鬼の住まう村
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■ショートシナリオ
担当:紅茶えす
対応レベル:2〜6lv
難易度:やや難
成功報酬:2 G 3 C
参加人数:8人
サポート参加人数:-人
冒険期間:10月24日〜10月29日
リプレイ公開日:2004年10月26日
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●オープニング
そこは小さな村だった。
秋の収穫を喜んでいた矢先に、ヤツらはやってきた。
「お、お、オーガだーっ!」
2m強あるオーガ達の出現により、村はパニックに陥った。
小さな村にオーガに対抗できる者など居るはずもなく、蹂躙されるがままの村。
そこで機転を利かせたのは村長だった。
貢ぎ物として食料を差し出し、暴れるオーガを辛うじて止めることに成功したのだ。
「今の内にキャメロットへ使者を出すのじゃ。冒険者達が来てくれるまで持ちこたえるにはこれしか無い‥‥」
村の命運を託された若者は、キャメロットへと走った‥‥。
ここは冒険者ギルド。
冒険者達が仕事の斡旋を求めて集う場所である。
「仕事の斡旋か? 急ぎの依頼があるんだが引き受けてくれないか?」
冒険者ギルドのおやっさんが依頼人の若者を紹介する。
「オイラ、キャメロットから二日ほど離れた村から来たです。村にオーガ達がやってきて、今は食料を差し出すことでなだめてるんだけども、あんなのにいつまでも居座られたら村が滅んじまうです!」
必死に村の状況を話す若者。
「オーガは三匹居るです。その中でも一匹偉そうなヤツが居て、素人目に見ても他の二匹より強そうだったです」
「いわゆるオーガ戦士ってヤツだろうな。並のオーガとは比べものにならない強敵だぞ。
さあ、彼と一緒に急いで村へ向かってくれ! 食料の用意を忘れるなよ!」
若者の言葉に付け加えると、冒険者達を送り出すおやっさん。
こうして、新たな依頼を受けた冒険者達であった。
●リプレイ本文
依頼を受けた冒険者パーティ恒例の挨拶を交わし、信頼を築く冒険者達。
「やれやれ、やっかいな奴が居座ったものですね」
準備を整えている志士の夜枝月奏(ea4319)。
「イギリスで祭りがあると聞き、妹に会う為にノルマンからやってきた。こちらの冒険者ギルドはどんな物か見て帰るだけのつもりだったが、中々面白そうな依頼があるのでついこっちで依頼を受けてしまった」
彼女は神聖騎士ルクス・シュラウヴェル(ea5001)。
「オーガ二体にオーガ戦士が相手か。‥‥面白い。冒険に出てから、どの程度腕が上がったか測る絶好の機会だな」
装備を確認するナイトのシュナイアス・ハーミル(ea1131)。
「こないだはデビル、今度はオーガ、やれやれ、初めて相手にするのばっかりだなあ」
そう苦笑するレンジャーのアシュレー・ウォルサム(ea0244)。
「そういえば、俺もオーガと戦ったことないな。まぁ、いいさ。オークだろうとオーガだろうと叩っ斬ればただの肉の塊さ」
自信ありげにファイターのトール・ウッド(ea1919)。
こうして冒険者として様々な初めての経験を積んでいくのだろう。
「これだから男は」
やる気満々の連中を見てナイトのクリオ・スパリュダース(ea5678)が呟く。
馬で先行して少しでも早く着くようにするルクス。
まず、救援として来た事を伝えて村人達をもう少しの辛抱だと励まし、仲間達が到着するまでの間に、近くの森で毒草や毒キノコを探してみる。
彼女は植物・毒草とも専門的な知識を持っていた。
わずかな時間では劇的な効果を持つような毒物は見つからなかったが、
「アテにはしない。効けばラッキーという所だ」
少しは効果の期待できそうな物をオーガへの貢ぎ物に混ぜ、村人達に託すのだった。
やがて冒険者達も村へと到着。
道中、オーガ討伐の綿密な打ち合わせをしてある。
角から銅鏡でオーガの様子を覗くクリオ、隠密スキルを活かして観察するアシュレー。
オーガ達は村の広場に陣取り、宴会さながらに貢ぐ物を食い荒らしている。
食べ終えるのを見計らって仲間達に合図を送る。
「‥‥焔の牙!」
自らの刀とクリオのレイピアに『バーニングソード』を付与する奏。
『オーラエリベイション』『オーラボディ』を掛けた後、『オーラパワー』を仲間達にも付与していくクリオ。
『オーラエリベイション』『オーラパワー』を発動させるシュナイアス。
「‥‥焔の覚醒!」
さらに『フレイムエリベイション』を発動させる奏。眼光が鋭くなり焔の照り返しで瞳孔が紅く光っているように見える。
三班に別れた冒険者達は、分担してオーガとオーガ戦士に挑む作戦である。
準備が整ったところで、アシュレーが『シューティングPAEX』で狙撃!
「ウガッ!?」
オーガの片方へ見事に命中!
それを合図に、三位一体攻撃を仕掛けるべくトールが捨て身で切り込み、奏がそれに続く速攻。攻撃力重視の編成。
「さぁて、飯も終わったようだし食後の運動と行こうぜ。遊んでやるよ、来な!」
オーガ戦士を指差し、喉元掻っ切って倒すのゼスチャーをする浪人の陸奥勇人(ea3329)。かかってきな、とばかりに指で招く。
オーガ戦士を担当するシュナイアス&勇人&ルクスは持久力重視の編成。仲間達がオーガを倒すまでオーガ戦士を抑え込む事が目的である。
ファイターのレイナ・フォルスター(ea0396)&クリオは、もう一体のオーガを挑発して建物や井戸等の障害物のある位置を選び、敵の分断をはかる。
合流させないよう敵の間に割り込む立ち位置をとるレイナ。
「私の切っ先は蛇のように長いよ」
挟撃するようにクリオが立ち、燃えるレイピアをクルクル回して気を引き、更にレイナが背後から襲われないよう目を光らせる。
そして、二人は無理はせずに時間稼ぎに徹するのだった。
間に入ってオーガと戦っている者は、オーガ戦士から見れば背を向けている形になるため、いざと言う時にはカバー出来るような位置を取るように気を配り、防御姿勢になるシュナイアス。オーガ戦士の攻撃をジャイアントソードで受け、弾き返していく。
「これでも身は軽くてな。軽業師は伊達じゃねぇ」
刀で斬りつけつつ、紙一重でかわしていく勇人。
スキをついて『コアギュレイト』で動きを封じようとするルクス。
「ウガァッ!」
しかしオーガ戦士は魔法に抵抗し、鋭い攻撃を返してくる。流石の二人も全ては防ぎ回避し切れないが、負傷してもすぐにルクスの『リカバー』によって回復し、持ちこたえる事ができていた。
「切る!伐る!斬る!KILL!!」
保身なき接近戦を敢行するトール。まるで狂戦士の如く『スマッシュEX』の連撃を放つ!
「『深き森』の者として貴様らには負けられない!」
『フェイントアタック』でオーガを翻弄し、捨て身のトールへ攻撃させないよう囮となる奏。
さらにアシュレーの『シューティングPAEX』が飛び、
「貴様は‥‥ここで仕留める!」
続く奏の斬撃がトドメとなってオーガが倒れる。
一体目のオーガを倒したアシュレー&トール&奏は、レイナ&クリオの援護にまわる。
「スキが多すぎるんだよ!」
再び『フェイントアタック』でオーガを引きつける奏。そして、
「さすがオーガ‥‥しんどいの何の」
防御に回っていたレイナも『スマッシュ』を仕掛ける!
一撃喰らわせると、後は任せて一足先にオーガ戦士組の援護に向かうレイナ&クリオ。
「地獄に堕ちろぉぉぉぉ〜!」
更に命を捨てた足音を響かせ、死を撒き散らす鉄塊を振るうトールの前に、
「ウガ〜〜っ!」
オーガの断末魔が響く。
残るはオーガ戦士のみ。
「さすがはオーガ戦士ってとこか。だがな、俺も駆け出しの頃たぁ一味違う。今度は退かねぇぜ!!」
そう叫んで一歩も退かない勇人。
レイナ&クリオが駆けつけた事で少し余裕ができ、ルクスの『リカバー』でダメージが深刻なレベルになる前に回復する事が出来ていた。
「閃光の射手の称号は伊達じゃないのを教えてあげるよ!!」
遠距離からアシュレーの『シューティングPAEX』による援護射撃がオーガ戦士を捉え、続いてトール&奏が切り込んでくる!
一気に攻勢に出る冒険者達。
「ウガーッ!!」
それでも奮戦するオーガ戦士の顔色に一瞬かげりが見える。
一服盛ったのがようやく効いてきたのか、オーガ戦士が腹を押さえた所で、
「我が魔法にてオーガ戦士の動きを止めよ。‥‥コアギュレイト!」
そのポーズのまま、ルクスの魔法で動きが止まる。
そのスキを見逃さず、『スマッシュEX』などの大技を叩き込む冒険者達。
「体は頑丈でも鍛えられねぇ場所はある‥‥俺の、いや俺たちの勝ちだ」
「‥‥大した強さだった。冒険者になってからこれだけ楽しめたのははじめてかも知れん。‥‥礼を言う」
ここまで手こずらせたオーガ戦士に敬意を表する勇人とシュナイアス。
「ふぅ、なんとかなったな」
感情の高ぶりから元に戻った奏が汗を拭う。
「後は村の人達に勝利を知らせるだけね」
レイピアを鞘に納めるクリオ。
「悪いけど‥‥その角‥‥貰うわよ」
証としてオーガの角を切り落とすレイナ。
「鬼殺しの証だ。首、取らせて貰うぜ」
シンボルとも言える角を失ったオーガの首を掲げる勇人。
角と首、共に戦利品として狩った獲物は持ち帰れないものの、心の問題だ。記憶には狩った数として刻まれた事だろう。
冒険者達によって、村はオーガ達の脅威から解放されたのだ。
「所詮、俺は薄汚い『戦争の犬』さ」
足早に去るトール。‥‥ここはもう彼の居場所ではない。
「オーガに食われた食料の代わりになればいいんですけど‥‥」
大量に買い込んできていた保存食を渡すアシュレー。
「何から何まで有り難い事ですじゃ」
代表して受け取り、感謝する村長。
「他に怪我人が居たら診ますよ」
村人の治療に当たってからキャメロットに帰るつもりのルクス。少しは薬草も調合していこうと考えている。
そして、それぞれの帰路に着く冒険者達。
「ふう、この依頼が終わったらノルマン行くからなあ‥‥帰ってきたときにはまた紅茶男爵の紅茶を飲みに行きたいよ」
新たな旅立ちを考えているアシュレー。
「人生楽しんだ者勝ちってね♪」
充実した達成感を胸にレイナ。
いずれ彼らが英雄と呼ばれる日が来ることを願っている。