冒険者のつくりかた

■ショートシナリオ


担当:冬斗

対応レベル:8〜14lv

難易度:普通

成功報酬:3 G 65 C

参加人数:7人

サポート参加人数:1人

冒険期間:04月07日〜04月13日

リプレイ公開日:2008年04月14日

●オープニング

 ここに冒険者見習いの少女がいた。
 名をステラ。
 依頼経験ゼロ。
 それどころか己の職業すら決まっていない――いうなれば一般人である。

『選ぶならファイターがお薦めですかね』
『余計な知識はいらないし、先輩も多いしね』

『鎧騎士もいいと思う。
 ゴーレムがあれば即戦力だからな』

「ファイターか鎧騎士か――」
 先輩冒険者のアドバイスを貰い、己の道を悩むステラ。
 今のところまだ職業は決まってはいない。
 漫然と迷いながら冒険者ギルドに足を運ぶ。
 その先に答えが見つかるかのような期待を抱きながら。


 早朝。
 この時間には必然的に客は少ない。
 だから目立つのであろう、あまり裕福ではなさそうな身なりの男がギルド員に挨拶をして去っていく。
「おはようございます。今の人‥‥依頼ですか?」
「おはよう、ステラ。ええ、依頼よ。モンスター退治の」
「モンスター退治‥‥」
 張り出された依頼書に目を通すステラ。
 ふと、ギルド員の表情が翳っている事がわかる。
「どうかしたんですか? この依頼‥‥」
 それがこの依頼についてのものだという事も。
「ん? ああ、いや、ね、この依頼‥‥受理されないかもしれないわね‥‥」
「え?」
「ラージアント退治なんだけれどね。報酬が少ないのよ」
 冒険者は報酬によってのみ動くものではない。
 とはいえ、仕事なのだから報酬は必要だ。
「――困っているんでしょう?」
「ええ、森に入れないらしいわ。生計を立てている人もいるみたいね‥‥」
「――――」
「ステラ?」
 しばらく考え込むステラにギルド員は嫌な予感を覚え、

『――不相応な仕事は選ばない、
 冒険する依頼で危険がない依頼は少ないけど最初から危険度大の依頼は選ばない――』

 そう言ってくれた人がいた。
 けれど、

「私、この依頼受けます」
 困っている人がいるなら――。
「ちょ、ちょっと!」
「受理されないかもしれないんですよね?」
「まだ決まったわけじゃ‥‥」
「なら早い方がいいです」

『――やりたくない仕事は選ばない事。
 受けたら不満があろうと目的達成を第一に考えないと駄目だから――』

(「――なら、やりたいって思う仕事ならいいんですよね?」)

 無茶かもしれないとはわかってる。
 けど、
 前に進むと決めたから。

●今回の参加者

 ea1587 風 烈(31歳・♂・武道家・人間・華仙教大国)
 ea3063 ルイス・マリスカル(39歳・♂・ファイター・人間・イスパニア王国)
 ea9387 シュタール・アイゼナッハ(47歳・♂・ゴーレムニスト・人間・フランク王国)
 eb0432 マヤ・オ・リン(25歳・♀・レンジャー・ハーフエルフ・イギリス王国)
 eb0754 フォーリィ・クライト(21歳・♀・ファイター・ハーフエルフ・ノルマン王国)
 eb4257 龍堂 光太(28歳・♂・天界人・人間・天界(地球))
 ec4205 アルトリア・ペンドラゴン(23歳・♀・天界人・人間・天界(地球))

●サポート参加者

イェーガー・ラタイン(ea6382

●リプレイ本文

●からまわりの冒険者
 行きの道。妙に重苦しい雰囲気に包まれる一行。
「‥‥あの‥‥すみません‥‥」
 申し訳なさそうに口を開くステラという少女。職業・冒険者。
「怒って‥‥ます?」
「あったり前よ!」
 ふくれっ面を見せるフォーリィ・クライト(eb0754)。
「あたし言ったわよね? 自分に見合わない仕事は受けないようにって!」
 冒険者志望だったステラに色々とアドバイスを授けたフォーリィ。
 その中の一つを、今回彼女はお世辞にも守っているとは言い難かった。
「確かに。フォーリィさんの言わんとするのは尤もですね」
 ルイス・マリスカル(ea3063)。彼もステラに新人レクチャーをした冒険者の一人だ。
 自分達が導いた少女が初依頼に参加するのは祝福してやりたいところなのだが――、
 正直、この依頼は彼女には重荷と言わざるを得ない。
 巨大蟻の強さは新人冒険者が受け持つレベルではない。
 更に言うならステラはまだ特定の技術――職業を磨いてすらいないのだ。これでは一般人と変わりない。
「聞きますが、何か策でもあってこの依頼を?」
 ルイスは尋ねるが、答えはわかりきっている。
「‥‥いえ、何も‥‥」
 彼女の態度を見れば一目瞭然だった。

●必要なのは、覚悟
「―――ッ!!」
 打撃を受け、膝をつく。
「すぐに立ち上がらないと。蟻は待ってはくれないぜ?」
 道中の野営にて、ステラに稽古をつけている風烈(ea1587)。
 ステラは立ち上がり、鞘に収まったままの剣を振るう。
 それをかわし、再び一撃を叩き込む。
「―――ァァッ――!!」
「倒そうとするんじゃない。身を守る事を考えろ。
 相手は俺一人なんだから容易い筈だろ?」
 烈の言っている事は一つだけ間違っている。
 彼の実力は蟻のそれを大きく上回る。
 彼の攻撃をいなせるのならそれこそ蟻相手にはなんら問題はない。
 厳しくするのは親心にも似た感情。
 烈もまた、ステラの相談に乗った冒険者の一人として。


 ――――――――――
「ラージアントの事は知っているのですか?」
「‥‥いいえ」
 ステラの返事はマヤ・オ・リン(eb0432)の予想通りのものだった。
「――ですが、私では到底敵わない相手である事だけはギルド員さんから聞きました」
「だったら何故?」
 村を助けたかったとステラは言った。
 だが、『流れるかも』と言われた依頼は結果総勢8名。
 結局ステラが参加した事には意味はなくなってしまった訳で。

「――兄を、探しているんです」
 以前話したフォーリィ達にも初耳だった。
「兄を見つける為、冒険者になりました。
 会って、話したい事、聞きたい事、やりたい事が山ほどあるんです。
 その時、『私はこんなに頑張りました』って胸を張れなきゃ意味がない、会う資格自体ないんじゃないかって」
 おそらくは、それが彼女の冒険者への動機。
「村を見捨てたら‥‥私は兄様に会わせる顔がない――そう思ったら――」
(「――なるほど、騎士向きの性格かのぅ‥‥」)
 シュタール・アイゼナッハ(ea9387)は出発前、仲間のイェーガーの言葉を思い出す。
「‥‥迷惑をかけているのは承知してます。私に出来る事ならなんでも言って下さい。
 足手纏いなら見捨てていっても――」
「こらっ!」
 フォーリィが叱責。その顔は本気で怒っていて――。
「見捨てる訳ないでしょ! 私達は理解と覚悟があるのかって聞いてるだけよ!
 それがあるのならあたし達が貴女を助けるわ。
 ‥‥寂しい事言いっこなしよ。仲間でしょ?」
 ステラの手を握るフォーリィ。その心は本気で彼女を心配して――。

「――なんにせよ」
 初めはステラを諌めていたマヤは、今度は元気づけるように、
「今回はちょっと勇み足でしたけど、そのおかげで依頼が流れずにすみました」
 8人集まった事については目を瞑ろう。
 あくまで結果論だし、それに、
「人を集めるさきがけになるのも、小さい役割ではありませんよ」
 彼女がきっかけでこれだけ集まった。
 中には彼女を心配した者もいるかもしれない。
 いや、きっと全員がそうだろう。
 だから、
「――仕方無いですね。
 わかりました。荷が重い相手ですが、私達も全力でサポートします。
 共に戦いましょう」
 ルイスも彼女を認め、
 そして――。
 ――――――――――


「―――ァ――!」
 崩れ落ちるステラ。
 これで何度目になるのか。
 烈は一切手加減はしていない。
 もちろん大怪我はしないようにしているが、動きには一切の躊躇いはない。
 ステラを仲間と認めたからこそ、全力で。
「隙を見せれば一撃でやられる。君の役目は自分の身を守る事だ」
 荒療治だが、精一杯の想いを込めて――。


「――結局、一度も音を上げないでやんの」
 烈は呆れたように呟く。
 本人が『もう動けない』というまでやるつもりだった。
 が、それは叶わなかった。本人の意識が落ちるのが先だったから。
「こんなにして――大丈夫なんでしょうね?」
 じろりとフォーリィが烈を睨む。
「ま、まあ‥‥ね。急所は外してあるし、明日は馬に寝かせておこう。一日もあれば回復するよ」

●森へ
「弓かメイスを貸そうと思うんだがのぅ」
 シュタールがステラ用に用意した武器。
 ステラも剣を持ってはいたが、両方ともそれより役に立つ。
「メイスの方がいい。弓だと威力も弱いし、狙おうとしてかえって隙が出来る」
 龍堂光太(eb4257)が薦めたのは魔法のメイス。
 虫系のモンスターに効果があり、重さもちょうどいい。
「ふむ。ならこれを。
 幾多のゴキブリに天罰を与えてきた由緒正しきメイスだ。
 安心して使ってくれぃ」
「ゴキ‥‥!!
 あ、ありがとうございます‥‥あはは‥‥」
 顔を引きつらせ、『由緒正しき魔法のメイス』をシュタールから受け取る。
「わかっていると思うが――」
 光太は念を押すように、
「そのメイスは護身用だ。
 前に出ようとしてはいけない。いいね?」
「は、はい!」
 それは烈に嫌というほど叩き込まれた。
 未熟な自分の出来る事は下がって身を守る事。
「ステラさんは後衛から蟻達の動きを見ていてくれ。
 逃がしそうな蟻、死角に回られた蟻などを教えて欲しい。
 勿論、自分が襲われそうになった時も」
「はい!」
「いい返事だ。信頼しているよ」
 軽く頭を撫でる光太。

「ステラさま、馬には乗れますか?」
「え? は、はい。一応」
「よかった。じゃあうちの『エドワルド君』どうですか?」
 マヤが薦めたのはユニコーンの『エド君』。
 ちなみに『君』までが名前である。
「い、いいんですか?」
 と遠慮がちに言うも、好奇心は抑えられないらしい。
 ユニコーンなどそうお目にかかれるものではない。
 ステラの伸ばした手を――
 するりと避けるエド君。
「え゛!?」
 驚きのマヤ。
 ユニコーンは乙女にしかその身を触れさせない。
「――あっ‥‥!」
 ぺろりと、
 反対側の腕の傷を舐めるエド君。
 一昨日、烈につけられたものだ。
「‥‥びっくりしました‥‥」
 胸をなで下ろすマヤ。
 気持ちはわからんでもない。

「では、みなさん、行きましょう」
 アルトリア・ペンドラゴン(ec4205)の声と共に、
 一行は森へと。

●緒戦
「こっちです」
 マヤの案内で蟻を追う。
 森に慣れたマヤにラージアントの痕跡は容易に辿る事が出来た。
「――くるぞ」
 バイブレーションセンサーを使用しているシュタール。
「ステラさん!」
 光太の声に頷き、後方に下がるステラ。
 前衛は五人。
 蟻も五匹。

「ここは通しません!」
 向かってくる蟻にメイスを振るう光太。
 シュタールのものと同じ、ゴキブリ殺しの聖なるメイスが巨大蟻の外殻を打ち砕く。

「ハッ!!」
 烈も龍爪で敵を引き裂く。
「こいつらで全部とは限らないからな、無茶するなよ!」

「承知!!」
 ルイスはマインゴーシュで応戦。
 受けに特化しているだけ、長期戦には有利だった。

「はぁっ!!」
 負けじとオーラパワーを付与した雷斬で斬りかかるアルトリア。
 だが、この五人の中では力不足の否めない彼女。
「危ない!!」
 アルトリアを襲う蟻の関節の隙間にマヤの矢が貫通する。
「すっ飛べぃ!」
 シュタールのローリンググラビティーが弱った蟻を中空高く弾き飛ばした。
「助かりました‥‥!」
 冒険を始めて半年足らず。
 仲間の援護が今は頼もしい。
「お気をつけて、アルトリアさま」
 次の矢を番え、慎重に狙いを定めるマヤ。

「みんな! どいて!!」
 フォーリィのソードボンバーが空を薙ぐ。
 魔剣の一閃は弱った蟻達に次々ととどめを刺していった。

●生きて帰って
「――ここが巣穴のようですね」
 何度かの戦闘を終え、マヤはラージアントの巣穴を発見した。
「おー、良く見つけたねー、ロロ」
 効率良く発見できたのは、フォーリィのイーグルドラゴンパピー、ロロの協力もあって。
 空からテレスコープでマヤの案内に従い周辺から見つけ出した。
 途中、かなりの数を倒したので、奥にそれほど残っているとは思えないが、確認しなければ村人に安全は保障できない。
「私達はここで退路の確保をさせて戴きます」
 そう言って残るのはマヤとアリトリア、ステラの三人。
 巣穴は割と狭い。
 ステラを乗せたエド君が入っていける造りではなく、射撃の援護もしづらいだろう。
 それに洞窟内での挟み撃ちは非常に危険だ。
 戻ってくる蟻の迎撃も兼ねなければならない。

「わかりました。――ステラさん」
 光太はステラに自分のフェアリーを託す。
「ルシエラっていいます。仲良くしてやってください」
『いっしょにルスバン』
「あ、は、はい!」
 ユニコーンと同じく、フェアリーを見るのは初めてらしい。
 どぎまぎしながらも、光太と同じ口調で喋る小さな女の子に目を輝かせ、頬を紅潮させている。

「じゃあ、俺からも」
 烈は自身の指輪をステラに手渡した。
「守護の指輪だ。多少の怪我からは君を守ってくれるだろう」
 その数は十。
 厚めの鎧並の装甲だ。
「でも――」
 これを外すということは生身で蟻達の巣に潜るという事。
「大丈夫、必ず戻る。だから君も無事、これを俺に返してくれ」
「――はい!」
 烈の言いたい事を察し、ステラは大事そうに指輪を受け取った。

●歴戦の冒険者達
「クリスタルソードはどうかのぅ?」
 シュタールの造った水晶剣。
 並の魔法剣を軽く上回る代物だ。
「戴きましょうか。威力のある剣が欲しかったところです」
 ルイスが一本受け取る。
「ここでは受けに回る必要はありませんからね」
 軽いマインゴーシュを使うルイスだが、元々力は有り余っている。
 愛用の剣ではあるが、ここはシュタールの好意に甘えるとしよう。

「――むこうだ。距離は20m、当然相手さんも気付いとる」
 暗く狭い巣穴でシュタールのバイブレーションセンサーは外以上に役に立つ。

「ハァッ!!」
 ルイスの水晶剣が蟻の外殻を斬り裂く。
 同時にもう一体の攻撃がくるが、蟻の牙はルイスにかすりもしない。
 愛剣のマインゴーシュを受けに使っているルイスだったが、盾などなくても蟻如きの相手は全く問題がなかった。
「――フッ!!」
 剣の重みを乗せたカウンターでもう一体の胴体も殻ごと斬り裂き、
「暗いですから! みなさん注意してください!」
 叫ぶルイスの片手にはライトが。
 五人中、守らなければならないのは魔術師のシュタールのみ。
 気を抜かなければ彼らには難しい戦闘ではない。

「鳥爪撃!!」
 十二形意拳・酉の奥義。
 烈の最強の威力を誇る蹴りが巨大蟻の身体をへし折る。
 蟻は烈の身体にも触る事は出来ず。
 ステラの護衛に気を割かない分、むしろ彼らの動きは良かった。

「光太、シュタール、下がってて。試したい技があるの」
 フォーリィは二本の魔剣を構える。
 一度に襲いかかる二匹の蟻に、身を捻りつつ、二刀のカウンターを浴びせた。
 重さの乗った必殺の一撃を。
 関節の隙間に、正確に。
 その双剣は一度に二体の蟻を戦闘不能に近い状態にまで斬り裂いた。

「シュタールさんはセンサーで奥を警戒しててください!」
 Gパニッシャーで確実に蟻を潰していく光太。

「――いかん!!」
 突然叫ぶのはセンサーで感知中のシュタール。
 センサーの範囲は100m。
 曲がりくねった巣穴ではかなりの距離に有効だ。
 今現在、それは入口にまで及び――、
「入口でマヤさんらが蟻に襲われとる!!」
「!!!」

●見えない絆
「――くっ!」
 三匹の蟻の攻撃を盾で受けきれず、たたらを踏むアルトリア。
(「一対一なら――」)
 非力な彼女では複数の攻撃を捌き切れない。
 ましてや三体。
 マヤの援護をもってしてもギリギリだ。
(「なんとかしなきゃ――」)
 アルトリアを援護すべく矢を番えるマヤ。
 その時、

「ええいっ!!」

「ステラさん!?」
 ステラが――いや、正確にはステラの乗るエド君のチャージが蟻達を蹴散らす。
 だが、そのエド君、いや、ステラを一匹が襲う。
「きゃああっ!!」
 エド君から振り落とされるステラ。
「このぉっ!!」
 マヤの矢がステラに覆い被さろうとする蟻を射抜く。
 アルトリアとエドの活躍もあり、三匹の蟻を全て討ち取った。

「大丈夫ですか!?」
 ステラに慌てて駆け寄るマヤ。
「いたた‥‥な、なんとか大丈夫だったみたいです‥‥」
 ステラの指に光る十のリング。
「烈さんが――守ってくれたみたいです」

●これからの道
「思うんだが、
 ステラさんは鎧騎士を目指してはどうかのぅ?」
 帰途にて、シュタール。
「これはイェーガーからの言伝でもある。
『守る』心の強いステラさんは騎士向きなのではないかとのぅ」
 出発時、サポートをしてくれた彼もステラを心配してくれていたようだ。

「僕もそう思う。ゴーレムを操るのだって簡単とは言わないけれど、
 でもゴーレムがあればベテランの人達とも仕事をする事も可能だ」
 光太はゴーレム乗りだ。
 天界から呼ばれて、ゴーレムに乗る事で戦功を挙げた彼は身をもってそれを知っていた。

「そうねー。ゴーレムに乗っていれば多少無茶しても大丈夫だし。
 ステラの無茶は治りそうにないしねー」
 溜息と共にフォーリィ。
「ご、ごめんなさい‥‥」
 エド君で突っ込んだと聞いた時にはひっぱたいてやろうかとすら思った。
 やめたのは無駄だとわかったから。
 ひっぱたいても彼女はやめないだろうし、
 それに、責任と覚悟だけは充分のようだ。
「いいのよ。でも本当に無茶しちゃ駄目よ?
 強くなって、いっぱしの冒険者になったら、
 ――また一緒に仕事しましょ!」
「その時が楽しみですね」
 と、ルイス。

「でも――」
 ルイスやフォーリィにはファイターを薦めて貰った。
 言っている事に理はあるし、正直、迷いがある。
 ぽんと、
 肩に手を置いたのは烈。
「冒険者と一括りに言っても千差万別だ」
 迷う少女の背を押すように、
「――だから、時間がかかっても自分にあった方法を見つけられればそれでいいさ」
「は――はいっ!!」