目指せ賞金GET!『地下二階の門番』

■ショートシナリオ


担当:紅茶えす

対応レベル:4〜8lv

難易度:やや難

成功報酬:2 G 88 C

参加人数:8人

サポート参加人数:-人

冒険期間:01月18日〜01月23日

リプレイ公開日:2005年01月20日

●オープニング

 キャメロットから南西二日ほどの所にギルフォードという街がある。
 領主、紅茶男爵本邸の庭に出現した穴は、謎の地下迷宮へと繋がっていた。

 紅茶男爵は、この迷宮を全ての冒険者達へと開放し、探索を進めていた。
「冒険者達の様子はどうだ? 探索はあまり進んでいないようだが」
 冒険者達の作成した迷宮地図を眺めていた男爵が執事に話しかける。
「どうやら、地下二階を少し進んだ所に強力なモンスターが配置されているらしく、突破できないでいるようです。こちらがそれに関する報告です」
「ほほう‥‥悪魔をかたどった石像が突然動きだし、襲われた‥‥。おそらくガーゴイルと呼ばれるコンストラクトではないかと思われる。数は二体‥‥か」
 報告書に目を通す男爵。
「よし、このガーゴイルを倒した冒険者パーティに賞金を出そうではないか!」

 ここは冒険者ギルド。
 冒険者達が仕事の斡旋を求めて集う場所である。
「仕事の斡旋か? 紅茶男爵様からの依頼があるぞ」
 いつものように冒険者ギルドのおやっさんが依頼書を見せる。

『これはギルフォード男爵家本邸に発見された地下迷宮探索に関する依頼である。
 地下二階通路に配置されているガーゴイル二体によって探索が進められなくなっているのだ。このガーゴイルを撃破した冒険者パーティには報酬として賞金を出す事を約束しよう。
 見事達成した場合、共にティータイムを楽しみたいと考えている。良ければ、ガーゴイルとの戦闘や色々な冒険譚を聞かせてくれると嬉しい。
 ギルフォード男爵』

「迷宮のモンスターに賞金をかけるとは、紅茶男爵もイキな事をするなぁ。行ってみちゃあどうだい?」
 こうして、新たな依頼を受けた冒険者達。賞金GETなるか‥‥!

●今回の参加者

 ea0403 風霧 健武(31歳・♂・忍者・人間・ジャパン)
 ea3098 御山 閃夏(31歳・♀・浪人・人間・ジャパン)
 ea3329 陸奥 勇人(31歳・♂・浪人・人間・ジャパン)
 ea3647 エヴィン・アグリッド(31歳・♂・神聖騎士・人間・イギリス王国)
 ea3888 リ・ル(36歳・♂・ファイター・人間・イギリス王国)
 ea3970 ボルジャー・タックワイズ(37歳・♂・ファイター・パラ・ビザンチン帝国)
 ea5678 クリオ・スパリュダース(36歳・♀・ナイト・人間・ビザンチン帝国)
 ea7050 ピアレーチェ・ヴィヴァーチェ(29歳・♀・神聖騎士・人間・ビザンチン帝国)

●リプレイ本文

 同じ依頼を受けた冒険者同士、挨拶を交わしていく。
「俺は蒼天二刀流ファイターのリ・ル。リルでいいぜ」
 そう名乗るファイターのリ・ル(ea3888)。
「迷宮の怪物退治ね。これまでと趣きが違って面白そうじゃねぇか」
 不足しかけていた食料を買い足してきた浪人の陸奥勇人(ea3329)。
「今度の相手はガーゴイル〜。そして居場所は地下迷宮〜。
 パラの戦士は飛べないけれど、襲ってくれば叩いて落とす〜♪」
 鼻歌交じりに出発するファイターのボルジャー・タックワイズ(ea3970)。合唱するリル。
「ガーゴイルかぁ、空飛ぶ石像の化け物なんだよねぇ(ワクワク)
 硬いんだろーなぁ、強いんだろーなぁ☆(ウキウキ)
 早く会ってみたいなぁ♪(ドキドキ)」
 くるくる表情を変える神聖騎士ピアレーチェ・ヴィヴァーチェ(ea7050)。
 道中、何とも陽気な雰囲気である。
「今回はフレイルとホイップの二刀流だ。二本流か?」
 打撃武器の扱いに長けたボルジャーに教えを請うリル。
「前はおいらが優勢だっだけど今度はどうかな? 勝負だ!」
 早速、模擬戦などしたり。しかし、メンバーに回復魔法を使える者もおらず、仕事前に負傷するわけにも行かない。
「いつかシロクロつけようぜ、師匠」

 ギルフォード男爵邸の庭にある迷宮入り口へとやってきた冒険者達。出入りを管理する管理小屋で挨拶をしておく。
「で、何度も邪魔されてるなら、どの辺りで出てくるか判ってるんだろ? そこまでの地図を確認させてくれ」
 管理人に尋ニードルホイップねる勇人。冒険者達の作成した地図を借りることが出来た。
「ガーゴイルに遭うまでにどんな魔物が居たのかなども聞きたいのだが」
 地図を見ながら尋ねる忍者の風霧健武(ea0403)。
「冒険者達の報告書もあるぞ」
 管理人が資料を見せてくれる。内容は完璧とは言い難いが、参考にはなった。

 そして、迷宮に挑む冒険者達。
 前衛に出てランタンに火を灯す風霧。隠密行動の技能を活かして慎重に進む。
「で、途中にはズゥンビが湧いて出る、と。なるほど、ガーゴイルに行き着くまで油断大敵って訳だ」
 同じく前衛に立つ勇人。目の良さには自信がある。
 ボルジャーも前衛だ。ワクワクして歌いたくなるのを我慢している様子。
「この迷宮ってズゥンビがよく出るらしーね」
 曲がり角などで『デティクトアンデット』を掛けて警戒する中衛のピア。魔法を使う時は、ラージハンマーを脇に置いている。
「ガーゴイルの力とはどんなものかな‥‥楽しみだ」
 中衛の神聖騎士エヴィン・アグリッド(ea3647)。
「敵の攻撃を受け流すなら使い慣れた得物の方が良いかな?」
 左手にパリーイングダガーを持ち、中衛左翼を行く浪人の御山閃夏(ea3098)。
「相手が強敵なら尚更慣れた武器がいい」
 後衛から閃夏に頷くナイトのクリオ・スパリュダース(ea5678)。軽くレイピアを振ってみせる。
 そして、最後尾でランタンを持つリル。
 どこから敵が出現しても良いよう、警戒しつつ地下二階を目指す冒険者達。

 途中、ゴブリンズゥンビなどにも遭遇したが、
「アンデットと戦うのは初めてだぞ! パラの戦士が相手になるぞ!!」
 見事に回避しつつ、ラージハンマー二連撃を叩き込むボルジャー。
「死体は大人しく寝てるもんだぜ!」
 Gパニッシャーでズゥンビを殴り倒す勇人。
「邪魔だ、邪魔だ、邪魔だ」
 無表情なままGパニッシャーを振るい、
「‥‥ふぅ」
 溜息をつくエヴィン。
「死体ってのは宙から湧く物じゃないから、いくらなんでも限りがある筈だけどね」
 朽ちかけたゴブリンズゥンビの装備は、クリオの商人としての知識でも年代は特定できないが古い物であることは間違いない。少なくとも次々と新しいズゥンビが補充されていく事は無さそうである。
 結局、彼らにとってはザコと呼んで差し支えない程度しか出現しなかった。これと言った負傷も必要以上の魔力消耗も無いまま、地下二階への階段へと到達した。

 ガーゴイルが居るという通路までは、ほぼ一本道だった。
 それらしい石像が通路の両脇に置かれている。それぞれA、Bと呼称して、担当を決める冒険者達。
 A班、風霧、ボルジャー、リル、閃夏。
 B班、勇人、ピア、エヴィン、クリオ。
 戦闘準備として、『オーラエリベイション』『オーラボディ』を自分に掛け、『オーラパワー』を仲間達の武器に掛けておくクリオ。
「ガーゴイル粉砕作業開始といくか!」
 邪笑を浮かべ、『ミミクリー』で四肢を伸ばすエヴィン。
 ライトハルバードを構える勇人。通路と言っても、ガーゴイルが配置されているためか、広さは充分だ。
「先手必勝は兵法の常だ」
「これがガーゴイル? ただの岩にしちゃ、確かに‥‥」
 動き出す前に先制するべくガーゴイルAに突進する風霧とリル。
「「GAaaッ!!」」
 だが、先制攻撃を許すほどガーゴイルは甘くなかった。飛び上がり、鋭い爪で冒険者達を引き裂こうと襲いかかってくる!
「翼は無くとも、空での戦いようはあるってことだ。喰らえ!」
 壁を蹴っての三角跳びとライトハルバードのリーチを活かしてガーゴイルBに空中戦を挑む勇人!
「ガーゴイルが強いかパラの戦士が強いか勝負だ!!」
 ラージハンマーを構えて迎撃体勢になるボルジャー。
 刀とパリーイングダガーの二刀流で、ガーゴイルAの進路を塞ぐように位置取る閃夏。
「硬てぇなぁ。ガンツ氏はよくこんなものをきれいに削るよな。尊敬するぜ」
 ガーゴイルAをフレイルで殴りつけるリル。
「あれ? 岩っぽいけど岩とは違うみたい‥‥?」
 ガーゴイルBに『バーストアタック』を仕掛けたピアだが、どうやら効果がないようだ。
「来い‥‥その首叩き落として、漬け物石にしてやろう‥‥」
 襲ってくる軌道を読み、大斧を構える風霧。
「こいつ‥‥硬いだけ‥‥?」
 『ダブルブロック』を駆使し、ガーゴイルAの爪を受け流す閃夏。逆にスキを見て一撃喰らわせているほどだ。
「小さいからっておいらがやられると思うなよ!!」
 ラージハンマー二連撃を見舞うボルジャー!
「おっと、そうはいかないぜ」
 飛んで離れようとするガーゴイルAにチェーンホイップを絡みつかせるリル。
「おとなしくしてろ!」
 こちらはガーゴイルBにニードルホイップを絡みつかせるエヴィン。
 こうなると、冒険者達は一気に優勢になった。

 まず、ガーゴイルAがA班の集中攻撃を受けて動かなくなった。
「GAaaッ!」
 エヴィンのニードルホイップに拘束されつつも、抵抗するガーゴイルB!
 レイピアで爪を受けつつ、ステップしてピアの方へガーゴイルBを誘導するクリオ。
「単純なやつ」
 そのまま、攻撃目標をピアに変更するガーゴイルBに最後の言葉を掛ける。
「く・だ・け・散れぇぇえぇえぇぇぇえっ!!」
 気合いの声を発するピア!
 『ガード+カウンターアタック』のコンボでラージハンマーを叩き込まれ、文字通り砕け散るガーゴイルBであった。
「何か性格変わってきたな‥‥俺‥‥」
 無表情に戻るエヴィン。
「まぁ、こんなんでも一応倒した証明はあった方がいいか。その首、貰ってくぜ」
 得意の『オフシフト』を使うまでもなかった勇人。それだけ彼の回避術に磨きがかかっているという事である。
 そして冒険者達は地上へと帰還した。

 ガーゴイル撃破の報告を受け、紅茶男爵はティータイムの準備をして冒険者達を迎えてくれた。
「男爵くん、こんにちわっ! あたし、ピアレーチェ・ヴィヴァーチェって言います! 長いからピアでいーよ☆」
 男爵相手でさえ『君付け』なピアを賞金を運んできた執事が睨むが、
「うむ。ちゃんと賞金も用意してあるぞ、ピア。早速ティータイムにするとしようか」
 当の紅茶男爵本人は、フレンドリーな対応を喜んでいるようだ。
「漬け物石にでもするといい」
 証拠としてガーゴイルの頭を献上する風霧。
「これがガーゴイルか。ところで漬け物石とはなんだ?」
 興味深そうに尋ねる紅茶男爵に、出来る範囲で説明する風霧。うまく伝わったかどうかは不明である。
「広場の彫刻のモデルは私達なんですよ」
 丁寧な口調で話すリル。
「おお、広場の彫刻は我が輩も見物に行ったぞ。あれは勇壮だった。モデルに会えるとは嬉しいな」
 そう言う紅茶男爵に、蒼天二刀流の演武を披露するリルであった。
「パッラッパパッパ! おいらはパラっさ!!
 パラッパパラッパ! おいらはファイター!!」
 続いてボルジャーが歌って踊る。へたっぴぃなのは相変わらずだが、紅茶男爵も楽しそうにしている。
「我がギルフォードで多くの冒険者達が活躍しているようで嬉しい限りだ。ギルフォード戦隊なる冒険者達も居ると聞く。会ってみたいものだ」
「ギルレンジャーは、今日もどこかで闘っているんでしょうなぁ」
 自らも一員だが、とぼけたことを言うリル。素性を隠すのがヒーローの宿命か。
「諸君の今後の活躍にも期待しているぞ」
 そう言って、ティータイムをお開きにする紅茶男爵。
「また面白そうな事があったら呼んでくれ」
 ニッと笑う勇人。
 何やらそわそわしていた閃夏。恋人との食事の約束が楽しみで仕方がないようだ。
 こうして、それぞれの帰路に着いた冒険者達。
 いずれ彼らが英雄と呼ばれる日が来ることを願っている。