キャメロットの夜に静寂を！（地上編）
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■ショートシナリオ担当：紅茶えす 対応レベル：1〜3ｌｖ 難易度：やや易 成功報酬：0 G 78 C 参加人数：8人 サポート参加人数：-人 冒険期間：07月05日〜07月12日 リプレイ公開日：2004年07月06日 |
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●オープニング
「仕事の斡旋か？ キミ達ならば、これなんかどうだい？」いつものように冒険者ギルドのおやっさんが依頼書のひとつを見せる。
『最近、夜になると何やら獣の声が騒がしく、住民の安眠が妨害されております！
それはもう、地下から地上から、騒がしいったら無いのです！
どうやら、野良犬がたくさん住み着いてしまったようで、騒がしいだけでなく、子供が襲われて怪我をするなどといった被害も出ているため、至急、冒険者の皆様に駆除していただきたいのです。
期間は７日。その間、我が町内会にある宿屋を一軒提供しますので、食事や寝泊まりの心配は不要です。
何卒、宜しくお願いします。
キャメロット町内会』
「ちなみに同じ町内会からネズミ駆除の依頼が来てたりするんだが、宿屋はそっちのメンバーと共有らしいな。ケンカとかすんじゃねーぞ！」
そう笑いながら、依頼書の控えを渡してくれる。
「これをその宿屋に持っていけば泊めてくれるはずだ。しっかりやってくれよ！」
こうして、新たな依頼を受けた冒険者達。
無事、駆除する事ができるだろうか。
●今回の参加者
ea0582 ライノセラス・バートン（29歳・♂・ナイト・人間・イギリス王国）ea2710 アーヴィング・ロクスリー（45歳・♂・レンジャー・人間・イギリス王国）
ea3102 アッシュ・クライン（33歳・♂・ナイト・人間・フランク王国）
ea3468 エリス・ローエル（24歳・♀・神聖騎士・エルフ・イギリス王国）
ea3472 世羅 美鈴（27歳・♀・浪人・人間・ジャパン）
ea3475 キース・レッド（37歳・♂・レンジャー・人間・イギリス王国）
ea3970 ボルジャー・タックワイズ（37歳・♂・ファイター・パラ・ビザンチン帝国）
ea4061 アマリス・アマリア（22歳・♀・クレリック・エルフ・イギリス王国）
●リプレイ本文
冒険者ギルドの斡旋により、宿屋へとやってきた冒険者達。「はじめまして。レンジャーのアーヴィング・ロクスリーです。短い間ですがよろしく頼みます」
クールなレンジャーのアーヴィング・ロクスリー（ea2710）。他の冒険者達も名乗り、挨拶をしていく。
「ライノセラス・バートンだ」
ナイトのライノセラス・バートン（ea0582）。育ちのよさそうな顔立ちをしている。
「世羅美鈴です、よろしく☆」
西洋人とハーフの浪人の世羅美鈴（ea3472）。その顔立ちは、十六歳よりさらに幼く見える。
「一人でも多くの方を救いたい‥‥それだけです」
おっとりしているクレリックのアマリス・アマリア（ea4061）。
「おいらにまかせろ♪」
鼻歌を歌いながらファイターのボルジャー・タックワイズ（ea3970）。
「全力で事に当たります」
責任感が強い神聖騎士エリス・ローエル（ea3468）。そして、その物腰は上品である。
「俺は俺のやるべき事をやる。それだけさ」
ゲルマン語で話すナイトのアッシュ・クライン（ea3102）。イギリス語を修得していない彼は通訳を必要としている。アマリスとボルジャーが通訳可能だ。
「しっかり頼むよ！」
宿屋のおばちゃんが冒険者達を歓迎する。
「フッ‥‥」
クールでキザでニヒルなレンジャーのキース・レッド（ea3475）。
そして、今後の予定について話し合う。
注意すべき点は、単独行動をしないこと。無論、危険を考慮してだが、アマリスはとんでもない方向音痴らしく放っておけない。
「縄張り意識の高い犬なら、集団ごとのテリトリーがあるはず」
と、キース。情報収集が重要だというのは一致した意見だ。
また、罠を張るという案も出たが、
「あくまで街の中だからね。罠なんて張られちゃ、誰がひっかかっちまうか分からないだろ？」
そう宿屋のおばちゃんに突っ込まれる。
「そうだな‥‥」
一日目。
まず冒険者達は、街の住民に野良犬に襲われた場所や目撃した地点などを聞き込んで地図に記入し、現在の分布状況のパターン化を試みる。
一町内だけとは言え、聞き込みだけで一日目が終わる。
途中見かけた単独の野良犬を二匹ほど退治する。
宿屋に戻った冒険者達。
もう一組、鼠退治担当の冒険者達も仕事はそこそこ順調なようだ。特にいざこざを起こすような事もない。
「パラッパパラッパ！！ おいらはパラっさ！！」
歌って飲んで騒ぐボルジャー。
夕食後、交代で夜間の巡回をする事に決定。
アッシュ＆アマリス組。
「‥‥ホーリーライト☆」
アマリスが魔法発動の瞬間、白く淡い光に包まれると、掌に小さな光球が現れる。
体力の低い彼女は、魔法を使うために、荷物のほとんどを宿屋に置いてきている。
「マーリ、絶対に守ってやるからな？」
アッシュも、素早い動きを要求されるソニックブームを放つため、少し軽装にしている。
「ありがとうアッシュ、頼りにしてます☆」
ゲルマン語でそんな会話をしていると、ゴミ箱を漁る野良犬を一匹発見する。
「ＧｕＲｕＲｕ‥‥」
目をギラつかせ、体勢を低くする野良犬。
「これも依頼なのでな。ソニックブーム！」
機先を制するように真空刃を放つアッシュ！
ダメージを受けながらも飛び掛かってくる野良犬。
「皆さんに知らせた方が‥‥」
「一匹ならば大丈夫！ マーリには絶対に近づかせない！」
アマリスを守りつつ、野良犬の牙を盾で受けるアッシュ。
「アッシュ‥‥☆」
彼を信じて、いつでもリカバーを掛けられる準備をするアマリス。
そして、多少のかすり傷は受けたものの、見事アッシュが野良犬を切り伏せる。
「さすがねアッシュ。今、回復を‥‥リカバー☆」
なにやらイイ雰囲気の二人であった。
そして宿に泊まってみて解ったが、なるほど夜中騒がしい。
野良犬の遠吠え、地下を駆け回る鼠の音‥‥。
安眠妨害されつつ、二日目〜四日目。
聞き込みを続けつつ、各自のスキルを活かして野良犬の動きを警戒し、確実に各個撃破していく。
三日目には、鼠退治組が大きな巣を潰したらしく、騒がしかったキャメロットの夜に少しずつ静寂が戻りつつあった。
五日目。
アーヴィングの提案で、餌を撒き、集団行動している野良犬をちょっとした高台へと誘き出すことに成功。
住民にも、昨日から高台へは近づかないよう通達してある。
円陣を組み、どんな状況にも備えられるようにしておく冒険者達。
前衛を固めるのは、ライノセラス、アッシュ、美鈴、ボルジャー。
キースは、回復要員のエリス、アマリス、射撃要員のアーヴィングのガードに徹する中間位置の布陣である。
「ヒュー、いるいる」
口笛を吹くライノセラス。
「悪い犬め、おいらがやっつけてやる！！」
鼻歌を歌っていたボルジャーが叫ぶ。
「さあワンちゃん達、相手してあげるから‥‥かかってきなさい！」
日本刀と短刀を構える美鈴。
「「ＧｕＲｕＲｕ‥‥」」
餌に群がっていた野良犬達が反応し、ギラついた目で睨みつけてくる。
戦闘開始だ！
「そこっ！」
アーヴィングの射撃と、
「カールス流ソニックブーム！」
アッシュの真空刃が飛ぶ。
「犬なんかにおいらがやられると思うなよ！！」
ショートソードで斬りつけるボルジャー。
「いっくよ〜」
日本刀で斬りかかる美鈴。
「残酷ですら自ら求めれば救済となろう」
ノーマルソードで斬りかかるライノセラス。前衛が一対一で戦えるように戦闘を誘導していく。
襲いかかってくる野良犬を前衛が各自対処していく。
「あたらないぞ！！」
ひらりとかわすボルジャー。
あぶれた一匹が後衛に飛び掛かろうとするのをキースが受け持つ。
「チッチッチ！ レディを守るのが、ナイトの務めだろう？」
クールでキザ、そしてフェミニスト振りを遺憾なく発揮している。
「‥‥コアギュレイト！」
エリスの魔法とキースの鞭に絡め取られ、野良犬の動きが止まる。
「これで一丁上がりッ！」
ダメージを与え、スマッシュ、スマッシュＥＸとだんだん威力を上げて野良犬にトドメを刺す美鈴。
野良犬と取っ組み合いにもつれこむボルジャー。
覆い被さられる！
「もうちょっとだったけど相手が悪かったね。重いってば‥‥」
下から喉を突いたボルジャーが返り血を浴びながら這い出してくる。
「‥‥リカバー」
流石に無傷とは行かないが、すかさずアマリスが回復させる。
仲間を信じて、魔法の詠唱を続ける。
しばらくして。
「次！次！ 私の相手はどれですか！」
仲間を見渡す美鈴。
累々と積み重なる野良犬の屍。
「‥‥リカバー」
怪我人を回復させていくエリスとアマリス。
死者重傷者無し、冒険者達の大勝利である。
その後も冒険者達は七日目までしっかり野良犬退治に精を出し、無事、キャメロットの夜に静寂を取り戻すことに成功した。どうやら、鼠退治を担当していた冒険者達も無事依頼を達成したようである。
「パラッパパラッパ！！ おいらはパラっさ！！」
依頼達成の喜びに歌い踊るボルジャー。
「パラッパパラッパ！！ おいらはファイター！！」
微妙に下手ッぴいなのは御愛嬌。
こうした経験を積み重ね、いずれは英雄と呼ばれるような冒険者になることを心より願っている。
