Hエルフのイゴール君は仕事が出来ない

■ショートシナリオ


担当:橘宗太郎

対応レベル:1〜4lv

難易度:易しい

成功報酬:1 G 20 C

参加人数:8人

サポート参加人数:-人

冒険期間:01月18日〜01月23日

リプレイ公開日:2005年01月26日

●オープニング

●狩人イゴール
 人生というのは、とかく上手くいかないものである。
 年末に冒険者達からアイテムを貰い、『狩人』になったハーフエルフ少年イゴールであったが、なってからというもの、獲物がほとんど獲れなかった。
 山には雪が降るし、寒いし、良い事なしである。そもそも、彼は弓の扱いに慣れているわけでもない。
「あー‥‥さぶい‥‥」
 保存食の干し肉をつまみながら、寝袋の中で丸まる日常を過ごしていた。雪山で‥‥ではなく、パリのどこかの屋根裏でだ。
(「うーん、向いていないのかなあ‥‥」)
 わずか数週間のうちに、すでに諦め気味の彼。
(「まあ、いいか‥‥」)
 そうだ。
 売ればいいのだ。
(「貰ったものを売ろうかなあ‥‥」)
 せっかく冒険者達が好意でくれたものを売りに出かける彼。
 しかし、直前でそこは思いとどまる。
(「‥‥あー、駄目だあ‥‥。何をしているんだろ、僕は。‥‥『宝物』なのに」)
 首にかけたヤギのネックレスを握りしめ、ふと空を見あげるイゴールであった。

●屋根裏の主人登場
 数日後。
 イゴールが住む屋根裏の主人‥‥正確にはその家の主人が冒険者ギルドに寄っていた。
 ヨボヨボのお爺さんである。背中に『何か大きな荷物』を抱えている。
「あの子はの‥‥昔から、『やる気』のない子でのお。行き倒れになっていたのを拾ってから長いこと居つかれてしまって‥‥」
 昔話からはじまった長話の要点だけ語ると、
「以前、イゴールが冒険者の皆様にお世話になったと言っていたから、あの子が一人前になるように何とかしてもらいたい‥‥と思いましてなあ」
 との事らしい。
「よろしくお願いします。‥‥では、『これ』を」
 そう言って、お爺さんが置いていったのは‥‥寝袋だった。
 モゾモゾ。
 モゾモゾ。
 寝袋から這い出してくるイゴール。
「あー、どうも‥‥」
 そして、また寝袋の中に潜るイゴール。
 冒険者達の常識が‥‥もろくも崩壊する瞬間であった。

●今回の参加者

 ea3338 アストレア・ユラン(28歳・♀・バード・シフール・ビザンチン帝国)
 ea5283 カンター・フスク(25歳・♂・ファイター・エルフ・ロシア王国)
 ea6999 アルンチムグ・トゥムルバータル(24歳・♀・ナイト・ドワーフ・モンゴル王国)
 ea7504 ルーロ・ルロロ(63歳・♂・ウィザード・エルフ・ノルマン王国)
 ea8539 セフィナ・プランティエ(27歳・♀・クレリック・人間・ノルマン王国)
 ea9803 霧島 奏(41歳・♂・忍者・人間・ジャパン)
 eb0703 リジェナス・フォーディガール(32歳・♀・レンジャー・ハーフエルフ・インドゥーラ国)
 eb0726 ルーシャ・スコーフニルグ(31歳・♂・神聖騎士・ハーフエルフ・ロシア王国)

●リプレイ本文

●寝袋没収
 ズズズ‥‥。
 『何か』を引き摺る音。
「何ですの、貴方は! とにかく‥‥離しなさい!」
 寝袋を引っ張るセフィナ・プランティエ(ea8539)。
「‥‥‥」
 寝袋を離さないイゴール。
 リジェナス・フォーディガール(eb0703)も、
「いい加減にしなさ〜い!!」
 と大声をあげる。
 ‥‥が、イゴールは離さない。
(「こうなったら‥‥」)
 リジェナスは、イゴールの両足をつかんで寝袋から離そうとする。
 グググ‥‥。
 伸びる寝袋。
「‥‥あきらめろ」
 パコンッ!
 カンター・フスク(ea5283)にスタッフで殴られ、イゴールは悶絶した。
 セフィナは、その隙に寝袋を取り上げる。
 泣きっ面のイゴールを前にして、カンターは‥‥笑顔だった。逆に怖い。
「キミは、気合いが足りないみたいだな。昼間から寝袋なんかに入って‥‥ほら、立つんだ」
 スタッフでつつかれ、しぶしぶ立ち上がるイゴール。
 ゴチンッ!
「シッカリしろ」
 笑顔のスパルタ教育に、とても笑顔ではいられないイゴール。
 カンターのプレッシャーは、かなりキツめのようだ。
「キミの家主から依頼があってね。僕達がキミの教育をすることになった。‥‥逃げるなよ」
 イゴールは、不敵に笑いかけるカンターの様子に、
(「逃げられない」)
 と感じざるをえなかった。
 イゴールと同じハーフエルフのルーシャ・スコーフニルグ(eb0726)も、
「仲間同士、力になってやろう」
 と言ってくれるのだが・・・・むしろ怖がっている。
 アストレア・ユラン(ea3338)は、
「あたいはバードのアストレア・ユラン言うんな。よろしゅうな〜」
 と言ってイゴールの周りをくるくる回っていた。 
 彼女にその意志はないが、逃げられないように、イゴールを囲む他の冒険者達。
「ワシに提案があるのじゃ‥‥」
 ルーロ・ルロロ(ea7504)が言い出したその言葉が、イゴールを更なる窮地に追い込んでいくとは‥‥誰にでも予見出来る事であった。

●イゴール君の山籠り
 ルーロの提案は、ヌクヌク出来る町中より少し離れた山の中で教育した方がためになる、というものだった。
 ルーロは、『フライングブルーム』で冒険者ギルドと山を往復し、一人ずつ山に運んでいった。
 上空は寒かった。
 山も同じだ。
「もっと下に行こう! 面白いぞ!」
「わっ、こら、やめんか!」
 途中、上空でルーシャが狂化して『スリル』を求めて下に行こうとうるさかった。
 ・・・・が、幸い落下はしなかった。
(「‥‥さぶい」)
 なんとか山には着いたが、防寒具を用意していなかったので、震える冒険者数名。
 もっとも、すぐに『焚き火』をして温まったが。
 それに、
「とってもあったまるんや」
 と言って、アストレアが蜂蜜入りホットミルクを振る舞ったのも良かった。
(「今日は、やる気でーへんなあ」)
 アルンチムグ・トゥムルバータル(ea6999)は、最近『スランプ』らしく、やる気が出ないのか焚き火の近くで『寝袋』に入り、寝ていた。
 他の冒険者が起こしに来ても、
「ごめんなー‥‥寝させといてくれへん?」
 との言葉。
(「はー、ぬくー」)
 日頃の悩みを忘れて、ヌクヌクとしているアルンチムグであった。
 イゴールもその横で寝ようとするが‥‥
「駄目だ」
 スタッフを構えるカンターに怒られる。
 彼のスタッフは、人を殴るために買ったいわく付きの一品である。
 霧島奏(ea9803)は、ルーロと共に『忍び足』を教えていた。
 彼は、イゴールを褒めて伸ばしてやった方が効率が良いと考えていた。
「良いですよ。その意識を忘れないでください。その内、自然に出来る様になりますから」
「‥‥うん」
 褒められて、嬉しそうにするイゴール。
 しかし、霧島の横にいるルーロは手厳しい。
 ルーロは、イゴールを走らせていた。
 すぐにバテた様子を見せるイゴール。
「‥‥こら、何を休んでおるんじゃ!」
 様子と違って、意外と平気で走り続けているイゴール。どうやら、面倒くさかったので手を抜いていたようだ。
 ある程度イゴールが疲れたところで、ルーロは
「呼吸を整えるのじゃ。息を乱すようではいかん」
 と自分なりの技術を教え込んだ。確かに、息が乱れる様では敵に見つかる。
「ひとつの事だけにこだわってはいけませんよ」
 ひとつの事だけを一生懸命(?)やるイゴールに、霧島は『コツ』を教えてやる。
「良い感じです。色んなことをやりながら、その意識は忘れないようにしてください」
 二人で教えているためか、上達が早いようだ。‥‥というよりも、二人とも『かなりの腕前』なので、イゴールも覚えやすいらしい。
「ルーロさん、彼、結構ものになりそうですね。‥‥ククッ」
 ルーロに対し、怪しい笑みを浮かべる霧島。同じ『忍び足』に長ける者として、近しいものがあるのかもしれない。
「ホッホッホ〜、そうじゃのぉ。もしかすると‥‥もしかするかもしれん。ただ、サボリ癖は駄目じゃな‥‥バカモンが」
 また焚き火の近くに寄っていこうとするイゴールをハリセンで叩くルーロ。
 バチンッ!
「‥‥くぅ〜」
 泣きっ面で練習を続けるイゴール。
「‥‥誰が木の真似をしろと言ったのじゃ!」
「あうッ!」
 またもハリセン。
「あんまり殴っちゃ可愛そうですよ」
 怒られたイゴールを、霧島が元気づけてやる。
「イゴール君、いいですか? 出来るだけ周りの環境に合わせろという事です。‥‥そうです、上手くなってますよ」
 アメとムチが飛び交う環境の中、頑張るしかないイゴールであった。
 一通り終わり、『忍び足』をやらしてみる。
 ‥‥意外と上手だ。
「まあまあじゃのぉ‥‥その感覚を忘れるなよ」
 ルーロも一安心である。
「よく出来ましたね。これは、ご褒美です」
 そう言って、霧島が取り出したのは『手裏剣』だった。
 手品のように、いきなり手に握られていたので、イゴールは目を丸くしている。
「‥‥これ、何?」
 不思議そうに見るイゴール。
「武器ですよ。普通に売ってますがね。僕のお守りです」
「‥‥いいの?」
「ええ、頑張ってくれましたから。これで終わってはいけませんよ? あなたも‥‥僕も」
「うん」
 うなずくイゴール。
 次は、セフィナがイゴールに動物の生態を教える事に。
「いいですか。ウサギさんはですね。‥‥こら! 寝るんじゃありません!」
 木の枝を投げる。
 パコーン。
「・・・・むぅ〜」
 その衝撃で起きるイゴール。
「わかりましたか? ほら、なまけちゃ駄目ですよ」
 目をこすりながら『授業』を聞くイゴール。
「こら、先生の話は聞くものだ」
 コツン。
 後ろで監視をしているカンターの一撃に、きちんと目を開ける。
「あい」
 泣きそうである。
 その隣に、ルーシャが座っている。
「ウサギについてだが、どのように動くのか教えてもらえるか?」
 彼も、セフィナに動物について教えてもらいたいらしい。もっとも、彼の場合は狩りの『獲物』を真似するためであったが。
 そんなこんなで時間は過ぎていくが、
「ウサギさんは、食べると結構美味しいです。‥‥可愛さでいえば猫さんに劣りますが」
 セフィナがそう言い出した途端。
「猫って、食べられる?」
 イゴールは、町中で見かけるので、猫のことについて聞いてみた。
「な、な、なんて事を! 貴方は猫さんを食べる気なのですか!? 絶対ダメです!!」
 猫ダイスキの彼女が、そんなことを許すはずもなく‥‥
「いいですか? これだけは守ってくださいね」
「うん」
 『猫を食べない』約束をさせられるイゴール。
 その内、それなりに動物についても詳しくなった。
「よく出来ましたわ。これでは、これぐらいにしましょうか」
 セフィナは『猟師セット』を取り出し、彼に渡すと頭をなでてやった。
「これがない不便でしょうから‥‥ご褒美です。お代は、何時か貴方がご自分で得た報酬で、お返しくださいな。イゴールさんなら、頑張れますわね?」
「うん、うん」
 とりあえずは、褒めてもらえて嬉しそうなイゴールであった。
 リジェナス・フォーディガール(eb0703)は、彼に『弓』と『狩猟』の技術を教えてあげるつもりだ。
「私は、あなたにその寝袋をあげたハーフエルフの妹で、兄さんは今他の依頼でこっちに来れないから、見てやってくれ、って頼まれてきたの」
 誰だか悩むイゴール。
 耳を隠す真似をすると、リジェナスはうなずく。
 とりあえず、頭を下げるイゴール。
(「この子‥‥大丈夫かしら?」)
 リジェナスは、少し不安になった。
「まあ、いいわ‥‥これからあなたにみっちり狩猟と弓のやり方を教えてあげるわね。ルーシャさん、お願い」
 ルーシャは、動物の様に身を低くして草木の間にいた。
「自分が的になるから上手く矢をあてるんだ。では、これから変身する‥‥ミミクリー!」
 でかいウサギが現われた。
「‥‥矢が刺さったら痛くない?」
 イゴールから、遅れ気味の素朴な疑問。
「心配するな。そう簡単にあたりはしない」
 ピョンピョン跳んで、そう言いたげな大ウサギ(ルーシャ)。
「ちゃんと構えて‥‥矢をつがえるのはもっと速くね」
 ゆっくりじっくり教え込むリジェナス。
 でも、適当やると
「ほら! そんなんじゃ駄目よ!」
 と怒られる。
 トス。
 トス。
 地面に刺さる矢多数。
(「これじゃあたりそうにないか‥‥」)
 そう思っていたルーシャであったが。
 根気強いリジェナスからの訓練を受けたせいか、ちょっとだけ上手になってきた。
 かなりの時間が経ち、ルーシャが何度めかの変身をした頃。
 ドスッ!
 ウサギに化けたルーシャに刺さる矢。
 意外と、というよりも普通に痛そうである。
 すこし経って、変身が解けると彼は何食わぬ顔でリカバーポーションを使った。
 傷の治療をして、
「よく出来たな。‥‥見事だ」
 ポンッとイゴールの肩をたたく。
 骨のある男だ。
 リジェナスも、
「やったわね。これで、役目が果たせたわ」
 とホッとした様子である。
 イゴールも、ホッとしている。
 その後、しばらくして‥‥お腹が減った。
「そろそろ夕食の時間やし‥‥イゴールはんー‥‥料理やらへん?」
 今までの人と違って大人しい感じのアストレア。
 イゴールが、特にかんがえもなく
「うん」
 と言うと、羽をパタパタ。嬉しいらしい。
「じゃー、野菜たのむわ」
 ゴンッ。
 ゴンッ。
 乱暴に切り刻むイゴール。サイズがバラバラだ。
「そんなんじゃ駄目やよ。もっと丁寧に、均等にきらんと火の通りがおかしくなってしまうねん」
 そう言われて、大きい真四角をいっぱい作るイゴール。
「料理って凄いんよ。人の声を聞くのも億劫(おっくう)で仕方ないくらい落ち込んどっても、美味しいもん食べると気分が上向くやん。‥‥これって、月の精霊はんも嫉妬するような魔法やよ」
 というバードらしい言葉に、
(「‥‥そういえば、食べてるときって、何か嬉しいなあ」)
 と、納得したのか納得しないのかよくわからないイゴール。
「それに、よく美味しい手料理でそのひとに惚れたって言うなあ」
「ふ〜ん」
 と言いながら、つまみ食いをしているイゴール。
 やはり‥‥後ろからカンターにどつかれる。‥‥と思いきや、彼は手に何かを掴んで持ってきた。
「ここにある草は、食べられる。よく覚えておけよ。香りづけにもなる」
「‥‥くさい」
 イゴールには、ハーブのニオイが特に良いものだと感じないらしい。
「そうかぁ‥‥とにかく、覚えておけよなぁ〜」
「ぐあぁ〜」
 小声も聞き逃さず、イゴールの頭をグリグリするカンターであった。
「何しとるんやー。ほら、はよコッチ。シチューの味付けおしえたるわ」
 アストレアに引っ張られ、なんとか脱出する。
「ねえ、味見していい?」
「食べ過ぎは駄目やよ」
 ぱくり。
「‥‥美味い」
 訓練で疲れたイゴールには、温かいシチューが何よりも美味しかった。
「そうかあ? よかったわー」
 アストレアは、嬉しくてイゴールの周りをパタパタと飛び回った。
「ん〜‥‥ご飯?」
 ニオイにつられて、アルンチムグも起きてくる。
 というわけで、皆でアストレアのシチューをご馳走になる事に。
「どや?」
 まあまあ美味しい。
 イゴールが関わった事で問題が。
(「‥‥でかすぎや」)
 でかい野菜を口でモゴモゴさせるアルンチムグ。
 もはや、お腹いっぱいでやる気減退中のイゴールの横に座り、同じくやる気をなくしてグデ〜っとしている。
(「そういや、イゴールはんは狂化した事があるんかなぁ。普通の人より下っぽいイゴールはんの潜在能力が開花したらどうやるんやろ。‥‥いっちょ試してみよ」)
 アルンチムグは、ワインを持ってきていた。
 ‥‥飲ませてみる。
「イゴールはん、コレ美味しいで」
 言われたので、ワインを飲んでみるイゴール。
(「変わらんなぁ」)
 また注いでみる。
(「おや、耳の先まで赤(あこ)うなった。これから、どうなるんやろ?」)
 顔を真っ赤にして‥‥目がすわるイゴール。
 髪が逆立ち、目が赤くなり‥‥。
「今日はよくもやってくれたな〜‥‥たあっ!」
 突然立ち上がり、自分をイジメていた(?)カンターに跳び蹴り!
 受け身をとるカンター。
「この僕に蹴りをくれるとは、良い度胸じゃないか。‥‥覚悟しろよ‥‥」
 ‥‥ボコボコにされるイゴール。
(「やっぱ、狂化はあかんなぁ‥‥」)
 残ったワインとイゴールを見ながら、
「ふぅ〜」
 と、ため息を吐くアルンチムグ。
 彼女の悩みは、もうしばらく続きそうだ。
(「しゃーない」)
 悩み続けてもしょうがないので、寝袋に戻って寝た。
「やっぱり駄目かのぉ?」
「彼、意外と根に持つタイプなんですね‥‥ククッ」
 ルーロと霧島の二人も、呆れ顔。
 セフィナは、無謀にも逆襲をしようとして敗れたイゴールに、
「まったく、困った子ですわね」
 と言ってリカバーで治療してあげた。
(「聞いていた以上だったわね。‥‥この子、どうなってるのかしら」)
 リジェナスは、セフィナの隣で気絶したのか寝ているのかわからないイゴールを見てそう思った。
 ルーシャは、発泡酒を持ってきていたのだが、正直に
(「飲ませないでよかった」)
 と思った。これ以上酔わせたら、何をしでかすかわかったものではない。
「イゴールはん、心配やなあ‥‥」
 イゴールの将来を、真剣にかんがえこんでしまうアストレア。
 その後、時間も遅かったので皆でテントを張ってひと晩過ごした。
 朝になると、イゴールが鳥を捕まえて、料理を作ってくれた。
 残念ながら‥‥まずかった。

●その結果
 なにはともあれ、イゴール君は少しだけ強くなった。
 『寝袋』は相変わらず気にいっている‥‥らしい。