Going My Way
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■ショートシナリオ
担当:蘇芳防斗
対応レベル:3〜7lv
難易度:普通
成功報酬:4 G 10 C
参加人数:6人
サポート参加人数:-人
冒険期間:03月21日〜04月05日
リプレイ公開日:2005年03月27日
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●オープニング
「そこを歩けば棒も犬に当たったりするかも知れないと思われる輩よ! どこから持って来たか、あえてそれは聞かないではおくが小脇に抱える本と思しき物を置いて、丁寧にこの場に留まれぃ!」
「は‥‥?」
「大人しくてよし、待っていろ今すぐ行くからな!」
眩しく映える月の灯りの下、どこかの民家の上から近所迷惑極まりなく叫ぶ軽鎧に身を包んだ男はビシリと、本を抱えては昇ったばかりの月明かりを頼りに夜道を歩く小奇麗な身なりをした、恐らくは貴族であろう男性を呼び止める。
と言うか、支離滅裂な呼び掛けに彼は唖然として思わず立ち止まっただけなのだが、その意味不明男は受託したと思い、華麗に(注:あくまで支離滅裂男の思い込みで実際には余り華麗ではない)屋根から飛び降りたが
「‥‥‥‥つぅーーーーー! 痛いじゃないか、こいつがぁ!」
「げふぅ! ‥‥て言うか、貴方何者‥‥?」
着地の衝撃に顔を歪ませ、その怒りの矛先を何故か目の前の男性目掛けて拳を振るう‥‥それって完全に八つ当たり!
襲われた男性は勿論普通の人で、彼の拳に理不尽に打ち倒される他に選択肢はなく薄れ行く意識の中でそれを尋ねるのに精一杯だった、と言うかよく尋ねる気力があったなと感心すべきところか。
「尋ねられては名乗ってみるのが紳士の常識、本当の常識ならあえて伏せておくべきなのかも知れないが、まぁ名乗っておきたいので今回は特別に答えてやろう!」
普通の状況であれば名乗らないであろうが長い口上から察すると名乗る気満々な彼‥‥いや、でもなんて言うか場に漂う微妙な雰囲気に気付きませんか?
「我が名はヴィー! ヴィー・クレイセア! 人は我の事を『理解不能な絶対信仰者』とか言って、それこそ意味の分からない通り名で崇め奉るが私はそんな事など気にしていない! 余りに我が素晴らし過ぎて理解されないだけなのだからな‥‥でもちょっぴり寂しいかも」
しかしそんな場の雰囲気など察する事無く朗々と宣言する彼だったが、最後は少し俯いて倒れている彼をちらりと見るも
「うぉー! そこ、寝るんじゃない! 少し暖かくなって来たとは言え今の時期、屋外で寝るのはまだ危険だろうが! そうだ、確か毛布があった筈‥‥ってないか。まぁ大丈夫だろう‥‥よし、それではこの本は頂いていく!」
残念ながら口上の途中で意識を失っている犠牲者を見て‥‥そのテンションは変わらず地団太を踏みながら叫ぶも、ダウンする男性を少し気遣いつつヴィーと名乗った男はそれでも本を抱え、颯爽とその場を後にしようとしたが
「うるさいよ、何時だと思っているんだい!」
先程ヴィーが昇っていた民家に住んでいるおばさんだろう、窓を開け放っては鉢植えなんか投げてきたり。
勿論、顔面直撃はお約束。
「む、いつの間にか私が被害者か‥‥うむ、それはいかん! 我の水瓶の様な顎が砕けてしまったらどうする! ノッテンガムにいつも響き渡っている麗しい歌声が聞けなくなるぞ! もしそうなったらどう責任を取ってくれる、そこな奥方よ!」
「うるさいって言うのが聞こえないのかい!?」
相変わらずテンション高く、ズビシッとおばさんに指を突きつけて‥‥日頃からノッテンガムに歌など響き渡っていないのだが、そう言い張るヴィーにやはり飛来するのは鉢植え‥‥しかも今度は二つ、勿論これも顔面直撃。
おばさん、あんたの射撃の腕前は年の割に素晴らしい‥‥と言うか、的が逆に当たりに行っている気もしなくはなかったりするのだが。
「ぐ‥‥了解した、友からタイミングよく呼ばれてしまった事もある故、致し方あるまい‥‥ここは一時引こうではないか! 助かったな、奥方よ! そして待っていてくれ、友よ! せめて死ぬなら我が腕の中で今迄に犯してきた罪を指折り数えながら死んでくれっ!」
合計三つの鉢植えが直撃してやっとおばさんの考えを理解した‥‥訳ではなく、変なテレパシーを受信したと言う建前を理由に‥‥なっているかはかなり怪しいが、そんなはた迷惑な彼は本だけはしっかり抱えると、次は三つの鉢植えを投げようとしていたおばさんの姿を見るや、慌てて踵を返すと駆け足でその場を後にするのだった。
そして彼が去って辺りがようやく静まると、おばさんは溜息一つついてからベッドへと戻って行くのであった。
ヴィーと名乗る男に打ち倒された男性には気付く事無く‥‥。
翌日、彼は何とか生きて路上で目覚めると寒さに震える身体を気にする事無く領主にその話をした上で掛け合った。
「あんな可笑しな奴に図書館から借りて来たばかりの本を奪われるのは何とも許せない! 奴を捕まえてくれ!」
●リプレイ本文
此処はノッテンガム。
緑溢れる市街地を南に、その中心部にはノッテンガムを象徴する堅牢な城があれば、更に奥にはエルフ達が里を構えるシャーウッドの森がある、歴史深い街。
しかし最近はそんな歴史などお構いなく、可笑しな輩が跋扈しており現領主であるオーウェン・シュドゥルクは頭を抱えていると言う話をよく耳にする。
そして今回の依頼は、ノッテンガムのそんな状況が初めて公にされた一件である。
‥‥これ以上、同じ報告がない事を祈る。
「犯人の行動とか気付いた事があれば知っておきたいんだけど、教えて貰えるかい?」
「そうですね‥‥とは言っても、高笑いと共にいきなり現れ勝手に屋根から飛び降りて痛がって殴ってきて‥‥ただ、それだけですよ。でも鎧はいい物を着けていましたから、それなりに裕福な騎士じゃないでしょうか」
「そうかい、他に何か気付いた事は?」
まだ少し肌寒いノッテンガム、防寒着のフードを目深に被っては事件の被害者達から情報を集めるネイ・シルフィス(ea9089)。
彼女の問い掛けについ最近被害に遭った男性が苦笑を貼り付けてそう答えると、暫く彼から色々と話を聞いては大した情報は得られなかったものの礼だけは忘れずにその場を後にする。
「なんだってまた、こうもおかしな奴ばかりこの国は出て来るんだろうねぇ」
そして彼女はフードを上げて頭上に上る陽光を見上げると一つ、溜息をついた。
「鉢植えを顔面で受ける、変な生物についてお伺いしたいのですが何かご存知な事はありませんでしょうか?」
さて、ネイが溜息をついている頃‥‥犯人への数少ない加害者であるおばさんから話を聞いていたのはシャーリー・ウィンディバンク(ea6972)、可愛い顔してさらっと犯人を『生物』呼ばわりしているのは現実的な思考故か。
「‥‥い、いやぁ‥‥あの時は寝付いたばっかりだったからね、いきなり外が騒がしくなったらそりゃ後はそいつを黙らせる事しか考えてなかったからねぇ。何と言われても‥‥そうだね、性格はぶっ飛んでいたけど中々にいい男だったよ」
「なるほど‥‥生物の割には中々格好良かった、と」
そんな現実的な彼女の問い掛けに、流石のおばさんも少し詰まりながら答えを返すとシャーリーはそれを頭の片隅に留めて固まるおばさんを尻目に次の質問を紡ぎ出した。
‥‥さて、夕刻時。
先に聞き込みに目処を立てたネイ、先に雑貨屋へ来てはそのすぐ脇で何かを拵えている他の囮役とその見張りを行う四人に合流すると、得て来た情報を早速皆へ伝える。
「騎士風の身なりで出没する場所は無作為、路上に積んである薪の中や酷い人だといきなり頭上から降って来て‥‥その挙句、成立しない会話の末に変な事に切れて打ち倒すって寸法らしいけど‥‥話の通り、支離滅裂な奴だねぇ」
「頭上からって‥‥な、なんか凄い人だね」
「まぁ馬鹿だからな、ば・か! 余り気にしてたらこっちの身が持たねぇぜ。さって、今度はどう来るもんか」
相変わらずフードを被ったまま、ネイの話に蒼い瞳をクルクル回してユニ・マリンブルー(ea0277)がうろたえながらもどこか愉しげな表情を浮かべ言うと、アルフォンス・シェーンダーク(ea7044)が『馬鹿』の一言で片付け、ヴィーとか名乗る輩に対抗する為の投擲武器作成に勤しむ。
「パリへ戻る時の良い御土産話になりそうだわ♪」
その作業を楽しみながら(と言うよりそれを投げる時を考えてだろう)皆と一緒にシアン・ブランシュ(ea8388)もコロコロ笑うと、ガイン・ハイリロード(ea7487)がふと一つの疑問を口にした。
「春に向けて沸いてくる奴のお仲間とは言え‥‥普通に借りれる本をわざわざ強奪する意味ってあるのかね?」
『馬鹿だから』
しかしガインの疑問は皆の一言に一蹴されると、彼も暫く考えるがやがて納得して一行は迎撃準備を着々と進めるのであった。
「‥‥来たか、我を打ち倒そうとする魔王が尖兵め。ふ‥‥いいだろう、直々にこの『錆色の鉄槌』と呼ばれた事もある我が成敗してやろう!」
「ママー、あの人なんか可笑しいよー。木箱から顔出して遊んでるー」
「見ちゃいけません!」
そんな一行の話を路上に佇む一つの木箱から顔だけを出して聞いているのはヴィーその人‥‥てかその二つ名、過去形かよ。
そんなお馬鹿な彼は一行に聞こえない程度のボリュームで宣言すると、その様子にある親子が精神的攻撃を繰り出すが今の彼にはそんな事は耳に入らず、その格好のままで何処かへと立ち去って行くのであった。
‥‥この戦い、果たしてどうなるのだろう‥‥。
それから、日が沈む前に何とか準備を整えた一行はその夜から早速図書館に出向いては本を借り、囮による誘き出しを敢行するもヴィーと名乗る騎士は一行に現れず最終日を迎える。
ある意味、出るタイミングを理解していると言ってもいいかも知れない‥‥いや、そんな事はどうでもいい。
まぁそんな訳で最終日の夜を迎え、それでも一行は焦らずにその時を伺っていた。
ランタン掲げ、フライングブルームで夜空を駆るシャーリー。
その機動力からヴィーについての情報を集めてはこまめに集めては皆に伝えていた彼女は今日も少々遅いながら、本日の囮役であるシアンの後を追う一行に合流すると皆を集めて、仕入れたばかりの耳寄り情報を静かに語り出す。
「つい先程得た情報なのですが、例の生物がつい二日前に小屋を借りたそうです。それがどうやら‥‥この、すぐ先なのです」
バーン!
「よく来た、この魔王の尖兵めが! 宜しかったら中で楽しく談笑しませんか! そして貴方が持っているその本を大人しく渡して貰えるのなら、お茶でも出して進ぜよう!」
『‥‥‥‥』
とシャーリーがそう言った矢先、シアンのすぐ横にあるボロ小屋の窓が激しく開け放たれれば、噂の本人が先手必勝とばかりに一行を歓迎すると辺りを包むのは沈黙。
ま、そりゃそうだろう‥‥だが、これしきの事で世の治安を乱す輩に呑まれてはいられない冒険者達は彼を捕らえる為に動き出す。
「貴方、誰っ!?」
「感謝しよう、その質問! ‥‥いつも名乗りを上げる時は皆寝ているからなぁ」
一人、本を守る様に両手で抱えてはシアンの芝居がかった問いに待っていましたとヴィーは張り切るも、過去の出来事がフラッシュバックして彼方を見つめ‥‥
「‥‥いや、今は過去を振り返る時ではない! 我が名はヴィー! ヴィー・クレイセア! 人は我の事を『絶対無敵のアリンコ』とか言って‥‥うぅ」
(「なんか聞いた話と二つ名が違う‥‥しかも自分で言って凹んでいるし」)
(「気にするな、馬鹿の上にどあほうが付いているから」)
開き直ったかと思えば今度は凹むその様子にユニとアルフォンスはヒソヒソヒソヒソ、待っていた標的がやっと現れて鉢植え等を投げたくてしょうがない五人だったが、シアンの作戦の後でと言う事に纏まった為、会話でそれを紛らわせると二人の話は進む。
「キャー! 貴方が噂のヴィーさんなのね。私、貴方に会いたくて‥‥その、握手して下さいっ!」
落ち込むヴィーは気にせずに、頬を赤らめて更に攻勢へ出るシアンに彼は即座に背筋を正し
「ふっ‥‥魔王の尖兵が考える愚策など我には通じぬ! 思わず白目になってしまっても! どうせ握手をしたら、その瞬間に我を力付くで連れ去っては娶ろうと言う魂胆だろう! 悪いが‥‥その手にはもう飽き飽きだ!」
(「まぁ外れちゃいないけどねぇ」)
(「馬鹿だな、手の施しようがない位に」)
(「不憫に見えてしょうがありません」)
ハッキリ断るヴィー‥‥実の所、満更でもない表情を浮かべていたがビシッと彼女に指を突き付けると、戦いは突如として始まった。
「酷いっ! 私のお酒が飲めないって言うのー!」
「げぶっ!」
その返事にシアンは涙を流しながら発泡酒を瓶ごと投げつけると、それは吸い込まれるかの様に彼の顔にヒット!
その悲鳴は至ってありきたりだったが、彼女のそれを皮切りに一行は姿を現すと準備していた物を一斉に投げ出した。
「‥‥お、当たった」
「ばっ!」
「御託はいらん、とにかく逝け!」
「でっ!」
「こいつで‥‥あんたが寝ちまいなっ!!」
「ぼまえっ!」
「丈夫な生物ですね」
「るぁーー!」
「さぁて‥‥ヴィーさん? 覚悟は出来てるよね〜」
「人の命が尊いと言う事を爺さん婆さんから教育されなかったのかっ! 普通は話し合いから入るだろうが、話し合いから! 分かるか、は・な・し・あ・いーーーっ!」
土を詰めた植木鉢が二個に寝袋、アイスチャクラが全部まとめて顔面に当たるも両手を振り回して我まだ健在なりとアピールするヴィーだったが、流石に不利を察して和解を求め‥‥小屋に隠れて見えない足の代わりに額へダーツを投擲するユニの拒絶に言葉の最後で絶叫。
もはや冒険者達の玩具と化しているヴィー、なんて言うか悲惨と言う言葉がピッタリだ。
「話し合いか‥‥分かった、でお前が『言語道断のすちゃらか野郎』と呼ばれるどあほうだったか」
だが一行も鬼ではなかった、彼の提案を呑んでアルフォンスが呼び掛け‥‥たが、彼の一言からやっぱり鬼かも知れないなんて思ってしまうのは気のせいではない筈。
「‥‥そんな名ではない! 『最強最後の人類』と呼ばれた事もある我が名はヴィーだ!」
「そうか‥‥で、どあほうよ、大人しく捕まれ」
「‥‥‥だから、我が名は、どあほうなどではなく、ヴィーと言う、ちゃんとした、名前が‥‥」
「仕方ねぇだろ、どあほうなんだし。ならいっそ『ドアホー』って名乗れ、俺が許す」
「‥‥‥‥うわーーーん! お前らなんか嫌いだー!」
やっぱり過去形な二つ名を叫ぶ彼に邪な笑みを浮かべ追い討ちを掛けるクレリックへ、自らのペースに持ち込めない彼は遂に怒りが頂点に達したのか、淡い桃色の闘気を吹き上げてオーラショットを放つもそれはガインのオーラショットと相殺された。
「『早撃ち』ガイン様を知らねえな? ついでにこいつも貰っとけ!」
「上手く避けないと、焦げちまうよっ!」
「あぎゃーーーん!」
僅かにうろたえる彼の隙を見逃さずガインが放ったとある騎士の褌姿な肖像画を顔面で貫けば、ネイの雷撃にその身を焦がす。
「よっし、これで後は捕まえるだけだね〜。中々楽しかったけど、もうお終いだよっ」
そして黒焦げで悶絶するヴィーをロープで捕縛しようとユニが小屋に入って彼に近付いた、その時だった。
「な、何っ?」
大きな音と共に小屋の屋根をぶち抜いて、朦々と舞い上がる埃の中で彼女の目の前に巨躯の騎士が現れたのは。
「‥‥茶番の最中に悪いが、こんな奴でもまだ使い道はあるのでな。この場は引かせて貰う」
「旦那ー!」
その騎士が厳かに言い放つと静まる場に、槍が地に突き刺さる音が響けば無言のプレッシャーが辺りを包み、一行は身動き一つ取れなくなる。
「こいつ‥‥」
呻いては一番にガインがその力量の差を自らの肌で察し、他の皆に目線だけで警告する。
今の実力ではまだ、その騎士に敵わないと言う事を。
「聡いな。流石は、と言った所か。だが‥‥次にもし我が前に立ちはだかる事があれば、今度はその命、ないと思え」
一行のその様子を見届け、表情一つ変えずに巨躯の騎士はそれだけを告げると肖像画を貫いたままのヴィーを引き摺ってその場を後にすれば、一行は沈黙と闇だけが降りるその場で立ち尽くしたまま‥‥動けなかった。
「しかしまぁ滅茶苦茶だよ‥‥って、あたしが提案したんだったねぇ」
戦い終わって、やっと解けた場の雰囲気から辺りを見回す余裕が出来れば、飛び散る料理器具やら鉢植えの残骸を見て呟くネイにアルフォンスは大事な事をふと思い出した、一行にとって奪われた本を取り返す事と同じ位に大事な事を。
「諸々の経費、ヴィーに請求するの‥‥忘れてた」
『‥‥ぁ』
犯人なき今、荒れに荒れた現場に残された一行は溜息にも似た小さな叫びを上げると、ひょうと一陣の風が皆を更に冷やす様に吹くのだった‥‥。
後日談であるが、奪われた本は意気消沈した一行が罪滅ぼしにと片付けた現場の廃屋(元ボロ小屋)から発見され、それを持参して領主に正直にその旨を話した上で相談すれば
「今回君達が支出した額については特別に私の懐から出す事にしよう、そう大きな額ではないのでな。それと建物の件については‥‥まぁあの辺りはまだ人も住んでいないし、これから再度開発しようかと思っていたからある意味、手間は省けたのでこれも特には咎めない‥‥がせめてもう少しは辺りにも気を使ってくれ」
苦笑を浮かべ、呟いた領主の判断に自腹を免れた一行がほぅと胸を撫で下ろした事は言うまでもない。
そしてそれから、その事件はぱたりと止んだ事も付け加えて置く。
教訓:変人は大丈夫でも、周囲には十分気を使いましょう。