仕事だという事で割り切り、ギルド員も壁に仕事の張り紙を出すのである‥‥。
●リプレイ本文
女に拝み倒されて仕事を受けた冒険者達は屋敷に入る前にと依頼人より貸し出された着物を纏い、男は女に扮する事となった。
本来男が女の格好をする事など気持ち悪い事なのだが・・・・やってみると流石に似合う人もいるようだった。
「それじゃ、別れて入り込むか」
夜神十夜(ea2160)がそう提案すると、全員小さく頷き男達は歩き難そうに内股で屋敷へと侵入する。
門前にいたのは男の侍。依頼人から渡されていた紹介状を見せるとすんなりと中へと入れてくれた。誰がこの神聖な花園に潜り込めるだろうかと少し油断しているようでもある。
「なんだ、すんなり入れてしまったな。油断大敵とはこの事を言うのに・・・・。で、夜神?何をしてるか?」
霧島小夜(ea8703)が一緒に行動を共にする十夜にぼそりと釘を刺す。早速女を物色していた十夜の目は飢えた狼そのものであった。小夜に気付かれた十夜は反省するはずもなく、へいへいとぼやきながらも物色を続けていた。
「あら?其方の方々が今月の女人かしら?」
「あぁ、先程ここに入らせて貰った小夜という。よろしく頼む」
「小夜ちゃんね。可愛いお名前だわ・・・・と、其方のお方は?」
当然、名前は尋ねられるだろうと思っていたがそれが早速となると少し焦る。が、そこを小夜がフォローに入る。一言発すれば男だというのがバレてしまう恐れがあるからである。
「あぁ、こいつは私の友達で十美という。十の美と書いてそういうのだ」
「あらあら、変わったお名前ね?そういえば、ここの生活で分からない事はないかしら?教えてさしあげますわよ?」
どうやらこの女性は入ってもう何年にもなる住人のようで、ここの事は熟知しているようだった。
「ほう‥なるほど、これは‥」
十夜は一人目を輝かせ辺りを物色状態である為、質問は小夜が担当する事となる。
「ここでの普段の暮らし・・というのはどういったものなのだ?」
「ここでの普段の暮らし?そうねぇ・・門番のサクラちゃんもいるし、生意気な男達もいないし。女達だけで遊んだりして楽しい生活を送ってるわねぇ♪でもここ、広いでしょ?少し歩いただけで疲れちゃうのよねぇ」
「ん、どうも。礼に指圧なんかはどうだ?」
こうして何時もの小夜の悪戯そしてお楽しみが始まる。そして何より危険なのが十夜が野放しになってしまった、という事だろうか・・・・。
そんな事態も露知らず、しゃなりしゃなりと歩いて来る二つの影は風月陽炎(ea6717)と百目鬼女華姫(ea8616)だ。
陽炎はまだしも、女華姫は男顔に見えるがこう見えても女である事には間違いはない。女にあるべきものをもっているのは事実なのだから。
「さて、私達は屋敷の主の事でも調べましょうか」
「そうね。あら、あそこに女性がいるわよ?住人じゃないかしら?」
「あ、そうみたいですね・・・・。んー・・・・コホンッ。あの、すみません」
必死に声色を使って話しかける陽炎。しかしその努力も女華姫の姿を見て崩れ去る。
「あ、あ、アナタ!お、男!?」
「あら、あたしは男じゃないわ、女よ?なんだったら確かめてみるといいわ」
驚く女性の手を掴んで胸を触らせ確認させる。触った女性も少し目をパチクリさせて、触った手と女華姫を交互に見つめていた。
「もしかして、貴方達って今月入った女の子達?」
「実はそうなんです。でも、屋敷主様にご挨拶しようと思ったところ迷ってしまいまして・・・・」
「あら、悠那様にご用事なの?でも残念だわ、悠那様はここにはいらっしゃらないわ。ここは女達が自由に生活する屋敷だから、監視も全て女なの。その為か今まで侵入された事ってないのよ?」
女がさも自慢げに話す。複雑な笑みを浮かべる陽炎。
そう、彼こそが侵入者であり、初侵入者を出してしまっているのだから。
「それくらいでいいんじゃないかしら?どうもありがとうね?」
女華姫がそういうと、女は小さく首を横に振り走り去って行った。収穫は主の名前。しかし何をしている人なのかは分からないままだった。
「わぁい!可愛い着物なのですよ〜♪」
小夜に着付けてもらってからずっと大はしゃいでいるのが月詠葵(ea0020)。そしてそれの付き添いをしているのが天風誠志郎(ea8191)。
誠志郎の方はこの依頼を何故受けたのか、自問自答をしていたくらいの者だったが、結局仕事は仕事と割り切っての女装である。
「それじゃ、色々見て回るのですよ〜♪」
葵は誠志郎の腕を引っ張って屋敷の中を散策を始める。屋敷の中はとても綺麗で、色々な色の花が植えられていたり、庭には大きな池もある。
他にも蹴鞠が出来るような大きな場所など確保されており、女性にとっては喜ばしい場所でもあるだろう。
「本当に広い屋敷なのですねぇ〜♪・・・・あれ?あれって夜神さんじゃ・・・・?」
葵の声にふと気付き、前方を見る。「あら、失礼〜♪」とかいいながら十夜がセクハラに勤しんでいる。もう完全な放し飼い・野放し・好き放題である。
誠志郎はそれを呆然と眺めた後、目頭を押さえながら葵を回れ右させて別の場所へと誘っていく。
さぁ、あの放し飼い乳マニアはどうするか!?
そして一番危険性溢れる組み合わせが屋敷へと入る。とてもおしとやかそうに見える女性、神楽聖歌(ea5062)。まずこれは問題はないであろう。一番問題なのは・・・・。
「ここが女性の花園なんですね!う〜、私のハート、今まさにドックンバックンですよ!」
とことんまでの変態体質、聖津亜玲(ea1472)である。外見だけ見れば綺麗な女性に見えるだろうが一言喋ればそれが総崩れ。喋るな危険、S級である。
「それじゃ、外はどんなものがあるかとか細かいものでも見て回りましょう!いざ、花園の冒険へッ!」
「亜玲さん!声が大きいです、少しは静かに・・・・!」
騒動は全てここから始まる・・・・。
「あぁっ!夜神さん!私と言うものがありながら!!」
セクハラに勤しむ十夜を見つけた亜玲はガポーンとショックのご様子。わなわなと震えていたが最後には十夜に飛びつくようにダイブする。・・・・落ち着け、相手は男だぞ!?
そんな事言っても聞くような人間ではないだろう。
「げ、亜玲・・・・!?邪魔、する、なっ!」
「げふぁ!?」
楽しみを邪魔された十夜の拳が華麗に亜玲の顎へとクリーンヒット。華麗に前のめりで倒れる亜玲を見てハッとして女らしく振舞うも時既に遅し。
気付いた女が護衛の者を呼んでいたのだ。護衛の者・・・・それは十夜達よりもデカイ・・・・。
どうやらジャイアントの・・・・しかし、どう見ても男。顔なんか眉毛がトレードマークと言わんばかりに濃い。片手にロープ、片手に布団をもって仁王立ち。どうやら彼?がサクラちゃんらしい。
「亜玲!てめぇのせいでバレたじゃねぇか!もう少しで20人目の美女の乳をだなぁ!」
「だったら私のも触ってくださいよ、夜神さんッ!」
逃げ惑う二人を、お楽しみを終えた小夜が発見して小さく呟く。
「逝ってこい、夜神‥‥」
そしてその姿は誠志郎達も確認していた。そして巻き込まれてしまうのが彼の可哀想な所なのであろうか。
「あぁっ!誠志郎さんもクール&ビューティッ!」
「どわあぁぁっ!?」
いきなり亜玲に抱きつかれ、少し服が肌蹴てしまう。厚い胸板がサクラの目に入るとターゲットは三人に増加。誠志郎も逃げ出そうとするが・・・・。
「悪いがそこで食い止めておいてくれ、よっ!」
十夜の一言だけでは何がなんだか誠志郎には分からなかっただろう。しかし、行動ですぐに察しがついた。
集合場所は屋敷のすぐ外だったのだが、十夜が戸を閉めたのである。自分が逃げたいだけの為に。
どうしようもない放し飼い・野放し乳マニア。恐るべし。
無事に偵察を済ませた冒険者達は依頼者にソレを報告する。
「わぁ、本当にそんなに楽しそうな所だったの!?だったら安心して中で住めるわ♪」
「喜んでもらえて何よりだ」
「それより。二人程人数足りない気がするんだけどぉ・・・・どしたの?」
「あぁ、彼等なら・・・・」
まるで尊い犠牲を払ったかのように明後日の方向を眺める十夜を見て、依頼者は全てを悟った。
その後数日間。誠志郎と亜玲は二人仲良く簀巻きにされて吊るされていたのだとか。
「いいじゃないですか、誠志郎さんっ!」
「そんなに擦り寄るな!俺にその気はないっ!」
・・・・めでたし、めでたし?