オークの巣窟:殲滅班

■ショートシナリオ


担当:紅茶えす

対応レベル:6〜10lv

難易度:やや難

成功報酬:4 G 46 C

参加人数:7人

サポート参加人数:-人

冒険期間:10月19日〜10月26日

リプレイ公開日:2005年10月24日

●オープニング

 ここは冒険者ギルド。
 冒険者達が仕事の斡旋を求めて集う場所である。
「仕事の斡旋か? この依頼を引き受けてくれないか?」
 いつものように冒険者ギルドのおやっさんが依頼書を見せる。

『中規模なオークの巣窟が発見され、周辺地域への被害を未然に防ぐため、この討伐を冒険者ギルドが請け負う事となりました。
 この討伐作戦では、陽動班・殲滅班に別れて、依頼を果たして頂く事になります。
 こちらの依頼を『殲滅班』とします。
 巣窟へと突入し、オークを殲滅する事が依頼となります。
 各自の実力を考慮の上、作戦に参加して頂きますようお願いします』

「目的地までは片道三日弱くらいだ。七日分の食料は各自用意しておいてくれ。
 一日早く『陽動班』が行って、うまくオークの数を減らしてくれている手筈だ。
 予定では、オークロードを筆頭に、オーク・オーク戦士合わせて十体未満になっているはずだ。しっかり頼むぞ!」
 依頼内容を補足説明するおやっさん。
 こうして新たな依頼を受けた冒険者達であった。

●今回の参加者

 ea1753 ジョセフィーヌ・マッケンジー(31歳・♀・レンジャー・人間・イギリス王国)
 ea2998 鳴滝 静慈(30歳・♂・武道家・人間・華仙教大国)
 ea5021 サーシャ・クライン(29歳・♀・ウィザード・人間・フランク王国)
 ea5322 尾花 満(37歳・♂・ナイト・人間・ジャパン)
 ea6226 ミリート・アーティア(25歳・♀・レンジャー・人間・イギリス王国)
 ea7528 セオフィラス・ディラック(34歳・♂・神聖騎士・人間・イギリス王国)
 eb0921 風雲寺 雷音丸(37歳・♂・志士・ジャイアント・ジャパン)

●リプレイ本文

 目的地へと向かう道中。
「戦闘直前とかはともかく、その前に緊張しすぎても仕方ないしね♪」
 鳴子を作りつつ、歌を口ずさむレンジャーのミリート・アーティア(ea6226)。
「オークの群れか‥‥久方振りの肩慣らしには丁度良いやも知れぬな。近隣の集落に被害が出る前に叩いてしまうと致そう」
 ついでに食べられる野草を見分ける訓練をしているのは『包丁侍』と称される浪人の尾花満(ea5322)。調理の腕はかなりのもの、彼のおかげで、道中の食事に一品加えられている。
 そして、目的地が近づいた頃、先行の陽動班から『陽動成功』の報が伝えられた。

 オークの巣窟付近へと到着。
 神聖騎士セオフィラス・ディラック(ea7528)の提案で、他に出入り口が無いか、周辺を調査しておく。出入り口は一ヶ所しか無かったようだが、もしも逃げ道があった場合、作戦に支障を来す事になるからだ。
 入り口には、マヌケ面で欠伸をしている見張りオークが一匹。迎えるはずのオーク達は、もう戻る事はない。
「情報通り手薄のようだな‥‥どうやら、陽動班は上手く立ち回ってくれたらしい」
 ナックルに『オーラパワー』を掛けておく武道家の鳴滝静慈(ea2998)。
「さーて、サクサクいきますか」
 長弓「鳴弦の弓」に矢をつがえるレンジャーのジョセフィーヌ・マッケンジー(ea1753)。ちなみにジョーと呼ばれている。
「最近、家事や市場での手伝いばっかだったし、身体がなまってなきゃいいんだけどなぁ‥‥」
 ウィザードのサーシャ・クライン(ea5021)の『ウインドスラッシュ』にタイミングを合わせ、同時にジョー、ミリートが射撃。
 更に前衛達が切り込んで、見張りオークは中へ襲撃を伝えることも出来ず、息絶えた。

 入り口から中を覗く。
「オークどもに罠をしかけるほどの頭が有るとは思えんが」
 念のため周囲にも注意するセオフィラス。
「目には多少の自信があるが、例え目に見えずとも、必ず耳に届き、鼻に感じるモノがある。それが戦いの空気というものだ」
 待ち伏せや奇襲を受けないよう、五感を研ぎ澄ます志士の風雲寺雷音丸(eb0921)。彼ら二人を先頭に隊列を組み、巣窟内へと侵入する冒険者達。
 暫く通路を進むと、先は広間のようになっているようだ。複数のオークらしき声が聞こえてくる。
 広間への突入と同時に、サーシャが『トルネード』を発動させる!
「「「Buhiッ!?」」」
 たむろしていたオークが数匹、巻き上げられ、叩きつけられる!
 そこへ『シューティングPAEX』をお見舞いするミリート!
「キャメロット双竜勲章の実力は伊達じゃないのよ!」
 ジョーも続いて射撃!
「よっし、奇襲成功♪ さぁみんな、突撃ー!」
 サーシャの声を合図に戦闘開始だ!
「料理人とて甘く見るな‥‥人斬り包丁の扱い方も心得ているのだ」
 右手のガラントソードによる斬撃に、左の拳による『スタンアタック』を併用して戦う満。
「一心、二眼、三足‥‥武の道の基本は心だ。己の本能の赴くままに、力を暴力としか扱えぬ者が俺を止められると思うな‥‥」
 『ダブルアタック』による連続攻撃を仕掛ける静慈。
「貴様ら程度に後れを取るつもりはない」
 通常攻撃をメインに『スマッシュ』を交え、オークを切り伏せていくセオフィラス。
「ガァアアア、どけ、雑魚には用はない!!」
 雷音丸は一気に『ポイントアタックEX+スマッシュ』でオークの首を切り飛ばす!

 そこで、一番奥にあるやや大きな枝道から、一回り大きな影が近づいてくる。
「Guhihi‥‥」
 オーク戦士を連れたオークロードが出現!
 劣勢だったオークも少し士気が上がったようだ。
 オークロードの指示で、後衛の方へと回り込もうとするオーク戦士。
「闘争本能、その一点に関しては評価に値する。認識を改めざるを得ないようだな‥‥」
「ここより先へは行かせぬぞ‥‥観念するがいい」
 後衛の壁として防衛戦を張る静慈、満。
「グガァアアアア!! オークロード、相手にとって不足なし!」
 突進する雷音丸。とは言え、ただの猪突猛進ではなく、味方の状況を確認した上でだ。
「爪弾きで痺れちゃえ! えいっ!!」
 長弓「鳴弦の弓」に持ち替えたミリートが、弦を鳴らし、特殊効果で援護する。
 更に枝道からもオークが出現するが、
「不意打ちで油断を誘う程度の頭はあるか‥‥だが、戦術としては及第点すらやれんな」
 警戒していた静慈が、すぐさま『トリッピング』を仕掛けて対応し、
「悪いが、ここを通す訳にはいかない。俺の帰りを待っている人に顔向け出来なくなってしまうのでな‥‥」
 体勢を崩したオークを容赦なく殴り倒す。
「既に見切った‥‥そのような力任せの一撃、拙者には通用せぬぞ」
 オーク戦士を相手に『オフシフト』で回避を重視しつつ、斬撃を加えていく満。
「弓使いは援護がお仕事!」
 『シューティングPA』で援護射撃するジョー。
 一匹、また一匹と数を減らしていくオーク。陽動のおかげもあってか、枝道からの新手もすぐに底をついたようだ。

 オークロードもまた、長弓「鳴弦の弓」の効果で動きが鈍り、雷音丸に押されている。
「Guhiーッ!」
 雄叫びを上げ、『スマッシュ』で起死回生を狙うオークロード!
「グガァアアアア!!」
 その一撃を盾で防ぎ、逆に『スマッシュ』を叩き込んで雷音丸が吼える!
「これでサヨナラ! Bye-byeだよ!!」
 そこへ、『シューティングPA』を撃ち込むミリート。
 更に、粗方オークどもを倒した冒険者達が、次々と援護に入ってくる。
「特に恨みは無いが手加減も容赦もするつもりは無い。力に溺れる者がどのような末路を辿るか‥‥最期にその身で知るがいい」
 倒れゆくオークロードに、そう言葉を掛ける静慈であった。

 オークロードを倒し、広間を制圧した冒険者達。
「ガァアアアア!!」
 勝利の雄叫びをあげる雷音丸。強敵との戦いを求めて世界中を放浪する彼は、オークロードとの戦いに満足したようだ。
 だが、もう一仕事、残っている。
「皆でやれば、すぐ終わるよね」
 用意しておいた鳴子を取り出すミリート。更にロープをすねの高さくらいに張るよう指示する。
「枝道の奥にオークが残っていないかの確認だね」
「あとは二手位に分かれても問題はないだろう」
 サーシャの言葉を受けて、提案するセオフィラス。広間の防御と枝道の探索、二手に分かれて残党狩りを実行する。
 怪しい場所にはジョーが矢を撃ち込んで様子見し、不意打ちされないよう確実に探索を進めていく。
 小一時間で探索は終わり、オークは完全に掃討された。
「拙者もまだ修行が足りぬな。まぁ、このような仕事が必要ないような世になれば良いのであるが‥‥」
 後始末をしながら呟く満。
 そうして、巣窟の外へ出る頃には、とっぷり日も暮れていたが、冒険者達は意気揚々とキャメロットへの帰路に着いたのであった。
 いずれ彼らが英雄と呼ばれる日が来ることを願っている。