素敵?なお茶会への招待〜先生お願いします

ショートシナリオ&
コミックリプレイ プロモート


担当:龍河流

対応レベル:フリーlv

難易度:易しい

成功報酬:4

参加人数:8人

サポート参加人数:-人

冒険期間:02月03日〜02月06日

リプレイ公開日:2005年02月10日

●オープニング

 この日、冒険者ギルドに現れたお茶会ウィザードのアデラは、珍しく沈んだ様子だった。表情が『困っているんです』と如実に訴えている。
 そして、ギルドの受付は自称『若手一番の将来有望』青年だった。彼は本当に若い係員からは『もう中堅でしょ』と、同年代記録係からは『将来の幹部候補くらい言ってみろ』とからかわれている。
 それでもって、この二人は一応顔見知りだった。よって、口調も気安い。
「聞きましたよ。前回のお茶会で、一月末に次回をするって約束したんでしょ。今回はどういうのを集めますかぁ? なんでも言ってみて」
 アデラのお茶会といえば、料理は美味いが、お茶は最悪。そもそもその辺の雑草を摘んで、からからに干したものにお湯を注いで飲めるのかどうか。挙句に一度など、多数の腹痛病人を出したことで知られる、参加することが無謀な集まりだ。
 幸い、冒険者が招かれるようになってからは、不味い茶の大量生産はされても、病人は出したことがない。多分‥‥
 そんなわけだから、今回もお茶会の参加者募集だと思って、係員は気楽に言ったのだが、アデラの表情は違っていた。なんだか必死である。
「なんでも言って、大丈夫ですかしら」
「そりゃあ、仮装してのお茶会参加から、お針子さんの手伝いに、その身の回りのお世話やら、役者の真似事だって、貴族の暇つぶしの相手に、子守、他にも色々やってるから。‥‥なんか悩みがあるなら、仕事は抜きにして聞くけど? あ、俺も娘が二人いてね」
「あらまあ、そうなんですの。でもきっと、物を壊したりはしないお嬢さんなんでしょうね」
 ちょっと元気の出たアデラの言葉に、係員の視線が宙を泳いだ。思わずアデラがそれを追いかけて顔をめぐらせるが、格別何があるわけではない。
 何か、痛いところを突かれたようだ。
「この間‥‥教会で、危うく書見台を倒しそうになりましてね。いや、肝が冷えた」
 神父様が皆にありがたいお話をするときに、聖書を置くのが書見台だ。そんなものを壊せば、それはもう大変なことである。思い出しただけでも顔色が蒼くなろうというもの。
 しかし、アデラは『壊しちゃったんです』と言った。
 係員が目を点にして、更にしばらくしてから、小声で問いかける。
「な、何をですか」
「教会の棚ですわ。とっても古いもので、前から扉がぐらぐらしていたんです。でもこの間、開けようとしたら扉が取れてしまって‥‥」
 どうやら不可抗力の模様だが、教会のものが自分の手が触れているときに壊れると衝撃が大きい。それで困惑しているのかと思いきや、それだけではなかった。
 なんと、アデラはその棚を直すと言って、教会から預かってきたのだそうだ。
「ちょっと待った。そんな家具職人の真似事、出来るのか?」
「出来ませんわ」
 接客用の言葉遣いを忘れた係員に、アデラは即答した。じゃあどうして預かってきたんだと係員は言いたいが、下手に突っ込んで泣かれると嫌なので、いったん我慢する。次にアデラがなんと言うか、待ってみた。
「とにかく自分で何とかしなくちゃと思って、預かってきましたけれど、どう考えても直せませんの。それで誰かにお願いしなきゃいけないので、ここならどうかしらと。先程のお話を伺って、色々なことが出来る方がおいでのようなので安心しましたわ」
 この調子だと、今回はお茶会ではなくて棚直し要員の募集かと、係員が羊皮紙を取り上げたところで、アデラがまた尋ねてきた。
「お裁縫の得意な方も、いらっしゃいますかしら」
「いるとは思うけど‥‥家にいるだろうに、本職が。最近見てないけど」
「たくさんありますの。二月ですから、着るものにお困りの方々に教会で古着を差し上げるんですけど、その繕いの人手が足りませんのよ」
「二月だからって‥‥あれは普通、恋人や友人に心尽くしの品物なんかをあげる習慣」
 毎年、一部では単なるプレゼント交換会にもなっていると評判の行事の話に、係員はものすごく困惑している。慈善活動はいつでも尊いが、なんで二月だから古着なのかよく分からないのだ。
 しかし、アデラはけろりとして。
「収穫祭や聖夜祭、その他諸々に合わせてやってますのよ。それにセーラ様の加護の元、人はすべからく兄弟姉妹ですわ」
 至極もっともなご意見であった。よって係員に文句はない。
 でも一応、これだけは聞いてみる。
「仕事場の仲間で、手を貸してくれそうな人は? 男手は余ってるんじゃないの?」
 もはや接客用の口調は忘れ去られている。アデラは気にしていないが、これがギルドマスターにばれたら叱責ものだ。
 ただ、二人は和気藹々と話を続けている。
「殿方はたくさんいらっしゃいますけれど、うちは女所帯ですもの。おいそれと声は掛けられませんのよ」
「冒険者呼ぶのと、そんなに変わりないと思うけど。いやいや、うちは仕事が増えてありがたいんだけどさ。棚直しと繕い物のご用命でよろしい?」
 係員の鋭い突っ込みに、アデラは唇を尖らせたが、依頼を引っ込める気はないらしい。棚直しと繕い物要員の他に、もう一つ募集を掛けてくれるよう言っている。
 なんと、お茶会の準備要員だ。今回は自分が繕い物に回るので、お茶と料理の準備をしてくれる人を募集するとのこと。
「お茶は、準備からお任せすると前回お約束しましたの。だからその間に、お裁縫を習いますわ」
「習いますわって、繕い物程度」
「出来ませんのよ。お裁縫は昔から、とっても苦手なんですの。木工も全然ダメですわ。だから今回は先生に来ていただいて、みっちり教えていただくことにします!」
 これまでのお茶会とは激しく傾向が違うが、とにかくお茶会なのは間違いがないようだ。その前に色々と直すものがあるだけのこと。
「それでは、先生をお願いしますわね」
 今回のアデラのお茶会は、棚直しと繕い物の先生(?)を呼んで、本人が準備しないお茶をいただく安心な集まりになるらしい。
 あくまで予定は未定にして、決定ではないのだが‥‥

●今回の参加者

 ea1565 アレクシアス・フェザント(39歳・♂・ナイト・人間・ノルマン王国)
 ea3776 サラフィル・ローズィット(24歳・♀・クレリック・エルフ・ノルマン王国)
 ea4426 カレン・シュタット(28歳・♀・ゴーレムニスト・エルフ・フランク王国)
 ea4626 グリシーヌ・ファン・デルサリ(62歳・♀・レンジャー・エルフ・ノルマン王国)
 ea5765 アミ・バ(31歳・♀・ナイト・人間・神聖ローマ帝国)
 ea6337 ユリア・ミフィーラル(30歳・♀・バード・人間・ノルマン王国)
 ea7357 メラ・ポゥーラー(26歳・♀・ファイター・人間・ノルマン王国)
 ea7780 ガイアス・タンベル(36歳・♂・ナイト・パラ・イスパニア王国)

●リプレイ本文

●全員揃いました
 お茶会ウィザード、アデラの家は結構大きかった。
「うっわー、台所も立派そうだね。これは腕が鳴るよ」
「畑も立派ですわ。お野菜がたくさん植わっていましたから、ご家族がいらしたら、一緒に料理を食べていただくのもいいかもしれませんね」
 この中でもっともお茶会経験の豊富なサラフィル・ローズィット(ea3776)が、満面の笑みを湛えたユリア・ミフィーラル(ea6337)に説明している。
 その横で呆れたような表情なのは、アミ・バ(ea5765)とアレクシアス・フェザント(ea1565)だった。彼らは似たような顔付きだが、アミは『こんな家に住んでいるなら、冒険者頼まなくても人脈はないのか』と思い、アレクは『何の縁で参加してしまったのだろう』と今更ながらに考えている。ガイアス・タンベル(ea7780)が、古いが手入れの行き届いた佇まいに感動しているのとはまったく逆。
「寒いのだから、早く中に入れていただきましょう。先方もお待ちかねよ、きっと」
 今回最高齢、このエルフの女性は本当に冒険者なのかと疑わせるグリシーヌ・ファン・デルサリ(ea4626)の言葉で、一行はアデラの家に入った。
 その前にカレン・シュタット(ea4426)が家の前の道を遠くまで見透かしたが、来るはずのもう一人の姿は見えてこない。
 しかし。
「遅くなっちゃったー!」
 しばらく後に家の裏手、多分別の家の敷地を通って登場したメラ・ポゥーラー(ea7357)は、顔に土を塗り、体に蔓草を巻きつけていた。カレンなら森の中でも見分けただろうが、他人の家に招かれている今回、見たい姿ではない。
 とりあえず、参加者は全員集合だ。

●ではまず棚の修繕など
「よろしくお願いします」
「お願いしまーす」
 棚を直すのに立候補したのは、カレンとアミ、ガイアスの三人だった。生徒はアデラとメラの二人だ。この家には広い物置があって、幸いなことに屋外で作業する必要はない。この季節、これは大事なことだ。寒風吹きすさぶ中での大工仕事は、命に関わらなくても避けられればそれに越したことはない。
 そういう状況的には恵まれている中で、ぽやぽやとしている二人を前に、アミが溜息をついた。壊れてしまったという棚は、蝶番が傷んでしまっただけで、木材自体は悪くなっていない。だから蝶番を綺麗に取り外して、新しいものにすればいいのだが‥‥
「新しい蝶番はありますか?」
「大きさも合わないと駄目ですよ」
 エルフにしては小柄なカレンと、パラだから小柄なガイアスに尋ねられたアデラは『作るんですか?』と応じている。メラは『鍛冶師さんだねぇ』と大喜びだ。
 アミならずとも、渋い顔になろうというものである。
「じゃあ、わたくしが買ってくるわ。皆様はその間に、そうね、棚を磨いておくのはどうかしら」
 全員で買い物に行っても無駄足だからというアミの提案に、ガイアスとカレンが頷いた。
 そうしてアデラはといえば。
「じゃあ、道具を揃えておきますわね。木槌と布があったほうがいいですものね」
 手伝うとにこやかに申し出たメラをつれて母屋に戻っていったが‥‥
「何から教えたらいいのかしらね」
 アミがポツリと漏らし、視線を下げた場所には、木槌と古布が『使ってください』とばかりに置いてあった。
 買い物に出掛けたアミを見送ってから、ガイアスとカレンはまず古びた蝶番を外すことから始めた。実用本位の棚は飾り気もないから、磨くのは案外簡単だ。
 生徒の二人の出番は、どうやらないらしい。どこでどうしたのか、二人とも一行に戻ってこないし。

●鬼姑登場?
 早々に棚直し要員から外されてしまった上に、当人達も次のことに気が向いてしまった本日の生徒達は、次の先生の前に座っていた。今回、裁縫が得意な人はグリシーヌしかいないので、彼女が先生である。彼女自身は根を詰めた作業だけではなく、料理もしたかったようだが、古着が大量なので先生として集中することにしている。
「「お願いしますー」」
 生徒二人が声を揃えて挨拶した頃には、この優秀な先生は繕いの必要な沢山の古着を全部確認し終えていた。一部摘み出してあるのは、ちょっと繕ったくらいでは着られない古着ということらしい。
「仕分けしておきましたわ。それで考えたのだけれど、こちらの古着をほどいて、他の繕いに当てると見た目が変わって喜ばれるんじゃないかしら」
 例えばと肘の抜けた上着の肘だけ当て布をしたらただの古着だが、傷んでいる袖口にも同じ布を当てれば幾らかお洒落だ。そんな風に言われて、最初に喜んだのはメラとアデラである。一応やる気には満ち満ちている二人なので、グリシーヌの指示通りに手を動かし始めたが‥‥
「買い物済んだけど、手が空いてないみたいね」
 アミが部屋の様子を一瞥して言う。
「棚が直せたので、教会にお届け‥‥してきますから」
 カレンが、アデラではなくグリシーヌに断りを入れた。
「砥石を借りても‥‥勝手にやるぞ」
 アレクが入ってきて、すぐに出て行った。
「試しにお茶を合わせてみましたの。味見は‥‥」
「結構いい味になったんだけど‥‥、後の楽しみにしてね」
 サラとユリアの差し入れは、テーブルに乗る前に引っ込められた。
「ただいま戻りました。司祭様、喜んで‥‥詳しくは後ほど」
 ガイアスが報告に顔を出して、すまなそうに引っ込んでいった。
「さ、一枚だけでも完成させましょうね」
 山のような古着をてきぱきと繕い、手直ししながら、グリシーヌがメラとアデラに笑顔を向ける。他の参加者をすべて撤退、撃退した笑顔は、先程からまったく変化していなかった。
 対する生徒二人の顔は、蒼褪めて強張っている。ついでに二人の手元には、さっきから何度縫い直したか分からない古着が握られていた。メラはまた針で指を突付いて、人差し指をくわえている。
「頑張って働いたら、お茶がおいしいでしょうね」
 にこやかな笑顔のはずが、グリシーヌの目付きはただならぬものを感じさせたかもしれない。
 途中、料理の手伝いをすると逃亡を企んだメラが、微笑みかけられただけで椅子に座り直したのだから。

●料理は順調!
 裁縫の生徒のあまりの無様さに比べ、お茶会の準備はこの上もなく順調だった。
 なにしろユリアは冒険以外では料理を仕事にし、腕前は玄人はだしではなく、立派に玄人だ。そんな彼女がたいそう喜んだのは、アレクが包丁を見て、せっせと研ぎ直したからだった。ただし。
「剣と違うから、そこでもっと寝かせて研いで」
「結構加減が難しいもんだな」
 もちろんナイトのアレクが日頃の感覚で研ぐと、ユリアから厳しい注文が飛ぶ。ユリアだって包丁なら研げるだろうが、他の準備が忙しいので手が回らないのだ。アレクがやってくれれば後の作業がはかどる。
 この間にサラは食料庫の片隅にきちんと干されている香草類を確認して、思わず感涙に咽びそうになっていた。なにしろ量もたっぷり、乾燥具合もばっちり、種類も豊富な香草類だ。あえて買い物をしなくても、料理に使う分だって十分にあるだろう。
 おかげでサラの頭からは、出来ることなら自分もアデラやメラと一緒に裁縫を習いたかったなんて気分は綺麗さっぱり消えうせていた。指は勝手に、茶の配合を始めている。
 そうして。
「買出しのお金も預かったけど、これは昨日辺りに相当買い物してあるよ。鶏もいい具合になってるし、何か欲しいものある?」
「お茶は、もう十分ですわ」
「じゃ、アレクシアスさん、悪いけど卵拾ってきて」
「砥石を片付けるから、少し待ってくれ」
 骨付き肉もスパンと切れる包丁と、食料庫から山ほど出した材料、アレクが鶏につつきまわされながら拾った卵に、種類の揃った香草、畑から採ったばかりの野菜を使って、ユリアが満面の笑みで腕を振るいだした。サラが適宜手伝うが、このくらいの人数ならユリア一人でも問題はなさそうだ。歌まで歌っていることでもあるし。
 もちろんサラも遊んでいるわけではなく、香草を色々混ぜ合わせては新しい配合を試していた。たまにユリアの意見が入って、それなりの種類の配合が出来そうだ。
 そうなるとアレクは少々手持ち無沙汰だが‥‥

●教会に行こう!
 結局、アデラは全然参加しなかった棚修理は、アミとカレンのおかげであっという間に終わってしまった。あまりに早く終わりすぎて、料理の準備も、鬼姑の裁縫指南もまったく進んでいない。仕方がないので、棚直し担当は、直して綺麗に磨いた棚を教会に届けることにした。
 ちょうどアレクの手が空いたので、ガイアスと二人で運んでもらう。種族と体格の違いで、はっきり言ってこの二人で運ぶのはかなり無理があるが、そうと決めたからには二人とも頑張った。
 そもそも教会までは歩いてもすぐなので、棚は無事に運び込まれたのである。
「据え置きでしたか。上に置くのだったらどうしようかと」
 見違えるように綺麗になった棚を見て、司祭は随分と驚いていた。ガイアスが細かい位置を調整している横で、しきりと感心している。カレンもアミも、それほどのことをした気分ではないのだが。
 まあ、喜んでくれればありがたい。
「絶対に彼女に修理は無理だから、他の人に頼むと言っておいたのに、私のいない間に運んでいってしまいまして。これはどうなるかと」
 心配していたのかと、ついでに理解もした四人だった。
 そうして、裁縫指南の様子を見ているアミとカレンとアレクは、『あの不器用さではさもありなん』と更に納得もしていた。なにしろ、指から流血したり、針を持ったまま固まっていたのだから。
「昔から、裁縫とこういう工作はまったく出来ない人でしてね」
 無理をしないでくれてよかったと見送られ、戻ってからガイアスも『固まっている二人』を見ることになった。
 結局、彼らが一仕事もふた仕事もしている間に、メラとアデラはようやっと雑巾を一枚縫い上げていた。当初の予定と随分違うが、これが彼女達の精一杯だったらしい。
「人生は長いし‥‥」
 誰かが、そんなことを言っていたようだ。

●お茶会をしよう
 グリシーヌが一応笑顔、でもそこはかとなく諦めを含んだ様子で、出来上がった二枚の雑巾を確認した後、お茶会の支度が始まった。
「おなかすいたよぅ。料理もしたかったな。結構得意なんだ」
 メラはそう言ったが、彼女が土産に持ってきた『とれなかった獲物の代わりのお茶』は単なる葉っぱだったので、ユリアに渋い顔をされている。盛り付けにも気を配った料理の数々に、葉っぱで飾り付けをされたらと思ったのだろうか。
 でもメラは、サラとアデラに『次回楽しみにしてますから』と言われて、ご機嫌だ。次回もあるのかと思っているガイアスは、先程戻ってきてからいきなり暖炉に当たったら、鼻血が出たのを隠してふき取っている。さすがにこんなところで流血したら、あまりにも失礼だ。
 アミとアレクは足りない椅子を出してきて並べ、カレンは暖炉でお湯を沸かしている。テーブルには次々と見た目からして綺麗な料理と、芳しい香草が並んで、全員が席に着いた。もちろんお茶会だから、お茶が最初に配られる。
「まあ、素敵な香り。少し甘いかしら。お手伝いできなくて悪いと思ったけど、これが習えなかったのも残念ね」
 グリシーヌ姑様が一口お茶を含んでの感想に、場は一気に和んだ。そして。
「機会があれば、アデラ嬢のお茶もご馳走になってみたいものだな」
 アレクがこんなことを言ったので、お茶会はやはり次回があるらしい。
 居合わせた全員がそれに賛同したかは、定かではない。けれども。
「それでは、暖かくなったら畑の手入れをご一緒させていただきましょうね」
 アデラのお茶を誰よりも知っているサラは、誰よりも乗り気だった。

●コミックリプレイ

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