毒有り蝶々大発生!
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■ショートシナリオ
担当:雪端為成
対応レベル:1〜5lv
難易度:難しい
成功報酬:1 G 35 C
参加人数:4人
サポート参加人数:-人
冒険期間:05月25日〜05月30日
リプレイ公開日:2005年06月05日
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●オープニング
ケンブリッジに程近い草原。ちょっと足を伸ばしてピクニックするにはちょうど良いような開けたところが今回の騒動の現場である。
季節は春真っ盛り。植物も動物たちも成長真っ盛りである。
そして、時折バランスを崩すほど大量に生まれてしまうものたちも居る。
「‥‥やっぱりこれは依頼として退治してもらうのが一番でしょうね」
「はい、それほど強いモンスターでもありませんし、冒険者たちで十分かと思います」
「生徒たちが参加しても、訓練になると思いますし‥‥」
「‥‥しかしこれほど大量発生したことは‥‥」
「確かに‥‥まあ、なんとかなると思いますし、一応先生を一人つけましょうか」
「ああ、それなら安心ですね」
問題の原因はパピヨンと呼ばれる毒のある蝶。綺麗な模様を持つ10センチほどのモンスターである。
数匹なら大して問題ではないのだが、なんと今回は数十匹も居るらしい。
「ということで、パピヨンたちを退治して欲しい。かなりの数が居るが‥‥まぁ、何とかしてくれってことらしい」
ギルドの受付が大丈夫かなぁ? と首をかしげながら言う。
「一応高レベルの魔法が使える先生がついてくるらしいが、その先生はピンチにならない限り手を貸さない放心らしい。ま、冒険者の君たちに頑張って欲しいってことかな」
そして受付はゴホンと咳払いをして、真面目な顔。
「結構すばしっこいみたいだからな。毒にも気をつけてくれよ。‥‥健闘を祈る」
さて、どうする。
●リプレイ本文
●まずは下調べ
「まずは毒蝶について調べておくね」
ケンブリッジの図書館で資料を調べているのはジェシュファ・フォース・ロッズ(eb2292)である。
その結果パピヨンについてはいくつかの本に書かれていた一般的なことが分かった。
パピヨンは掌ほどの大きさの蝶々で低レベルのモンスターとして認識されている。
美しい模様を持つ蝶だが、パピヨンが撒き散らす毒の燐粉を吸い込むとダメージを受けてしまう。
その毒は持続性のものではなく、解毒の必要も無いということも分かったのであった。
「やはり、毒の燐粉を吸い込まないように気をつけるべきですね」
そういったのは一緒に資料を調べていたベアータ・レジーネス(eb1422)。
ジェシファはこくんと頷くと、ぱたりと本を閉じたのだった。
「ふむ、占いでは良い結果が出たし、あまり心配は無いだろうが‥‥備えあれば憂い無しと言うしな」
そういってマジカルシードの廊下をてくてく歩くのは西伊織晴臣(eb1801)だ。
占いの結果の真偽は定かではないが、それを聞いて楽しそうに笑顔を見せたのはその後ろの少女だ。
「ええ、大量発生の原因について調べるといいと思います、晴臣叔父さ‥‥いえ、晴臣兄さん」
その後ろをとことこついてきているのはキラ・リスティス(ea8367)である。
図書館を回って、ついでに昆虫の生態に詳しい先生から話を聞くことにしたようである。
「ああ、パピヨンの幼虫はたしかとある植物の葉が好物なはずだ。気候のせいでその植物が増えれば大発生することもあるかもしれんな」
「なるほど、ならこれから毎年というわけじゃなく、たまたま今年大発生が起きたということですね」
「ああ、記録にも幾度か残っているが、数年に一度大発生することがあるみたいだな」
「わざわざありがとうございました」
丁寧にキラが礼を述べ、先生のところを離れる2人。
ともかくすべきことは蝶々の退治である。たとえ弱いモンスターといえども数の脅威は恐ろしいものだ。
人数も少なく油断は許されない。思わず身が引き締まる。
「‥‥蝶々‥‥うう、虫は苦手なんですよね」
しょんぼりとしているキラの頭をぽんぽんと晴臣がなでる。
「さて、次は買出しに行かないとな」
「‥‥買出しですか? 何か必要なものがほかにあったでしょうか‥‥」
「ああ、蝶のための買出しではなく“ぴくにっく”のためのだ♪ さて、食堂に行って、反省会のための食料を買って来よう」
「‥‥いい季節ですし、それもいいかもしれませんね」
にこにこと笑顔を浮かべて先を行く晴臣を、キラはすこし苦笑しながら追いかけるのであった。
●蝶々退治で対峙でたじたじ?!
「ふむ‥‥我輩が今回一応責任者として同行するアランだ」
出発の前に同行する先生が紹介されたのだが‥‥その先生はマジカルシードのアラン・スネイブル先生であった。
「ア、アラン先生が同行してくださるんですかっ!」
と、声を上げたのはキラ。彼女はアラン先生の弟子であったので驚くのは当たり前である。
「む、ミス・リスティスか‥‥ふむ、せいぜい油断せずに依頼を果たすように」
じろりと一同を見回し、言い放つアラン先生。さらに一言。
「我輩はよほど危険な状況にならない限り手出しはしないからな。心しておけ」
やっぱり厳しいアラン先生であった。
「あの〜、薬草について聞きたいことがあるんですけど」
良く道すがらアラン先生に質問したのはジェシュファだ。
「パピヨンの毒に効く薬草とかは無いのでしょうか? 解毒作用のある薬草とか‥‥」
「解毒作用のある薬草ならいくつか手に入れることはあるだろうが‥‥パピヨンの毒は解毒が必要な毒ではなく一時的なものだ」
にわかに授業のような解説が始まったりもする。
「あの、アラン先生。私は今回ライトニングアーマーと鞭を使って‥‥」
「ふむ、ライトニングアーマーはウィザードのもつ格闘攻撃の手段としては高い攻撃力を持つ‥‥遠距離から攻撃のできる鞭を武器として選ぶのもこの場合は正解だ。しかし、ミス・リスティスの格闘の技量では小さな蝶を狙うのにきっと苦労するだろう‥‥」
いろいろな相談をしながらやっと件の草原に着くのだった。
アラン先生が解毒剤を一同に渡す。効果はあるか分からないが、いよいよ戦闘が近いことが分かる。
「ん‥‥少々雲行きが怪しくなってきたな」
そこでふと空を見上げていう晴臣。風読みをもって天気を予測するのである。
「もう暫くすると一雨きそうだな‥‥雨が降ったら退治するのも面倒になるし‥‥ここは僕が」
そういって晴臣がウェザーコントロールを唱える。
すると曇っていた空に日がさし晴れ始める。天気にも気をかけるとはなかなか広い視野を持っているようだ。
「ふむ、そろそろ梅雨時だしな」
‥‥ちょっと的外れな晴臣であった。
一同が草原に踏み込む。せいぜい脛程度の高さの草が生えているなかをざかざか進む。
すると少し遠くのほうに沢山の蝶が。どうやらパピヨンのようだ。
パピヨンはもとより攻撃的なモンスターではなく、向こうから向かってくることは少ない。
しかし、かなりの数が四方八方に飛び回っているため、近寄れば確実に毒の燐粉を吸い込んでしまうだろう。
「近くに寄ってきたものは私がストームで近寄らせませんから」
リトルフライをつかってふわふわと空中に浮かびながら、ストームを唱えたのはベアータだ。
するとふらふらと飛びながらこちらに近づいて来ていたパピヨンの数匹が吹き飛ばされていく。
ストームでジェシュファの魔法の効果範囲を広げる方法はどうやら無理だったようで、ベアータはひたすらに蝶を吹き飛ばすのに専念するようだ。
「アイスブリザード!」
ジェシュファの初級のアイスブリザードでは流石にパピヨンも一撃では倒れない。
しかし、何度もアイスブリザードを唱えじわじわとパピヨンの数を減らしていくのだ。
「えぃ!」
気合の声とともにしゅっ! と鞭を振るい、ベアータとジェシュファの魔法からもれた蝶を倒すキラ。
雷光を纏った鞭はなかなかあたらないが、素早く鞭を振るい、一匹もそばに寄らせないように頑張る。
「っ! 晴臣兄さん、そちらの一匹をよろしくお願いします!」
「ああ、借りたスクロールを使わせてもらうよ」
そういうとキラから借りたムーンアローのスクロールを使う晴臣。光の矢が一番近くの蝶を打ち抜きその蝶はひらひらと落ちていくのだった。
しっかりと連携し、蝶を近寄らせないような戦い方を取る一堂。この敵に対しては非常に有効だ。
しかし心配なのはMPである。
「パピヨンだって無限にいるわけじゃない。こうして叩いていけば数は少なくなっていくはずだ」
徐々に疲弊しながら、再びストームを唱えるベアータ。
「そうだね。こっちは少なくなってきたしね」
ジェシュファがそういいながらアイスブリザードを唱える。殆どの蝶は退治できたようだが、後数匹が残っているようだ。
「あ、晴臣兄さん。左に一匹居ます」
びしっと近寄ってきた蝶をはたき落としながら、警告するキラ。
「ああ、大丈夫。ムーンアローは標的の特徴をきちんと指定すれば自動的に追いかけるから」
スクロールによって放たれた光の矢がずばっと最後の一匹を打ち落としたのだった。
●そしてピクニック
「絶好のピクニック日和ですね」
ベアータがそういって草原を眺める。
流石に魔法のあとが残り、蝶が落ちている草原は離れ、程近い別の開けた場所でなぜかピクニック中である。
キラと晴臣が準備した食料を木陰でぱくつきつつ話の内容は今日の反省であった。
‥‥もちろんアラン先生がときどき辛口な一言を挟むが。
「やはり原因は餌の増加だったみたいだな」
「あとで調べたところ、餌になる植物がさっきのところには群生していました」
晴臣とキラが原因についての考えを述べたり‥‥
「やはり、専門クラスでアイスブリザードを使えることが出来てたら、距離も伸びるし威力も強くなったのにな」
「私も早く魔法のスキルを上げたいものです」
反省点を言い合ったり。
依頼は無事達成、冒険者たちはしばしの休息を楽しんだのだった。