【坂東異聞】 紅花
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■ショートシナリオ
担当:津田茜
対応レベル:4〜8lv
難易度:難しい
成功報酬:2 G 40 C
参加人数:5人
サポート参加人数:1人
冒険期間:09月15日〜09月20日
リプレイ公開日:2005年09月23日
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●オープニング
紅花という花がございます。
末摘花、呉藍などとも呼ばれ、布などを赤く染めあげる染料として古来らいより重用されているのだとか。――なんでも、花街の女郎衆が身を飾る紅や頬紅なども、この花から作られるとのこと。
それはもう、炎にも似た鮮やかな花なのだろうと思っておりましたのですが‥‥実はこの花、なんと花弁そのものは、赤ではないそうにございます。
江戸に姿を見せる紅花商人にそれとなく尋ねてみましたところ、なんでも、梅雨の頃に真黄色の花を咲かせるのだとか。黄色い花が紅を生むというのは、何やら不思議な気がいたしますね。
ともかく、この黄色い花から紅い染料を作るのですが‥‥やはり、そう容易なものではないのでしょう。ひとつの花から取れる紅は、それはもうごくごく微量であるのだそうです。
何でも、1斤の紅花から採れる紅はわずか5匁に足りないとのこと。
巷で“紅1匁が金1匁”などと騒がれるはずにございますね。――庶民にはまず手の出ない高価なものですから、鋭い葉に指を傷だらけにして花を摘む農家の娘たちとは無縁のものでございましょう。詮無いこととはいえ、皮肉なお話にございます。
その大枚を積んでも美しくありたいと願う女性の心を、いじらしいと感じるか、そら恐ろしいと肝を冷やすかは人それぞれなのでしょうけれど。
こうして皆様にご相談と解決をお願いする次第に至っては、もはや妄念とでも形容すべきかもしれません。
昨年の夏‥‥ちょうど今くらいの時節でしょうか。
妖狐に率いられた魑魅魍魎の大軍が、祭りに浮かれる江戸の町を襲った一件。覚えていらっしゃいますか?――あの折は、たいそう恐ろしい思いをしたものですが。皆様のご活躍に助けられたと申しあげても過言ではございますまい。
その混乱に乗じて、寺がひとつ押し込みにあいました。由緒ある寺ではございませんが、こちらの和尚というのが少しばかり変わり者と言いましょうか、サイケなところのある御仁でございまして‥‥。
よく相を見るということで、方々から様々なもの――例えば、心中の手首を繋いだ手拭いですとか、首をくくった荒縄といった始末に困る、いわゆる“いわくもの”を預かっておられたのでございます。
まぁ、大半は験が悪いだけの迷信でございますが、稀に“当たり”とでも申しましょうか、“そういうもの”も確かに存在するのでございますね。
持ち出された品の中には、それなりに値打ちのものもあったということでございますから、知らぬ者には宝に見えたのでしょう。――思えば、こちらも何やら因縁めいた話にございますね。
先ほども少しお話させていただきましたが、女性の美しさへの執着‥‥いえ、憧憬は時に並々ならぬモノがございます。
こちらの寺にも、小袖や簪などがいくつか納められていたのでございますが、やはり持ち出され散逸してしまったのでしょう。蔵には残されておりませんでした。いずれも残された想いの強いモノばかり故、障りがないかと心配していたのでございますが‥‥。
■□
江戸の郊外、寺島村のあたりに伊呂波屋という植木屋さんがございます。
こちらのお嬢さん‥‥お露さんと仰るそうですが‥‥に、よからぬモノが取り憑いてしまったのだとか。
元々、明朗快活といった方ではなかったそうで。気鬱の虫に憑かれては、床に伏せっておられた様子‥‥病は気からと申しますし、身体を動かさずにいると思考だけがひとり歩きをはじめてしまうものにございます。
悪いことに少しばかり思い込みというか、独占欲‥‥執着心の強いご気質であったそうですから、妄想が悪い方へと転がればなかなか困ったコトになりましょう。――あるいは、そういう陰の気が悪しきモノを呼び込んでしまったのかもしれませんね。
こういった方ですので、中の良いお友達も少なかったご様子。
その数少ない‥‥と、言っては語弊があるような気もいたしますが‥‥お友達に良縁がまとまったのが、おそらく直接的な原因なのかもしれません。
そのお友達や先方を中傷・威嚇するような内容の文を先方に送り付けたり、癇癪を起こして誰彼かまわずわめき散らしたり、突然泣き出したり‥‥死んでやると喚いたこともあったそうですから、お友達としてはたまったものではございますまい。――それまでは仲良くお付き合いしていたといいますから、心根の優しい方だったのでしょうね。
伊呂波屋さんにとっても、まあ、困った話にございます。
方々に手を尽くして病を調伏しようといたしましたところ、どうやらお露さんには女性の心に付け込む魍魎‥‥夜叉が取り憑いているのではないかという卦が出たのだそうで。
この物の怪がどこからやってきたのだろうという話になったところで、先刻の話になるのでございます。
なんでも三月ほど前に、お露さんは伊呂波屋を訪れた行商人から紅小鉢をひとつお求めになられたのだとか。――蒔絵細工のたいへん美しいもので、さるお屋敷のお姫様がお使いになっておられた‥‥なんて、口上がついていたそうで。
魔物に憑かれた者を救い出すのは至難の業であるとは聞いておりますが、このまま放っておくわけにも参りません。
取り殺されているにしても、悪しき仇を討ち果たし、手厚く供養してやりたいというのが親心。
ひとつ、皆様のお力を貸していただけませんでしょうか?
●リプレイ本文
人の心は欲深い。
初めはひとかけらの親切にさえ満たされ、深く感謝の念を抱くのに。
だが、いつしか与えらえることが当然になり‥‥今以上に欲しくなる。それが次第に度を過ぎて‥‥満たされぬ不満が憤りとなり、裏切られたと誹るのだ。
それ自体は、誰にでもある感情。
――問題は、自らの裡に巣喰う心理の本質を見つめられるか、目を背けるか。
嫉みと怨み。鬱々と他人に向けられた陰の気が、あるいは拠り代を求めて彷徨う“魔”を呼び込んだのかもしれない。
「‥‥正直、疲れてしまったんです‥」
そう言って弱々しい笑みを浮かべた娘を前に、小鳥遊美琴(ea0392)は少し困惑する。
突然の訪問と切り出された内容に心を揺らせたその顔は目に見えて憔悴の色を残し、表情もかたかった。――とても良縁に恵まれて、幸せな婚礼を間近に控えた娘の姿だとは思えない。
小鳥遊だけでなく。同行した八幡玖珠華も、その痛々しさに言葉をなくす。
顔を合わせたばかりのふたりを前に、思わずそんな言葉が飛び出すほど‥‥先日まで親しい間柄であった者から向けられる悪意は、身に堪えるのかもしれない。
「私だけなら‥‥そりゃあ、気持ちの良いものじゃないですけど‥‥まだ我慢もできたんです。お露さんの気鬱の病を可哀想だと同情して、気安く調子を合わせてしまったのは私ですから――」
その悪意の矛先が、他の者‥‥許婚だったり、他の友達であったりしたのがいっそう情けなく口惜しいのだと涙を零した娘に、小鳥遊は言葉を探して視線を揺らせた。――友達とはどちらかが一方的に我慢を強いる関係ではない。
「‥‥それは‥」
全ては物の怪の成したこと。取り憑かれた娘に非はないのだ、と。安易に斬り捨てられぬ脆うさが小鳥遊の唇に封をする。――玖珠華がもたらしたこの物の怪が擁する性質への幾許かの理解もまた、躊躇いの一因であったかもしれない。
●紅小鉢
少しでも美しくありたいと願うのは、女性であれば誰の胸の裡にも巣喰うある種の業のようなものかもしれない。――容姿の美醜で優劣を判じる男の言動にも責任はあるのかもしれないが。
「何事もほどほどに。律すべきを弁えるのが大切なのでござましょう」
物の怪の因縁を尋ねに赴いた望月滴(ea8483)を前に、依頼主はゆるゆると両の手で運んだ湯のみをかたむけ喉を潤す。
「‥‥それで、件の紅小鉢について。いくつか聞かせていただきたいのですが」
出処。因縁。
それが明かになったところで、大きく変わるというコトは期待できないような気もするのだけれど。
やわらかな物腰で軽く頭を下げた滴に、依頼人はほんのわずか唇の端を緩ませた。
「出自については、申し訳ありませんが明かにすることはできません。――こういった高価な品を手に入れるコトのできるご身分の方である‥と、だけ」
‥‥‥紅1匁が、金1匁‥‥
“ぎるど”で聞いた戯言が、脳裏に浮かぶ。
名を明かしてしまえば、あるいは、滴にも思い当たる大身であるのかもしれない。――秘してくれろと念を押さねばならぬほど、忌ましく、不名誉な出来事であったのだろうか。
「大そうお美しいお姫様だったと聞いております。‥‥ただ、悲しいコトにそれが仇になってしまったと」
美しい姫だ、と。みなが口を揃えて誉めそやすから。
蝶よ花よと囃されて。――周囲の者が気づいた時には、そこにしか価値の見出せない娘になっていた。
夢から覚めれば、心は離れる。
甘やかされて折れることを知らない自尊心だけが肥大して、ますます人の心を遠ざけるのに‥‥。
正気を保てなくなった貴人の行く末は――
「正気を失い、屋敷の最奥に幽閉されて尚。美しく身を装うことに執着していらしたとか。寺に納められた紅小鉢は、その夭折された姫君が最後まで握り締めておられた物であると聞いております」
哀しい娘の妄念を宿した紅。
心の闇に“魔”を住まわせるには、格好の媒介となりそうだ。――向けられる賛美、優しさ。
それ自体は、善意から生まれたものであるのに。
時に、心の底に潜む“欲望”を駆り立てる呼び水になる。
「‥‥‥‥」
話を終えて、はんなりと湯呑みを傾ける依頼人の表情に、滴は知らず溜めていた息を落とした。
可哀想な人だと思う。
自らの裡に巣喰う醜い心に苦しんで、そこを“魔”に付け込まれた。
「‥‥笑って人を祝福して差し上げる事ができれば、その幸せはきっと自分にも却ってくるのに‥」
ぽつり、と。
滴のもらした言葉に、依頼人は微かに微笑む。
「人を誉めるのは存外、難しい事にございますね」
自身の足りないところに目を向けなければいけないから。
自尊心の強い者、自己顕示欲の強い人ほどそれを認められずに、自ら作り出した闇に迷い込んでしまうのだ。目を背けようとすればするほど、心は自身を傷つける。
自分の置かれた状況を、幸せだと感じるか、不幸だと嘆くかは、当人の気持ちひとつで済むコトだ。
‥‥その、たったひとつが難しい。
●夜叉
女性の嫉妬心や復讐心といった、暗い感情につけ込む“魔”であるという。
姉である八幡玖珠華からそう聞かされた鑪純直(ea7179)は、気難しげに腕を組んで首をかしげた。
“女性の”と限定されてしまえば、正直、鑪には理解しかねる。
鑪だけでなく、黒畑五郎(eb0937)や璃白鳳(eb1743)はもちろん、一見、どこから見ても女性であるように思われる小鳥遊も、性別だけで区分すれば男だ。――心がどう‥という話は、持ち出すとさらにややこしくなるので割愛する。
「お友達の良縁を妬んで‥‥夜叉に取り憑かれたのでしょうか」
滴や小鳥遊が敢えて明言を避けた傷口をバッサリ。
璃に悪気はない。目の前に並べられた事実から、もっとも端的に推察できる可能性を事務的に口にしただけだ。
いまだ修行中の身であることを自覚する黒畑に至っては、あれこれ原因に思いを馳せて心‥‥引いては剣先を乱すより、今できること。すなわち、夜叉を祓うことだけに集中するよう心がけている。
これが性別の違いからくるものか。あるいは、個人の受け止め方の違いなのかは、あとで考えるとして、今は依頼どおりにお露という娘に取り付いた夜叉を退治することに優先したい。
植木屋らしく様々な庭木が置かれた敷地を覗き込んで、鑪は吐息を落とした。
郊外ということもあってか庭先にも余裕があり、この分だと騒ぎが外に知られることもなさそうである。――尤も、玖珠華の話によると飛翔することもできるというから、どの程度で納められるかは、最終的には鑪らの腕しだいというコトになるのだけれど。
夜叉の体は通常の刀や槍では、傷つけるコトが適わない。
倒すことだけを考えるなら、取り憑かれた娘ごと、斬り捨ててしまうのがもっとも感嘆で早かった。
だが‥‥
助けてやりたいと思う。
それが依頼人の意向でもあるし、鑪自身‥‥否、この依頼を受けた冒険者の総意でもあった。
小鳥遊が聞き込んできた話。
あるいは、滴の推察。――彼女の心の闇が呼び込んだ魔物であるとしても、全てを終わりにはしたくない。
壊れてしまった関係を繋ぎなおすのは、容易い事ではないけれど。
それでも、生きてさえいれば笑える日もくる。――幸せも、不幸せも。心の匙加減ひとつなのだと知ってほしい。「‥‥お露さんは家から出ていないみたいね」
件の娘の様子を尋ねた鑪に小鳥遊は、頬に手を当て思案げにあらぬ方へと視線を泳がせた。
家どころか、部屋に引き篭もりっきりなのだという。
彼女ひとりしかいない部屋で、そこに誰かがいるかのように話したり、笑声を響かせるというから、ちょっと薄気味悪い。
「寝入りを待って、悪霊に対抗する魔法をかけてみましょうか?――上手くいけば、彼女から離れるかもしれません」
「神聖魔法でいしたら、私にも多少は心得がございます」
璃の提案に、同じく神聖魔法の使い手である滴もこくりと肯首した。
■□
草木も眠る――
丑三つ時より、さらに一刻ばかり。
夏の盛りであればそろそろ東の空が白み始めるこの時間、世界は未だ夜の帳の裡にゆるりとまどろんでいた。
何気なく吹く夜風にも、秋の気配は色濃くて。
しゅるり、と。
微かな音を立てて開かれた巻物を手に、そこに書かれた呪文を紡ぐ。
サイレンス。
この場の音を消す魔法‥‥
だが――
経験の浅い璃の呼びかけは、経典に封じられた精霊の加護をただちに紡ぎ出すことができるほど強くはなくて。
母なる神の慈悲ならば、常にその身近くに感じることができるのに。
二度、三度と繰り返すうちに、ゆっくりと庭に向かって閉ざされた障子が開いた。
「‥‥あ‥」
暗がりの奥から滑るように姿を現した白い人影に、滴は思わず両の手で口を押さえて悲鳴を押さえる。
其々、得物に手をかけていた鑪、黒畑もそのままの姿で息を飲んだ。
艶をなくした黒髪は、櫛も通さず寝乱れたまま。
げっそりとこけた頬。
落ち窪んだ眼窩の奥で、ギラギラと据えた光を讃えた双眸だけが強い憎悪を宿し、部屋を取り囲んだ冒険者たちを睥睨する。
喩えるなら、鬼。
「‥‥こんな夜更けに、物騒なこと」
人ならざるモノが紡いだしわがれた声を吐き出す唇を飾る紅いが、青白い月光にてらてらと映え――血のような影を落とした。
「お露さん。正気を取り戻してください!! あなたは一人ぼっちじゃないんですからっ」
禍々しい気配に負けるまいと腹に力を溜めて声を上げた小鳥遊に、娘に取り憑いた物の怪は耳障りな笑声を響かせる。
「いいえ。私は孤独なの。‥‥ふふ‥なんて可哀想なのかしら‥‥」
痩せた喉がくつくつと愉しげに上下して、冷えた笑みを吐きだした。
夜叉が紡いだ言葉であるのか。依り代となったお露の心であるのか。――何処までも曖昧になる境界線に肌が粟立つ。
触れたくない心の闇を暴かれて、闇の底へと引きずり込まれるような焦燥に鳩尾を灼かれ、震えが腕を伝って切っ先を揺らした。
「‥‥コレが‥悪魔‥」
呟いた黒畑の隣で、璃も無意識に開いたままの経典を握り締める。
慈悲深き母の教えとは対極の‥‥だが、よく気が付けて律っしなければ流されしまいそうなほど、甘く優しい囁き。
「でも。‥‥そんな自分を変えたくて、紅を買われたのですよね?」
ぴくり、と。
滴の言葉に白い単に包まれた肩が揺れた。
「男である某には真意のほどはよく判らぬが、化粧とは内外面までの気(け)を配(わい)ること思うのだが」
決して、ただ、素顔を隠すのではなく――
「‥‥‥判ったようなコトを‥っ‥!!」
悲鳴のような叫びを上げて、露の足が敷居を蹴った。
刹那、翻った細い刃が冴えた月光に、白く閃く。
白々と冷たい煌きに目を奪われ、反応が一瞬、遅れた。――もとより、敵の刃より身を躱す業は得意ではない。
「‥‥‥が‥っ!!!」
反射的に動いた腕を潜り抜けて鑪の袷を深く切り裂いた刃が、化粧に用いる剃刀であったことに感謝するべきかもしれない。
振るわれた得物が刀‥‥小太刀であっても、深い傷を負っていただろうから。璃の言葉を借りるなら、慈悲深き母なる神はまだ彼女を見捨ててはいないのだ。
「黒畑さん、まだ‥っ」
“静”から一転、攻撃に転じた夜叉の動きに、誘われるように鑪より借り受けた銀の短剣を構えた黒畑に小鳥遊が声を上げる。
‥‥‥まだ‥‥それは露の身体の裡にいた‥
「‥‥く‥っ」
切れないものはないはずなのに。
その迷いに乗じて、薄い刃が空を切り裂く。躱すことを諦め、代わりに短剣の背で閃いた刃を受け止めた。
ちん、と。
微かな音を響かせて頬を掠めた破片が、頬に赤い筋を刻む。
ひとりであれば、適わなかった。――だが、この場に集まったのは、黒畑ひとりではない。
鑪、そして、黒畑に向けられた害意の外で、璃は慈悲深い母への祈りを完成させる。――露の肩を掴んだ璃の掌から溢れだす違えることのない確かな力が、海嘯のように場に満ちた。
身を引き裂かれるような悲鳴が上がる。
眩い光に苦悶するように身を捩った露の身体から、するりと何かが抜け出した。
「逃がさないっ!!」
小鳥遊が振り下ろした桃の木から削り出された木刀を躱したソレに、今度は鑪と黒畑が切りかかる。
「我が愛刀で切れぬのは、拙者の未熟さゆえ‥‥だが、究めれば、この世に切れぬもの無し!」
短剣では渾身の力を込めても愛用の刀のようにはいかないが。それでも、魔を払う力を付与された短剣に伝わる手応えは確かなもので‥‥
滴が完成させた神聖魔法の聖なる光も、優しき神の道を照らす。
彼女が目をさましたら――
優しい言葉をかけようと思う。
貴方にも笑顔を見せて欲しいから。
初めはみんな孤独だけれど‥‥独りよがりにならなければ、きっと絆はつながっていくはず。
その、最初の一歩。
私を貴方のお友達にしてくださいませんか?
――ただ与えられるのを待つのではなく。この次は、貴方の方から優しい思いを伝えられますように。