新ギルフォード戦隊1『ギルレンジャーZ』

■シリーズシナリオ


担当:紅茶えす

対応レベル:5〜9lv

難易度:普通

成功報酬:3 G 63 C

参加人数:8人

サポート参加人数:-人

冒険期間:03月07日〜03月13日

リプレイ公開日:2005年03月09日

●オープニング

 キャメロットから南西二日ほどの所にギルフォードという街がある。
 街の周辺には農耕や狩猟を中心とした小さな村が点在しており、森林地帯が多い。
 領主である紅茶男爵の方針で、森林開拓や街道の整備に力を入れているのが特徴のひとつである。
 道を作るのに必要な物のひとつが『石』だ。

 そこは『採石場』だった。様々な用途に使われる石を削りだし、外観は『切り立った崖』のようである。
 以前、悪の脅威にさらされた事もあったが、冒険者有志によって平和を取り戻している。
 今日も多く人足達が働いている。
 しかし、この採石場に再び悪の魔手が伸びようとしていた‥‥。
「チャーッチャッチャッチャッ!」
 奇妙な笑い声と共に崖の上に現れたのは、茶色いマントに身を包んだ男。そして、茶色い覆面をしたヤツらだった。
 ざわざわと見上げる人足達。
「俺はゴキ怪人チャバネー様だゴキ! この採石場はカブト山賊団インセクターが支配するゴキッ!」
 触覚のように飛び出た髪の毛をヒクヒクさせるチャバネー。
「「「ゴキーッ!」」」
 同じく覆面に付いた触覚のような物を揺らすと、バク転しながら人足達に襲いかかる戦闘員達!
 そして、採石場は占領されてしまったのだ。
 人足達は、付近にある詰め所へと逃げ延びるしかなかった。
「至急キャメロットの冒険者ギルドに連絡を取るんだ。きっと、悪と戦う正義の冒険者達が来てくれるはずだ!」
 なぜか、確信したように言う採石場責任者ロックであった。

 ここは冒険者ギルド。
 冒険者達が仕事の斡旋を求めて集う場所である。
「諸君、事件だ!」
 いつもと違う口調で冒険者ギルドのおやっさんが依頼書のひとつを見せる。

『求む、正義の冒険者!
 採石場がゴキ怪人チャバネーと名乗る輩と、覆面をしたヤツらに占領されてしまったのです!
 チャバネーを退治し、採石場を取り戻して下さい!
 ギルフォード採石場責任者ロック』

「ただちに現場へ出動し、速やかにゴキ怪人チャバネーを倒すのだ! 健闘を祈る!」
 やけにノリノリで冒険者達を送り出す冒険者ギルドのおやっさんであった。

●今回の参加者

 ea1442 琥龍 蒼羅(28歳・♂・志士・人間・ジャパン)
 ea2634 クロノ・ストール(32歳・♂・ナイト・人間・イギリス王国)
 ea2699 アリアス・サーレク(31歳・♂・ナイト・人間・ノルマン王国)
 ea3468 エリス・ローエル(24歳・♀・神聖騎士・エルフ・イギリス王国)
 ea3991 閃我 絶狼(33歳・♂・志士・人間・ジャパン)
 ea5322 尾花 満(37歳・♂・ナイト・人間・ジャパン)
 ea5984 ヲーク・シン(17歳・♂・ファイター・ドワーフ・イギリス王国)
 ea8769 ユラ・ティアナ(31歳・♀・レンジャー・ハーフエルフ・イギリス王国)

●リプレイ本文

 おやっさんの指令を受け、出動した冒険者達。
(「また‥‥新たな脅威が訪れたか。新たな力を結集し立ち向かわねばならぬな‥‥」)
 集まった仲間達を見遣る浪人の尾花満(ea5322)。
(「伝説の戦場、ギルフォード採石場か‥‥前戦隊の先輩達も草葉の陰から見守っていてくれている。無様な戦いは出来ん」)
 心に誓うナイトのアリアス・サーレク(ea2699)。先輩達、死んでないのだが‥‥。
「不逞の輩を野放しには出来ん、我が正義の剣が悪辣なる者どもを討つ!」
 呟く様にしたつもりが気合い入っているナイトのクロノ・ストール(ea2634)。
(「ぎるれんじゃーぜっと? ‥‥良くは判らんが、採石場の変態を倒せば良いのだな、‥‥動物名? 何か決めて名乗らないといかんだと?」)
「‥‥採石場を占拠した者を倒すと言うのはわかるが‥‥、このような事をする必要があるのか‥‥?」
 奇妙な雰囲気に戸惑う二人の志士、閃我絶狼(ea3991)と、琥龍蒼羅(ea1442)。
(「‥‥なんで私、こんな依頼を受けたのかしら? ‥‥まぁいいわ、受けた以上全力でやるだけだし」)
 自問自答し、ノリを掴みつつあるレンジャーのユラ・ティアナ(ea8769)。
「依頼が終わったらさぁ‥‥」
 早速、ナンパに励むファイターのヲーク・シン(ea5984)。
「むっ、しまった‥‥」
 食料の持ち合わせが無かった事に気付く尾花。今回は余裕のあったヲークに等価で譲って貰う事が出来た。
「若い戦士達の登場ですか。わたくしももう年寄りですか」
 ぼやく神聖騎士エリス・ローエル(ea3468)。
「‥‥ついてゆけんな‥‥」
 そう言いつつも、和を乱さず、合わせておく蒼羅であった。

 採石場詰め所へと到着。
「では、わたくしの本分を全うしましょう」
 怪我人を『リカバー』で手当てするエリス。
「来てくれたんだな。ありがとう」
 旧友に会ったような顔の採石場責任者ロック。
「約束通り戻って参った。もう連中の好きにはさせぬ」
 そう言って安心させる尾花。何か暗黙の了解があるのだろう。
 敵の情報を聞き、冒険者達は採石場へと向かった。

「「待てぇぇぇい!」」
 叫びと共に、崖の上に現れた複数の影!
 しかし、エリスと尾花以外は微妙に出遅れたようだ。
「正義を守るため蘇った戦士! 不死鳥の騎士ギルフェニックス参上です!」
 振り向き、指差すエリス。なびく黄色のエチゴヤマフラーは『華麗なお姉様ギルイエロー』と呼ばれた頃の名残か。
「平和を願う人の祈りが眠れる虎を呼び覚ます。闇を狩る牙ギルタイガー、ここに推参!」
 尾花は腕組みでの口上! かつて『黒き疾風ギルブラック』と呼ばれた男。二人は新たな戦いへと身を投じたのだ!
「夜闇より、人々を守る月光の盾。銀の月盾ギルフェンリル!!」
 いち早く順応したアリアスが『オーラシールド』と狼の紋章の入ったジャイアントソードを構え、名乗りを上げる!
「蒼き隼! ギルファルコン!」
 タイミング良く、左手を軽く引き、翼のイメージで両手を広げるクロノ! 『オーラエリベイション』発動!
「貴様のせいで親睦会に行けなかったギルスタリオン参上!」
 何やら逆恨みをぶつけるヲーク! 何か代名詞が欲しいところか。
「あ〜〜っとそうだな‥‥魔斬の閃剣、ギルパンサー! ‥‥で良いか?」
 回ってきた順番に戸惑う絶狼。
「‥‥黒翼の風、ギルレイヴン」
 そう名乗っておく蒼羅。
「暗雲切り裂く正義の刃!」
 ポーズを取って合図するクロノ!
『我らギルフォード戦隊! ギルレンジャーZ!』
 声を合わせて叫び、両手で作った『G』の文字から『Z』の文字へと移行するキメポーズ!
「チャッチャッチャー! ゴキ怪人チャバネー様に勝てると思ってるゴキ?」
 飛び出た髪をヒクヒクさせるチャバネー。
 ところで一人足りない気がするぞ‥‥?
「「「ゴキーッ!」」」
 バク転しながら冒険者達を包囲する戦闘員達!
「街は石で出来ている。城は石材で、道は石畳。幾街の建設を経てなお無尽‥‥闇の支配から採石場を守れとの命により、ここに正義の鉄槌を下す!」
 『オーラエリベイション』を発動するギルフェンリル=アリアス!
「我が呼ぶは、魔断の白銀‥‥出でよギルブレード!!」
 『クリスタルソード』を発動するギルパンサー=絶狼!
「白き翼に望みを乗せて、穿て茶色のゴキブリを! ギルフォード戦隊ギルスワン、時間破ってただいま参上!!」
 そこへ登場したユラ!
「ゴキッ!?」
 戦闘員に二本の矢が突き刺さる! 『ダブルシューティング』だ!
 それを皮切りにギルタイガー=尾花が二刀流で突進! 皆がそれに続く!
「フッ‥‥数に頼る戦いしか出来ないとは、美しくないぞ!」
 盾受けから切り伏せるギルファルコン=クロノ!
「‥‥風刃よ、切り裂け」
 ギルレイヴン=蒼羅の『ウインドスラッシュ』!
「一矢入魂ギルシュート!」
 ギルフェニックス=エリスの射撃!
「「「ゴキーッ!」」」
 数に物を言わせ、次々襲い来る戦闘員達!
「数だけは多いか‥‥ならば! 我が魂の輝きを剣に!」
「この程度、傷のうちに入らん! 天よ地よ、火よ水よ! 俺に力を!!」
 『オーラパワー』を発動するギルファルコン=クロノ&ギルフェンリル=アリアス!
「そは地の縛りを暫し逃れん‥‥ギルグラビティー!」
 ギルパンサー=絶狼の『ローリンググラビティー』で戦闘員達が浮き上がり、そして落下してくる!
「疾走れ、蒼空を駆ける衝撃! ファルコン・インパルス!」
 群がる戦闘員達を『ソードボンバー』で薙ぎ払うギルファルコン=クロノ!
「壱式刀技・半月斬」
 半円を描くように斬り払うギルレイヴン=蒼羅!
「狙いが何であれここは渡さぬ。大人しく逃げ帰れ!」
 『スタンアタック』を組み合わせつつ、チャバネーへの活路を開くギルタイガー=尾花!

「何故採石場を狙う! 何が目的だ!」
 オーラを掛け直し、チャバネーと対峙するギルファルコン=クロノ!
「チャッチャッチャッ、少しはやるゴキ。この採石場はギルフォードの生命線、ここを押さえればギルフォードは我らカブト山賊団インセクターの物も同然ゴキ!」
 おかしな理屈を言い、茶色のマントを震わせ、飛び掛かってくるチャバネー!
 本能的に嫌悪感を覚えた女性陣がさっと飛び退く!
 ベタッ。
 不運にも取り残されたギルスタリオン=ヲークが組み付かれてしまう!
 どうやらチャバネーは身体に油を塗っているようだ。しかも、やたらベタベタして気持ち悪い!
「ゴキに抱きつかれた程度で‥‥」
 盾と刀を捨て、ナックルを付けて超接近戦で殴り合うギルスタリオン=ヲーク!
 返り血のように飛び散る油!
「あんなのに触られたら狂化しちゃうかも‥‥」
 距離を保って『シューティングPA』で射撃するギルスワン=ユラ!
「痛っ、そう言われると触りたくなるゴキッ!」
 ギルスタリオン=ヲークを離すチャバネー。何だか指の動きがいやらしい。
「現れよ、雷刀・鵺」
 『ライトニングソード』に持ち替えたギルレイヴン=蒼羅と、
「この剣、無駄に重量ばかり高くてな‥‥威力は受けて確かめろ!」
 ギルフェンリル=アリアスが立ちはだかる!
「こうなったら俺も本気を出すゴキッ!」
 まだまだ強気のチャバネー!
「なんかベタベタしてそうであんま戦いたくないんだが‥‥」
「大人しく逃げ帰る気は無いようだな」
 ギルパンサー=絶狼とギルタイガー=尾花が更に包囲!
「零式刀技・月影斬」
 刀を下段に構えて斜めに斬り上げ、再び振り下ろすギルレイヴン=蒼羅!
「あれを使う時がきたようです」
「了解! 封印解除!」
 ギルフェニックス=エリスに言われ、聖なるメイス『Gパニッシャー』に持ち替えるギルスタリオン=ヲーク!
「そそそ、それは、まさか!?」
 なぜか、本能が恐怖を訴えるチャバネー。
「さあ‥‥親睦会の恨み‥‥思い知れ、ゴキ野郎」
 小声で言うと、『Gパニッシャー』を振り上げる!
 じたばたと逃げ出すチャバネー!
「そこを退くゴキッ!」
 立ちはだかるギルフェンリル=アリアスを突き飛ばそうとする!
「二撃目は無い、俺もジョーカーを切らせてもらう‥‥!」
 『カウンターアタック』を叩き込むギルフェンリル=アリアス!
 さらにギルフェニックス=エリスの『コアギュレイト』が効いたのか、硬直して動けないチャバネー!
「‥‥その隙は逃さん‥‥」
 チャバネーを『トルネード』で吹き飛ばすギルレイヴン=蒼羅!
 落下した所へタイミングを合わせ、
「チャージング・ファルコン!」
 ギルファルコン=クロノの『チャージング』!
「神に変わってあなたを断罪します!」
 ギルフェニックス=エリスの『ホーリー』!
「これで終わりだ‥‥ギルブレイカー!」
 ギルパンサー=絶狼の『ブレイクアウト』からの『スマッシュEX』!
「ゴキ‥‥ッ」
 そして、ギルスタリオン=ヲークの振り下ろした『Gパニッシャー』がチャバネーのトドメとなった。

「「「ゴキーッ!?」」」
「戻って首領に伝えるがいい。ギルレンジャーZの名にかけて、この地を蹂躙はさせぬとな」
 逃げ出す戦闘員に刀を突きつけ凄むギルタイガー=尾花。
「新しき戦士達の初陣は成功ですね。では、お決まりのポーズをしますか」
 ギルフェニックス=エリスに促され、全員で『G→Z』ポーズ! そして、負傷した仲間達に『リカバー』を掛けていく。
「我々がいる限り青き空と希望の明日は悪の手には渡さない!」
「ギルレンジャーの伝説と武勲を受け継ぐ俺達に、敗北は許されない。気を引き締めないとな」
 夕日に向かい、決意を新たにするギルファルコン=クロノとギルフェンリル=アリアス。
「ギルフォード戦隊ギルレンジャーZ、時間きっかりこれにて決着!!」
 そう締めくくるギルスワン=ユラ。
 こうして悪は滅び、採石場に平和が戻った。
「さあ、約束通り‥‥」
 油まみれなのを忘れてナンパを始めるギルスタリオン=ヲーク。
「寄るな〜」
「先に洗濯してください〜」
 逃げ惑う女性陣。
「‥‥何かまた違うのが出てきそうだな」
 呟くギルパンサー=絶狼。そう、まだ悪の尖兵を倒したに過ぎないのだ!
 頑張れ負けるなギルレンジャーZ!
 新ギルフォード戦隊に栄光あれ!