ほぼゴブリン退治?

■ショートシナリオ


担当:紅茶えす

対応レベル:1〜4lv

難易度:普通

成功報酬:1 G 10 C

参加人数:8人

サポート参加人数:-人

冒険期間:08月30日〜09月05日

リプレイ公開日:2004年09月01日

●オープニング

 ここは冒険者ギルド。
 冒険者達が仕事の斡旋を求めて集う場所である。
「仕事の斡旋か? ちょっと急ぎの依頼があるんだが引き受けてくれないか?」
 いつものように冒険者ギルドのおやっさんが依頼書のひとつを見せる。

『村がゴブリンの襲撃を受けています!
 至急、救援に来て下さい!

 ゴブリンの数は6匹ほどなのですが、いつも集団行動していてやたらと力が強く、最も大きな被害ではゴブリン達によって家が一軒倒壊させられました。怪我人も多く出ていますし、毎日のように略奪行為を繰り返されており、このままでは村は全滅してしまいます!
 村へ来て下さる冒険者の方々のために村までの食料を依頼書と一緒に冒険者ギルドに預けておきますので、一刻も早く、冒険者を派遣して下さい。宜しくお願いします!』

「そういうわけで、なるべく急いで村へ向かってやってくれ。村までは片道二日って所だ。コイツが預かってる食料だ」
 おやっさんが依頼書の控えと食料の入った袋を渡してくれる。
「しかし、ゴブリン6匹に村が壊滅の危機なぁ? この依頼書じゃ、家を倒壊させるほどの力を持ってるらしいし、ホブゴブリンなんじゃねぇかと思うんだが‥‥。まあ、村人にとっちゃゴブリンでもホブゴブリンでも驚異に変わりないか」
 こうして、新たな依頼を受けた冒険者達であった。

●今回の参加者

 ea0403 風霧 健武(31歳・♂・忍者・人間・ジャパン)
 ea1598 秋山 主水(57歳・♂・侍・人間・ジャパン)
 ea2194 アリシア・シャーウッド(31歳・♀・レンジャー・人間・イギリス王国)
 ea3468 エリス・ローエル(24歳・♀・神聖騎士・エルフ・イギリス王国)
 ea3799 五百蔵 蛍夜(40歳・♂・志士・人間・ジャパン)
 ea3827 ウォル・レヴィン(19歳・♂・ナイト・エルフ・イギリス王国)
 ea5876 ギルス・シャハウ(29歳・♂・クレリック・シフール・イギリス王国)
 ea5898 アルテス・リアレイ(17歳・♂・神聖騎士・エルフ・イギリス王国)

●リプレイ本文

 依頼を受けた冒険者達は早速、村へと出発する。
「五百蔵さん今回もよろしくお願いします。他の方は初めまして、見た目はレンジャーの様ですが、神聖騎士のエリスと申します」
 そう挨拶する神聖騎士エリス・ローエル(ea3468)。
「エリス君とはもう三度目だな。それから、お侍に‥‥忍者か? 珍しいな。よろしく頼む」
 志士の五百蔵蛍夜(ea3799)。挨拶がてら自己紹介していく。
 忍者の風霧健武(ea0403)、侍の秋山主水(ea1598)と今回の依頼に集まった冒険者達の中にはジャパン出身の者が多い。
「僕はギルス。小さき者達の伝道師、ギルスです」
 クレリックのギルス・シャハウ(ea5876)。銀色の蝶の羽を持つシフールである。

 そして無事、村へと到着する。
 村には連日の襲撃の痕跡がまざまざと残っている。
「私たちが来たからには、もうヤツらの好きにはさせないよっ」
 村人達を励ますレンジャーのアリシア・シャーウッド(ea2194)。
 期待の眼差しを向ける村人達。
 そして、これまでの襲撃の手口などを尋ね、情報収集する冒険者達。
 ゴブリン達の武器は斧。襲撃してくる時間帯はまちまちのようだ。
 襲撃に来る方向もだいたい特定できた。そちらの方にアジトがあるのかもしれない。
 これ以上、村に被害を出さない事を最優先に考え、落とし穴を設置してゴブリン達を迎え撃つことにした。
 また、ゴブリンとの決戦に備え、
「村人達は絶対俺達が守るぜ!」
 村の中心の一箇所に避難してもらうよう呼びかけるナイトのウォル・レヴィン(ea3827)。

 落とし穴の設置は、隠密系スキルを持つ風霧やアリシアが中心になる。
「ま、こんなところかの? 偽装は得意な者に頼むとしよう」
 木工スキルを持つ主水は、落とし穴の蓋の骨組み担当である。
「うまく行けばいいですね」
 穴掘りを手伝いつつ、笑顔で話しかける神聖騎士アルテス・リアレイ(ea5898)。
「ああ、上手く嵌ってくれると有難いんだがな」
 相槌を打つ蛍夜。
「ふむ。これを穴の中の藁に染み込ませるのだな?」
 エリスから油を受け取りつつ、主水。
 底に油を染み込ませた布や藁を敷きつめるのである。

 また、一軒の屋根の上を狙撃地点として確保する。
 更に、矢に油を染み込ませた布を巻き、火矢の準備もする。
「こんな時でなければ景色を堪能するのだがな?」
 屋根に縄はしごを掛ける風霧。
「ふふっ、そうだね☆」
 相槌を打つアリシア。この二人もこれまで共に冒険をこなし、同い年と言うこともあってか、それとなく仲も良くなっているようだ。
「これを置いておく。足りなくなったら使ってくれ」
 多めに準備しておいた矢を狙撃地点に置く風霧。
「もしかしてお邪魔だったかな? でも神様はいつでもじ〜っと見守ってるけどね」
 穴掘りで出た土を目潰しに使えないかと袋に入れて運びあげていたギルスであった。

 運良く、準備完了まで襲撃は無かった。
「さて、いつもと同じ方から来ると良いんですけど」
 見張りを始めるエリス。
 交代で見張りを担当し、念のため別の方向にも気を配る。
「神様が僕の戦いをじ〜っと見ているんだ。頑張るぞ」
 高めに飛んで様子を見るギルス。
 そして斥候に出る風霧。
 ほどなくして、風霧は村へと向かう集団を発見したのだった。
 気付かれぬよう、仲間達への合図を送り、自らも仲間と合流すべく戻る風霧。

「来た来た、き〜た〜」
 風霧からの合図を見たギルスが仲間達に知らせる。
 知らせを受け、数本の矢に『バーニングソード』を付与する蛍夜。
「あまり長くは保たないからな、惜しまず撃てよ?」
 そう言い、続けて鞭と刀に『バーニングソード』を付与。さらに『フレイムエリベイション』をかけて戦闘準備完了だ。
 縄はしごを降りて敵の到来を待つ。
 主水も刀と盾を地面に置き、『オーラボディ』を纏う。そして再びそれらを手に取ると、木陰に身を隠す。
「うまくやってくれると信じてるぜ」
 ギルスに松明を渡すウォル。
 やがて森を抜け、ゴブリン達が姿を現す。モンスター知識を持つ者には勿論、それがホブゴブリンだと分かる。話通り六匹だ。
「や〜いや〜い、ほぼゴブリン。頭が足りないか〜ら、ほぼゴブリン♪」
 ホブゴブリンをからかうように火のついた松明をかざすギルス。
「ホブゴブ!!」
 なんとなくバカにされたことが分かったのか、怒っているようだ。
「〜♪」
 さらに後ろに隠れて横笛を吹き、ホブゴブリン達の気を引くアルテス。
 真っ直ぐに追いかけてくるホブゴブリン達。
 その先に待つのは‥‥
「ホブゴブ!?」
 前を走っていた二匹のホブゴブリンが落とし穴に落ちる!
 油を染み込ませた布や藁を敷きつめた落とし穴に。
 そこへ火のついた松明を落とすギルス。
「ホブー!!」
 燃えさかる炎に苦しむホブゴブリン。驚いた他のホブゴブリン達は、炎の周囲でおろおろしていたが、すぐにギルスに敵意を向ける。
「予定通りの展開になりましたね」
 そこへエリスら狙撃チームが火矢を射掛ける!
「業火に焼かれ、悪行の報いを受けろ」
 するすると縄はしごを昇り、狙撃チームに加わる風霧。

 ギルスを追いかけてきたホブゴブリン達の前に、
「たとえ誰が相手でも‥‥絶対に臆したりしない。いくよッ!」
 クルスソードを抜き、立ちはだかるアルテス。
 主水、蛍夜も続く。
「オーラショット!」
 距離を保ちつつウォルが援護する。
 初めて使うシールドの使い方を探るかのように、防御に専念する主水。
 炎の鞭を振るう蛍夜。それを絡みつかせた刹那!
「装破斬!」
 炎の刀で『バーストアタック』!
 粗末な造りのホブゴブリンの斧があっさり壊れる。
 また、炎の落とし穴から何とか這い出して来たホブゴブリンと、荷物置き場から戻ってきたギルスが鉢合わせ。
「も〜えろよ、もえろ〜よ〜」
 取ってきた油を上空から振り掛ける!
「ホブ〜」
 転がり回って、なんとか火を消そうとするホブゴブリン。
 そこへ更に狙撃チームの集中攻撃が降り注いだのだった。
「アリシア、奴等の目を射抜けるか?」
 そう問う風霧。
「ちょっと難しいかも‥‥でも」
 多くのCOを持つアリシアだが、目を射抜くとなると『シューティングPA』が必要になる。だがしかし『ダブルシューティング』などを駆使しての連射で、立て続けにダメージを与えていく!
「前衛の皆さん援護します」
 エリスも前衛と対峙するホブゴブリンに射撃を開始する。
「ホブゴブ!」
 防御に専念する主水と降り注ぐ矢に業を煮やしたホブゴブリンが『スマッシュ』!
 それをライトシールドで受けつつ『カウンターアタック』を仕掛ける!
「これが欧州の戦士が使うシールドか‥‥。なるほど、これの使い方を研鑽すれば一流興すことも出来るやもしれぬな」
 倒れゆくホブゴブリンを前にその性能を実感する主水であった。

 仲間の射線に配慮しつつ、ホブゴブリンと戦うアルテス。
 大振りの『スマッシュ』は見切っていたが、
「くっ、まだまだ!」
 ホブゴブリンの一撃を喰らう。『スマッシュ』でなくとも、その威力は侮れない。
「神様がじ〜っと見ていますよ。頑張ってくださいね‥‥リカバー」
 そう励ましながら癒しの魔法を掛けるギルス。
「ホブゴブ!」
 狙撃チームに石を投げて応戦するホブゴブリン。
「アリシア、エリスはそのまま射撃に専念しろ。‥‥俺が護ってみせる」
 短刀を出すと『ミサイルパーリング』で石を叩き落す風霧。
 すかさずアリシアが矢を射返す。
「コンビネーションばっちりだね☆」
 そう言ったのも束の間。
「最後まで油断めされるな!」
 檄を飛ばす主水。
 今度はホブゴブリンが家の軒下に入り、家そのものを叩き壊そうとしてくる!
「‥‥これは危険ですね」
 息を呑むエリス。
「家を壊すなんて!子供達の安らげる場所になんてことするんだ、許さないぞ」
 戻ってきたギルスが、ホブゴブリンに砂袋を投下する。
「ホブッホブッ」
 むせるホブゴブリン。
「そこまでだーっ!」
 『オーラショット』を撃ち込むウォル。
 そして接近戦に持ち込んで気を引く。

 冒険者達も無傷とは言えなかったが、ホブゴブリン達は少しずつ数を減らしていき、
「コレで‥‥おわりっ!」
 最後の一匹にトドメの矢を放つアリシア。
「覚えておきな、武器ってのは力任せに振るだけが能じゃないんだ‥‥おっと、もう覚えても役立てられないか」
 刀を鞘に収める蛍夜。
 冒険者達の勝利である。
 エリスとギルスが傷を負った仲間に『リカバー』をかけていく。
「ちゃんと回収しないと‥‥☆」
「まだ物を無駄にできる身分ではありませんからね」
 まだ使える矢を回収するアリシアとエリスであった。

 まだ燃えている落とし穴の火を消し、穴を埋めるなどといったケアも冒険者達は忘れなかった。
 そして、無事ホブゴブリンを退治したことを報告。
「神様はいつでも、あなた達をじ〜っと見守っていますからね、じ〜っと」
 ニッコリ微笑むギルス。
「ありがたやありがたや‥‥」
 村人達が拝んでいる。
「良ければ復旧も手伝うぜ」
 そう申し出るウォル。
「ありがたやありがたや‥‥」
 また村人達が拝んでいる。
 こうして期日まで村の復旧を手伝い、村人達に感謝されつつ、村を後にする冒険者達。
 彼らがいずれ英雄と呼ばれる日が来ることを願っている。