【老犬ガルム】少年の勇気

■ショートシナリオ


担当:STANZA

対応レベル:11〜lv

難易度:やや難

成功報酬:7 G 30 C

参加人数:8人

サポート参加人数:-人

冒険期間:05月24日〜05月29日

リプレイ公開日:2007年06月02日

●オープニング

「ちくしょう‥‥ふざけやがって‥‥ッ!!」
 少年は叫んだ。
 震える両手に古びた剣を握り締めて。
「返せ! 父さんを、返せよっ!!」
 剣を向けられた男は楽しそうに笑った。
「おいおい、無理に決まってんだろ? それより、感謝しろよ? 本当の事ってヤツを教えてやったんだからよ」
 言いながら、腰の剣を抜く。
「さて、これで気が済んだろ? 俺達の秘密を知っちまったからには、生かしちゃおけねえ‥‥なんて台詞を吐いた悪党は、正義の味方にバッサリやられるのが相場ってもんだがな‥‥」
 生憎、誰も助けになんか来やしねえぜ。
 そう言おうとした矢先。
「‥‥わかってるじゃねえか‥‥」
 男の背後で、もうひとつの声がした。
 野太く、ドスの効いた、しかしどこか暖かみのある低い声。
 男はその声に聞き覚えがあるようだった。
「まさか‥‥ガルム!?」
 振り向いた先には、白髪混じりの髪を短く刈り込み、無精髭を生やした初老の男。
「な、なんであんたがここに‥‥っ!?」
「お陰さんで、暇なもんでな」
 この村が賊に襲われたと聞いて、先日の事件で逃げた連中の仕業ではないかと来てみたのだが‥‥
「俺の傭兵団には、子供に剣を向けるような腐った野郎はいねえ筈だがな」
「‥‥あんたのじゃねえ‥‥あんたはもう、お払い箱になった筈だろ? 俺達のやり方に口を出さないで貰‥‥ッ」
 ――バキッ!
 言い終わらないうちに、ガルムの拳が相手の顔面に飛んだ。
 吹っ飛んだ相手を手際よく縛り上げ、床に転がすと、ガルムは少年に向き直った。
「坊主、詳しく聞かせてくれねえか? こいつらが何をしたのか‥‥」

「‥‥最近、毎晩のように賊がこの村を襲うようになって‥‥それで、誰か守ってくれる人を雇う事になったんだ」
 少年はガルムに事情を説明した。
「それで、こいつらが来て、やっつけてくれて‥‥。こいつだけまだ村に残ってたから、オレ、礼を言おうと思って‥‥でも、まさかグルだったなんて‥‥!」
 仲間の一部が村を襲い、残りの者が適当な頃合いを見て、それを退治する用心棒として現れる。
 勿論、本当に退治する訳ではなく、適当に戦い、縛り上げ、連れ帰るのだ‥‥自分達のアジトへ。
 そのカラクリがバレなければ、村を救った英雄として通常より高い報酬をふっかけても大抵は喜んで払ってくれる。
 その味を覚えたら、危険を伴う真っ当な傭兵稼業など、もうやっていられないだろう。
「‥‥わかった。奴等は俺が始末を付ける‥‥連中をきちんとしつけ損なった俺の責任だからな」
「オレも行く! 父さんの仇をとるんだ!」
 父の命を奪った男が、縄を掛けられ引かれていく姿を見た時は、官憲の手によってきちんと裁かれ、罰を受けるなら仕方がないと思った。
 だが、カラクリを知った今では、自分の手で仇を討たなければ気が済まない。
 ガルムは少年の目を覗き込んだ。
 真っ直ぐな、良い目をしている。
 この目を、曇らせたくはないが‥‥。
「相手の顔は、覚えてるか?」
「うん」
「‥‥良いだろう、ただし、戦いには手を出すな。トドメはお前に任せる。それで良いな?」
 少年は黙って頷き、腰に差した剣の柄を握り締めた。

 そして、ギルドに新たな依頼が張り出される。
 内容は、盗賊団「地獄の番犬」の殲滅‥‥。

●今回の参加者

 ea0714 クオン・レイウイング(29歳・♂・レンジャー・人間・イギリス王国)
 ea1364 ルーウィン・ルクレール(35歳・♂・ナイト・人間・イギリス王国)
 ea3245 ギリアム・バルセイド(32歳・♂・ファイター・ジャイアント・イスパニア王国)
 ea9669 エスリン・マッカレル(30歳・♀・ナイト・人間・イギリス王国)
 eb0062 ケイン・クロード(30歳・♂・ナイト・人間・イギリス王国)
 eb2745 リースフィア・エルスリード(24歳・♀・ナイト・人間・フランク王国)
 eb3630 メアリー・ペドリング(23歳・♀・ウィザード・シフール・イギリス王国)
 eb6596 グラン・ルフェ(24歳・♂・レンジャー・ハーフエルフ・イギリス王国)

●リプレイ本文

 町外れの荒れ地にひっそりと佇む壊れかけた一軒家。
 住む者もない筈のその家が、このところ妙に騒がしかった。
 家の周囲には一見して稚拙さが見て取れる幼稚な罠と、廃材で雑に組まれたバリケード。
 しかもそれは材料が足りなかったのか、周囲の何カ所かを適当に塞いだだけで、殆ど物の役には立っていないように見えた。
 昼間は人の好さそうな見張りが欠伸をしながらぶらぶらと歩き回り、夜になれば酒と料理の匂い、そして警戒心のカケラもなさそうな呑気な話し声が周囲に垂れ流される。
「てめえ手ェ出すんじゃねえよ、こいつは俺の獲物だぜ?」
「ちっ、折角の上玉だってのに、お頭が独り占めかよ」
「まあ俺は女より金だな。このガキは売り払っても大した金にはならねえだろうが‥‥今回は実入りが良かったからな」
 アジトの中には人質と、お宝がどっさりある‥‥そんな口ぶりだ。
 闇の中からその様子を窺っていた男は、相手を取るに足らないチンピラ集団と判断したようだ。
「‥‥この程度の連中に手こずってるとは‥‥ガルムのおっさんも、いよいよお終いだな」
 男は肩をすくめると、闇の中へ消えた。

 そして今夜も、廃屋の中では派手な酒宴が催されていた。
「は? この程度で俺様が酔うかよ! こんな物は酒じゃねぇ! 水だ水!!」
 ギリアム・バルセイド(ea3245)がガラの悪い大声を張り上げる。
 だが実際、酒杯の中身は水だった。
 水で酔ったフリをするのは何となく物悲しい気もするが、待ち伏せしている身で酔っぱらってしまってはシャレにならない。
 その代わり、出される料理は本物だった。
「お代わりはどう? 沢山あるから遠慮しなくて良いんだよ?」
 偽装盗賊団のお抱えシェフ、ケイン・クロード(eb0062)が隅のほうで小さくなっている少年に声をかける。
 だが少年は古びた剣を大事そうに両腕に抱えたまま首を振り、険しい表情で横を向いた。
 どうやら、自分が親の仇を討とうと真剣に思い詰めているのに、彼等が連日のように楽しげに酒盛りをしている事が許せないらしい。
「気持ちはわかるけど‥‥もう少し我慢してくれないかな。これも相手をおびき寄せる罠なんだよ」
 だが少年は横を向いたまま返事もしない。
「‥‥トビーと言ったか‥‥君は何歳になった?」
 エスリン・マッカレル(ea9669)の問いかけに、少年は「‥‥11」と横を向いたまま答えた。
「そうか、もう己に責任の持てる歳だな。私達エリンの民にとって復讐の誓いは何より神聖。私にはその剣を止める言葉はない。だが‥‥」
 酒杯に満たされた水で喉を潤すとエスリンは続けた。
「だがどんな相手であれ、己がその命を奪った重みを決して忘れるな」
「‥‥あんな奴、死んで当然だ!」
 少年は震える声で叫ぶ。
「そうかもしれないね」
 ケインが静かに言った。
「でも、その男にも家族や恋人がいるかもしれない」
「いるもんか!」
「だけど、もしそんな人がいたら‥‥今度は君自身がその人達の憎しみの対象になり、いつか殺される。そうでなくても、『人殺し』という罪が一生付きまとってくるんだよ?」
「構わないさ!」
「良いの? その男と同じになるんだよ? 君もそいつと同じ『人殺し』に‥‥君はそれに耐えられるの?」
 少年は形見の剣をぎゅっと抱きしめ、ケインを睨み付けた。
「いいよ。人殺しでも何でもなってやる!」
「‥‥まあ、そう急いで結論を出す事もあるまい」
 大鍋でボコボコと泡を吹いている怪しげな液体を掻き混ぜながら、メアリー・ペドリング(eb3630)が言った。
「まだ時間はある。奴等が来るまでにゆっくりと考えれば良かろう」
 実際の現場に立ち会えば、考えが変わるかもしれない。
 出来ればより正しい選択をしてほしいものだが‥‥何が正しいのか、それは誰にもわからないのかもしれないが。

 だが、少年には考える時間は与えられなかった。
 その日の深夜、全ての明かりを消して寝静まった‥‥と見せかけた所へ、奴等はやってきた。
 闇を照らすのは僅かな星明かりのみ。
 それでも夜目の効く冒険者達には充分な明るさだったが、それは敵方も同じ事。
「間違えて味方を撃たないように気を付けないとね‥‥」
 室内に設置した敵の接近を知らせる装置の動きに目を凝らしながらグラン・ルフェ(eb6596)が小声で呟く。
 自称‥‥いや、誰が見てもそうかもしれないが、爽やか青年の彼は黒いマスクですっぽりと顔を覆っていた。
 一方、家の外ではクオン・レイウイング(ea0714)が闇の中で息を潜めていた。
 その目の前を、足音を忍ばせた一団が影のように通り過ぎていく。
「例の仇ってのは‥‥奴か?」
 集団の真ん中あたりを歩く、ひときわ背の低い、人当たりの良さそうな顔をした男。
「人相の良い悪人の方がよっぽど腐ってやがるってのは‥‥真理だな」
 敵の数は、見えた範囲では12人‥‥予想よりも少ないのは油断している証拠だろうか。
 首領らしき姿も確認出来なかったのは、これといった特徴がないと言われたその人相ゆえか、それともこの暗さのせいか。
 全員が自分の前を通り過ぎた事を確認して、クオンは静かに隠れていた物陰から姿を現した。
 同時に、室内の装置にも反応がある。
 その瞬間――
「‥‥!?」
 地面が揺れた。
 メアリーが唱えたクエイクは、予めそれを伝えられていた仲間達にはさほどの影響はなかったが、敵には狙い通りに少なからぬ動揺を与えたようだ。
「よう、待ってたぜ?」
 まだ立ち直れない彼等の前に、怪しげな液体が入った大鍋を頭上に掲げたギリアムがふらりと現れる。
 悪人面を自認する彼は、恐ろしげな笑みを浮かべ‥‥
「こいつはほんの、歓迎の挨拶だ‥‥とっとと地獄に落ちやがれ!!」
 大鍋を敵に向かってぶん投げた。
 まだ熱い得体の知れない液体が賊達の頭上に降りかかる。
 そう、最早彼等は傭兵団ではない。
「人間誰しも楽をして生きたいもの、それ自体を否定するつもりはありません」
 奥の暗闇から静かに歩み出たリースフィア・エルスリード(eb2745)は、頭から被った地味なローブを払い除けると声高に叫んだ。
「しかし、あのようなやり方は到底看過できる事ではありません。あなた方には相応の報いを、そして法の裁きを受けて頂きます!」
 ガルムから聞いた所によれば、敵の実力は首領を除けば殆どが中堅クラスの冒険者程度との事、さほどの脅威ではなさそうだ。
 しかし、かつては小細工を弄しない真っ直ぐな戦い方が持ち味だったらしいが、賊に身を落とした今ではどんな卑怯な手を使うかわからなかった。
 ましてや数ではこちらが劣っている。
 相手が動揺している間に一気に決着を付けるべく、リースフィアは敵の厚いところを目掛けて切り込んで行った。
「‥‥地獄の番犬‥‥落ちたのですね」
 ルーウィン・ルクレール(ea1364)が静かに剣を抜き放つ。
「投降は認めますが、抵抗する場合は容赦しません。自分のした事に責任を持っていただきます」
 そう宣言する彼を前に敵わないと見たのか、数人の賊がくるりと踵を返す。
 だが、そこには弓を構えたクオンが待ち構えていた。
「傭兵の流儀を捨てた野良犬にはそれに相応しい最後にしてやるぜ。その名の通り、地獄送りにな」
 逃亡は抵抗と同義‥‥容赦はしない。
 クオンは向かってくる者達に次々と矢を放ち、その動きを止める。
「水が低きに流れる様に人は易きに流れる、か。それはわからぬでもないが‥‥」
 距離のあるうちに数発の矢を撃ち込むと、エスリンは得物を槍に持ち替えて敵の眼前へ躍り出た。
 盗賊に見せかける為に細工はしていても、生来の真っ直ぐな気質と瞳に宿る力は隠せない。
 それはどう見ても賊のものではなかった。
「今は只、非道なる盗賊を全力で討つのみ!」
「‥‥混戦になる前に使えればと思ったのだが‥‥」
 メアリーは上空からグラビティーキャノンを使うタイミングを計っていた。
 しかし暗くてよく見えない上に、敵味方が入り乱れている。
 せめてもう少し明るければ‥‥。
 東の空を振り返るが、まだまだ白む気配はなかった。
「今まで散々奪ってきたんだ。奪われる覚悟は出来てるな?」
 フレイルを頭上で振り回しながら、腰を抜かした賊の一人にギリアムが迫る。
「知ってるか? 鈍器でやられた傷は治りが遅いらしいぜ。肉を潰して骨を砕くんだからなぁ‥‥」
 勿論リカバーなどかけない。薬も与えない。自然治癒に任せて果たして治るものだろうか?
 笑顔で迫る大男に、敵はあっさり両手を上げた。

「‥‥もう少しだ、もう少し、大人しく待ってろ」
 部屋の奥、賊達に見付からないように息を殺して待つガルムは、今にも飛び出そうとする少年を抑えて言った。
「お前が行っても足手まといだ‥‥この俺もな」
「‥‥ほう、漸く老いぼれの自覚が出てきたか」
 その声と共に、ガルムの背中に激痛が走る。
「ぐうッ!」
 痛みをこらえて振り返ると、そこには地獄の番犬の現首領‥‥フェンリルが立っていた。
「やってくれたなジジイ。まあ、奴等は所詮雑魚だ、またどっかで新しく始めるさ‥‥傭兵でも雇って、な」
 楽して生きたい連中はいくらでもいる、という訳だ。
「だが、その前にあんただけは始末しておかねえとな。色々嗅ぎつけるのがお得意のようだし‥‥ったく、こんな事ならさっさと始末しとけば良かったぜ」
 首領は傷を負いながらも少年を背中に庇うガルムの頭上に剣を振りかざした。
「あばよ‥‥ボス」
「ガルムさんっ!」
 声と共に飛んできた一本の矢が、首領の肩に突き刺さる。
 少し遅れて、真空の刃が飛んだ。
「大丈夫ですか!?」
 部屋の入口を守っていたグランとケインが駆け寄り、持っていた薬を手渡す。
 裏口は完全に塞いだと思っていたのだが、どこから入ったのか‥‥しかも一人で来るとは。

「一人、裏から逃げたぞ!」
 その声を聞いてエスリンは愛馬を呼び、その背に飛び乗った。
 手負いの男が逃げる姿を捉え、矢を放つ。
 騎乗での狩りは、アルスター騎士の最も得意とする処だった。

「‥‥賊は、これで全部でしょうか?」
 剣についた血を拭い、鞘に収めながらリースフィアがガルムに問いかける。
 足元にはつい先程まで人間だったもの達が転がっていた。
 投降した者は僅か3人、いずれもガルムを慕っていた者達だ。
「ああ、姿が見えない奴は留守番組だろうな」
 ユルい賊と見せかけて油断させる作戦が効きすぎたのか、アジトに残った連中もいたようだ。
「こいつは、どうする?」
 エスリンが捕らえた首領をガルムの前に引きずり出す。
 残った者がいても、こいつさえ潰せばそう害はない筈だ。
「‥‥ああ、俺が自分で始末を付ける。育て損なった俺の責任だからな」
「‥‥己が育てた部下を討たねばならぬ気持ちはお察し‥‥いや」
 エスリンはそこまで言うと口をつぐんだ。
 ガルムは切れ味の良さそうなナイフを取り出すと、その刃を相手の喉に当てた。
 闇を切り裂いた断末魔の悲鳴はやがてヒューヒューという風が吹くような音に変わり‥‥そして途絶える。
 その一部始終を、少年は見ていた。
「次はお前の番だぜ」
 クオンが手足を撃ち抜き、ロープで縛り上げた男の体を少年の前に足で転がす。
「こいつで間違いないんだな?」
 その問いに、少年は黙って頷き、古びた剣を抜いた。
 だが、その手は小刻みに震えている。
「‥‥殺るなら一度で決めろ。そんな震える手じゃ、何度切り刻んでもトドメはさせねえぞ‥‥」
 ガルムが足元の死体を見て言った。
「さっき聞いたろ、こいつの叫びを。決めない限り、あの叫びは止まない。グチャグチャの塊になっても叫び続ける‥‥そしてそいつは一生残るぜ、お前の耳の底にな」
「た‥‥助けてくれっ! 頼む、お願いだ、俺が悪かった‥‥っ!」
 懇願する男の股間から湯気が上がる。
 広がるシミを冷ややかに見つめながら、ギリアムが吐き捨てるように言った。
「命を奪う事の意味を考えろ。そしてコイツにそうするだけの価値があるかも考えろ」
「あなたにも命のやり取りがどういうものか判ったはずです‥‥一度手を下せば、もう戻れませんよ」
「それが貴殿にとって殺人の罪を負う以上の意義があると思われるか?」
「この男を許せって言ってるわけじゃない。こんな男の為に君を、そして君の父さんの剣を憎しみで汚さないでほしい‥‥それだけだよ」
 憎しみで剣を振るうのは、自分の心を殺すのも同然だ‥‥かつてその一線を踏み越えてしまったケインの言葉が重く響く。
 少年の手はますます大きく震えていた。そして、心も。
「‥‥法の裁きに委ねてくれないかな? 今度こそ、ちゃんと裁いて貰うから‥‥」
 グランにはもし自分が同じ立場に立ったら殺意を抑える自信はなかった。
 だがそれでも、目の前で震えているこの子にそれが出来るとは思えなかったし、して欲しくもない。
「彼等のした事を世間に知らせて、裁かせたほうがいいかもしれないですね‥‥」
 いずれにしても、死以外の結末があるとは思えないが。
 夜明け前、荒れ地に響き渡ったのは命の途切れる音ではなく、新たに紡ぎ始める為に全てを吐き出す、そんな叫びに聞こえた。