バキッ☆筋肉だらけの水中鍛錬!
|
■ショートシナリオ
担当:紅茶えす
対応レベル:5〜9lv
難易度:普通
成功報酬:3 G 2 C
参加人数:8人
サポート参加人数:-人
冒険期間:03月01日〜03月07日
リプレイ公開日:2005年03月05日
|
●オープニング
ここは筋肉騎士団宿舎。なぜか旗持ちの掲げる軍旗にはジャパン語で『天手力男神』と力強く書かれている。
「諸君、日々の鍛錬と激務、御苦労である!」
隊長がポージングをキメる。
「筋肉騎士として当然であります!」
ポージングで返す筋肉騎士。
「近々、筋肉騎士団は鍛錬の一環として水中鍛錬を行う! もうすぐ春、凍死することも無いだろうが、心しておくように!」
「了解であります!」
まだまだ寒い中、テカテカと汗を滴らせながら、無茶な話をしている。
「今回も冒険者達を招待し、親睦を深め、人材発掘をする予定だ!」
どうなることやら‥‥。
ここは冒険者ギルド。
冒険者達が仕事の斡旋を求めて集う場所である。
「仕事の斡旋か? 命懸けのイベントがあるようだが‥‥どうだい?」
いつものように冒険者ギルドのおやっさんが依頼書のひとつを見せる。何やら顔が引きつっている。
『水中鍛錬に行こう!
我ら筋肉騎士団は、心身と筋肉の鍛錬のため、海にて水中鍛錬を敢行する!
共に水中鍛錬に同行する心意気溢れる冒険者募集!
筋肉騎士団・冒険者対抗の騎馬戦やリレーなどを企画しており、成績優秀な冒険者には報酬として提示した賞金が授与されるので、奮って参加して欲しい!
水中鍛錬の持ち込み企画歓迎! 救護班も募集しているぞ!
期間は往復五日、水中鍛錬一日の計六日間。筋肉の付く献立をこちらで用意しておくので、食料の心配は無用!
また、筋肉騎士団では優秀な人材を求めている。志願者歓迎!
入団しても冒険者としての稼業を束縛する事はないので気軽に隊長まで。
筋肉騎士団隊長』
「という正気とは思えないイベントだが、頑張れば報酬も出るようだし、食料も筋肉騎士団持ちだ。行ってみちゃあどうだい?」
おやっさんが依頼書の控えを渡してくれる。
さあ、水中鍛錬に行こう!
●リプレイ本文
筋肉騎士団宿舎へとやってきた冒険者達。
「半年ぶりですが、お元気そうで何よりです」
「お久しぶりです〜♪ 最近は『面白いお嬢さん』通り越してる気がしますが今回も張り切っていきますよ♪」
挨拶する神聖騎士エリス・ローエル(ea3468)と、ウィザードのルーティ・フィルファニア(ea0340)。
「隊長殿、ひさしぶりだ。筋肉騎士団名誉戦士リ・ルだ。リルでいいぜ」
「しっかり鍛錬に励んでおるか?」
握手するファイターのリ・ル(ea3888)と隊長。
どちらも手を離さず、モリモリ筋肉が盛り上がっていく!?
「騎士団の噂は聞いているが‥‥まさかこれほどまでとはな‥‥」
その筋肉美に戦慄を覚えるファイターのアラン・ハリファックス(ea4295)。
「非力な俺には羨ましいねえ‥‥所で、あの軍旗に書いてあるのはジャパン語の様だが、何か意味が?」
「以前、冒険者より贈られた物でな。ジャパンに伝わる筋肉の神様の名だそうだ」
尋ねる志士の閃我絶狼(ea3991)に答える隊長。
「‥‥。何か間違ったかもしれない‥‥」
違和感を覚え、内容を再確認する神聖騎士アトス・ラフェール(ea2179)であった。
後悔先に立たず。
道中から激しい鍛錬に付き合わされつつ、筋肉騎士団の用意した筋肉の付く献立の食事(鴨肉の塩漬けがメイン)をし、まだまだ寒い砂浜へとやってきた。
「「「ぬぅーん!」」」
元々半裸の筋肉騎士達が、腰巻き一丁になって各々ポージングを始める。どうやら準備体操らしい。
「相変わらず見事な筋肉だな」
同じく、褌一丁になるリル。
「鍛錬とあらば参加しないわけにはいかないなっ!」
気合いを入れるファイターのハイラーン・アズリード(ea8397)。
「ぐぅ‥‥寒い。確かに寒いが、しかしこれで俺の漢が磨かれるならば‥‥ッ」
拳を握りしめるアラン。露わになった彼らの肉体は、
「「「びゅーちほー!」」」
筋肉騎士達が絶賛する粋に達していた。
まず、流木や石などを排除にかかる。
「危険防止と準備運動がわりに頼む。集めた流木は焚き火で使おう。あの辺からここら一帯を整地でいいかな」
指示を飛ばす忍者の森里霧子(ea2889)。漁師セットなどを使って、何やら準備している。
「自分を鍛えるには良い機会だ」
開き直ったアトスや、
「これも良い鍛錬に‥‥なると良いなあ‥‥」
絶狼を始め、男性陣がそれを手伝う。
「皆さん、危なくなったらすぐ水の中から出てください」
そう言い渡し、テントを張り、毛布や発泡酒を用意しておくエリス。女性陣は救護班や仕掛け人を担当するようだ。
第一鍛錬、水中リレー。
「つっても俺泳げないんだけど‥‥。ま、泳げそうな人に基本だけでも習っておこう」
何やら葛藤した後、泳げるというアトスに教えを請う絶狼。
合図と同時に、バシャバシャと冷たい海に入る!
「俺の肺活量について来れるかな」
勢い良く走る一番手リル。足が着くギリギリの水深に浮かべた樽にタッチし、砂浜で待つ二番手の元を目指す。
筋肉騎士達は三チームに別れ、それぞれが肉薄する好レース展開!
あっぷあっぷしつつも何とか泳ぐ二番手絶狼に、ムキムキと迫る筋肉騎士達!
「全てが鍛錬です、ハイ」
冷たい海でも爽やかな笑顔を絶やさない三番手ハイラーンも順調にタッチし、
「私が好結果を出せそうなのはこの競技だけです。勝利に貢献できるよう全力を尽くしますよ」
その泳ぎに期待される四番手アトス!
水中を走る筋肉騎士達と差をつける!
アンカーのアランへタッチ!
「待ぁーてぇーっ!」
遅れてタッチされた隊長が鬼の形相で迫る!
コース取りを意識して最短距離を行くアラン!
波を物ともせず走る隊長!
他の二チームは置いて行かれたか!? 二人のデッドヒート!
ラストスパートは精神力勝負!!
隊長コールとアランコールが湧き起こる!
ゴールッ!
一歩差でリレーを制したのは‥‥アランだ!
「ナイスガッツ!」
健闘を讃え、ニカッと笑う隊長であった。
第二鍛錬、騎馬戦。
「暇だ‥‥そして釣れない‥‥」
小舟で救助待機している霧子は、いつの間にか釣りをしている。浜辺で暴れているのだから釣れるわけもない。
さて、騎馬はお互い三騎ずつ。配置は、前衛リル&騎乗アラン、前衛ハイラーン&騎乗アトス、もう一騎に騎乗する絶狼。足りない部分は筋肉騎士達がフォロー。
「つーか重いぞ。少しは減量しないと彼女にふられるぞ」
「‥‥うぅ、善処する」
そんな話をしているリルとアランの邪笑コンビ。減量が必要には思えないが、アランの方が一回り大きい。
準備完了試合開始!
個別に動く冒険者達に対して、筋肉騎士団は統率の取れた動きだ!
「アレをやるぞ! マッスルストリームアタックだ!」
一列縦隊の筋肉騎士団が突進してくる!
一騎二騎と捌くアトス&ハイラーン騎だが、
「貰ったぁっ!」
隊長騎によって撃破!
続いて、リル&アラン騎へと突進する!
「うをー、仲間はやらせんぞ−!」
頭突きで一騎目を押し返すリル!
「クックックック‥‥俺達邪笑倶楽部を舐めるなッ!」
文字通り邪笑を浮かべるアラン。二騎目の拳を受け止めて引っ張り、体勢崩させてバンダナGET!
だがそこへ突っ込んできた隊長騎によってバンダナを奪われる!
「ローリンググラビティー!」
そこへ隙を窺っていた絶狼の魔法で筋肉騎士一騎が空中分解!
「魔法を唱えさせるな! 突撃!」
隊長騎が迫る!
再び、絶狼の『ローリンググラビティー』によって空中分解する隊長騎!
しかし、浮き上がると同時に隊長は絶狼のバンダナを掴んでいたのだ!
結果は引き分けとなった。
最終鍛錬、冒険者達提案の旗取り。
「魔法にも、遠距離攻撃にも怯まない真の筋肉を見せてやろうぜ」
檄を飛ばすリル。いったいどんな鍛錬なのか‥‥!?
「これより史上最大の作戦、本土上陸作戦を開始する!」
準備を調え、霧子の『微塵隠れ』の爆音を合図にスタート!
身長ギリギリの水深地点から空樽に掴まっていた冒険者&筋肉騎士達が一斉に砂浜になびく軍旗を目指す!
直後!
霧子が『水遁の術』を使って仕掛けた水中トラップによって半数近くの筋肉騎士が行動不能!
「こ、この程度で‥‥!」
辛くも抜けたアラン!
「頼れるのは、己の筋肉と五感のみ−!」
リル達も続く!
「皆さん気を付けてください!」
浅瀬へと差し掛かるとエリスのスリング射撃が襲いかかる!
『オフシフト』を使って回避しつつ前進するアトス!
「す、脛‥‥スネが‥‥ッ」
当たるに任せていたアラン、不運にも鍛えられない部分に命中!
砂浜へと辿り着いた彼らを待っていたのは‥‥
「グラビティーキャノン!」
目隠ししたまま、声の方へと魔法を乱射するルーティだ!
「ま、まて‥‥」
不運にも直撃するアラン!
「当たったら派手に吹っ飛んでくださいね〜☆」
明るく言うルーティ。吹っ飛び、砂まみれで転がる筋肉騎士達!
後一歩に迫ったアラン!
「ぎにゃあぁぁぁぁ‥‥」
しかし、ルーティの仕掛けた『ウォールホール』による落とし穴でついにリタイア!
「以前言いましたよ? 『筋力に溺れたら、それこそオーガと同じです』と! さて、極地戦と思って張り切って避けて下さいね!」
「おいまてコラ。誰が、うおっ!」
ルーティに抗議しようするが、避けるのに必死なハイラーン。
ちゃっかり彼らを盾にしていた絶狼が、軍旗に辿り着く!
「カマ〜ン☆」
「勝つんじゃなかった‥‥」
旗持ち筋肉騎士の熱い抱擁を受ける絶狼であった。
小舟で行動不能な筋肉騎士達を回収する霧子。ポロリと半ケツ見せる筋肉騎士を反射的に沈めそうになったりもしつつ。
「危なくなったら出てくださいと言ったのに」
溺れかけた筋肉騎士の近くにロープを結んだ矢を撃ち、馬で引いて救助するエリス。毛布と発泡酒を渡して介抱する。
水中トラップのついでに仕掛けた網にかかった魚を調理して振る舞う霧子。
「先日まで悪の美学に拘る男と闘っていたが、肉の美学とどちらが強いだろう?」
「正義の筋肉は悪を滅ぼすのだ!」
洒落を交えて尋ねる霧子に、きっぱり言い切る隊長。
「筋肉の前には、ドラゴンすらも平伏したのだー!」
「「「わんだほー!」」」
発泡酒を提供し、ポージングを交えながら、ドラゴンを倒した話に盛り上がるリル。
「諸君、筋肉騎士団の水中鍛錬への参加協力感謝する! 入団を許可する!」
いきなり宣言する隊長。
「筋肉がないわたくしに団員は務まらないでしょう」
謹んで辞退するエリス。
「お気持はありがたいのですが遠方でやり残した仕事があるので名誉だけお受けします」
「異国へ赴くならばこそ、イギリスに筋肉騎士団有りと轟かせられる漢になってくれ!」
辞退しようとするアトスに『名誉騎士』を授ける隊長。
「‥‥で、筋肉騎士団てなんだ? なんか贅肉騎士団てのも存在しそうだよなぁ」
とぼけた事を言うハイラーン。
「贅肉騎士団などという軟弱な存在は認めん!」
「筋肉騎士団とは、筋肉を鍛え、愛する騎士団だ!」
「いずれは、円卓の騎士をも凌駕する筋肉と名誉を得る!」
「「「‥‥予定だ!」」」
次々にポージングをキメ、力説する筋肉騎士達。
「兎に角自分を鍛え直したいのだが‥‥え? 戦って見せないと駄目なのか?」
入隊希望してみる絶狼。
「勿論、戦って『魅せる』筋肉が必要だ。しかし、鍛錬を志す者に、等しく筋肉騎士への道は開かれるのだ!」
そう言って、ニカッと笑いかける隊長。
「隊長、マッチョはクールビューティーになれるだろうか?」
そう尋ねるアラン。
「なれるとも。これがクールなポージングだ!」
ムキムキッ!
「将来のため、ダンディさも醸し出したいんだが」
「これがダンディなポージングだ!」
ムキムキッ!
ポージングで返すアラン。意味不明だが、分かる人には分かるのだろうか。
「良い鍛錬になりました。今回の鍛錬で筋力アップの重要性が理解できました。いずれまた‥‥」
握手と熱い抱擁を交わすアトス。体中から熱い何かが込上げてくる。
「マッスル・フォア・ザ・ピース。イギリスの平和のために、お互い筋肉を張って頑張ろうぜ」
「ウィー・アー・ザ・ブラザーズ!」
握手するリルと隊長であった。
筋肉騎士団と冒険者達に栄光あれ!