月影の翼
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■ショートシナリオ&
コミックリプレイ プロモート
担当:紅茶えす
対応レベル:5〜9lv
難易度:やや難
成功報酬:2 G 74 C
参加人数:8人
サポート参加人数:-人
冒険期間:02月02日〜02月07日
リプレイ公開日:2005年02月04日
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●オープニング
キャメロットから南西二日ほどの所にギルフォードという街がある。
街の周辺には農耕や狩猟を中心とした小さな村が点在しており、森林地帯が多い。
領主である紅茶男爵の方針で、森林開拓や街道の整備に力を入れているのが特徴のひとつである。
ギルフォードの街と、とある村を結ぶ街道での事である。
この街道は、キャメロットとギルフォードを結ぶ街道の途中、ギルフォード寄りの地点から分岐して作られていた。
月明かりの下、ギルフォードへと急ぐ二人の若い村人の姿があった。
「最近、この道を通る者が何人か行方不明になってるらしい。山賊か、怪物の類が居るかもしれねぇ‥‥」
「ここからなら、休まず行けば夜明けにはギルフォードに着くな‥‥」
丁度、分岐点に差し掛かったところだった。そこまでは土を踏み固めただけだった道が、石畳で舗装された道になる。
突然、大きな羽音が聞こえたかと思うと、二人を照らしていた月明かりが遮られた。
「Hoooッ!」
「ぎゃっ!」
巨大な猛禽類の爪を受け、一人が悲鳴を上げた。
もう一人は、ただ逃げ出す事しか出来なかった‥‥。
ここは冒険者ギルド。
冒険者達が仕事の斡旋を求めて集う場所である。
「仕事の斡旋か? 彼の依頼を受けてやってくれないか?」
いつものように冒険者ギルドのおやっさんが依頼人を紹介する。
「友達のカタキを討ってほしいんです!」
「おいおい、いきなり穏やかじゃないな‥‥順を追って話してみな」
いきなりそう言う依頼人をおやっさんが落ち着かせる。
「友達と二人で、ギルフォードまで村の使いで向かってたんだ。そしたら、いきなりバケモノに襲われて‥‥俺は助かったんだけど、友達が‥‥」
「バケモノってのは?」
「こーんな大っきなフクロウだ。いきなり影になって‥‥あっと言う間だった」
両手をいっぱいに広げて表現する依頼人。
「ジャイアントオウルってヤツだな。ばっちり冒険者達が退治してくれるから安心しな」
依頼人を元気付け、
「しっかり頼むぜ!」
冒険者達を送り出すおやっさんであった。
●リプレイ本文
同じ依頼を受けた冒険者同士、挨拶を交わしていく。
「蒼天二刀流のリ・ルだ。リルでいいぜ。‥‥鳥っつーと、今回も得物はこれか。チェーンホイップじゃ二『刀』流じゃねぇな」
ニヤリと笑って挨拶するファイターのリ・ル(ea3888)。
「つくづくギルフォードの周りってのは、モンスターの貯まり場なんだな‥‥男爵も苦労してるんだろうなきっと」
そんな事を憂えている志士の閃我絶狼(ea3991)。
「でかい鷲に蟹。で、今度は梟か。‥‥よくまぁ育ったもんだぜ」
浪人の陸奥勇人(ea3329)。近頃、巨大生物を退治する依頼に恵まれているらしい。
「でっかい鳥さんが相手‥‥? やれやれ‥‥猛禽類はこれだから後始末が大変だ」
困った顔でファイターのルクス・ウィンディード(ea0393)。白兵戦を得意とする彼に飛行生物はやりにくいのだろう。
「ジャイアントオウルなんて、私は足手まといにならないでしょうか」
不安そうな僧侶の淋麗(ea7509)。童顔で年齢の割に随分若く見える。
「こう短いと危険も増えるが、依頼人の意向もある。急ぐとしよう」
出発を促すレンジャーのアリオス・エルスリード(ea0439)。
整備された街道を行く冒険者達。一日目の休息にて。
「気持ちいいぜ! みんなもどうだ?」
などと寒さも厭わず、褌一丁になって爽やかに筋トレや素振りに励むリル。
(「そろそろあいつらの名前も考えてやらないとな‥‥」)
今回は連れてこなかった馬達の事を考えている絶狼。
そして件の分岐点へと到着。
「この先がギルフォードか。古代遺跡があるという噂だが。機会があればぜひ見てみたいものだ」
街道の立て札を見る神聖騎士ルクス・シュラウヴェル(ea5001)。偶然にも男女二人のルクスが同居するパーティと相成ったわけだ。
ギルフォードでの冒険を何度か経験している勇人、リル、絶狼から興味深そうに話を聞いている。
「太陽よ、教えて欲しいのじゃ」
金貨をかざし、『サンワード』でジャイアントオウルについて尋ねるジプシーのユラヴィカ・クドゥス(ea1704)。しかし太陽から返ってきた答えは「分からない」だった。やはり梟だけに、昼間は日陰でじっとしているのだろう。
「かなり大きなフクロウじゃから昼間に休める所も限られてくるじゃろ」
気を取り直して『テレスコープ』を掛け、森の奥を見るユラヴィカ。これが仲間達の共通の見解である。
荷物を運ばせていた馬には街道で留守番させ、昼の間にジャイアントオウルのねぐらを探そうと森へ入る冒険者達。
「昼間に襲撃をかけ、逃がさぬよう早期決戦にしたいところだ」
何らかのジャイアントオウルの痕跡が無いかと探索するアリオス。
「ううむ、本当はクリスタルソードでカッコ良く戦いたい所だが、今回は足止め‥‥ってか羽根止めに徹しますかね」
まだ扱い慣れないホイップとリュートベイルの具合を確認しつつ、周囲を警戒する絶狼。
『ミミクリー』で鷹に変身して、探索に当たる淋麗。
「しかし、何で今になって依頼が上がってきたのかが腑に落ちねぇな。ま、最近住み着いたって事もあり得るが‥‥他の行方不明も似たような状況か?」
勇人の言うとおり、依頼の件以外にも行方不明になった者がいる。それらの事件も最近の事だが、襲われた場所など目撃情報や被害報告でハッキリしているのは今回の依頼が最初なのだろう。
そして冒険者達は、被害者の遺品と思われる帽子を発見する。
「人は帰らず、ただ証を残すのみ、か」
それを回収し、呟くアリオス。
辺りにジャイアントオウルが潜んでいるかもしれないと探索してみたが、やがて日が暮れてきてしまった。
夜はジャイアントオウルに有利だが、早期解決のためにも勝負をかける冒険者達。
「‥‥石畳の上は月夜だと案外人の影がはっきり映りそうだな。夜空からでも判り易い位に」
囮となる勇人。
「囮に上手く気を取られてくれると良いんだがねえ」
木陰に隠れる絶狼。
同じく、気配を殺して待つシュラウヴェル。
「シフールにとっては、普通のフクロウでもモンスターなのじゃ。2mもあったら丸呑みされちゃうのじゃ」
冷や汗を流しつつ、隠れて見守るユラヴィカ。
「寒ぃなぁ。とっとと出て来いよ」
発泡酒をちびちび飲むリル。枯れ葉でカムフラージュし、毛布にくるまってジッと待機している。ランタンの明かりが漏れないように、膝の間において隠している。
突然、大きな羽音が聞こえたかと思うと、大きな翼に月明かりが遮られる!
「来なすったか。だが、俺の目は誤魔化せないぜ!!」
死角からのジャイアントオウルの爪を『バックアタック+オフシフト』で見切る勇人!
「Hoooッ!」
大きく羽ばたいて再びジャイアントオウルが襲いかかる!
「悪いがその程度じゃ餌になってやる訳にゃいかねぇな」
そう言って一目散に逃げ出す勇人。勿論、誘き寄せるためである。
ぎりぎりまで引き付け、刀で斬りつける!
思わぬ反撃にジャイアントオウルが怯んだ所で、
「皆、出番だぜ。一気に畳むぞ!!」
勇人の合図で木陰から仲間達が飛び出す!
「うわ、白鷲の倍以上あるぜ。まぁ的が大きいとも言えるがな」
ランタンを木に引っ掛けると、邪笑を浮かべて駆け寄るリル。実際には倍以上は言い過ぎだが、翼を広げた姿をみれば、そう表現したくもなるのだろう。
「フクロウ風情がな! 人間様喰ってんじゃねぇぞ! 鳥らしく穀物でも食ってろ!!」
鬼気迫った顔でロングスピアを構えるウィンディード。
「ブラックホーリー!」
聖なる力で攻撃する淋麗。
「条件は悪いが‥‥逃さん!」
ロングボウで確実に射撃していくアリオス。
矢を受けて少し高度が下がったところへ、
「ウラァ、落ちろぉぉぉ!」
チェーンホイップのリーチを活かして距離を保ちつつ叩くリル。
「何が気に入らんのか知らんが、人を襲うようならほっとけないんでな、落ちろ!」
そして、絶狼のホイップがジャイアントオウルを捕捉する!
「Hoooッ!」
それを振り解こうと羽ばたくジャイアントオウル!
「お前を行かせるわけにはいかねぇんだよ!」
更にリルのチェーンホイップが絡みつく!
「‥‥目標確認、狙いよし‥‥」
ロングスピアを構え、『チャージング+スマッシュEX』を仕掛けようと突進するウィンディード!
揚力を失って墜落したジャイアントオウルに矢を撃ち込むアリオス。そして背中に勇人が飛び乗り、
「Hoooッ!」
なおも暴れ続け、抵抗するジャイアントオウルに容赦なく刀を突き立てる!
木陰から見守るユラヴィカ。勝利は目前だ!
「コアギュレイト!」
更に呪縛の魔法を掛けるシュラウヴェル!
「ディストロイ!」
『ミミクリー』で手を伸ばして近づき、射程が短い分威力の高い攻撃魔法を掛ける淋麗!
これが本当の梟叩き、もとい袋叩きか。
「―――――――――この、一撃は。重いぜ?」
ウィンディードの槍に確かな手応えがあった。
「ジャイアントオウルって複数いたりしないよな?」
まだ周囲を警戒している絶狼。
「‥‥何かこいつの巣に雛とか残ってそうな気がするなぁ」
「怖ろしい事を言うのう‥‥」
呟く勇人に出てきたユラヴィカがビクッと反応する。可能性は否めないが、そうでないことを祈るばかりである。
倒したジャイアントオウルの羽根を毟るリル。
「白鷲の羽は、幸運の羽っつって売れたからな。この大梟の羽なら、賢者の護符とでも銘打って売れるかと思ってな」
と言ってニヤリと笑う。冒険者というのも強かなものである。持ち帰った羽根を売りさばいたことで、彼らの収入が少しばかり増えた事を記しておこう。
「今日は運動しすぎました」
貧血で倒れ込む淋麗をシュラウヴェルが介抱する。負傷者には『リカバー』を掛けて全快させている。
「何か温かい物でも作ろうか」
そのまま野営準備し、スープを温めるシュラウヴェル。寒い夜にはこういった気配りが嬉しい。
「‥‥フクロウって喰えると思う? ‥‥無理だよね‥‥そうだよね」
そう言って、うなだれるウィンディード。鳥類と言っても、なんとなく不味そうでスープの具材にされる事は無かった。
その後、村まで足を伸ばした冒険者達。
「皆さん、街道に出没していたジャイアントオウルは退治しました。安心してください」
村人達を安心させる淋麗。
「これを‥‥」
「‥‥カタキはちゃんととりました。後は冥福を祈ってやってください」
回収した帽子を依頼人へ渡すアリオス、ウィンディード。
「ありがとう皆さん‥‥」
依頼人の若者は言葉少なに感謝を表し、去りゆく冒険者達を見送るのだった。
いずれ彼らが英雄と呼ばれる日が来ることを願って。