グールグールまーわる?

■ショートシナリオ


担当:紅茶えす

対応レベル:3〜7lv

難易度:やや難

成功報酬:2 G 4 C

参加人数:8人

サポート参加人数:-人

冒険期間:12月14日〜12月19日

リプレイ公開日:2004年12月16日

●オープニング

 ここは冒険者ギルド。
 冒険者達が仕事の斡旋を求めて集う場所である。
「仕事の斡旋か? この依頼を受けてくれないか?」
 いつものように冒険者ギルドのおやっさんが依頼書のひとつを見せる。

『最近、村の墓地が荒らされて困っております。
 墓守が夜中、ズゥンビのようなものが死体を掘り起こして貪り食っているのを見たと言って寝込んでしまいました。
 村の衆も怖ろしくて、墓地には近づかないようにしています。
 ヤツらが墓地の死体を食い尽くし、いつか村人を襲うのではないかと村で噂になっているのです。
 村人に被害が出る前に退治して下さい』

「死体を食うズゥンビ‥‥? もしかするとグールってヤツかもしれねぇ。だとしたらズゥンビなんて比較にならねぇバケモノだぞ。行ってくれるか?」
 依頼書の控えを差し出すおやっさん。
「村までは片道二日ほどだ。村で一日泊めてくれるらしいから、それで解決してやってくれ。往復四日分の食料は用意しておけよ」
 こうして新たな依頼を受けた冒険者達であった。

●今回の参加者

 ea0321 天城 月夜(32歳・♀・浪人・人間・ジャパン)
 ea0601 カシス・クライド(27歳・♀・ファイター・人間・ノルマン王国)
 ea0966 クリス・シュナイツァー(21歳・♂・ナイト・エルフ・イギリス王国)
 ea2578 リュウガ・ダグラス(29歳・♂・神聖騎士・人間・イギリス王国)
 ea3098 御山 閃夏(31歳・♀・浪人・人間・ジャパン)
 ea3486 オラース・カノーヴァ(31歳・♂・鎧騎士・人間・ノルマン王国)
 ea5021 サーシャ・クライン(29歳・♀・ウィザード・人間・フランク王国)
 ea7050 ピアレーチェ・ヴィヴァーチェ(29歳・♀・神聖騎士・人間・ビザンチン帝国)

●リプレイ本文

 依頼を受けた冒険者パーティ恒例の挨拶を交わし、信頼を築く冒険者達。
「いぇ〜い、我こそは『堅牢なる戦乙女』! ピアレーチェ・ヴィヴァーチェだよっ。ピアって呼んでね〜☆」
 元気よく自己紹介する神聖騎士ピアレーチェ・ヴィヴァーチェ(ea7050)。
「神聖騎士のリュウガ・ダグラスだ、よろしく頼む」
 続いて神聖騎士リュウガ・ダグラス(ea2578)。
「死体を食べるなんて‥‥私たちには想像もつかないね。とにかく、こういうのは許しちゃおけないよ」
 意気込むウィザードのサーシャ・クライン(ea5021)。
「死食鬼‥‥直接当たるのは初めてだね‥‥」
 大きな胸をサラシで潰して固定している浪人の御山閃夏(ea3098)。目標でもある兄に手傷を負わせたという話に少し緊張気味である。
『モンスター何匹かわからん、報酬安くねぇか?』
 ゲルマン語で話すファイターのオラース・カノーヴァ(ea3486)。イギリス語は修得していないが、ファイターのカシス・クライド(ea0601)、サーシャ、リュウガらが通訳可能なので、不自由する事は少ない。
 それほど余裕のある村では無いだろうが、期間と実力を考えれば適正な報酬である。

 目的地の村へと向かう道中。
「今回はグールってゆーアンデッドが相手らしーねぇ。‥‥グール君って、つおい?」
 首を傾げるピア。老若男女モンスター含めて『君づけ』らしい。
「グールについて詳しく情報を知りたいのだが、誰か知っていたら教えてくれ!」
 そう尋ねるリュウガだが『ズゥンビに似ているが遙かに強い』と、それ以上に詳しく知る者はいなかった。
「なるほど‥‥、後は実際に戦って認識するしかないな。ありがとう」

 村付近から念のため警戒していた冒険者達だが、何事もなく到着することができた。
 グールを警戒してか、閑散とした雰囲気の村である。まず村を一回りする冒険者達。
『今日一日は外出を控えるよう頼んでくれ』
 そう仲間に通訳してもらうオラース。
「‥‥もしあれば、譲って頂けないでしょうか?」
 また、村で古くなって使えない肉を譲って貰うカシス。少量ではあるが集める事が出来たようだ。
「まだ村人に被害は出ておらぬようでござる」
 ほっとしたように浪人の天城月夜(ea0321)。
「背負ってみせる。己が視界の全ての人を」
 使命感に燃えるナイトのクリス・シュナイツァー(ea0966)。
『アンタ、いいヤツだな!』
 オラースの言葉の通訳を聞いたクリスは少し照れていた。

 墓地へと向かう冒険者達。
 『デティクトアンデット』を掛けて、グールの出現に備えるピア。
「肉を好むのであれば拙者ら自身が餌であり囮に為れる」
 納刀したまま、回りに気を巡らしつつ進む月夜。
「グール君の好きそうなエサを置いて待ち伏せしてるとこに誘き寄せて、纏めてやっつけちゃおう! ってな、感じだね!」
 説明有り難うピア。
「‥‥グールの悪食っぷりを、思う存分見せて頂くとしましょう」
 墓地の少し広い所に古い肉を設置するカシス。
 そして辺りを警戒し、
「どこから、襲撃してくるか分からないので結界を張るぞ!」
 リュウガの言葉で密集して円陣を組み、身を隠す冒険者達。
「再現の神、大いなる父の力を持って聖なる結界をここへ! ホーリーフィールド!」
 目に見えない聖なる結界が彼らを包む。
「エサに釣られてグール君が来たら戦闘だね」
 ラージフレイルとリュートベイルを構えているピア。そこで、『デティクトアンデット』に反応があり、グールが二匹出現する。
「「Gu〜Ru〜♪」」
 美味そうな肉を見つけたと喜んでいるのだろうか、グールが何を考えているかなど推し量ることは出来ないが、彼らはグルグルとまわりを回ってから、ついに肉にかぶりつく!
 そこへ、中心にサーシャを置く円陣を組んだまま襲いかかる冒険者達!
「「Gu〜Ru〜ッ!!」」
 現れた生者達を怨みがましい目で睨み付けると飛び掛かってくる!
 一撃目は、『ホーリーフィールド』によって防がれるが、同時に結界も消滅する!
『ヨォ腐れ鬼。初めましてだな』
 ジャイアントソードとライトシールドを構えるオラース。
 ラージフレイルをグルグル回すピア。
「さて‥‥見えるでござるかな。拙者の太刀筋が」
 『ブラインドアタック』による月夜の刀は瞬く間にグールを斬りつけ、次の瞬間には鞘に収まっていた。
『先に言っとくが、俺は手強いぜ‥‥』
 盾受けと、ジャイアントソードでの受けを駆使してグールの攻撃を捌くオラース。
「ここは通さない」
 グールの牙を盾で防ぎつつ、当たっても完全装備による『ガード』で弾き返すクリス。恐るべき防御力である。後衛にグールを近づかせない。
「お婆ちゃんみたいに‥‥、いつかはウインドマスターと呼ばれるためにも、こんなところで負けるわけにはいかないんだぁっ!!」
 後衛として『ウインドスラッシュ』で的確に支援攻撃していくサーシャ。
「再現の神、大いなる父の力を今ここ示し、邪悪なる敵を撃破せよ! ブラックホーリー!」
 聖なる力でグールを撃つリュウガ。
「その、死肉臭い口を、直に、閉じろ!」
 パリーイングダガーでグールの攻撃を受け流しつつ刀で斬りつけていく閃夏。
 そして、スキあらば『スマッシュ』を叩き込んでいくクリスとオラース。
「Gu〜Ru〜ッ!」
 『ブラインドアタック+ポイントアタック』で的確に急所を捉える月夜だが、痛みを感じないグールの牙は、その動きを鈍らせる事はなかった。
「くっ‥‥」
 恐るべき威力である。すぐさま『リカバーポーション』を飲んで傷を回復する月夜。
「グルグールカウンター!」
 『カウンターアタック』の体勢では、盾受けに失敗して噛みつかれるも、手痛い反撃をお返しする事には成功するピア。受けたダメージはリカバーポーションで回復だ。
「さてさて‥‥名前どおり、ぐるぐる振り回して差し上げましょうか」
 『オフシフト』を駆使してさえ回避困難な鋭いグールの牙で受けた傷をリカバーポーションで回復したカシス。
「あまり掴みたくない相手なのですが‥‥仕方ありません!」
 グールを掴んで『スープレックス』で振り回して投げる!
「‥‥吹けよ風、轟け嵐‥‥我に仇なす全てのものに裁きを! ‥‥トルネード!!」
 うまくグール二匹を密集させた所で仲間達に合図を送るサーシャ。竜巻がグールを持ち上げ、叩きつける!
 そこへ波状攻撃を仕掛ける冒険者達!
「全開でいくよ!!」
 『ダブルアタック』で閃夏が斬りつける!
「蒼穹の牙の一撃を受けて滅せよ!」
 『チャージング+スマッシュ』を叩き込むリュウガ!
「亡者よ還れ。肉は腐りて土に還り御心は天へ‥‥!」
 同時に月夜の『ブラインドアタック+ポイントアタック』でグールが一匹崩れ去る!
『絶対勝利〜ッ!』
 もう一匹にもトドメの一撃、オラースの『スマッシュEX』で真っ二つ!
 そして、墓地に静けさが戻った。

 グールの残骸は、念を入れて油を掛けて燃やす事にした冒険者達。
「村の付近にグールが出るなんて嫌でしょうし、しっかりと討伐してしまいたいです」
「‥‥もう、さすがにいないよね。実はまだいました、何てのはさすがに嫌だからね‥‥」
 その夜、グールの討伐漏れの無いよう見回るクリスとサーシャ。
 だが心配も杞憂だったのか、それ以上グールが出現することは無かった。
 グールがどこから来たのか調べてみる閃夏だが、発生原因などは解明できなかった。
「理屈では説明できないこともあります」
 そう呟くカシスであった。

 翌朝、報告を聞いた墓守も仕事に復帰するそうである。
「手伝うでござるよ」
 荒らされた墓地の手入れを手伝う月夜。
『知って行なわざるは知らざるに同じ‥‥だろ?』
「よっし、がんばるぞぉ!」
 それに倣うオラースとピア。
 結局、全員で昼頃まで手伝った後、村人達に見送られながらキャメロットへと帰還するのだった。
 いずれ彼らが英雄と呼ばれる日が来ることを願っている。

●ピンナップ

オラース・カノーヴァ(ea3486


PCツインピンナップ
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