ただいま爆走中!?
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■ショートシナリオ
担当:紅茶えす
対応レベル:7〜13lv
難易度:やや難
成功報酬:4 G 56 C
参加人数:8人
サポート参加人数:-人
冒険期間:08月15日〜08月22日
リプレイ公開日:2005年08月20日
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●オープニング
キャメロットから南西二日ほどの所にギルフォードという街がある。
街の周辺には農耕や狩猟を中心とした小さな村が点在しており、森林地帯が多い。
最近、この地方ではモンスターによる被害が頻発していた。
ここは冒険者ギルド。
冒険者達が仕事の斡旋を求めて集う場所である。
「仕事の斡旋か? この依頼を引き受けてくれないか?」
いつものように冒険者ギルドのおやっさんが依頼書を見せる。
『ウチの村と隣村を繋ぐ道に、近頃、暴れ牛が出るのです。
森から突然走ってきたかと思うと、通行人を跳ね飛ばして去っていきます。跳ね飛ばされた者は皆、大怪我を負っています。
どうか、暴れ牛を退治して下さい。
追伸。怖ろしいことに、暴れ牛は二本足で走り、斧を持っているそうです。もしかしたら、何かモンスターかもしれません』
「というわけで、暴れ牛退治を頼むよ‥‥って、絶対タダの牛じゃねぇっ!」
いきなり一人ツッコミして、ぜーはー言っているおやっさん。
「間違いなくミノタウロスだろうな。気を付けてくれ。
依頼の村までは片道三日、隣村へは半日程度で行けるそうだ」
こうして新たな依頼を受けた冒険者達であった。
●リプレイ本文
「はーい! ピアレーチェ・ヴィヴァーチェ(ea7050)だよっ。ミノ君退治だぁ〜っ☆」
元気いっぱいの自己紹介。ミノ君は、どうやらミノタウロスの事らしい。ちなみに彼女は神聖騎士である。
「ミノ君か‥‥、主婦の様々な悩みを聞いてくれるとか聞いてくれないとかって聞いたんだが、俺の家の姑問題も解決してくれないものか‥‥」
何か勘違いしている様子で呟く神聖騎士ジェームス・モンド(ea3731)。
「住民を困らせるミノタウロスをやっつけるのだ♪」
そう宣言するファイターのミケーラ・クイン(ea5619)。
「過去二度の戦闘経験があります。魔法等で動きを止める事も効果的なのですが‥‥」
豊富なオーガ知識と経験を踏まえて、ミノタウロスの能力を説明する神聖騎士アトス・ラフェール(ea2179)。
出発前、何やら儲け話を考えついたナイトのクリオ・スパリュダース(ea5678)。だが残念なことに、うまい商売相手は見つからなかったようだ。
道中、陽気な鼻歌が聞こえる。
「こんどのあいては暴れ牛〜。だけどほんとはミノタウロ〜ス〜。森から来るぞ気をつけろ〜、パラの戦士は負けないぞ〜♪」
口ずさんでいるのはファイターのボルジャー・タックワイズ(ea3970)。
「まぁコレもある種の、勝利のおまじないみたいなモンだよな〜」
その歌を聞いて明るく笑うファイターのリオン・ラーディナス(ea1458)。
何やらバツの悪そうなジェームス。どうやら保存食を用意し忘れたようだ。分けて貰う代わりに得意の家事と調理器具セットで貢献している‥‥これも姑問題の影響だろうか?
依頼の村へと到着した冒険者達は、聞き込みを開始した。
「ふむ、隣人が西の空に光る飛行物体を‥‥いや、そうじゃなくて、俺は暴れ牛の話をな」
なかなか本命の情報が聞けず苦労しているジェームス。
「いやー、それにしても綺麗な人だね。もし良かったら今度‥‥って、え?」
聞き込みしつつ、ナンパに精を出すリオン。あまり成果は上がっていないようだが。
その他、暴れ牛による重傷者に高価なヒーリングポーションを提供している。村人には聖人君子と映った事だろう。
「襲撃前に雄叫びをあげる等の特徴はありませんか。場所も特定できれば有利になるのですが」
「物凄い地響きと雄叫びが聞こえたそうです。もう怖くて、隣村へ行けませんよ‥‥」
そうアトスに話す村人。
「ほほぅ‥‥」
興味深そうに聞いているファイターのゴルス・ヴァインド(eb0970)。
そうして、冒険者達は退治を約束し、隣村へと続く道を進み始めたのだった。
「こんな感じで行くよ」
ミノタウロス退治作戦を再確認するピアレーチェ。
「さて、力比べになるかな、腕が鳴るぞ♪」
作戦を決定し、班分けするミケーラ。
一人、囮としてリオンが先行し、その他のメンバーも役割を持って後方に続く。
やがて、地鳴りと共に、
「Zmoooーーーッ!」
雄叫びが聞こえてくる!
何か、巨大生物が突進してきているのは間違いない!
森から飛び出してきたのは紛れもない、ミノタウロスだ!
マントofナイトレッドを持ち、正面から見据えるリオン!
(「突撃を避けられなかったら、オレは一生彼女出来ない‥‥突撃を避けられなかったらオレは‥‥」)
自己暗示を掛けて、集中力を高める!
赤い色が効いたのか、その場にリオンしかいなかったからか、彼目掛けてミノタウロスが『チャージング』を仕掛けてくる!
それを『オフシフト』で華麗に回避し、マントを被せて視界を覆う!
そのまま、勢いに乗って走り続けるミノタウロスを遮るように現れたのは、第二班ゴルス&ミケーラ!
がっちりスクラムを組む二人の重装備ファイター!
二人の背中を後ろから支え、踏ん張りを利かすピアレーチェ!
「さぁ! どっちが吹っ飛ばされるか勝負だ!!」
ミケーラが叫ぶ!
「Zmoooーーーッ!」
ミノタウロスの突進を真正面から止めるつもりだ!
激突!
ミケーラは『ガード』で、ゴルスは『デッドorアライブ』で受け止める!
火花が散って、ミノタウロスの突進が止まった!
押さえ込んだ二人もダメージは最小限!
そこを残る第三班が包囲し、一斉攻撃を仕掛ける!
「心置きなく戦いたまえ勇者よ。君の死体には、立派な墓が建てられるだけの値段をつけるはずだったんだが‥‥」
ロングボウで射撃するクリオ。どうやら儲け話に関係あったようだ。
「ミノタウロスが強いかパラの戦士が強いか勝負だ!!」
両手持ちにした日本刀での三連斬りを叩き込むボルジャー!
『ミミクリー』で腕を伸ばし、チェーンホイップで攻撃するジェームス。ミノタウロスが逃げ出さないよう背後に回り込む!
そして、ミノタウロスに負けない雄叫びを上げて、ラージクレイモアによる『スマッシュ』を叩き込むゴルス!
「うわ、スゴ‥‥」
仲間達の猛攻に、思わず感嘆の声を漏らすリオン。
「Mooーッ!」
だが、まだミノタウロスのトドメには至っておらず、斧を振り回してくる!
「おいらに簡単に当てれると思うな!!」
ボルジャーもまた、素晴らしい回避術でミノタウロスの斧を避ける!
少しでも距離をあけて、助走距離をとりたいミノタウロスだが、
「チャージングなどさせるか!」
チェーンホイップを絡みつかせて、動きを阻害!
「飛び出すな、荷馬車は急に止まれないとも言うぞ‥‥牛だがな」
ニッと笑うジェームス。
「もうここで止まれよ、お前」
包囲に加わったリオン。霞刀による連続攻撃!
「これだけの攻撃だ。隙が必ず出来るはず。拘束できれば確実に倒せる!」
かなりの大ダメージを負ったミノタウロスを、アトスが『コアギュレイト』で硬直させる!
「ファイナルアンサー!」
「トドメじゃっ!」
すかさず、ジェームスとゴルスの『スマッシュEX』が炸裂!
掛け声の通り、これがミノタウロスへの最終解答となったのである。
「大丈夫だった!? 怪我とか無い?」
早速、ヒーリングポーションを片手に女性陣を気遣うリオン。
だが、あれほどの突進を受け止めたミケーラを始め、皆、受けたダメージは軽微なものだった。アトスとピアレーチェの『リカバー』で完全回復可能である。
残念ながら彼女は出来なかったリオンだが、きっと彼にも春は来るだろう。今回の成功は大きな自信となるに違いない。
そして、村へと報告に戻った冒険者達。
「換金して治療費の足しにでも役立てて下さい。お大事に」
ミノタウロスの斧を回収してきたアトスは、それを村長に渡す。
自腹で引き取ろうかと考えていたクリオだが、モンスターの使っていた武器は大抵ナマクラで冒険者が使うには相応しくない物が多い。今回もその例に漏れなかったようだ。
「何から何まで有り難う御座います」
村長を代表に頭を下げて冒険者達を見送る村人達。その感謝と達成感に満足し、次の依頼の糧とするアトス。
「パッラッパパッパ! おいらはパラっさ!!
パラッパパラッパ! おいらはファイター!!」
歌って踊るボルジャー。へたっぴぃでも気にしない、これは勝利の歌なのだから。
いずれ彼らが英雄と呼ばれる日が来ることを願っている。