素敵?なお茶会への招待 〜お見合いです!
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■ショートシナリオ
担当:龍河流
対応レベル:フリーlv
難易度:易しい
成功報酬:5
参加人数:8人
サポート参加人数:3人
冒険期間:09月07日〜09月10日
リプレイ公開日:2005年09月16日
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●オープニング
パリ近郊で大きな事件が起きて、表向きはそれが解決した数日後。冒険者ギルドに顔色を変えたお茶会好きのウィザード、アデラが駆け込んできた。
「こんにちわ。お茶会ですか? そんなに慌てなくても、依頼はちゃんと承りますよ」
この半月近くの多忙な業務から解放された受付の係員が愛想良く話しかけるも、アデラの顔色は変わらない。
「なんか、お茶会ではなくて厄介ごとですか? 可愛い姪御ちゃんたちに何か?」
「違いますのよ、姪ではありませんの。一応お茶会ですの。でも日付は絶対にこの日で、来てくださる方の中に人間の成人男性を一人入れてくださいませ。この際、男性に見える女性の方でもいいですわ。あ、そういう方のほうがいいかしら」
矢継ぎ早とはこのことと言う勢いで話しかけられても、係員はにこにことした笑顔を崩さなかった。理由を尋ねる口調に、何の含みもない。
けれど、答えるアデラは拳を握って力説している。
「お見合いですの、お見合い話が来ましたのよ。私、結婚するつもりありませんから、偽の恋人を仕立ててお断りしたいんですの。そういうことの得意な方、ぜひお願いしますわ」
「そんなに、気に入らない相手なんですか? ほら、前の騎士の三男坊でしたっけ? そんな感じ?」
一応相手のことも知らないと、そんな相談の協力は出来ませんよと指摘されて、アデラは納得したらしい。
「騎士の家の三男なのは同じですけれど、職場でご一緒している方ですわ。別に悪い方ではありませんのよ。お歳は三十だったかしら。お話を持ってきたのは、上司ですの。親切だし、仕事は真面目だし、出世もしそうだし、こんな良縁はないよって同僚も言いますけれど‥‥子供が嫌いな方なんですの。だから」
「子供嫌い? 日頃から、そんな風に言ってます?」
「いいえ。昔、ええと十年位前かしら。まだうちの父があの職場にいた頃に、私が姪っ子と迎えに行きましたのよ。その時には先方はもうあそこで働いていらしたんですけれど、いきなり姪に『触るんじゃない』って、それはもう大きな声で。それで、この方は子供が嫌いなんだわって思いましたの」
どうやらアデラは子供好き、そして家には十三歳から八歳までの姪が四人も同居している。子供嫌いとは結婚できないと思い定めたようだ。
説明をするだけして、晴れ晴れとした表情でアデラが帰っていくと‥‥
係員のところに、女の子が四人寄ってきた。アデラが来たので、別室に隠れて様子を伺っていたのだ。アデラの姪、勢揃いである。実は先程まで、アデラが結婚するのだと報告していたのだ。どうも、話が違ってきたが。
それでも、口々に言うことには。
「おじちゃん、子供嫌いじゃないのよ。怒られたことないもん」
「時々遊びに来て、お土産くれるの。おばちゃんにも。キノコももらった、こんな大きいの」
「いつも遊んでくれるよー。ねー」
「うん、面白い話もしてくれるよー」
「「「「おばちゃん、勘違いしてるー」」」」
最後には声を揃えてくれた四人に、係員は力強く頷いた。実は話題になっているアデラの見合い相手は、彼の幼馴染である。確かに子供好きで、係員の二人の娘からもやたら好かれている。面倒見がいいので、思う存分遊んでくれるのが好かれる理由だ。
そして、見るからにアデラの姪達からも好かれていた。男手がない家なので、時々遊びに来てくれる男性には余計に懐くのかもしれないが。
「おかしいなぁ、子供相手に声を荒げるなんてする奴じゃないのに」
「でも怒られたことはあるのよ。あのね、大きな剣持ってるでしょ。あれに触るとすごーく怖いの」
危ないから触っちゃ駄目って、と、両目を指で吊り上げて見せた次女の台詞に、他の三人も頷いた。一度それで怒られて、四人は武器には絶対に触らないことにしたらしい。
確かに係員の娘も、よちよち歩きの頃に鞘に触って、『危ない』と叫ばれたことがある。あの時は娘が近所に響き渡るほど泣いて泣いて、それは大変だったのだ。彼の幼馴染は怒ると非常に怖い顔になるので‥‥いや、それはいい。
「あのね、おばちゃんのお願い聞いたら駄目なの」
「人間の男の人は入れないで」
「全部女の人がいいなー」
「この間のお料理の人呼んでー」
問題は、依頼人とはまったく別のことを頼み始めた、現金の持ち合わせがないこの四人をどうやって帰らせるかだ。
係員は、やれやれと溜息をついた。
●リプレイ本文
●お茶会前日
お茶会ウィザード、アデラの同僚にして見合い相手のジョリオは、突然やってきたリュヴィア・グラナート(ea9960)の挨拶に面食らったらしい。初対面のエルフに親しげに話しかけられれば、たいていの人間はそうなるだろう。
しかも、リュヴィアはにこやかに言ってのけた。
「単刀直入に聞くが、アデラ殿のことをどう思っておられるかな? 私も彼女が好きだが、エルフなので諦めざるを得なかったのだが」
「お茶会の関係者だろうが、せめて自分の名前は名乗ってから尋ねてくれ。そうでなければ、訊かれても答えるわけにはいかないだろう」
自分一人のことではないと返されて、リュヴィアはならば当人がいるところで返事を聞こうと考えを変えた。とりあえず顔が見られたので、本日はよしとする。
では明日と突然歩き出した彼女をジョリオがどう思ったか、そんなことはリュヴィア気にしていなかった。明日の準備の手伝いをしに行かねばならないからだ。
一方、今回の参加者八人の中で唯一の人間男性であるレオンスート・ヴィルジナ(ea2206)は、アデラと打ち合わせをしていた。仮にも恋人を装うわけだから、お互いの呼び方を決め、話題に困らないように家族構成や好き嫌いくらいは知っておく必要がある。
「リョーカさん」
「やだぁ、それじゃ他人行儀でしょぉ。リョーカでいいわよ」
リョーカと言うのは、レオンスートの愛称だ。そして女系家族の末っ子に生まれ、姉や母、祖母、伯母、叔母達に可愛がられた彼は、二メートル近い身長にとても似合わない言葉遣いで話す。これでも神聖騎士だ。
話し合いは、遅々として進んでいない。
話し合い同様に遅々として進まないのが、お茶会の準備のための料理だった。サテラ・バッハ(ea3826)がフリーズフィールド作成に顔を出し、マリトゥエル・オーベルジーヌ(ea1695)が友人のサラとヴァルフェルと一緒に買い出した材料を広げ、藍星花(ea4071)と献立の打ち合わせをしている横で、毎度のごとく彼がいた。
準備の手伝いと、初めて訪ねる他人の家への手土産に今頃咲いた小振りの向日葵と手製の花瓶を付き添いのアルンチムグと共に持参したアニエス・グラン・クリュ(eb2949)が、思わず立ち尽くしたのは、大きなパンにかぶりついているマート・セレスティア(ea3852)がいたからだ。小脇に抱えているのは、やはり大きなチーズの塊らしい。
「あら、ルイザのお友達? ‥‥参加者のほうね」
マリがアニエスに声を掛けて、腰につるした剣に気が付いた。実は木刀だが。
殊勝にも何かお手伝いと申し出たアニエスを見て、星花はマーちゃんにミルクの入った器を差し出しつつ、聞こえよがしの溜息をついた。もちろんマーちゃんは気にしない。
「手伝ってくれるなら、ここを代わってくれ。暑い」
適時交代しようと、大きな鍋をかき回していたサテラに手招かれたアニエスが不思議そうな顔をしているのは誰もが知っていたがあえて説明した者はいなかった。食欲魔人については、見ていれば分かるからだ。
そんなことより、用意した食材を食べ尽くされないように、マリも星花も手伝いのサラとヴァルフェルも大変だった。途中から駆けつけたリュヴィアも。
一人、ミーファ・リリム(ea1860)だけが、明日の食べ放題を夢見て、のんびりと本日も食い倒れている。
●お茶会当日
当日の朝も、早くからあれやこれやと準備をし、もちろんアデラが用意した茶葉もきちんと調べた面々に続いて、お茶会開始の時間より少し早くにミーちゃんと今回の話題の人ジョリオがやってきた。ジョリオは多少いかつい顔付きかもしれないが、見た目はあらゆる意味で悪くない。人相も、身なりも、表情と態度から窺える人柄もだ。
「席はそちらだ。アデラ嬢の正面だから」
邪気のない笑顔でリュヴィアが勧めたのは、マーちゃんとミーちゃんの間の椅子だった。その二人の手から料理を守るように配膳している星花とマリが、いかにも渋い表情になる。対してサテラは忍び笑った。かなりこれ見よがしに。
事情が分からないのはアニエスとリョーカだが、この二人でアデラを挟んで座り、アニエスの横からジョリオまではアデラの四人の姪が席を埋めている。
「お茶会は初めてなんです。お作法が間違っていたらすみません」
「気にするな。作法はあってないようなものだ。ただし今回のお茶には当たりがある」
「ちょっと、なによ、それ。お茶の葉の確認してくれたんじゃないの」
「‥‥でも、結婚したらそのお茶を飲むんだから、一度は味わってみなきゃ」
すでに皿の上から料理をちょろまかしているミーちゃん、マーちゃんの二人をよそに、どきどきわくわくと顔に書いたアニエスから、サテラ、星花、マリと続いた会話に、リョーカとジョリオが微妙に表情を変えた。お茶会に何度も参加している面々が、おやと思ったのはジョリオの一言だ。
「相変わらず、掛け声で一斉に飲むのか」
「今回は愛が試されるんだから、我々は見ているだけかな」
確かにアデラのお茶は、上司の意見とかで掛け声と共に全員で口をつける『作法』がある。最近はやっていないが、それを知っているからにはジョリオはアデラのお茶について多少なりとも知識があるわけだ。リュヴィアが、あまり事情が分かっていないリョーカともども、男性陣を谷底に突き落とすような決定をしてくれたが。
挙げ句にアデラが、いらぬ口を挟む。
「リョーカさんなら大丈夫ですわ。お茶を淹れましょうね」
「「ごはんーっ」」
子供より子供っぽいパラとシフールに急かされた星花が、それぞれの皿に料理を取り分け、ついでにアデラのお茶を淹れる様子まで見張って、孤軍奮闘したが、他の面々は事情が分かっていても、やばいものが入っていると分かっても、見てみぬ振りをした。正確には、面白がって見ていた。
「おばちゃん、今日のお茶、なんだか変よ」
姪のルイザの指摘が入ったが、リョーカとジョリオ、ついでにマーちゃんの前に器になみなみと注がれたお茶が差し出された。女性陣の分は、サテラが淹れている。明らかに『アデラの茶は飲めない』という態度だ。
「なんだか、渋い香りねぇ。これ、何の葉っぱ?」
「前に皆で倒れたのは、これじゃなかったな」
「うわ、まずっ」
香草茶なら香りを楽しむのもありだが、リョーカが困惑の表情でアデラに問い掛け、ジョリオがアデラの茶の被害を被った経験が察せられる発言をし、マーちゃんが素直に不味いと言ったお茶は、エルフ三人が口を揃えた『雑草茶』だった。毒でなければいいというものではない。
「ふーっ、それ誰も食べないんなら、ミーちゃんが食べるのら〜」
一人、ご満悦のミーちゃんが香草茶を片手に、中央の大きな皿に手を伸ばした。今回は星花とマリが腕を振るってくれたので、料理が色々ある。食べるだけで、焼き方や味付けにもうるさいミーちゃんは、たまに白い目で見られていたが。
と、マーちゃんが横から手を伸ばして、皿をずるりと自分のほうに引っ張った。シフールのミーちゃんが飛んで近付けば、自分も卓の上に乗ろうとして、どちらもジョリオに引き摺り下ろされた。ちょっとお互いのことだけ警戒しすぎたらしい。
「いつもそんななのよ。放っておいてもいいわ。料理はこっちにもあるから」
星花がお茶の葉などを置いた卓にも料理を取り分けてあると示して、エルフ三人が澄ました顔で飲んでいるお茶を手にした。アニエスもそれを見て、自分のお茶を飲み始める。だが彼女とジョリオの間に座っている四人姉妹は、男性陣の前の『見るからに不味そうなお茶』が気になって仕方がないようだ。
「おじちゃんたちの分、淹れ直してあげる。おばちゃんに習ったもん」
とうとう四人で立ち上がり、『アニエスも一緒にやる?』と五人がかりで茶器を置いた卓に取り付きだした。アデラはなんだか慌てているが、他の人々は揃って大丈夫かと思っていた。食べるのに夢中のミーちゃんとマーちゃん以外。
「結婚したら、あのお嬢さんたちも一緒だ。せっかくだから味わってみたらいいさ」
リュヴィアの突き放した一言に、そうそうと続いたのはサテラだったが、アニエスが輪を抜けてジョリオのところにやってきたので一旦口を噤んだ。
「申し訳ありませんが、これを預かっていただけますか」
人に当たったら危ないからと、アニエスから外した木刀を受け取ったジョリオは嫌な顔一つしなかった。が、こういうときに限って、アデラは姪のお茶淹れに注目していて見ていない。ジョリオが子供嫌いなのは、アデラの勘違いと知っている二名を除いた参加者一同は揃って『見てないし』という顔付きになった。
だが、それならそれでとアニエスは頭を切り替えたらしい。実はですねと、小声でリョーカが雇われ恋人であることを話してしまった。まあ、リョーカ自身もアデラのいないところで『他人に恨まれるのは嫌だしぃ』と言っていたので、苦笑している。
そして、人間一人、エルフ三人の成人女性陣がどう反応するかとジョリオの様子を窺っていると‥‥
「知ってる。あの四人も言いに来たし、そもそもアデラはうちの上司に何でも話すが、この間大声でそのことを報告してたから‥‥何で俺が子供嫌いなのかは分からん」
「私、ジョリオ様は以前からアデラ様を見初めていたのではないかと思うのですが」
良くぞ突っ込んだといわんばかりに、にじり寄ってきた女性陣にジョリオはなんともいえない視線を向けたが、リョーカまで同様だったので諦めたらしい。
この話題のおかげで、マーちゃんとミーちゃんは心ゆくまで食事に専念している。ジョリオの皿の上のものも、二人で奪い合うように持っていった。今度は叱ろうとしたジョリオの動きをきちんと避けている。そんなことに俊敏でなくてもと、何人かが思ったが、今はそれより大事なことがあったりするのだ。
「確かに上司には、俺から仲立ちを頼んだ」
「結婚したら、あのお茶が毎日よ?」
「体は丈夫だ」
この返事なら、悪くはないんじゃないのとマリと星花が頷きあったところに、アデラの姪達が淹れたお茶が登場した。ちゃんとリョーカとジョリオ、マーちゃんの分が淹れてあったが最後の一人は水分なら味は問わない豪傑だ。食べるのに夢中である。
アデラもようやく姪達から注意が離れたので、サテラとリュヴィアが示し合わせたように笑みを浮かべた。この二人は、今回の見合いを適当にかき回してみたいのだ。もちろんジョリオがアデラを幸せに出来るかどうか見定めるのが目的‥‥のはず。
リュヴィアが『我々のお茶会の華を』と腹の中で思っていたり、サテラがやっぱり思考だけで『これがエルフだったらアデラにやらんのだが』とリョーカやジョリオの腕の筋肉を愛でていたりするのは、余禄のはず。たぶん。
しかし、彼女達も予想もしなかったことを言い出したのが、双子の姪マリアとアンナだった。アニエスがお茶を運ぶのに参加して手が空いたので、ジョリオが預かっている木刀に目を留めたらしい。
「おじちゃん、アニエスおねえちゃんの剣貸して。それ、切れないでしょ?」
斬れないが、実は魔法の品を指差した双子の姪に、アデラが顔を引きつらせた。まるで自分が怒鳴られた後のようだ。そして、『怒ると怖い顔』とギルドの係員がポロリと漏らしたのはこれかと思うような変化をジョリオが見せかけたのと同時に、リョーカが声を上げた。
「いけないわよぉ。騎士の剣なんだから、違う人は触るもんじゃないわ。怪我したらアニエスの責任になっちゃうじゃない」
ねえと同意を求められたジョリオが頷いたので、アンナとマリアは唇を尖らせたが引き下がった。代わりにやってきたのが、ルイザだ。お茶を取り替えて、その後はジョリオの膝に上って座り込む。途端に、双子が走ってリョーカに取り付いた。余った次女は、リュヴィアに差し招かれて、ちょこんとその膝に座り込んでいる。
「アデラ、おたく、家事は得意か?」
突然のことに凍りついたアデラに、サテラがいきなり問いかけた。何事かと思ったろうが、アデラは『裁縫は苦手です』と返してきた。他はそれなりに大丈夫なのだろう。
「人間男性の好みとしては、好みの外見の女性と家庭を切り盛りする優れた能力と、どちらを優先するものだろうか。参考までに聞かせてもらいたいな」
何の参考だかと、マリと星花が呆れているのを横目に、サテラはほらほらとリョーカまでせっついている。すると、ここでも男性二人の意見は一致した。
「外見や家事より、セーラ様に嫉妬しないでくれる人よねぇ。あと仕事で怪我してもびっくりするだけで済ませてくれる人」
「そもそも人柄が大事だろう。確かに血を見て卒倒する女性では困るがな」
いつ何時、何があるか分からないからと妙に分かり合った男どもを前に、アデラ以外の女性陣はやはり奇妙に納得していた。分からないのは、食欲魔人二人と女の子四人だ。食欲魔人達は食い気に走っているので、そもそも会話に参加していない。
依頼で何かと危険な橋を渡ることも多い冒険者、しかも最近は非常に物騒な事件が頻発している。少なくともスカートに綺麗な上着で勤めに行くアデラとはやることからして違うだろうが、ジョリオはその辺の感覚が騎士でも自分達に近い。きっと復興戦争で前線にいたことがあるんだろうなとは、リョーカとアニエスの胸のうちだ。もしかして、先日の騒動でもどこかにいたかもとは、食欲魔人達以外の感想である。
「お茶飲んでー」
自分達に分からない話が面白くないルイザがジョリオを促して、リュヴィアが『第一段階は合格?』と呟いたのに頷いたのが何人かいて、アデラがぽかんとしている間に話題は全然違うところに飛んだ。
まず、黙々と食べ続けていた食欲魔人達が散らかした卓の惨状に、マリと星花が額にしわを寄せたのだ。怒っても聞いちゃいないのも分かっているが、やはり言わずに済ませたくないこともある。
「そういえば林檎も大分大きくなったし、そのうちに収穫の手伝いに呼んでもらえるのかな?」
「おいらも、おいらも呼んでおくれよ!」
「ミーちゃんも、食べに来るのら〜」
リュヴィアの何気ない一言には過敏に反応されたら尚更だ。
「ま、いつもどおりじゃないか」
サテラの一言に、リョーカとアニエスが目を丸くし、マリは呆れ、星花はため息をつき‥‥アデラはなにやら難しい顔をして林檎を眺めていた。
ジョリオはいつの間にやら、四人姉妹全員を膝に乗せられるかに挑戦させられている。
そして結局、お茶会は残った料理を誰がどのくらい持って帰るかで例の二人が大騒ぎしたけれども、アデラがぶつぶつ言っている間にお茶会は終わったのだった。
●お茶会翌日
「結婚したら、子供は六人って決めてるんですもの」
と勝手な展望を描いている家主の周りで、冒険者八人が片付けに勤しんでいた。一部、おなかに片付けているのがいるが。