【プリンスof海賊】小悪魔たちと銅版の謎
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■ショートシナリオ
担当:月乃麻里子
対応レベル:8〜14lv
難易度:やや難
成功報酬:4 G 56 C
参加人数:9人
サポート参加人数:-人
冒険期間:02月26日〜03月03日
リプレイ公開日:2008年03月04日
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●オープニング
「それって、つまり――想像も出来ないような、途方もない力を秘めた『伝説の魔法の品』ってこと‥‥ですか?」
まばゆい金髪を揺らしながら、大きな青い瞳を満月のようにまん丸に見開くユーリにラ・ニュイが頷く。
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宝の地図に示された最後の島――この島の宝を掘り出せば、謎の銅版が4枚揃う事になる。
冒険者とともに巡り終わった三つの宝島から、すでに期待以上の財宝を手にすることが出来た海賊少年ユーリは、それらを新しい船を買うための資金にと思い、従兄弟のベルナールと相談の上、とある場所に隠した。
さて、ユーリと入れ違いに出稼ぎに出た父親はというと、一度だけ『俺も海の上で元気にやっているから、心配するな。すぐ戻る』と手紙をよこして後、再び音沙汰がなかった。ただ、彼の父を知る海賊仲間の話によれば、その船は『オイディプス号』という名の商船で、持ち主はリザベに居を構える大物商家らしい。その商船が、なぜユーリの父を高額の報酬で雇ってまで宝島のある海域を航行しているのか、ユーリ同様にお宝目当てなのかは雇い主に聞くほかないのだが、どうやらその船はこの春先にはメイディアに立ち寄り、その後、商家のお膝元のリザベ港に帰港するらしいことがわかった。
そこで多少の情報を手にすることが出来て安堵したユーリは、父が戻るまでに最後の島へ向かおうと思ったのだが、季節は冬。
しかも、四つ目の島の周りの海流は潮の流れが事のほか激しく、船が座礁でもしたら、飢えと寒さで悲惨なことになるのは目に見えていた。
なので、ユーリは最後の島の冒険を後回しにして、久しぶりにルラの小島の生活を離れ、メイディアの土を踏むことにした。身体の弱い従兄弟に冬の海の航海は厳しいこともあり、ベルナールはそのまま小島に留まった。
一方、ラ・ニュイには注意しろと冒険者から再三の忠告を受けてはいたが、ラ・ニュイは度々彼に丁寧な手紙をよこしており、セイレーンの一件(依頼:亡者の旋律)で立派な船を譲ってもらったこともあって、ともかく話だけは聞いてみようと、この機に彼の別宅へも立ち寄ることにしたのだった。
「ユーリは阿修羅の剣をご存知ですか」
「噂程度には‥‥」
「あれは王家の秘宝とも言うべき魔法の品ですが、ああいった特殊な力を持つ剣や弓、杖や槍といった品々が、この世界にはまだ幾つか存在するらしいのです」
「それとあの銅版が関係あるってこと?」
と不思議そうな顔のユーリ。
「いえ、これは可能性でしかありません。ただ、そのような強大な力を持つ武具が、もし悪人の手に渡ってしまったら‥‥」
「それは困るっ! だってさ、あの、バの国がナイアド攻めに使ったとんでもないデカ物、あれのおかげで俺たち海賊は散々な目にあったんだ」
と、ユーリはその当時のことを掻い摘んで説明する。バの新兵器で大騒ぎになった海戦騎士団は、守りをナイアド周辺に集結させたため、手薄になった海域で勢い付いたバの私掠船団が大暴れし、ユーリの知る仲間の海賊も痛手を被っていた。
「別に海戦騎士団を頼るわけじゃないけど、均衡ってのは必要だと思うんだ。誰かがとんでもない力を手に入れて、それを私欲のためだけに使ったりしたら、必ず踏みつけにされる人たちが出てくる。それは決まって、位もない弱い身分の人たちなんだ‥‥」
「思ったとおり、あなたは本当にいい人だ」
ユーリの言葉に満足気にラ・ニュイが微笑んだ。
「だから、私はあなたのような心の清い人にそれらの品を探し出して欲しいのです。そのための助力なら私は惜しみません。だって、私もメイの国を心から愛する民のひとりなのですから」
「お、俺は別に心が清いわけじゃ‥‥」
海賊なんだし――とユーリは思う。だが、こうして面と向かって話していると、ラ・ニュイという人物、正しくはレオナルドという人物がそう悪い人には思えなかった。もちろん、冒険者を疑うつもりもないのだが‥‥。
「おっと、少し話がそれましたね。まあ、先ほどお話したとおり、あなたに会いたがっていた貴族の御仁はご高齢ということもあり、春までは滅多に遠出が出来ません。せっかくいらして頂いたのに、申し訳ありません」
ラ・ニュイは少年に深く頭を下げた。
「ただ、その方は熱心に、行方不明のお身内を探しておられるようでした。あなたにご協力頂ければ、たいそう喜ばれると思いますよ」
そう言いながら、ラ・ニュイは給仕の男に目配せをして、淹れたてのハーブティーと王都で美味しいと評判の焼き菓子を持ってこさせた。
(行方不明の身内探しか。でも、それが俺とどんな関係が‥‥?)
怪訝そうな顔をするユーリに、赤毛の美しい青年が再び声をかける。
「それから、これはまったくの偶然なのですが、昨日からこの邸宅に珍しいお客様がいらしてますが‥‥ユーリは彼にお会いになりますか」
「彼って?」
「ご同業者のドレーク氏です」
「ド、ドレークぅ?? どうしてっ、なんであいつが!」
大慌てのユーリに、少年のような悪戯っぽい目をしてラ・ニュイが答えた。
「彼は私に相談事があってやって来ました。話を伺っていると、それはどうもユーリの母君に関することのようなのです」
「‥‥母さんっ!?」
ユーリの身体が瞬時に固まる。
確かに、ドレークは自分の母親は生きていると言っていた。その彼が何用でここへ――。
ドレークの話はこうである。
彼はティトルの貴族街で偶然、ユーリの母ニーナに似た女性を見かけた。気になった彼が後をつけると、使用人風のその女はさる貴族の館に入ったという。
ドレークはなんとか通いの商人の供のふりをして、館の裏口で彼女の目の前に一度立ったのだが、彼女はドレークのことを知らなかった。だが、彼女が自身の胸に着けていたペンダントは間違いなくニーナのものだったというのだ。また、ラ・ニュイ自身もユーリによく似た女性を他の舞踏会で見かけていた。
「それで、ドレークはその女性のことをもっと調べたくてあなたに‥‥」
「そういうことです。私はこう見えても社交界には多少顔が利きますので」
「そう‥‥なんだ。母さんかも‥‥しれないんだ‥‥」
「ご自分で確かめたいですか? それなら、私に一案があります」
「えっ」
青ざめた顔で戸惑うユーリに、ラ・ニュイがにっこりと微笑んだ。
■依頼内容:ティトルで華々しく開かれるエクレール男爵主催の『新劇場完成祝賀会』に列席し、場内の警護に当たりつつ、ニーナの情報を掴む。
・昨今ティトルでもカオスの魔物なるものが横行している。目撃されるのは尻尾が矢尻のシフールや、コウモリの羽を生やした小鬼など。
・魔物に出くわしたものは白い玉を身体から抜き取られ、多くは弱って起きられなくなったり、死亡する者もいる。
・その祝賀会には多くの貴族も列席し、ニーナと思しき女性も侍女として供をする可能性がある。祝賀会は昼過ぎから舞踏会を含む夜まで。
・もしも会場に魔物が出たなら、即刻退治。
・ラ・ニュイ(レオナルド)も列席するので、彼と共にニーナの情報をさぐるのも可能。
・帯刀については、警備兵として参加するなら弓・長刀でも可。正装して列席者に紛れ込む場合は、儀礼に沿ったものに留めること。
●リプレイ本文
●ニーナ
「うーん、やっぱりよく似合ってるなぁ‥‥じゃあ、これで参考資料もバッチリだね!」
ドレスに着替えたユーリの姿を音無響(eb4482)が携帯のカメラに収め、グラン・バク(ea5229)も一筆入魂で羊皮紙にその絵姿を描き留めた。
「それにしても、ペンダントを一目見ただけでユーリの母親だとわかるとは、ドレーク殿の想いもまことであるということかな」
(‥‥ユーリも色々大変だな)
と心で呟きながら、グランが海賊ドレークに話を振る。
「ねえねえ、館に出入りしていたならそこに雇われてるんでしょ? それなら貴族の名前とかわかってるんだよね」
フィオレンティナ・ロンロン(eb8475)の問いにドレークが頷いた。なんでもその貴族はティトルに住む子爵で、名をパンティエーヴル卿というらしい。
「じゃ、そのパンなんとか卿の侍女の情報を集めればいいわけね。あと、コカトリスがいた宝島の老執事がユーリを見て、ヴァレリー様と言っていたわ。それもなんだか気になるんだけど‥‥」
「ええ、私も気になってるんですっ! それとなくそっちの情報も集めてみようかと」
月下部有里(eb4494)の言葉にベアトリーセ・メーベルト(ec1201)も賛同する。と、そのように冒険者がやる気満々に盛り上がっている中で、ユーリの顔色が冴えないことに気づいて、龍堂光太(eb4257)が声をかけた。
「ユーリ、緊張してるのか?」
「‥‥」
確証が得られるまでは、母親かどうか直接確認しないよう本人に釘を刺しておくつもりだったが、どうやらそれ以前の問題かもしれない。
「恋しかったお母さんに会えるかもしれないんです。やっぱり緊張しちゃいますよね」
イェーガー・ラタイン(ea6382)の声に反応するも、ユーリは相変わらず暗い顔で下を向いたままだった。
「母さんは‥‥」
「え?」
「母さんはどうして今まで連絡くれなかったんだろ‥‥生きてるなら、せめて手紙くらい‥‥それとも、海賊稼業なんかやってる俺のことが、嫌いになったのかな」
「ユーリ!」
「ユーリさん!」
いつになく後ろ向きなユーリに、黙って話を聞いていた風烈(ea1587)とファング・ダイモス(ea7482)が思わず怒鳴った。
「息子を心配しない親など、ひとりもいませんよ」
「ああ、きっとなにか事情があったに違いない。それをこれから確かめるんじゃないか」
すると、今にも泣き出しそうになっているユーリの肩を、響が優しく抱きしめた。
「俺なんかさ、突然こっちの世界に来ちゃったから、もう長いこと両親にも会ってない。うちの家族もきっと俺のこと心配してると思うよ」
「響‥‥」
そうなのだ。どれほど会いたくても、響のように会えない人だっている。なら、自分は‥‥。
「なあ、ユーリ。これはただの憶測だが、もしかしたらお母さんは、事故かなにかで記憶を失くされているんじゃないか」
グランの推理に皆の注目が集まった。
ドレークの話を再度整理してみると、こうである。美人で名高かったニーナは敵対していた海賊との戦闘の際に、以前からニーナに目をつけていたその海賊の親分に攫われてしまう。だが、ニーナは敵に屈することを拒んで、嵐の夜に船から身を投げてしまったそうだ。やがてニーナが死んだという知らせが伝わり、初めは噂を否定していたユーリも現実を認めざるを得なくなる。海で遭難した者の死体が上がらないことなど、日常茶飯事のことだからだ。そして、ニーナを守れなかった彼の父親をドレークが憎むようになったのも、この事件がきっかけであった。
「ともかく、事実を確かめなくちゃ始まらないわ」
「うん、そうだね」
有里がそう促すと、ユーリがきっぱりと首を縦に大きく振った。
●会場にて
「本日は、ティトルの新しい劇場『オルフェウス』完成祝賀会へようこそ。長く続いておりましたバの国との停戦協定も無事締結し、‥‥」
広間では主賓として招かれたティトル侯爵夫人の挨拶が続いている。
「停戦といっても手放しで喜べないですがね」
「それ、どういう意味よっ、ラ・ニュイ!」
凛々しく男装して、女装しているユーリと共にパーティ会場へ入ったフィオレンティナは、久しぶりに会う怪しい赤毛の美形に食ってかかった。
「だって、断然優勢だったバの国が停戦に応じるなんて、どう考えてもおかしくないですか? なにか裏があるに決まってますよ」
(おまえと同様にな‥‥!!)
と、その場にいた冒険者全員が心に思ったことはさておき。
「まあ、ラ・ニュイ、この前の夜会にはどうして来なかったの?」
「まあ、今日は可愛いお嬢様をお連れですのね。紹介して下さいな」
「まあまあ、ラ・ニュイったら、私たちとの昼食会の約束はどうなっているのかしら?」
次々とラ・ニュイ目当てに集まってくる貴婦人たちに囲まれつつある中を、うんざりした顔で烈たちが抜け出す。
「ここは手分けして探す方が良さそうだな」
「俺は面識のあるエクレール男爵の噂に話を振って、装飾品関係の話から切り込んでみる」
「僕はパンティエーヴル卿の侍女にそっくりな少年を見たことがあると言って、なんとか卿の周辺も含めて探ってみるよ」
ウィルの男爵位を持つグランと胸にゴーレム戦功章をつけた光太が動いた。
「私はユーリさんのそばに。なんでも、以前に貴族の息子をたぶらかしたことがあるとかで‥‥もしトラブルが起ったら大変ですから!」
ナイアドでの一件を小耳に挟んだベアトリーセはそう言って、男装のフィオレンティナと共にユーリの側に残った。彼女の胸にもゴーレム戦功章が輝いていた。
●侍女衆
ガタガタッ――――という大きな物音に、建物の巡回警備に当っていた響とファングがその場に駆けつけると、階段の上の踊り場から女たちが激しく怒鳴なる声がする。
「その程度の荷物を持てなくてどうするのさっ!」
「だいたい、旦那様のお気に入りだからって、新入りのくせに生意気なんだよ!」
「ほんとほんと〜。旦那様付きの侍女になりたい子は、あんたの他にも大勢いるんだからね。ちょっとくらい綺麗だからって、調子に乗るんじゃないよっ!」
「キャ‥‥きゃああ――――――!!」
悲鳴と共にひとりの侍女が階段の上から転げ落ちた。
「あなたたち、いったいなんの騒ぎですか!」
階段を駆け上がって叫ぶファングに侍女衆がひるんで後ずさりするも、侍女頭と思しき女が前に出て飄々と釈明する。
「お見回りご苦労さまです。私たちはパンティエーヴル子爵家に仕えるもの。その侍女が不手際をやらかしたので少々説教していただけです。おわかりでしたら、早々にお引取り下さい」
「説教って、階段から突き落としといて!」
だが、響を思い切り睨みつけると侍女たちは挨拶もせずにその場を退散してしまった。
「大丈夫ですか」
倒れている侍女をファングが抱き起こすと、彼女は明らかにユーリに瓜二つであった。
「この人もしかして‥‥ニーナさんっ?」
「ん‥‥ううっ」
「どこかケガをしているかもしれない。ひとまず有里さんが控えている休憩用の控え室へ運びましょう」
ファングが女性を抱かかえて階段を下るのに付き添いながら、響は仲間たちにテレパシーで連絡を取った。
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その頃、イェーガーはふうを連れて会場の庭周辺を巡回中であった。と、その時ふわふわと庭を横切るふたりのシフールが見えた。
「そこのシフールの方、失礼ですが来賓の方ですか」
「余計なお世話だ」
一言そう残して会場の中へ入ろうとする彼らをよく見ると、先端が矢尻の様な尻尾がある。
「待て! おまえたちっ!」
「うるさい」
片方の黒きシフールが魔法詠唱に入ったところをイェーガーの矢が貫いた。だが、もう片方のシフールは逃げ足も早く、すでに姿がない。そこへ響からのテレパシーが入った。
「響さん、魔物がでました! 俺は隊長に報告してからすぐに会場へ向かいますから、皆さんも気をつけて!」
だが時すでに遅く、パーティ会場は突如現れた小悪魔たちによって大変な騒動になっていた――。
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「呑め呑め、歌え〜〜踊れ〜〜〜ほぅらほら、踊れば楽し♪」
コウモリの羽を生やした小鬼数匹がテーブルの料理をひっくり返したり、客にちょっかいを出すのを黒きシフールが先導している。
危険を感じた侯爵夫人や主だった貴族たちはすでに会場から避難を始めていたが、小鬼たちはまだ広間に残っている客や入ってくる警備兵を盾に逃げ隠れするので、冒険者たちの攻撃も思うようには決まらなかった。
「あいつらぁ‥‥ちょこまかと、すばしっこいんだからっ」
「わっ、ひどいなこれは。よしっ、燃え上がれ、俺のオーラ力!」
広間に到着した響が叫ぶと同時に、広間に円柱状の炎が吹き上がる。
「そ‥‥そんなぁ」
「くそ、魔法攻撃とは!」
魔物が放った魔法の火柱によって蝋燭やテーブルクロスに炎が燃え移り、冒険者たちは小鬼の他に火の始末にも追われることになった。
堂々と一対一の勝負を受ける魔物であればともかく、小悪魔たちはもとより姑息で逃げ足が早いので、冒険者たちは全ての魔物を退治することは出来ず、警備や給仕の者も軽いやけどを負うなどして、悲惨な状況の中でパーティは中止になってしまった。
●子爵家
「グランの推察通り、彼女、昔のことを覚えてないそうよ」
ひとまず控え室に集まった仲間たちが、有里の言葉を慎重に受け止める。
有里は傷の手当ての後、ニーナに一目ユーリを合わせようと控え室に引き止めたのだが、魔物事件が起ってすぐに子爵家の従者がやってきて彼女を連れ去ってしまったそうだ。
「で、でも‥‥話を聞く限り、その方がニーナさんに間違いないようですし、きっとユーリさんに会えば!」
イェーガーがユーリを振り返ると、美しい少年の大きな瞳から大粒の涙がポロポロと零れていた。
「なあ、ユーリ。武具は手元になければ役に立たないが、親友は期待を裏切らない。俺たちはいつでも力になるからな」
烈がポンとユーリの肩を叩く。
そして、たおやかな笑みを浮かべながら部屋に入ってきたラ・ニュイにわざと聞こえるように続けた。
「昔、魔法の武器を作った鍛治師がそれ欲しさに悪人に殺され、武器を奪われたことがあった。強力な力ほど、それを欲しがる敵を呼び寄せるものなんだ。だから、宝島から魔法の武器が出たなら王宮にでも売ってしまえ。そんなものよりも親友と呼べる者の方が貴重だからな」
少年が涙を拳でぬぐいながら頷く様を、赤い髪の男が黙って静かに見つめていた。
この後、ラ・ニュイは少年を連れてパンティエーヴル子爵家を訪れたが、事前にアポイントを取っていたにも関わらず、子爵は侍女を連れて旅に出たあとだった。
ユーリはことの次第を伝えるべく父の帰りを待ったが、それは次の話となる。