強敵トロルを退治せよ!

■ショートシナリオ


担当:紅茶えす

対応レベル:3〜7lv

難易度:やや難

成功報酬:2 G 46 C

参加人数:8人

サポート参加人数:-人

冒険期間:11月28日〜12月05日

リプレイ公開日:2004年12月01日

●オープニング

 ここは冒険者ギルド。
 冒険者達が仕事の斡旋を求めて集う場所である。
「仕事の斡旋か? この依頼を受けてくれないか?」
 いつものように冒険者ギルドのおやっさんが依頼書のひとつを見せる。

『最近、村の近くの森でデッカイ青銅色の巨人を見たという猟師が何人かおりまして。
 しかも、森の中で貪り食われたような獣の死体をみかけるようになったとのことで、いつか村人も襲われるんじゃないかと怯えております。
 村一番の物知り爺さんの話では、トロルという巨人だそうです。
 なんとか退治してもらえんもんでしょうか?』

「トロルってーと、かなり強いクリーチャーだな。確か、再生能力を持ってたと思うんだが、どうだったかな‥‥?」
 頭を捻るおやっさん。
「まあ、おまえさん達なら任せても大丈夫だろう。しっかり頼むぞ。
 村までは片道三日ほどだ。村で一日泊めてくれるってさ。往復六日分の食料は用意しておけよ」
 こうして新たな依頼を受けた冒険者達。
 無事、トロルを退治することが出来るだろうか?

●今回の参加者

 ea0043 レオンロート・バルツァー(34歳・♂・ファイター・人間・フランク王国)
 ea0340 ルーティ・フィルファニア(20歳・♀・ウィザード・エルフ・ロシア王国)
 ea0385 クィー・メイフィールド(28歳・♀・ファイター・人間・ノルマン王国)
 ea0923 ロット・グレナム(30歳・♂・ウィザード・人間・イギリス王国)
 ea1749 夜桜 翠漣(32歳・♀・武道家・人間・華仙教大国)
 ea3329 陸奥 勇人(31歳・♂・浪人・人間・ジャパン)
 ea3970 ボルジャー・タックワイズ(37歳・♂・ファイター・パラ・ビザンチン帝国)
 ea5678 クリオ・スパリュダース(36歳・♀・ナイト・人間・ビザンチン帝国)

●リプレイ本文

 早速、依頼の村へと向かう冒険者達。
 道中、狩りや木の実を取るなどして食料を賄う提案をする武道家の夜桜翠漣(ea1749)。移動の妨げにならない程度にだが、倹約するに越したこともない。
「こんどのあいてはトロールだ〜。強いぞ、でかいぞ、あっおいぞ〜。
 パラの戦士はちっちゃいけれど、大きなハンマーでやっつける〜♪」
 鼻歌交じりにファイターのボルジャー・タックワイズ(ea3970)。強敵と戦えるのをわくわくしている様子である。

 村へと到着した冒険者達は、聞き込みをしてトロルの出現場所を絞り込む。
「ちなみに相手は1体だけか? 2体以上一緒にいるのを見てるんだったら先に言ってくれよ」
「見たのは1体でした」
 浪人の陸奥勇人(ea3329)に尋ねられ、村の猟師が答える。
 そして森へと入った冒険者達は、対トロル戦用に落とし穴を掘る事にした。勇人の提案で、太い樹の下を選ぶ。
 足跡などを調べ、トロルの大きさ等を予想し、落とし穴掘りに役立てる翠漣。
「今回はとにかくトロルを倒せばOKっと‥‥単純ではあるけど、相手が相手だけに楽じゃないな」
 手伝いながらウィザードのロット・グレナム(ea0923)が呟く。
 同じくスコップを手にファイターのレオンロート・バルツァー(ea0043)。
 あまり時間は掛けられなかったが、ひとまず落とし穴が完成した。
 仕上げに、厳重に包まれた何かをバックパック取り出すウィザードのルーティ・フィルファニア(ea0340)。それは『強烈な匂いの保存食』だった。それを落とし穴に設置する。
「う゛ぅ‥‥、臭い‥‥。こんなモノに寄ってくる生き物の正気を疑いますよ‥‥」
 手に入れたは良いが早く処分したい。折角だから有効利用を、といった所だろうか?
 ロットもそれに倣って『強烈な匂いの保存食』を設置し、冒険者達はそれぞれ身を隠すのだった。

 暫くして、匂いに釣られたのか、トロルが出現する。
「トロルを見るのは初めてやなー。どうやったらあんなに大きくなれるんやろ? ちょっとくらい身長分けて欲しいわー‥‥」
 遠目にトロルを確認したファイターのクィー・メイフィールド(ea0385)が溜息をつく。
 そして戦闘準備を調えておく冒険者達。
 ナイトのクリオ・スパリュダース(ea5678)は刀と盾を置いて身軽になると、翠漣が手分けして『オーラパワー』を仲間達に掛けていく。
 さらにクリオは『オーラエリベイション』と『オーラボディ』を掛け、刀と盾を手にとって自らを最高の戦闘状態にしておく。
 翠漣から『SCROLLofバーニングソード』を受け取り、その力を翠漣の龍叱爪へ解き放つルーティ。続いて自分に『レビテーション』を掛けておく。
 そして戦闘中、仲間達との意思疎通できるよう『オーラテレパス』を掛けておく翠漣。
「トロルか〜。ジャイアントソードの試し切りには丁度良いな」
 買ったばかりのジャイアントソードをうっとりしながら見つめるレオンロート。
「食べ物で釣れる辺り、野鳥もトロルも変わらんなー。‥‥トロルは煮ても焼いても食べられそうにないけどなー」
 肩をすくめるクィー。

「モガ〜ッ♪」
 やがて、『強烈な匂いの保存食』を発見したトロルがドスドスと駆け寄って、
 ズボッ!
 落とし穴を踏み抜き、体勢を崩す。
「トロルか。初見だが、相当手強そうだな。楽しみだぜ」
 樹の上で待機していた勇人が投網を投げかけたのを合図に戦闘開始だ!
 まず『レビテーション』の効果で安全圏まで上昇しておくルーティ。
「トロルが強いかパラの戦士が強いか勝負だ!!」
 ラージハンマーを構えるボルジャー。
 投網と落とし穴にもがくトロルへ、一斉攻撃を仕掛ける冒険者達。
「貴様に、人を超える力が有ろうとも俺は負けん!!」
 ジャイアントソードで斬りかかるレオンロート。
 仲間達の渋滞や事故を避けるために声をかけ、
「とはいえ、避けろと言われて避けれるほど身軽じゃないな」
 ミドルシールドを構えてトロルを引きつけるクリオ。
「でっかすぎると大変そうやなー。こっちがガラ空きやで!」
 クレイモアによる『スマッシュ』を撃ち込んでいくクィー。
「ウガーッ!!」
 暴れつつも落とし穴から脱出し、体勢を立て直そうとするトロル。
「‥‥ウォールホール!」
 その足元へ再び穴を開け、トロルの体勢を崩すルーティ。
 トロルが棍棒を持っていない側の立ち位置をなるべく維持し、攻撃が来ても『オフシフト』で避ける翠漣。
「っと、やるもんだ‥‥だが当たる訳にはいかねぇぜ!」
 同じくトロルの攻撃を『オフシフト』で避ける勇人。
 暴れるトロルをひたすら引きつけるべく、攻撃をするにも刃がトロルの視界に入るように、ちらちらと蛇がくねるような剣捌きをするクリオ。
「俺には、逆境に成れば成るほど燃え上がる不屈の闘志がある! この闘志、何人たりとも挫く事などできん!!」
 自らを鼓舞するようにレオンロート。
「小さいからって、おいらがやられると思うなよ!!」
 回避術を駆使しつつラージハンマー二連撃を叩き込んでいくボルジャー。
「別に恨みは無いけどこれも仕事だからな‥‥とりあえず、ちょっと痺れてもらうぞ」
 仲間達に声を掛けつつ、『ライトニングサンダーボルト』で巻き込まないようトロルの上半身を狙うロット。
 そして、螺旋の動きから体の捻りを活かして『猿惑拳』を撃ち込む翠漣。味方のためにバランスを崩したり隙を作ることを目的とした攻撃である。
「思った以上にしぶといけど‥‥不死ってわけじゃない。それならもっと大物モンスターになってるはずさ、こいつは。バラバラにすればさすがに死ぬだろう」
 結果的に一身にトロルの攻撃を受けたクリオは、さすがに無傷とはいかないまでも大きなダメージを受けてはいない。
「鬼さんこちら、手の鳴る方へってな」
 トロルの再生の様子を見つつ、撹乱するように刀で斬りつけていく勇人。
 みるみる傷が塞がっていくトロルだが、なぜか翠漣の『バーニングソード』による火傷だけが治っていないようだった。
 そこに集中攻撃を仕掛ける冒険者達。
「いくら再生能力があっても、人型は人型。痛いモノは痛いっと♪ 結局は力押しに頼るしかない魔物相手に遅れを取る私達ではありませんよ?」
 『グラビティーキャノン』の射線を確保し、仲間達を援護するルーティ。
 それに連携して、体勢を崩すように『スマッシュ』を叩き込むクィー。
「そんだけでっかいとバランス取るのも大変やろ!」
 余程、大きいヤツが嫌いなのだろうか。
「受けよ我が一撃!!」
 そしてジャイアントソードを大きく振りかぶるレオンロート!
 翻ったマントから露わになった筋肉が盛り上がる!
「この一撃に乗っているのは武器の重さで在らず、我が魂の叫びじゃ〜〜〜!!」
 絶叫しながら、一撃必殺『スマッシュEX』を力の限りトロルに叩き込む!!
「さあ、ここまでや。流石に頭は治せんやろ? これで‥‥仕舞いや!」
 さらにクィーの『スマッシュ』が頭を叩き割る!
「ウガ〜〜‥‥ッ!」
 執拗なまでの冒険者達の連続攻撃に、ついにトロルは断末魔を残して完全に動かなくなり、傷の再生も止まったようだった。

「アンタはちょっと食い意地張りすぎやなー。もうちょっと我慢してれば戦うこともなかったかもしれんのになー」
「わたしの経験、そして知識となる。貴方の死は無駄にならない」
 倒れたトロルへと言葉を掛けるクィーと翠漣。
「パッラッパパッパ! おいらはパラっさ!!
 パラッパパラッパ! おいらはファイター!!」
 勝利を喜び、歌って踊るボルジャー。相変わらずへたっぴぃなのは御愛嬌。
「念のため、その首を獲らせてもらうぜ」
 最早ボコボコになっているトロルの首を切り落とす勇人。彼の心に新たに倒した敵が刻まれる。
「ドクロにして飾れば、ちょっとした名物になるくらいの怪物じゃないかな」
 証拠として村へと届けるクリオ。
 こうして村へと迫っていたトロルの脅威は冒険者達によって取り除かれた。
「後ろを振り返ってる暇なんて無いんだよ」
 帰路に着いたロットが呟く。キャメロットへ戻り、また新たな冒険を探すことになるのだろう。
 いずれ彼らが英雄と呼ばれる日が来ることを願っている。