【宝石の猫】死守! 猫の森

■ショートシナリオ


担当:桜紫苑

対応レベル:1〜4lv

難易度:普通

成功報酬:1 G 44 C

参加人数:8人

サポート参加人数:-人

冒険期間:07月14日〜07月21日

リプレイ公開日:2004年07月22日

●オープニング

 ジュエリーキャット。
 そう呼ばれる猫がいる。
「額には宝石、全身が装飾で覆われた猫だと言うではないか!」
 ギルドの受け付けで唾を飛ばす男に、仲間達と語らっていた冒険者達も辟易として肩を竦めた。
 受け付けで頑張ること、小一時間にはなろうか。その間、ずっと怒鳴り続けている男の背後では、やせ細った執事が主人に気づかれぬように身振り手振りで謝っている。
「全身装飾品‥‥と言っても、アンタほど悪趣味じゃないだろうけどね」
「‥‥聞こえますよ」
 贅沢な衣に、動く度にじゃらじゃらと金属音がするほどの装飾品は、一目で金にまかせたものだと分かる。
 痩せた執事とは対照的な男は、その何重にも垂れた顎を締め付けているかに錯覚する首飾りを手に取り、受け付けの係に見せた。
「ここに! ここに、その猫の宝石を埋め込みたいのだ! 世に2つとない芸術品となるのは間違いない! その後世に語り継がれるであろう偉業を、貴様らにも手伝わせてやろうと言っているのが分からんのか!」
 見れば、その金色の首飾りはトップの部分が空枠となっている。
 ジュエリーキャットの宝石をここへ‥‥と、彼は本気で言っているようだ。
「悪趣味だな」
 呟いた青年の袖を引いて、銀髪の青年が窘めた。
 あの手の輩に絡まれては後々大変だと、彼らは身をもって知っている。だからこそ、彼は主を厄介事から遠ざけたかった。だが、それは少し遅かったようだ。
「誰だッ! 今、何と申した!」
 受付係を責め立てていた男が、新たな獲物を求めて振り返る。
 彼の執事が青ざめた。
「悪趣味だから悪趣味だと言ったんだ」
 その喧嘩、買ったとばかりに、青年は男をせせら笑うように見返した。銀髪の青年が額に手を当てる。
「何だとぉ?」
 火を吐き出さんかの勢いで、青年に詰め寄った男は怒りに委せて彼の胸ぐらを掴み上げた。
「だ‥‥旦那様! 冒険者の手を借りずして猫の宝石は手に入りませんッ!」
 慌てて男の腕を押さえた執事が、射竦められて震え上がる。
「何を申す! このわしが辱められたのだぞ! これはスタッブス家への辱めも同然だッ」
 スタッブス‥‥。
 誰かが呟いた。
 あくどいやり方で金を稼いだ成金の商人だ。
「この小僧めがッ! たかが冒険者如き、捻り潰すのに造作もないのだぞッ」
 その言葉に、ギルドにいた冒険者達の間にも憤りの波が拡がった。
「スタッブスだか何だか知らないが、悪趣味な酔狂もいい加減にしろよ? 装飾品はもう十分だろうが。そのままテムズに落ちてみろ。飾りの重さで浮かび上がって来られなくなる」
 青年のふざけた物言いに、ギルドが沸く。
 スタッブスはますます怒りに顔を赤くすると、指輪で重たい拳を振り上げた。
「‥‥いい加減にしろよ、おっさん」
 その拳が華奢な青年に打ち下ろされる前に、近くにいた冒険者がスタッブスの腕を掴む。主人と周囲の冒険者達を交互に見てはおろおろとする哀れな執事の存在は、既に彼らの視界から消されていた。
「アンタの趣味にとやかく言うつもりはないがな、俺達は、その反吐が出る趣味に付き合う気など更々ないんだ。いくら金を積まれてもな!」
 とっとと帰れとばかりに、スタッブスの背を押した仲間に、冒険者達は拍手喝采をおくった。
 ぎりぎりと歯ぎしりを響かせて、スタッブスは掴んでいた青年の体を乱暴に突き放し、ギルドの中をじろりと睨みつける。
「もういい! 貴様ら如き野蛮な者達に芸術の何たるかを説いても無駄なだけだ! 帰るぞ! 猫は屈強な傭兵達に狩らせればよいッ」
 ギルドの固められた床に穴を開けんばかりに踏み鳴らして、スタッブスは激怒しながら立ち去って行った。
「‥‥やれやれ」
 呟きながら服の襟を直す青年に、銀色の髪の青年は頭を振った。
「まったく貴方という方は‥‥」
「仕方がないだろ。俺はあのテの奴が大ッ嫌いなんだから」
 止めに入った冒険者が、笑って青年の背を叩く。
「俺も一言言おう思っていた所だったんだ。先を越されたな」
「あのぉ‥‥」
 雰囲気を悪くしていたスタッブスが去り、笑顔が戻ったギルドの扉を軋ませて1人の少女が顔を出す。まだ明るいというのに、頭からすっぽりと布を被った奇妙な少女だった。
 青年と笑い合っていた冒険者が少女に気づき、彼女の為に場を開ける。
「いかが致しましたか? お嬢さん」
「実は‥‥」
 細く白い手がマントの間から突き出された。
 その手に握られているのは、ずしりと重たそうな革袋。金属が触れ合う音から、中に金が入っているのは間違いない。
「これで、仕事をお願いしたいのですが‥‥」
 おどおどと、少女は上目遣いに冒険者を見た。
「そ‥‥れは構わないが、一体何の仕事だ? しかも、こんなに金を出すアンタは一体‥‥」
 少女は頬を赤らめて、ごにょごにょと何事かを呟く。
「すまん。聞こえない」
 耳を澄ました冒険者達に、今度は幾分大きめの声で、彼女は告げた。
「わ‥‥私はエリザベス・スタッブスと申します。あの‥‥先ほど、父が申していた猫の件で‥‥」
 そこで息を吸い込み、ベスと名乗った少女は一息に冒険者達への依頼内容を叫ぶ。
「父の雇った人達が猫を捕らえるのを邪魔してくださいッ!!」
 しん、とギルド中が静まり返った。
 不自然な静けさの中で、ベスは赤くなった頬に手を当てて俯く。
「‥‥邪魔? 邪魔しろって、つまり‥‥?」
「父の道楽で捕まえられる猫ちゃんが可哀想です。父の雇って傭兵は、恐らく、ここから少し離れた森へ向かうと思います。そこで猫ちゃんを見たという情報がありましたので‥‥」
 大きな瞳を潤ませる様は、あのスタッブスと血が繋がっているとはとても思えない。
「私に用意出来るお金はこれだけなのですけれど、とある大きな組織に協力して貰えるように手配していますから‥‥どうか、よろしくお願い致します」
 ベスは革袋を冒険者に渡すと、その「組織」とやらの名称を告げた。
『全イギリス猫の会』‥‥。
「‥‥知っているか? ヒュー?」
 銀色の髪の青年が首を振る。
 組織が大きければ、それだけ人の口に上る。『全イギリス猫の会』とやらの噂は聞いた事もない。どうやら自称「大きな組織」のようだ。
 革袋を手に困惑する冒険者の肩を叩き、青年はにやりと笑みを浮かべた。
「か弱い女性の頼みだ。力になってやれば?」

●今回の参加者

 ea0266 リューグ・ランサー(31歳・♂・ナイト・人間・イギリス王国)
 ea0445 アリア・バーンスレイ(31歳・♀・ファイター・人間・イギリス王国)
 ea1143 エイス・カルトヘーゲル(29歳・♂・ウィザード・人間・イギリス王国)
 ea2708 レジーナ・フォースター(30歳・♀・ナイト・人間・イギリス王国)
 ea3041 ベアトリス・マッドロック(57歳・♀・クレリック・ジャイアント・イギリス王国)
 ea3084 御堂 力(45歳・♂・浪人・人間・ジャパン)
 ea4164 レヴィ・ネコノミロクン(26歳・♀・ウィザード・エルフ・イギリス王国)
 ea4890 ラーム・パラシオン(30歳・♂・ウィザード・エルフ・イギリス王国)

●リプレイ本文

●生かさず殺さず
 ジュエリーキャットは臆病な猫だと聞く。
 リューグ・ランサー(ea0266)は周囲を見回して眉を寄せた。
 その臆病な猫は、騒がしくなった森の中、自身を探して殺気立つ傭兵達にどれほど恐怖を感じているのであろうか。
「早く見つけて、安全な所へ連れて行ってやらんとな」
 その為に、まずは森に溢れ返るスタッブスの傭兵共を何とかしなければならない。
 猫を保護する別班の妨げにならぬよう、速やかに敵を排除するには‥‥。幾通りもの作戦案が浮かんでは消える。
「さて、どうするか‥‥」
 顎に手を当て、考えに没頭していた彼の耳に、ざっざと小気味良い音が届く。顔を上げ、しばしリューグは動きを止めた。
 彼の目に映ったのは、スコップを片手に土を掘るアリア・バーンスレイ(ea0445)とエイス・カルトヘーゲル(ea1143)の姿。
「‥‥聞いていいか?」
「はい?」
 ちょんと首を傾げながらも、アリアは手を休めない。小さく浅い穴を掘っては、木の枝と葉で覆っていく。
「それは一体?」
「落とし穴だよ」
 きっぱり、あっさりとアリアは答えた。
「‥‥落とし穴」
「見ての通りよ。ねぇ?」
 同意を求めると、隣で無心に穴を掘っていたエイスもこくりと頷く。
「‥‥みての‥‥とおり‥‥」
 夏の暑さを払う、心地良い風が木々の合間を吹き抜けていく。
 どうにかこうにか、リューグは自分を保つ事に成功した。こんな所で動揺している場合ではないのだ。そう自分に言い聞かせ、無理矢理に口元に笑みを浮かべる。
「そ、そうか。まあ、頑張ってくれ」
 彼らの考えを否定するつもりは無いが、一緒に穴を掘るのは遠慮したい。激励を投げると、エイスが彼に向かって僅かにスコップを上げた。
「きあい‥‥いれて、がんばる‥‥けど」
 けど?
 けど、とはどう言う意味だ? 頑張るつもりだが、効果は期待出来ないという事か?
 エイスの語尾についた接続詞を深読みしつつ、一歩踏み出したリューグの足が沈んだ。
「あしもと‥‥きをつけて‥‥」
 図らずも、落とし穴の効果の程を身をもって示す事となったリューグであった。
「何やってんだい、坊主達」
 見るとは無しに彼らの遣り取りを眺めていたベアトリス・マッドロック(ea3041)は、大きく息を吐き、わざとらしい程に肩を落とした。
「皆、気を付けとくれよ。この辺りにゃアリアの嬢ちゃんとエイスの坊主が用意した罠がたんと張ってあるんだからね。目印は、折れた木の枝だよ。よぉーく確認しておおき!」
「だーいじょうぶッ!」
 突如響き渡った甲高い声に、彼らの会話が止まる。
「『全イギリス猫の会』会員ナンバー4のこの私が先導するからにはもう一大事! 大船に乗った気でレッツびぎんです!」
 すちゃっと手を上げ、示した先へと歩き出したレジーナ・フォースター(ea2708)の顔面を、木の枝が襲う。
「‥‥あぁ、すまない。言い忘れていたが、木々に魔法をかけてあるから気を付けるように」
 素知らぬ顔で告げたラーム・パラシオン(ea4890)に、レジーナが抗議の涙目を向ける。さしづめ、
『それならもっと早くに言っておきなさいよねッ! この美しい顔に傷がついたらどう責任取ってくれるつもり!?』
 という所であろうか。
 しかし、その涙の訴えは、ラームに歪曲して届いたようである。
「おお! 『使い魔にしたいにゃんこ』で1、2を争うラブリーにゃんこの為には被験体になる事も厭わないと言ってくれるのだね? さすがは『全イギリス猫の会』会員ナンバー4! では、私と共に、猫殿に尽くそうではないか!」
「‥‥お猫様に尽くすのは望む所なのデスケドネ‥‥」
 ばんばんと肩を叩かれて、レジーナは他者との意思疎通が真に難しいものである事を今更ながらに思い知ったのであった。

●猫の怒り
「あら? 今、何か動かなかった?」
 あっちの方でと指さしたレヴィ・ネコノミロクン(ea4164)に、周囲の傭兵達が色めき立った。ジュエリーキャットを見つけ、捕らえた者には報酬3倍というスタッブスの言葉で、彼らは異様な程に張り切っている。目標猫を捕らえる為であれば、仲間も陥れそうだ。
−‥‥でも、案外スタッブスってケチよね。
 本当の仲間達が罠を仕掛けているであろう地点へと傭兵を誘導しつつ、レヴィは内心溜息をついた。
 多額の報酬をちらつかせて傭兵を集めたスタッブス。
 だが、その報酬は後払い。ジュエリーキャットを捕らえる事が出来なければ、報酬は十分の一となる。
−あ〜あ、スタッブスから報酬をせしめるのは無理みたい。残念。
「おい! どっちで動いたんだ!?」
「え? あ、ああ、あっちよ」
 慌てて取り繕って、レヴィは森の中を示す。打ち合わせ通りだと、折れた枝が目印のはずだ。注意深く木々を見上げた彼女の頬に笑みが浮かぶ。
「ほら、そこ! そこの木の上で葉っぱが揺れたわよ!」
「どこだ!?」
 わらわらと1本の木に殺到する傭兵達は、さながら甘いものに群がる蟻のようだ。
 幾分冷めた目で傭兵達を見遣って、レヴィは小さく唇を動かした。
 それが、合図となった。
 がさりと大きく揺れた茂みに、傭兵達は歓声を上げて我先に飛び込んで行く。途端に、歓声は悲鳴に変わった。
「どーしたのー?」
「ね‥‥ね‥‥」
 腰を抜かした傭兵の1人に、レヴィは声をかけた。
「猫の化け物‥‥」
 それだけを告げて、後は声にならない男に、レヴィは考え込む素振りを見せる。
「そーいえばぁ、あたし、ジャパンの人に聞いた事があるのよねぇ。猫を虐めるとよくない事が起こるって。夜な夜な油をぺろりぺろりと舐める、人の形をした猫のモンスターが仕返しに来るんですってよ」
 ひぃっ、と傭兵は掠れた悲鳴をあげた。
 自分が見たものとレヴィの話が重なり、彼に言い知れぬ恐怖を与えたのだ。
 這いずりつつ、森の中を戻って行く傭兵の前に地響きをあげて立ち塞がる足。恐る恐る見上げたその先に、レヴィに聞いた通りの人の形をした巨大な猫が‥‥。
「‥‥我は、この森に住まう化け猫なり‥‥」
「で‥‥出たぁ〜ッ!!」
 猫の化け物の大きな手が、男に向かって伸びる。魂切れるような叫びが森に響き渡った。
「‥‥またつまらぬモノを脱がしてしまった」
 ばらばらと転がる鎧の残骸と気絶した傭兵達を見下ろして呟いた猫の化け物‥‥頭に猫の耳に見えるように突起を付けた覆いとマスカレードを付けた御堂力(ea3084)の背を、レヴィは慰めるように叩く。
「いいじゃない。可愛いにゃんことお酒の為なんだし」
「‥‥猫はともかく、酒というのは何だ?」
 訝しげに尋ねた力に、レヴィは片目を瞑ってみせた。
「決まってるでしょ? 依頼を成功させた後に飲む勝利の美酒よ♪」

●森の迷宮
 遠くから悲鳴が聞こえて来る。
 たかが猫探しと軽んじていた傭兵達も、森に反響する不気味な響きに不安が兆したようだ。
 それで無くとも、先ほどから歩けば歩くほど自分の位置が分からなくなり、深い迷宮に足を踏み入れたかの心地を味わっていたのだ。
「い‥‥一体、この森は何なん‥‥だッ!?」
 怖々と口を開いた男の1人が足を取られて転ぶ。
 今にも弾けそうだった彼らの恐怖心が限界に達して、暴走を始める。
「う‥‥うわぁッ! み‥‥水がッ!」
 1人の傭兵が、背中にぶつかった水の固まりに驚愕の声を上げた。深い森の中、周囲には池どころか水たまりもない。木の葉から落ちて来た水とも考えられない。混乱を来した彼らの間に、一陣の風がすり抜けた。
 鎧に覆われていない皮膚に赤い筋が走る。
 がさがさと茂みが動いた。
「こ‥‥ここは魔の森だッ!」
 誰かが叫んだ。逃げだそうとする男達の足が再び何かに取られ、なおも執拗に水が襲いかかり、空を切る何かが彼らを傷つける。
 そして、木の根や地面に生えている草までもが意思を持ったかのように彼らの逃げ道を塞ぐ。
 パニックを起こした傭兵達の様子を物陰から見つめていたラームは、己の仕掛けたフォレストラビリンスとプラントコントロールの効果に満足そうに頷いた。
「愛しい人を守るのは男の本懐だからな」
「そう‥‥ほんかい‥‥」
 続けてウォーターボムを投げつけたエイスも、ラームの言葉にうんうんと同意を示す。
「ふふふ。では、そろそろ私がトドメの折檻をして差し上げますわ」
 嬉々として、レジーナが飛び出した。止めようとしたアリアの腕が空しく宙を切る。
「待ちなさい! このド畜生どもが!」
 助走で勢いをつけた彼女の蹴りが、怯え惑う傭兵の1人に綺麗に決まった。
「可愛いお猫様をいたぶる悪行三昧は言語道断! 例え悪徳商人が許しても、お猫様の味方が許しません!」
「な‥‥な‥‥なんだッ! お前は!?」
 突然に現れた、見た目は人間の娘に男達は凄んで見せた。魔物の相手は無理でも人間の娘ならば、となけなしの自尊心を掻き集め、彼らは身構えた。
「問答無用!」
 しかし、相手は普通の娘さんではなかったのである。
 情け容赦ない鞭に力尽きるまで踊らされ、彼らはスタッブスの仕事を受けた事を死ぬほど後悔した。

●戦い終わって
「全く。因業親父の口車に乗って罪のない動物を狩るなんざ、聖なる母がお許しにならないよ?」
 猫を狩るはずが自分達が狩られ、アリアの用意したロープにぐるぐる巻きにされた傭兵達の前で、ベアトリスは腰に手を当てて、カミナリを落としていた。
 散々な目にあった傭兵達は、もはや反論する気も起きないようだ。
「ふん。自業自得と言うものだ」
 低いリューグの声に、当然と頷く者数名。
「後は、可愛いにゃんこが無事に脱出してくれればよいのだが」
「それは別班がうまくやっているだろうさ」
 じぃと自分の手を見つめていたエイスが、ラームとエイスの会話にふと顔を上げる。
「‥‥ねこ‥‥なでたかった‥‥」
 それは、その場にいた者達の気持ちを代弁した呟きであった。