ぶーぶー☆パニック 〜ブタ肉食べる?〜
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■ショートシナリオ
担当:橘宗太郎
対応レベル:2〜6lv
難易度:やや難
成功報酬:1 G 63 C
参加人数:8人
サポート参加人数:4人
冒険期間:06月07日〜06月14日
リプレイ公開日:2005年06月15日
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●オープニング
記憶に新しいはずのパリ近郊シュヴァルツ城での激しい攻防戦、禍々しいそれを忘れようとするかのように、パリの住民は記憶に塵を積み始めていた。
首謀者であるはずのカルロス伯爵は逃亡中、彼の窮状を救った上位デビル・アンドラスもその姿を闇に沈めている──故に、パリの冒険者ギルドも月道や王城他の重要な施設と同様に警備を厚くしていた。ギルドを束ね指揮を執るという重責を担うギルドマスターの執務室も当然厳重な警備が敷かれている。
しかし、世に『完璧』というものは殆ど無く──今日もまた、厳重なはずの警備を物ともせず、ギルドマスターの執務室へ侵入を果たした者がいた。
怪盗ファンタスティック・マスカレード、その人である。
「また何か、人手の必要な事態でも起きたのかしら?」
「麗しき御仁へ愛を囁きに‥‥と言って欲しかったかね?」
「前回のような厄介事よりは断るという選択肢がある分だけ、まだ嬉しいわね」
招かれざる客ですまんね、と肩を竦める仮面の怪盗。招かざる客であり決して認めることはないが、ギルドの一歩、二歩、いや三歩は先を行くその的確な情報はフロランスにとって貴重な判断材料であることは否めなかった。
「伯爵が取り寄せた婚約指輪に興味があるようだね」
「──まさか」
ギルドでも上層部しか知らないが、一連の騒ぎに関連し、伯爵から出された依頼郡の調査を行っている。護衛までつけて取り寄せた『婚約指輪』は今回の騒動に措いて重要な存在である可能性が指摘されているところだ。報告書では湖に沈んだと記載があり、先達て回収を指示したところである。
怪盗と仲間たちの実力は報告書の僅かな記述でも充分に示されているが、人数にすれば僅か4名。相手が何者だろうとも、集団ならば殲滅には時間がかかる。
「群れはあらかた退治し追い詰めたのだがね、残念ながら数匹のインプが擬態して逃げたのだよ。白い動物に、ね」
デビルが擬態でき得るのは生物のみであり、インプは姿を隠すことができない。そしてデビルの姿で行動し冒険者に発見されるリスク──全てを鑑みた時、少しでも無事に伯爵の下へ辿り着こうとしたならば動物に擬態するしかない。
普段黒に近い鉛色の皮膚をしているため、インプはその単純な思考で白い動物に化ければ発見されないと思ったのだろう。白いカラスなどは目立って仕方ないはずだが、そこまで考えていないに違いない。
「動物に関係する依頼は注視しましょう。指輪は発見次第回収させます。詳細はその後に」
重要なアイテムを有益に使いたいのは怪盗一味もギルドも同じ。諍いの種には覆いを被せ、再び懐疑と打算を孕んだ一時協定が秘密裏に締結された。
●ブタ君とオーク
「ブー」
どこか間の抜けた顔をしたオークが、その声に聞かれてやってきたのは、ある農家であった。ずいぶんと前から仲間達と一緒に森の中にいたが、この声にどこか懐かしさを感じ、出てきたらしい。
『‥‥!』
あるものを見て驚くオーク。
‥‥ブタがいる。
自分と同じ顔をした‥‥ブタがいる。
『酷いことを!』
柵の中に閉じこめられ、まるで奴隷のようにも見えた。
気づいたときには、柵めがけて『突進』している。
ガチャーンという音ともに壊れる柵。
逃げるブタ達。
『待て!』
呼び止めるオーク。
「ブー!」
‥‥逃げるブタ達。
しょうがないので、両手でブタ達を抱え、ちょっとずつブタ達を森の中に運んだ。
●ブタ肉食べる?
冒険者ギルドに『オーク退治』の依頼が来たのは、数日後のことだった。
「森の中にいるオークがオラ達が飼っていたブタを持っていっちまったんだ。そんで、ブタがいなくなったと思ったら、今度は野菜を持っていくようになったんだ。きっと何から何まで奪って、最後にオラ達を食べちまう気なんだあ‥‥」
村の代表は、村にいた全てのブタを奪われ、野菜畑も大損害を受けていると語った。
「オーク一匹ぐらいなら何とかなるとか思ったがよー、皆で森にでかけていったら、何匹も出てきたもんで逃げてきただあ」
ブタ達はとっくに食べられたのだと思ったが、なぜか野菜をあたえられ、なんだか一回り大きくなっていたらしい。しかもオーク達のことを気に入っているのか、その周りをウロウロしていたとか‥‥。
「お金は、こんだけしか用意出来なかったけんど、もしあのブタ‥‥じゃなくてオークからブタ達を取り戻してくれたら、何匹か肉にして皆でお祝いをするだあ。こんな報酬で悪いけんども、ブタ肉でも食えばもっと強くなれるだよー」
たしかに‥‥『古ワイン』と『保存食』ばかりでは栄養が足りないかもしれない。
●リプレイ本文
●エムロード延命嘆願
クリス・ラインハルト(ea2004)は、自身からの5Gとケイ・ロードライトから預かった5Gの寄付をした。それと、前に友人から預かった5Gも。
カンター・フスク(ea5283)、アルクトゥルス・ハルベルト(ea7579)、サレナ・ヒュッケバイン(ea8357)は、自身が5Gの寄付をした。
オイゲン・シュタイン(eb0029)は、アル・ロランドから預かった5Gを寄付した。
●ブタ肉
この依頼に参加した冒険者達は、ブタ肉を食べたかった。
昔食べた野ブタの味を思い出し、
(「昨年食べた野ブタは美味じゃった‥‥」)
ジュルリとしていたのはメリル・マーナ(ea1822)。
アルクトゥルスは、
(「カーラに美味しいものを食べさせてやるか」)
ボーダーコリーのカーラに美味しいブタ肉をあげようとしていた。
リーン・クラトス(ea7602)も、
(「グレースにたくさん食べさせてあげようかな」)
ボーダーコリーのグレースにブタ肉を盛りだくさんあげるつもりである。
大食いのサレナ・ヒュッケバイン(ea8357)は、
「ぽーく、ぽーく食べたいです」
と、もはやポーク(ブタ肉)の事しか頭にない様子だった。‥‥たぶん。
オイゲンはというと、せっかくのブタ肉依頼(違うが)という事で、
「ブタ料理を美味しくいただきますぞ!」
と上機嫌であった。ちょっと太めの笑顔が素敵すぎる。
お尻をポリポリかきながら、
(「あー‥‥ブタ肉たべてぇ」)
そのまんま直球の事を思っていたのはキュイス・デズィール(eb0420)。
一人、食べる事以外に興味を持った人物が。
(「サレナは大食いだから、気を抜けないな‥‥たくさん作らないと」)
今日のキュイジニエ(料理人)は、カンターだ。
ブタ肉を食べたいという雰囲気を悟ったクリスは、皆の絆を深めるために宣言した。
「皆さん! ブタ肉のためにガンバです!」
ガッ!
皆で手を合わせた(何人か面倒くさそうだったが)。
●オーク退治
冒険者達は、ブタを守る(?)オーク達がいる森の前にいた。
レイジ・クロゾルムから
「オークの一撃は強力」
だと聞いているし、油断は出来ない。
ロバで先行していたメリルが、森の中から顔を出す。
「おぬし達は、ここで待つのじゃ。わしが、ちょこっとオークどもをおびき出して来るわい」
かじっていた林檎(りんご)を投げ捨て、一本のダーツを取り出すメリル。
どうやら、先に到着して『罠』を仕掛けていたらしい。
しばらく後‥‥。
突然、アルクトゥルスが声をあげた。
「来た‥‥! 戦闘の準備を! ブタ達はいない‥‥か?」
ドスドスとした音と共に戻ってくるメリル。‥‥といっても、彼女の体重が重いわけではなく、後ろにダーツが『でかっ鼻』に突き刺さったオークと、そのまんまのオーク7匹がいるためだが。
レンジャーらしく(?)忍び寄るのが上手かったのと、装備を置いてきたのが幸いして、無事戻ってこれたらしい。
‥‥もっとも、オーク達の後ろには薄っすらとブタの大群が見えてはいたが。『エサをくれる存在』からは離れたくないようだ。
「駄目だったか‥‥すぐにブタ達も来る」
アルクトゥルスは、報告の訂正した。
「ちったぁブタを巻き込んでもいいぜ」
キュイスは、ブタが怪我したら治療してあげようとしているようだ。
そして‥‥。
ゴスッ!
「‥‥ブ〜!」
落とし穴に落ちたオーク1匹。
ズテッ!
「‥‥ブヒ?」
罠にひっかかりコケたオーク2匹。
グイグイ‥‥。
「ブブ〜」
仲間を助けようとするオーク5匹。
「まんまと罠にかかりおったな‥‥今じゃ!」
メリルは置いてあった弓を取ると、皆に『合図』をした。
そして‥‥これが人相手なら騎士道や武士道といったものに反するものの、相手はオークだし、ブタ肉のためなら仕様がないとの理屈(?)で、『容赦の無い攻撃』がはじまったのである。
アルクトゥルスの報告を聞いていたため、すでにリーンは詠唱を完成させている。
(「どうやら上手くいったみたいだね。‥‥今ならブタ達もいないし、大丈夫かな」)
「‥‥ファイヤーボムッ!」
リーンの身体を赤く淡い光が包み、突き出した手の平から火球が放たれる。
ドォーンッ!
「ブヒャーッ!」
(「よし、全てのオークが範囲に入った」)
オーク達に向かって爆発したそれは、牽制としては十分有効‥‥というよりは、リーンの魔法技術からして大打撃であった。
「オーク達はかなりの傷を負ったはずだよ」
リーンの魔法は、周囲の細木や石を大きく吹き飛ばし、オーク達を『ミディアム』程度に焦がしていた。
リーンのファイヤーボムによる耳をつんざく轟音に顔を顰(しか)めながら、オーク達に斬り込んで行ったのは、サレナ、カンター、オイゲンの三人。
三人が走っている間に、アルクトゥルスも後ろから魔法攻撃を仕掛ける。
(「他人が丹精込めて育てた家畜を横からかっさらって行くとは迷惑千万!」)
牧場に関わりがあるらしきアルクトゥルスは、家畜の大事さをよく理解している。
(「いかなる理由があろうと、許せん」)
「‥‥ディスカリッジッ!」
黒い淡い光が彼女を包む。
アルクトゥルスは、
『いきなり罠にかけて焦がすなんて酷いブヒ‥‥』
オークを落胆させた。
(「一発ぶっぱなしてやるか‥‥」)
キュイスも魔法を使って、後方から援護する。
「ホーリーッ!」
通常のホーリーは威力が低すぎるという弱点がある。
傷といえるほどのダメージを与えられない確率が高かったので、より上位のものを使ったのだが‥‥。
「ちぃ‥‥不発か。使いもんにならねぇ」
‥‥残念ながら、失敗。
サレナは、
「腹ペコです!」
という素晴らしい掛け声と共に、リーンのファイヤーボムをくらったオークに斬りかかる。
「やあッ!」
ショートソードを思いっきり振りぬく!
「ぴぎゃー!」
腹のあたりに斜めの線が走る。
「でぇーいッ!」
鋭い一撃は、
「ぶぎゃッ!」
オークの腹に交差した傷をつけた。しかし、
(「ブタ肉‥‥」)
サレナの食欲はまだ満たされない。
「てぃやッ!」
続いて、カンターも同じオークに目がけて、ライトソードによる鋭い突きを見舞った。 トスッ‥‥。
「ぶぐ!」
更に、もう一撃。
「せいッ!」
ドスッ!
「ぷぎゃあ!」
右肩に大きく突き刺り、そこから鮮血が溢れた。
(「あとちょっとで倒せそうだね」)
「オイゲン、助太刀を頼むよ」
オイゲンのためにスペースをあけ、横に回るカンター。
サレナとカンターの連続攻撃を受けたオークはもうフラフラである。
「はっはっは、美味しいところは頂きですぞ〜♪」
オイゲンも大きめの身体を揺らしながら、クルスソードをフラフラのオークに向かって振るう。
彼の一撃をくらい、もはや限界を感じて逃げようとするオーク。
「逃がしませんぞ!」
ドシュッ!
ズサァ‥‥。
オークの背中にクルスソードがめり込み、逃走を図ったオークは絶命した。
相手が人間なら神聖騎士として遠慮もしたかもしれないが、モンスター相手には容赦の無い男オイゲン。
「まずは一匹!」
もちろん『笑顔』だ。
オイゲンからの報告を聞いたクリスも
(「まだ一匹、降伏勧告はまだですね‥‥」)
魔法でオーク達を攻撃する。
「スリープッ!」
罠にかかっていないオークを狙い発動されるスリープ。
淡い銀色の光に彼女の身体が包まれる。
‥‥が、キョトンとするオーク。
『ん‥‥何かしたブヒか?』
抵抗されてしまった。
「ふむ‥‥こやつ等、意外とタフじゃの?」
メリルはショートボウに矢をつがえ、オークに向かって打った。
ドシュッ!
「ぶきゃあッ!」
正確な射撃により、矢はオークの右の太ももに突き刺さった。
そして‥‥ブタ達がやってきた!
「ブー!」
‥‥落ちるブタ達&こけるブタ達。
「ブー! ブー!」
メリルが得意とする戦場用の罠にかかり、なんだかとっても痛そうにしているブタ達。あまりの痛さに『ブーイング』多し。
(「ちとブタにはキツすぎたかもしれん」)
と思うメリル。
しかし、運良く罠にかからなかったブタ達もいるわけで。
「うわっ!」
サレナがブタに衝突され、運悪く転んだ。
彼女がこの瞬間、
(「私を転ばせた豚、必ず食べます」)
と決意し、シッカリ覚えたのは内緒である。
オーク達も、黙ってそれは見ない。
転倒したサレナに、動ける四匹のオーク達が詰め寄ろうとしている。
もちろん冒険者達も、それは同じだ。
「カンターさん、ここは私が!」
「わかった‥‥お願いするよ」
オイゲンが幅の広い身体を活かして二匹を食い止めている間に、カンターがサレナのもとに走った。
「なんのッ!」
オイゲンはライトシールドとクルスソードを駆使し、二匹のオークの攻撃を受けたものの、
「むんッ! ぐッ‥‥まだまだやれますぞッ!」
最後の一発を避けきれず、右の脇腹に大きな衝撃を感じた。
‥‥が、まだ傷は浅い。
「えいッ!」
サレナは転倒しながら一撃は受けとめたものの、その重量に腕がきしんだ。次を避けられる保障はない。
(「痛そうですね‥‥本当に」)
二撃めが振り下ろされる瞬間、
(「‥‥間に合えッ!」)
カンターがサレナに振り下ろされた槌を受け止めた。
しかし、背後を見せたカンターに、残る一匹の攻撃が迫る!
‥‥が、身をよじってライトソードで受け止め、続く攻撃を横にステップを踏んで避けた。
(「前はオオカミ程度に遅れをとったけど‥‥当てる練習だけじゃなく避ける練習したからね」)
冒険者達が再び攻勢に出る。
(「ブタもいるし、ファイヤーボムは無理だね」)
リーンがオイゲンに触れる。
「‥‥フレイムエイベイションッ!」
赤く淡い光にリーンが包まれると、オイゲンの気力がみなぎって来た。
「やる気がガンガンでてきましたぞ〜」
キュイスは、傷ついたブタに近寄っていた。
「ブタ食いに来たんだから当たり前‥‥じゃねぇ、依頼主の大事なブツだからに決まってるだろ?」
と言うキュイス。
そう言われると、説得力がある気もする。
「ブ〜」
助けてもらって、嬉しそうにするブタ。
そして、
(「美味そうじゃねぇか」)
食欲をアップするキュイス。
(「狙いをよくしぼって‥‥撃つべし!」)
メリルが矢の刺さったオークに、更に矢を追加する。
よく見れば、鼻にダーツまで刺さっている。
思わず
「ひどく間抜けじゃの」
と言ってしまったメリル。
(「私も、もっと修行しないと駄目か‥‥」)
アルクトゥルスは、ブラックホーリーを使おうとも思ったが、威力がないのでダメージをあたえられるとは思えず、再度ディスカリッジを詠唱した。
『なんで、ブタばっかりこんな目に遭うんだブー』
オークは凹んだ。
さて、二回めの攻撃になって、いきなり攻撃力が無くなった一行。
やられはしなそうだが、前線が守りに入ると決め手がなく、頼みのファイヤーボムもブタがいて使えない。
そこに救世主が現れた。
クリスである。
(「今度こそ‥‥」)
「スリープッ!」
パタッ‥‥。
倒れるオーク。
「やりました!」
グッと拳に握り締めるクリス。
これを機に、相手の手数が減ったことから形勢逆転。
三匹めの犠牲者を出したところで、クリスがテレパシーで
「命が惜しければ去れ。二度と人里に介入するな」
という勧告を出した。その結果、
『罠にかかった仲間(オーク)達を助けてくれるなら』
ということで、オーク達はブタを置いて、泣く泣く森に帰っていった。
唯一オークを殺したオイゲンは、モンスターを許す性質ではなく、
(「これが冒険者の流儀なのですか‥‥」)
と疑問を持っていたが、別の事も気にしている。
「ブタ料理が楽しみですなぁ」
そう言われたカンターは、太ったブタ達を見ながら
「期待に答えられるように努力はするつもりだよ」
と微笑んだ。
「カーラ、こっちだ」
「グレース、出ておいで」
アルクトゥルスとリーンは、犬にブタ達の誘導をさせていた。
その途中、
「食べ物は大事にな」
キュイスが両手に逃げようとするブタを抱えてたり、
(「絶対‥‥食べます」)
サレナがブタをずーっと見てたり、
「カンターさん、カンターさん」
クリスがカンターへ色んな料理のリクエストを出していたりしたが、なんとかブタ達を村に運ぶことに成功。
なんだかんだで、
「凱旋じゃ」
メリルが一番嬉しそうだったり。
彼女の罠で敵が減ったのは、とても素晴らしい功績だ。
まあ、とりあえず‥‥『ブタ肉』を。
●ブタ料理
エチゴヤエプロンを装備したカンターが作ってくれた料理が、次々と運ばれてきた。
使った調味料は、彼の幼馴染フェリーナ・フェタが
「ブタ肉にあうと思うから」
と言って渡してくれたものだ。
「本当は、もっと時間を置くと美味しくなるんだけどね」
と言うカンターであったが、彼の料理の腕前はかなりのもので、出される料理全てが美味しいと感じられるものだった。
特に喜んでいたのは、オイゲンで、
「はっはっは〜♪」
と満面の笑顔を浮かべながら、運ばれてくる料理をドンドン口に入れていた。
「腸詰めが好物ですが、カンターさんの料理はどれも美味しいですなー」
メリルも久しぶりのブタの味を存分に味わっている。
(「野ブタの味も格別じゃったが、このブタもまた美味じゃわい」)
「おぬし、これのお代わりはまだあるかの?」
それなりに、ご満悦のようだ。
キュイスはといえば、村の人にブタ肉の代わりに『男』をくれと言ってみたのだが、当然断られ‥‥
(「こうなりゃ、食うしかねぇじゃねえか」)
助けたブタを食っておいた。
(「よくも‥‥私を転ばせてくれましたね」)
サレナはというと、自分を転倒させたブタを使った料理を、一心不乱に口に入れていた。
本人は、
「そこ、腹ペコ騎士なんて呼ばないようにお願いします」
などと言っていたが、否定しようがないほど食べているのは内緒だ。
「ほら、お食べ」
リーンは、グレースにたくさんのブタ肉をあげている。グレースが尻尾を振った。
(「まあ‥‥たまにはこんなのもね」)
リーン自身はというと、お酒を片手にゆっくり食事をとっているようだ。
グレースの横に、カーラもいる。もちろん、その側にアルクトゥルスも。
アルクトゥルスは一番良い部分の肉をもらい、カーラにあげた。
「美味いか?」
と聞かれ、
「ワウ!」
と答えるカーラ。美味しいらしい。
クリスは、
「カンターさん、とーっても美味しいです」
と言って、元気よくブタ料理を頬張っていた。
ちなみに、彼女はカンターにあるお願いをしている。
「塩漬け肉を作ってください!」
と言ってあったのだ。
ちなみに、使った塩は
「塩漬け肉を作るなら」
と言ってケイ・ロードライトが渡してくれた。
そのついでに、アルクトゥルスも作ってもらった。
とりあえず、量はいっぱいある。
冒険者達は、ブタ肉をたらふく食べた!