●リプレイ本文
「お久しぶりです。また依頼を受けることになりました。前回同様がんばらせてもらいます」
丁寧に挨拶するレンジャーのアシュレー・ウォルサム(ea0244)。
「そ、そんなぁ! 憧れの円卓の騎士が、禿で筋肉質なんて! ラーンス様の様に皆、かっこいいんじゃないの!?」
恋に恋する乙女、騎士は美形という先入観を持つファイターのティズ・ティン(ea7694)が、理想とのギャップに失礼な事を言ってしまう。
「はっはっは、湖の騎士殿と比べられてはかなわんな」
頭を掻くダゴネット。
「円卓の騎士の方々って、16人もいるから顔と名前が一致しないのですよね。実は‥‥」
ぼそりと、レンジャーのレジエル・グラープソン(ea2731)。
「ならば、私から覚えてもらうとしよう」
禿頭を布で磨き、
「太陽の名は譲ってしまったが、輝きならば負けん」
ニッと笑うダゴネット。
「親父、ボケはその辺にしときな。もう十分緊張は解れた」
「お、親父‥‥」
ファイターのキット・ファゼータ(ea2307)のツッコミに傷ついてみせるダゴネット。だが、その顔は笑っていた。
フール遊撃隊は、独立して敵軍の側面へと回り込む事となる。
偵察隊の準備を手伝う蒼汰。
「せっかく円卓の騎士様の戦いぶりを間近で見られる良い機会だものね!」
バードであるヴァージニア・レヴィン(ea2765)や、ケンイチ・ヤマモト(ea0760)にとっても良い機会となるだろう。
「私は仮面騎兵だ、平和の為に戦います」
エクセレントマスカレードの美女ミリーこと、ファイターのミリランシェル・ガブリエル(ea1782)。
「御武運を」
調べてきた天候情報をミリーに伝え、見送る鬼十郎であった。
まず、遠くからフライングブルームで飛び、敵軍の位置を伝えるヴァージニア。
それを元に先行する偵察隊は、レジエル、キット、アシュレーの三名。
パラのマントで身を隠すキット。
また、アシュレー、キットとも明るい間に鷹を飛ばせて偵察に役立てている。
そうして、オクスフォード侯爵軍の側面から様子を窺い、奇襲に最適な位置や移動ルートを選定するのだ。
敵軍に悟られることなく戻った偵察隊は、側面軍の規模や陣形、装備などを報告した。
ダゴネットは積極的に冒険者達の意見に耳を傾けている。
「戦争は須く殲滅戦と持久戦の繰り返し‥‥ま、電撃戦もありだがね」
偵察の情報を元に、念のため別ルートにも伝令を配置するよう提案する武道家の空魔玲璽(ea0187)。
「思いっきり敵をビビらせてくれ」
陽動部隊を指揮して名乗りをあげてくれるよう提案するキットや、
「こちらの連携を密にして、相手の連携を崩しましょう」
『テレパシー』を使えるケンイチの提案に頷くダゴネット。
「ダゴネットさん、しんがり要員に騎士団から8人くらい回して欲しいのですが。我々冒険者も含めて10名くらいを考えているのですが、少なすぎですか?」
「妥当な人数だ。しんがりは最も危険な任務、期待しているぞ」
レジエルの提案を承諾するダゴネット。元より少数精鋭の奇襲部隊では、結果に関わらず、速やかな退却が要求される。
「戦争か‥‥一兵卒にもみたない冒険者の命なんて安いものだな‥‥だが、それが人々の為になるならば‥‥この命安いものさ‥‥」
「そんな事はない。経験を積んだ冒険者達の実力を信頼しているからこそ、協力を願ったのだ。生きてこそ、より人々の為に戦える」
ミリーの呟きにダゴネットが語る。
家事の得意なティズが、食事などの世話をして騎士達の士気を高めている。
「♪〜神が遣わした聖なる剣に選ばれし勇者、アーサー王の為に、平和な国の為に戦おう! 皆で心を合わせて敵を退け手柄をたてよ! フール遊撃隊に栄光あれ!」
最後にヴァージニアが『メロディー』で士気を高め、フール遊撃隊は奇襲位置へと身を隠した。
敵の側面軍が半分ほど通り過ぎたところで日が落ち、野営を始めたところで、フール遊撃隊は行動を開始した。
空魔やキットの提案を取り入れ、一斉に松明に火を点け、篝火を焚き、大軍を装う。
ヴァージニアの『ファンタズム』による兵士の幻影も一役買っている。
「我こそは円卓の騎士ダゴネット・フール! オクスフォード侯爵に従う反乱軍を討ちに来たぞ!」
突然出現した大軍、指揮官は円卓の騎士を名乗っている。不意を突かれた敵軍は一気に浮き足立った。
見張りを『シューティングPAEX』で射抜くアシュレー。これによって、敵兵の反応が更に一歩遅くなる。
同じく、ダゴネット率いる陽動部隊の後衛として、『シューティングPA』で援護射撃を行うレジエル。
「駆け抜けろ! ヴァサーゴ!」
戦闘馬を駆り、ランスを構えて真っ先に突撃をかけるミリー!
小さな体躯と回避術を活かして敵陣を掻き回すキット。
同じく小さな体躯を活かしたティズも、大柄な騎士の背に隠れ、不意打ち気味の『スマッシュEX』を皮切りに敵陣へと切り込んでいく。
「指揮官殿は何処におられる。敵兵の数量の報告をせねばならん」
「あちらの陣地におられるはず‥‥」
伝令らしき兵士に問われ、右往左往していた敵兵が答える。
「むう、奇襲攻撃とは卑怯な。ただちに陣形を立て直し、迎撃するのだ!」
伝令を受けた指揮官が指示を出す。しかし、伝えられた奇襲兵力は実際より随分と水増しされている。
そこで、いきなり伝令が指揮官に斬りかかり、陣地に火を放つ!
この伝令、倒れた敵兵の装備を奪った空魔だったのだ!
「くっ、偽の伝令か‥‥!」
剣を振り上げた指揮官に、何かが突き刺さった。
「月の力にて我が敵を示し射ぬけ‥‥ムーンアロー! 指揮官はあの光の矢の飛んでく方角にいるわ!」
そう、指揮官に突き刺さったのは、ヴァージニアの放った光の矢だったのだ。
そして、冒険者達が指揮官の陣地へと雪崩れ込む!
「円卓の騎士ダゴネット・フール殿は、年端もいかぬ子供を戦場に送る外道であったか」
キットやティズを見て嘲笑する指揮官。
「ガキじゃねぇ。俺の名はキットだ」
反論するキット。
『魔法少女のローブ』で指揮官に一瞬の隙を作るティズ。
「シャドウバインディング!」
魔法で指揮官の動きを封じるケンイチ!
「死なば、もろともー!」
戦闘馬で一気に距離を詰め、『スマッシュ』を叩き込むミリー!
そして、キットの『ポイントアタック』とティズの『スマッシュEX』を受け、子供と侮ったことを後悔しながら倒れる指揮官であった。
作戦の最大目標は達成したが、まだ終わったわけではない。
指揮官の陣地の異変に、敵兵が続々と集結してきているのだ!
「不意打ち先駆けは戦場の華、だーが‥‥纏めて来られる前に逃げるか」
敵兵から奪った装備を捨てて素手になる空魔。これが本来のスタイルだ。
「たとえかなわなくても‥‥平和の為に戦う‥‥それが仮面騎兵だ! 行くぞ、ヴァサーゴ!」
ダゴネット達と合流すべく、敵軍に突入していくミリー!
「容赦なし、問答無用。元々頭で考えるのは苦手なんだ。掛かって来いコラ!」
誘っておいて、自ら突っ込んで敵軍突破を試みる空魔!
「ライダーブレイク!!」
『デッドorアライブ+カウンターアタック』で、敵の攻撃を受けつつも道を切り開くミリー!
こうして、何とか敵の囲みを突破した冒険者達。
また奇襲の最中、アシュレーの提案により、ダゴネット率いる陽動部隊は敵軍の兵糧部隊に焼き討ちを仕掛けていた。それほど大きな被害は出せなかったが、敵軍の士気低下には繋がるだろう。
そして、ヴァージニア、ケンイチのバード組の声量を活かした指示や『テレパシー』による情報伝達によって合流したフール遊撃隊は、速やかに撤退を開始した。
しんがりを務めるレジエル、アシュレーが、敵の追撃に弓矢で応戦している。
だが、しんがり部隊以外の戦線離脱を援護する間に、彼らは窮地に陥ってしまっていた。
「悪いが、しんがりを見捨てるような退却は出来ない性分なのでな。助けに来たぞ」
ダゴネットだ。負傷者を先に逃がし、救出部隊を編成して援護に戻ってきたのである。
「これで何とか振り切れそうですね、全員退却!」
レジエルの言葉にアシュレーが呼子笛を鳴らす。
まだ混乱している敵陣を後目に、退却を完了させたフール遊撃隊。
指揮官を失った側面部隊は、足並みが乱れ、オクスフォード侯爵軍本隊と歩調を合わせる事は困難だろう。
負傷者の手当てを済ませ、作戦の成功祝いと慰労を兼ねてのささやかな宴。
「もぉ泥沼試合は勘弁してくれ。俺はあんな戦闘大嫌いだ!」
空魔が叫ぶ。
「人同士なら、戦争なんかしなくて、話し合えばいいのにね」
子供らしい疑問を口にするティズ。
「そうだな。だが、世の中には分からず屋な大人が多いのだ」
「お疲れ様でした」
ダゴネットに酒を注ぐヴァージニア。
「円卓の騎士の腕前をこの私に体感させて貰いたいですわ〜、よろしかったらお願いしますわ」
手合わせを願うミリーに付き合うダゴネット。
円卓の騎士の剣の重みに感動するミリー。
アーサー王を讃える歌を披露するヴァージニア。
この奇襲の成功が、アーサー王の勝利に繋がる事を願って。