多く労働?

■ショートシナリオ


担当:紅茶えす

対応レベル:5〜9lv

難易度:やや難

成功報酬:3 G 95 C

参加人数:8人

サポート参加人数:-人

冒険期間:03月14日〜03月21日

リプレイ公開日:2005年03月17日

●オープニング

 ここは冒険者ギルド。
 冒険者達が仕事の斡旋を求めて集う場所である。
「仕事の斡旋か? 彼の依頼を引き受けてやってくれないか?」
 冒険者ギルドのおやっさんが依頼人を紹介する。

「行商人のターキーいいます。このキャメロットから南西二日ほどにあるギルフォードを通って、その先の村まで足を伸ばすんでっけど、その村へ向かう道で知り合いの商人がオークに襲われたらしいんですわ。ソイツの代わりに商いを引き受ける事になったんで、護衛が必要になったちゅーわけで」
「そのオークの規模とかは分かっているのか?」
 ターキーに尋ねるおやっさん。
「数は10もおらへんらしいんでっけど、鎧を着込んだゴッツイ奴がおって、無茶苦茶強いらしいんですわ」
「鎧を着込んだオーク‥‥か。もしかしたら、オークロードかもしれん。だとしたら、かなりの強敵だ」
「まあ、出くわすとは限らへんし、出くわしても馬車と商品さえ守ってもーたら御の字ですわ。そら、退治してもろた方がええですけど‥‥。依頼期間は往復の七日間。道中の食料はこっちで面倒見させてもらいまっせ」
 こうして、新たな依頼を受けた冒険者達であった。

●今回の参加者

 ea0424 カシム・ヴォルフィード(30歳・♂・ウィザード・人間・フランク王国)
 ea0439 アリオス・エルスリード(35歳・♂・レンジャー・人間・ノルマン王国)
 ea0447 クウェル・グッドウェザー(30歳・♂・神聖騎士・人間・イギリス王国)
 ea0734 狂闇 沙耶(28歳・♀・忍者・人間・ジャパン)
 ea0966 クリス・シュナイツァー(21歳・♂・ナイト・エルフ・イギリス王国)
 ea1753 ジョセフィーヌ・マッケンジー(31歳・♀・レンジャー・人間・イギリス王国)
 ea2890 イフェリア・アイランズ(22歳・♀・陰陽師・シフール・イギリス王国)
 ea6870 レムリィ・リセルナート(30歳・♀・ファイター・人間・ノルマン王国)

●リプレイ本文

 のどかな街道を馬車が行く。周囲には護衛の冒険者達。
「はぁ‥‥平和じゃのぅ」
 空を見上げる忍者の狂闇沙耶(ea0734)。勿論、休憩時には武器の手入れなど準備を怠らない。
「安全を第一にして、無理に急がず着実に進んで行きましょう」
 『フラインブルーム』での偵察を担当している神聖騎士クウェル・グッドウェザー(ea0447)。
「それにしても、ターキーはんはうちとしゃべり方似とるさかい、何や親近感あるな〜」
 御者も兼ねているターキーに話しかけるレンジャーのイフェリア・アイランズ(ea2890)。シフールの彼女も飛行しての偵察担当だ。
「そうでんなー。護衛言うても、冒険者は華があってええですわ」
 ターキーや商隊の者とも仲良くやっているようだ。
「そうね、ジョーって呼んでくれるかな」
 周囲を眺めていたレンジャーのジョセフィーヌ・マッケンジー(ea1753)。
「‥‥男だよ。僕は」
 毎度のように女性に間違えられるウィザードのカシム・ヴォルフィード(ea0424)。
「ああ、こりゃ失礼。でも誉め言葉でっせ」
 そうこうしてギルフォードで一商売終え、目的地の村へと向かうのだった。

「オークといってもピンキリだから侮るわけにもいかない」
 警戒を強めるレンジャーのアリオス・エルスリード(ea0439)。
 この道で商人がオークに襲われたため、彼らが雇われたのだ。
「何事もなく行けばいいなぁ‥‥」
 そう呟くカシムの『ブレスセンサー』に反応があった。
「敵襲じゃ! 皆の衆、戦闘準備を!!」
 檄を飛ばす沙耶。陣形を組む冒険者達!
 ほどなくして、
「「「ブヒーッ!」」」
 鎧を着たオークロードを先頭に数匹のオークが現れた!
「おっしゃ、気合い入れてくで〜♪」
 張り切るイフェリア。
「人に迷惑を掛けるなら‥‥この場できっちり倒させてもらいます!」
 ルーンソードとガディスシールドを構え、宣言するナイトのクリス・シュナイツァー(ea0966)。
「サクサク片付けて報酬いただきましょ」
「ロードだけでなく、戦士がどれだけいるかで戦況は変わる。気を引き締めていこう」
 弓を構えるジョーとアリオス。どうやら、オーク戦士も一匹居るようだ。

 さあ、戦闘開始だ!
 レイピアを片手に颯爽と飛び出すファイターのレムリィ・リセルナート(ea6870)。
「相手がオークなだけに、出鼻を挫く! ってね」
「当たるように撃つのではない。当たるから撃つんだ。‥‥こんな感じでな」
 先制射撃を喰らわせるジョーとアリオス!
「『仮面の少女・まじかる★しすたー・さっちん』、推して参る!」
 名乗りを上げ、オークの集団に突入する沙耶!
「‥‥グットラック」
 馬車と後衛の護衛をしつつ、援護魔法を掛けていくクウェル。
「挨拶代わりじゃ‥‥!」
 袋叩きにしようとするオークが攻撃してきた時には、『微塵隠れ』の爆発によってダメージを与えつつ、馬車付近に戻っている沙耶。
「‥‥ストーム!」
「「ブヒーッ!?」」
 更にカシムの巻き起こした暴風で、オークが数匹吹っ飛ばされる!
 それでもなお襲ってくるオークの攻撃を避け、
「まさに『鬼さ〜んこ〜ちら〜、手の鳴る方へ〜♪』って感じやな」
 肩をすくめるイフェリア。そして、連続キックがオークに炸裂!
「うちらシフールのんでも、蹴りやったらさすがに少しは痛いやろ?」
「ブヒ?」
 しかし、オークの弛んだ肉体にはあまり効いていないようだ‥‥。

 雌雄が決するまで語らない。語るとすれば剣でのみ。それが剣士レムリィなのだ。対峙するのはオークロード!
 『オフシフト』の素早いサイドステップを組み合わせ、確実にオークロードの攻撃を受け流すレムリィ。少しずつオークの集団から引き離していく。
「「「ブヒーッ!!」」」
 人数は互角。全員が突撃してくるオークに、後衛までもが接敵されてしまう!
 オーク戦士を『スマッシュ』で攻撃しつつ、馬車と後衛達を守るクリス!
「レンジャーだからといって、近接戦ができないというわけでもない」
 ダガーを抜き、オークを相手取るアリオス!
 クルスシールドで防御しつつ、ニードルホイップでオークを絡め取ったり、負傷者に『リカバー』を掛けて援護するクウェル!
「‥‥ウインドスラッシュ!」
 風の精霊魔法を駆使するカシム!
「大蝦蟇召喚じゃ!」
 『大ガマの術』を発動させる沙耶!
 そして、自らも『微塵隠れ』や蹴りによる『スタンアタック』、鬼神ノ小柄と月露を駆使してオークを押し返していく!

 そうして一匹ずつオークを倒していく冒険者達。
 ついに残る敵はオークロードだけになっていた。
 レムリィも攻勢に出るが、オークロードの厚い鎧と肉壁によって致命傷を与えるのは難しいようだ。
「無駄撃ちは出来ないからね‥‥!」
 『シューティングPA』でオークロードの鎧と肉の薄い所を撃ち抜くジョー!
 続いて、蹴りによる『スタンアタック』や斬撃を仕掛ける沙耶!
 しかし、オークロードの厚い鎧と肉壁によって阻まれ、なかなか有効打にならない。
「こっちは騎士の本場の技です‥‥スマッシュに更なる破壊力を与える技術の重み‥‥その身で味わってください」
 クリスも接近戦に入る。オークロードの『スマッシュ』を盾で受け、大技『スマッシュEX』を叩き込む!
 一丸となって戦う冒険者達によって、少しずつオークロードは追い込まれていった。
「これでも喰らっときぃ!」
 『シフールの礫』を投げつけるイフェリア!
「ブヒッ!?」
 その小さな礫からは想像もできない威力でオークロードにめり込む!
 そしてそのまま、オークロードは仰向けに倒れたのだった。
「ひさびさに楽しいダンスだったわ‥‥って、もう聞こえてないか」
 ワスプ・レイピアを納めるレムリィ。
「きちんと作戦を立ててこられるとまずかったが‥‥オークならこんなものか」
「気合と勇気さえあれば大抵の事は乗り切れます!」
 仲間達と馬車に大きな被害が無かったことを確認し、安堵するアリオスとクリス。
「御苦労さん、雇った甲斐があったっちゅーもんや。これで大手を振って村に行けますわ」
 冒険者達を労うターキー。
「堕神流小太刀二刀極技を放つには、まだまだ修業が必要‥‥か」
 そう呟く沙耶であった。

 目的地の村で、ターキーに商売の手伝いを頼まれた冒険者達。
「こちらは護衛という立場上受身にならざるを得ない。警戒を緩めるわけにはいかない」
 護衛任務を全うするアリオスとジョー。念のため、馬車の周囲には鳴子などを仕掛けたりしている。
「僕にできることがあれば手伝いますよ」
 快く引き受けるカシム。
「もちろんこっちの報酬は別途もらえるのよね?」
 ちゃっかりしているレムリィ。
「かなわんな〜」
 そう言いつつも了承するターキー。商談成立だ。
「あ、そや。せっかくやから『仮面の少女・まじかる★しすたー・さっちん』で客引きやってや!」
 などという条件が追加されてしまったのだった。

「は〜い☆ 寄ってらっしゃい、見てらっしゃい♪」
 『大ガマの術』や『微塵隠れ』によるパフォーマンスを見せて客引きをする沙耶こと『仮面の少女・まじかる★しすたー・さっちん』。
「オークの集団に狙われつつも撃退し、はるばるやってきた商品ですよー。是非見ていってください」
 荷運びから客寄せまで、幅広く手伝っているクリス。
「キャメロットの春の流行はこれよ♪」
 サクラを演じるレムリィ。
「これ美味しそうやな〜☆」
 商品のひとつ、春らしい果物を買って頬張るイフェリア。取り扱っているのは春物の衣料品や食料品である。

 そうして商売もうまく行き、帰路に着く。
「皆のおかげで大繁盛でしたわ」
「田舎の純朴な人たちって都会のセンスに弱いのよ。あたしもそうだったから」
 レムリィが笑う。そして、何やら作業を始める。
 クウェルは回収しておいたオークロードの鎧を念入りに洗い、レムリィに託していた。
 そう、レムリィの鍛冶の腕は一流なのだ。キャメロットまでの帰路の間に、ボコボコの鎧も使い物になるようになっていた。
「ターキーこれもってけ♪ 勿論、相応の対価でね♪」
 レムリィならば、集中できる場所と時間があれば新品同様にできただろうが、そこまでを依頼中にこなすのは難しい。
「ホンマ、本職顔負けやわ〜。商売手伝うてもろた分と鎧の分、しっかり報酬に色つけさせてもらいまっさ」
 そう言うターキーも、きっとまたこの鎧でうまく儲けるのだろう。皆が得をして万々歳というところだろうか。
「明日が良い天気でありますように」
 空を見上げるクウェル。
 いずれ彼らが英雄と呼ばれる日が来ることを願って。