強敵に挑め!

■ショートシナリオ


担当:紅茶えす

対応レベル:1〜3lv

難易度:やや難

成功報酬:0 G 78 C

参加人数:8人

サポート参加人数:-人

冒険期間:08月02日〜08月07日

リプレイ公開日:2004年08月03日

●オープニング

 ここは冒険者ギルド。
 冒険者達が仕事の斡旋を求めて集う場所である。
「仕事の斡旋か? キミ達ならば、これなんかどうだい?」
 いつものように冒険者ギルドのおやっさんが依頼書のひとつを見せる。

『ある村とキャメロットを結ぶ道にゴブリンが出没し、旅人が襲われるという事件が発生した。
 これは、そのゴブリンを退治する依頼である。
 ゴブリンは単独で出現しており、報告によると、ゴブリン戦士と呼ばれる並のゴブリンより遙かに戦闘力の高い個体だと推測される。
 注意されたし。
 冒険者ギルド』

「ゴブリン戦士か。おまえさん達には強敵だ。だが、所詮単独。力を合わせれば倒せない相手じゃないはずだ。オレの斡旋に狂いが無い事を証明してやってきてくれ。期待してるぜ」
 おやっさんが依頼書の控えを渡してくれる。
「村までは五日もあれば往復できる距離だ。食料の準備を忘れるなよ。その道のどこかに、そのゴブリン戦士が居るはずだ。発見次第退治してくれ」
 こうして、新たな依頼を受けた冒険者達であった。
「頑張ってな」
 無事、ゴブリン戦士を退治することができるだろうか。

●今回の参加者

 ea0294 ヴィグ・カノス(30歳・♂・レンジャー・人間・イギリス王国)
 ea0356 レフェツィア・セヴェナ(22歳・♀・クレリック・エルフ・フランク王国)
 ea0502 レオナ・ホワイト(22歳・♀・バード・エルフ・イギリス王国)
 ea0780 アーウィン・ラグレス(30歳・♂・ファイター・人間・イギリス王国)
 ea0941 クレア・クリストファ(40歳・♀・神聖騎士・人間・イギリス王国)
 ea1644 ヒンメル・ブラウ(26歳・♀・神聖騎士・人間・神聖ローマ帝国)
 ea2765 ヴァージニア・レヴィン(21歳・♀・バード・エルフ・イギリス王国)
 ea3098 御山 閃夏(31歳・♀・浪人・人間・ジャパン)

●リプレイ本文

 ギルドで依頼を受けた冒険者達。
「僕のことはレツィアって呼んでね☆‥‥うわぁ!」
 言った途端、ローブの裾を踏んで転ぶクレリックのレフェツィア・セヴェナ(ea0356)。
「いたた‥‥っ、あは、気にしない気にしない♪」
「おいおい大丈夫かよ」
 苦笑しながら、手を貸すファイターのアーウィン・ラグレス(ea0780)。
「さて‥‥さっさと悪いゴブリンを倒しちゃいましょうか♪」
 楽しそうに微笑むバードのレオナ・ホワイト(ea0502)。
「二人共、頑張りましょうね〜。大丈夫、可愛い私の団員に怪我させたりするもんですか」
 レオナとアーウィンにゲラゲラ笑いながら声を掛ける神聖騎士クレア・クリストファ(ea0941)。
「ゴブリン戦士‥‥か。一対一でやったら勝て無いね」
 邪魔にならないよう胸をサラシで潰して固定している浪人の御山閃夏(ea3098)。なんと勿体ないことを‥‥。
「こちらの被害を最小にするには、速攻で片を付ける必要があるだろうな‥‥」
 レンジャーのヴィグ・カノス(ea0294)が呟く。
「もう少し詳しい情報は無いかしら?」
 バードのヴァージニア・レヴィン(ea2765)は、ギルドのおやっさんにより詳しく話を聞いて、ある程度ゴブリン戦士の出現ポイントを絞り込む。
 さあ、出発だ。
 保存食を持ち合わせていない者もいたが、多めに準備している者もいることや、狩猟による現地調達も望めることから、この依頼が終わってから、まとめて清算することになった。

「♪〜ヴィリア、オ、ヴィリア、森の精、麗しの面影よ。ヴィリア、オ、ヴィリア、我が恋を、遂げさせ給え〜♪」
 ゲルマン語で歌う神聖騎士ヒンメル・ブラウ(ea1644)。彼女はイギリス語を話せないが、ヴィグとはゲルマン語での会話が可能である。
 二人は囮として先行していた。
 武装を解除しているヒンメルをヴィグが護衛している図である。
 隠密行動万能スキルを活かして警戒するヴィグ。
 また、少し道を離れ、狩猟スキルで食料調達をしつつ進む。全員の食料を賄うのは無理だが、多少なりとも食費が浮くというものだ。

 囮役以外のメンバーは二人一組になって後方を散開しつつ着いてきている。
 レツィア&アーウィン組、クレア&レオナ組、ヴァージニア&閃夏組である。
 各組が前衛後衛を担当できる配属で、各自のスキルを活かして警戒しつつ進む。彼らが襲われる可能性も否めないからだ。
「ふわぁああ〜。 …まぁだ現れねぇのかよ?」
 保存食をパクつきながらアーウィン。彼は女性陣の荷物持ちを担当している。
「荷物まで持ってもらって、ありがとね☆‥‥わわっ」
 慎重に歩いているのに転びそうになるレツィアであった。

 三日目。
 狩りのため、道を離れたところでヴィグがゴブリン戦士を発見する。
「ゴブ‥‥!」
 ゴブリン戦士もヴィグとヒンメルに気付いたのか、ニヤリと笑うと武器を振り回しながら近づいてくる。
「きゃあっ‥‥助けてー!」
 悲鳴をあげるヒンメル。回れ右して走り出す。
「ゴブゴブ〜〜ッ!!」
 仲間と合流すべく走り出す二人が逃亡しようとするように見えたのか、ゴブリン戦士が奇声を上げながら追ってくる。
 ヴィグが石を拾って投げつけながら牽制する。

 そして、囮役が仲間に合流すると、ようやくゴブリン戦士も慎重になったようだ。
「来たね、撤退と後退の区別もつかないお馬鹿さん、浅慮の代価を払わせてあげるよ」
「棲み分けが出来ない奴は、強制的にでも消えてもらわねば、被害が拡大する一方だ」
 仲間と合流し、向き直るヒンメルとヴィグ。
「何の罪もない人達を脅かすなんて絶対に許さないもん。二度とこんなコトしないように自分も痛い目にあわないとわからないんだよ」
 レツィアも魔法を詠唱を始める。
「混沌なる闇の世界に身を投じよ‥‥シャドゥフィールド!!」
 魔法発動の瞬間、レオナが銀の淡い光に包まれると、直径15mほどの闇がゴブリン戦士を包む。
「シャドゥフィールド内の敵ゴブリン戦士に‥‥ムーンアロー!」
 直後、ヴァージニアが銀の淡い光に包まれると、光の矢が闇に吸い込まれる。
「ゴブ‥‥? ゴブッ!?」
 闇の中からゴブリンの悲鳴が聞こえる。ムーンアローは指定した目標を外さない。
「クレアさんに祝福を‥‥グッドラック☆」
 魔法発動の瞬間、レツィアが白く淡い光に包まれる。
「サンキュー、レツィア。あとは私ね‥‥デティクトライフフォース!」
 魔法発動の瞬間、クレアが黒く淡い光に包まれる。生命力を探知し、闇の中のゴブリン戦士の居場所を捕捉し、
「陽光射し 月光輝く この世に 汝ら闇黒 棲まう場所無し!」
 ソニックブームを叩き込む!
「ゴブッ!」
 しかし、敵もさる者。まだ傷は浅い。闇の中で冒険者達の気配を探り、一気に闇を駆け抜ける!
 だがそこには、冒険者達の第二波が待っていた。
「神はいつでも私達のことを見ています。日々良い行いをしていないと天罰が下ります‥‥ホーリー!」
 レツィアとヒンメルの魔法が炸裂。
「お眠りなさい‥‥スリープ!!」
 レオナのスリープにはなんとか抵抗するゴブリン戦士。
「二撃目は無い‥‥なんとしてもこの一撃で致命傷を負わせる!」
 ゴブリン戦士の脳天めがけ『シューティングPAEX』でスピアを投擲するヴィグ。
「全開でいくよ!! 閃!」
 短刀で斬って、その直後に刀で全力の突きを叩き込む『ダブルアタック』を仕掛ける閃夏。
「そんな構えじゃ、『荒れ狂う旋風』の刃は止められねぇぞ!!」
 ウォーアックスを構えて突撃するアーウィン。加速度と斧の重量を相乗させ、大上段から『チャージング+スマッシュ』の大技!
「ゴブッ‥‥!」
 一気に深手を負ったゴブリン戦士だが、スキの出来たアーウィンに一撃を返す。鎧を着ていないアーウィンに『バーストアタック』は不要だ。
「なかなかやるじゃねーの‥‥」
 アーウィンの傷も浅くはない、さらにゴブリン戦士の連撃がアーウィンを襲う!
 しかし、
「可愛い私の団員に、これ以上怪我させやしないよ‥‥」
 その一撃は咄嗟に片腕を犠牲にしたクレアによって庇われていた。
「ゴブ‥‥」
 だが、ゴブリン戦士はニヤリと笑うと、シャドゥフィールドの闇に駆け込む。
 逃亡する気だ!
「裂!」
 すぐさま『ダブルアタック』で二段斬撃を仕掛ける閃夏。手応えはあったが、まだ倒せていないようだ。
 アーウィンも追うが、闇の中では同士討ちの危険もあり、思い切った攻撃ができない。
「‥‥ムーンアロー!」
 ヴァージニアが銀の淡い光に包まれると、光の矢が闇に吸い込まれ、ゴブリン戦士に命中する。しかし、他の攻撃魔法は対象が見えない以上使えない。
「逃がさないよ‥‥ミミクリー!」
 魔法発動の瞬間、クレアが黒く淡い光に包まれると、
「私が継ぐ名は『永劫の追撃者』‥‥その魂に刻んでおきなさい」
 腕が伸び、ゴブリン戦士の背後から襲いかかる!
 ディテクトライフフォースの効果で位置は把握できている。
「ゴブッ‥‥」
 ゴブリン戦士の倒れる音が聞こえた。

 シャドゥフィールドが消えると、瀕死のゴブリン戦士が見える。
「汝の魂に‥‥誇り高き月と、崇高なる夜の恩寵を‥‥」
 トドメを刺し、亡骸に向かって呟くクレア。
「ま、ざっとこんなモンでしょうかねぇ?」
 傷を押さえながらアーウィン。
「今回復するから‥‥リカバー☆」
 レツィアが負傷したアーウィンとクレアにリカバーを掛ける。
 幸いリカバーで治しきれないような重傷は受けずに済んだようだ。
「心強い仲間がいるって良いわね」
 にっこり微笑むヴァージニア。
「後は、ギルドへ報告するだけだね」
 刀の血を振り払い鞘に収める閃夏。
「念のため証拠になる物も持ち帰っておこうか」
 投擲したスピアを回収しつつヴィグ。

 帰路。
「わたしの歌を聴いてね♪」
 今回の皆の戦いぶりを歌にするヴァージニア。
「ふふっ、私達も‥‥♪」
 レオナやヒンメルも共に合唱する。
 その後、キャメロットまでの道中には危険は無かった。
 ギルドへの報告を済ませて報酬を受け取り、食料の清算を済ませると、冒険者達は新たな依頼を探すのであった。
 彼らがいずれ英雄と呼ばれる日が来ることを祈っている。