褌強奪を阻止せよ!

■ショートシナリオ


担当:U.C

対応レベル:1〜3lv

難易度:やや難

成功報酬:0 G 78 C

参加人数:8人

サポート参加人数:-人

冒険期間:07月22日〜07月27日

リプレイ公開日:2004年07月26日

●オープニング

 ‥‥この度、ノルマンから”フンドーシ”というジャパンの男性用下着が運ばれてくる事となった。どうやらエチゴヤが買い付けを行ったようなのだが‥‥詳しい経緯は不明だ。
 とにかく、このフンドーシが大量に運ばれてくるわけだが‥‥我がイギリスにはこれまでに存在しない品であり、噂に尾ひれが付いて、妙な流言が飛んでいる。
 曰く、フンドーシを頭に巻けば頭脳明晰になる。
 曰く、フンドーシに好きな女性の名前を書いて木に結べば、その人と懇意になれる。
 曰く、フンドーシは漢の中の漢を目指すためには必携のアイテムである。
 曰く、フンドーシを装着して泳げばサメに襲われない。
 曰く、『当たり』と書いてあるフンドーシを手に入れればもう一本。
 ‥‥恐らくは殆どがデマだと思われるのだが、真に受けた盗賊達が大喜びでこれを狙っているらしい。
 なので、この船を護衛して欲しいという依頼がもたらされた。
 船は海からテムズ川を遡ってキャメロットまで来る予定なのだが、途中、補給のために夜間に錨を下ろして一晩停泊する予定になっている。盗賊達が狙うとすれば、間違いなくその時だろう。なので、一番危険だと思われるその夜を無事に守り通すため、ただちに向かって欲しいのだ。場所は、キャメロットから2日程離れた地点となる
 なお、現在までに確認されている盗賊達なのだが‥‥以下のような者達がいるとの情報があった。

1.水の妖精団
 木片を両方の鼻の穴に突っ込んだ上、爽やかな笑顔と鮮やかな泳ぎで水中をやってくる2〜3名の集団。全員が男であり、筋肉隆々。水から出ると大した事はないようだが、白い薄布を腰に巻いているだけなので、濡れると当然透け‥‥後は各自要想像。

2.情熱のダンス団
 全員が花柄のドレスを着た2〜3名の集団。全員が男であり、筋肉隆々。現場で見つけた者を手当たり次第に捕まえては(男限定)身体を密着して倒れるまで激しいダンスを踊るという謎の集団らしい。ちなみにドレスの下に下着は一切着けてはいないという。気をつけるように。

3.オリーブオイルブラザーズ
 その名の通り、全身にオリーブオイルを塗りたくった兄弟。無論両名とも男であり、筋肉隆々。オリーブオイルは健康に良いと唱え、出会った者(主に男)にオリーブオイルをぶっかけて全身マッサージをする事を至上の喜びとしている兄弟らしい。動物の皮を下着代わりに腰に巻いているが、今回この代わりにと、褌に目をつけたようだ。

 ‥‥この3つが特に強力な相手だという。幾人もの犠牲者(男のみ)が、今でも膝を抱えて泣いているそうで、出会ったら一瞬たりとも油断がならない相手である。
 守るべきは停泊している輸送船(全長約20メートルの帆船)と、その積荷であるフンドーシとなる。両方を無事に守り通して欲しい。フンドーシを奪えないと思った盗賊達が、それならばいっそ、と、輸送船やフンドーシに対して思わぬ破壊活動に走る可能性も考えられるので、その点も十分な考慮が必要だろう。
 今より向かえば、当日の夕刻には現地に到着するはずである。輸送船から小船を出してもらう手筈になっているので、それで輸送船に乗り込み、一晩の間、寝ずの警護についてもらいたい。おそらくは、相手の盗賊達も小船や泳ぎで接近してくるはずであるから、これを発見、迎え撃つのだ。
 それと、念のために断っておくが、このフンドーシは全て商品であるから、持ち帰る事はできない。妙な気は起こさぬように。
 ‥‥赴く者の奮起を期待する。
 以上である。

●今回の参加者

 ea0007 クレハ・ミズハ(36歳・♂・神聖騎士・人間・イギリス王国)
 ea0310 ローゼン・ヴァーンズ(38歳・♂・ウィザード・人間・フランク王国)
 ea0413 マリエナ・エレクトリアム(29歳・♀・ウィザード・人間・ノルマン王国)
 ea0448 レイジュ・カザミ(29歳・♂・ファイター・人間・イギリス王国)
 ea0606 ハンナ・プラトー(30歳・♀・ナイト・人間・イギリス王国)
 ea0717 オーガ・シン(60歳・♂・レンジャー・ドワーフ・ノルマン王国)
 ea3777 シーン・オーサカ(29歳・♀・ウィザード・人間・イギリス王国)
 ea5195 エモジェン・エアハート(27歳・♀・バード・ジャイアント・イギリス王国)

●リプレイ本文

 ──夜のテムズ川。
 緩やかな風が渡る水面の上に、帆船が停泊していた。
 その船から‥‥。
「ふはははは!! 我が元に帰って来たかマイスィート・フンドーシたちよ! 君たちが僕の力となる! いつか太陽をこの手に!! この世の全てのご婦人達と愚民どもめ! 我輩の足元にひれ伏す日は近いぞー! うははははは!!」
 いきなり、そんな声が上がる。
 船の舳先に両手を広げて立ったローゼン・ヴァーンズ(ea0310)が、高笑いしていた。
 背後から、レイジュ・カザミ(ea0448)が彼の身体を抱きとめている。
「やかましいわーーー!!」
 と、新たな声。そして樽が飛ぶ。
「うぎゃー!」
 樽は見事にローゼンの後頭部に命中し、レイジュと共にもんどりうって川の中へと落ちていった。
 どぽーん、という水音と、大きな水飛沫が上がる。
「‥‥まったく、なに騒いでんねん。盗賊が警戒するやんか」
 眉を潜めてそう言ったのは、シーン・オーサカ(ea3777)だ。樽を投げつけたのは彼女である。搬入された樽や木箱に盗賊が潜んでいないか、叩いてチェックをしていた最中だった。
「ほっほっほ。元気が良いな。結構結構。ほれ、これをあげよう」
 そんな彼女に、オーガ・シン(ea0717)が、長い髭をさすりつつ、アーモンドや数種のベリーが入った器を差し出す。
「そろそろおやつにするのもよかろうて」
「あ、せやね。さっすが年の功。気が利いてるやん♪」
 とたんに、一転して笑顔を見せるシーンである。
「ええと、あの、今ローゼンさん達、川に落ちました‥‥よね? 助けなくていいんですか?」
 控えめにエモジェン・エアハート(ea5195)がそう口にしたが、
「あはは、大丈夫じゃないかな。なんか元気そうな人だったし」
 おやつ、という言葉を聞きつけたらしいマリエナ・エレクトリアム(ea0413)が言った。彼女の場合、別に見ていなくてもブレスセンサーで周囲の警戒は可能だ。
「うん、せやせや。気にする事あらひんて」
 シーンも簡単に頷くと、ラズベリーをひとつ手に取って口の中に放り込む。
「そうだね。それにあーいう人は頑丈だって相場が決まってるから、心配する必要ないと思うし」
 屈託のない笑顔で、ハンナ・プラトー(ea0606)もやってくる。
 ちょうどその時、
「‥‥うぇぇ、水飲んじゃった‥‥」
 船べりから川へと下ろされた縄ばしごを登って、レイジュが姿を現していた。白目を剥いてぐでーんとなったローゼンを背負っている。とりあえず大丈夫‥‥のようだ。
「ほっほっほ、皆揃ったところで、一休み、ぢゃな」
「意義なーし♪」
 全員が笑顔で賛成し、場が和やかな空気に包まれる。
「まあ、皆さんがそうおっしゃるなら‥‥」
 結局、いいのかなー、とか思いつつ、エモジェンも同意した。
 そうして、しばし休息の時を過ごす一同だったが‥‥。
「どうやら‥‥来たみたいだね」
 ふと、マリエナが立ち上がった。視線は暗い水面へと向いている。
「どこやマリたん?」
「ほら、あそこ‥‥」
 シーンに問われ、ブレスセンサーで感じた息の発言点を指差そうとしたが‥‥。
「ふははは! 上下左右水中空中どっからでもかかって来るがいい盗賊ども!」
 同じく、ブレスセンサーで盗賊の接近を感知したローゼンが、腰に手を当てて船べりに仁王立ちとなり、叫ぶ。
「そうさ! 褌を付ければ頭脳明晰、漢の中の漢になれてしかも女の子にモテモテに! そんな嬉し恥かしなラッキーアイテム、盗賊なんかに渡してなるものか!」
 さらに、その隣にはレイジュもいて、堂々と宣言していたりして‥‥。
「ええい! 話をややこしゅうするのは盗賊だけで十分なんじゃボケーーー!!」
 声と共に、またもやシーンのツッコミ、樽が飛んだ。今度は2つ。しかもさっきより一回り大きい。
「ふぎゃー!」
 ぼこっ、と男達の後頭部に見事に命中。彼らは川へと落ちていく。
「‥‥夜だと言うのに、元気な若者達じゃな、ほっほっほ」
 にっこりと微笑むシン。
「徹夜も出来ないで何がウィザードか! そんな事で立派な青ビョウタンが勤まると思うなよ! 我輩の時間はむしろこれからだ!! 今宵はオールナイトでローゼンサービスデーだぞ! ふははははは!!」
「やかましわーーー!!」
「ふみゃー!」
 浮かび上がってきてまだなんか騒いでるローゼンに、シーンが遠慮なく樽やら岩やらをぶつける。やがて複数の直撃弾を浴び、悲鳴を上げてぶくぶく沈んでいく彼。
「うん、ようやく静かになったね」
「‥‥はあ、でもいいんでしょうか‥‥」
 笑顔で頷くハンナに、エモジェンが複雑な顔をした。
「それよりあそこ! ほら、水面から足、出てる!」
 マリエナが指で示し、全員が松明やカンテラの明かりをそっちに向ける。
 確かに‥‥足があった。
 水中からにゅっと突き出た毛むくじゃらの足が2組4本、くねくね動きながらこちらへと近づいてきている。
「うわぁ、すごいね。なんだか華麗に泳いでるよぉ」
「華麗、というか‥‥微妙、じゃな。せめて無駄毛のお手入れくらいはせんか。まったく最近の若いもんは‥‥」
「あの、シンさん、そういう問題じゃないと思います‥‥」
 感心するマリエナ、シンは顔をしかめ、エモジェンがツッコミを入れる。
「いよーし、なにはともあれ攻撃開始やー! いったれー! マリたーん!」
「はーい。えと、じゃあライトニングサンダーボルトー!」
 シーンが目標を指差し、マリエナが呪文の詠唱に入った。
「どれ、ではわしも‥‥ほいっとな」
 シンもあらかじめ造っておいた武器──紐の両端に適当な石をくくりつけたもの──を取り出すと、手馴れた動作で頭上で回し、投擲する。
「あ゛あ゛あ゛あ゛ぎゃ〜〜〜!!」
 唸りを上げて飛来する武器、空気を切り裂く魔法の雷光、そしてそれらを浴びて叫びを上げる被害者は‥‥。
「えーと‥‥盗賊と一緒に電撃を浴びて、おまけに紐が巻き付いて今沈んでいったのは‥‥ローゼンさん、かな?」
 ハンナが冷静に、見たまんまを口にした。
「おっしゃ、なにはともあれ、これで変態3匹一気に撃沈やー!」
「3匹って‥‥そのうちの1人はローゼンさん、ですよね? い、いいんですか、本当に‥‥?」
「まあ、不幸な事故じゃな。よくある事じゃ」
 シーンが拳を握り、エモジェンが少々慌てる。シンは、ほっほっほと笑っていた。
「あっ! あっちからなんか小船が近づいてくるよ!」
 と、マリエナがまた、新たな盗賊の出現にいち早く気が付いた。
「おっと、向こうの方にも違う小船発見ー!」
「ええと、あの、今沈んだ人達も、また浮かんできましたよ」
 ハンナとエモジェンも、それぞれそんな事態を発見する。
「おー、なんやなんや、一気に盛り上がってきたやないの! 望む所やー! 皆の衆、今宵は祭りや! テッテ的に変態をいてこましたれー!」
 怯むどころか、抜群の笑顔で腕まくりまでしてみせるシーン。なんだか楽しそうだ。
 かくして、場は本格的な乱戦へと突入した!


「そこの君達! 今夜のステージは君達だけのものじゃないんだよ! 今日の日のために腰も微妙に鍛えてきたんだ! いざ勝負! 僕を参らす事が出来なきゃ、先に進むなんて許さないぞっ!」
 小船から甲板上に飛び上がってきた花柄ドレス姿の筋肉マッチョ’Sの前に、レイジュが立ち塞がる。
 相手は情熱のダンス団。男限定で無理矢理ダンスパートナーを選び、朝まで踊り狂うという盗賊トリオだ!
「あらん、可愛いボーヤ。アタシ達とダンスで勝負したいの? いいわよん。カモぉ〜ん★」
「よーし、いくぞ!」
 花柄ドレスの裾をヒラリとひらめかせた彼等の前で、レイジュも負けじと服を脱ぎ捨てる!

 はっぱおとこ が あらわれた!

 コマンド?

 たたかう
 ぼうぎょ
→おどる
 どうぐ
 はっぱをとる

 はっぱおとこ は はげしくおどった!

 ダンスだん も はげしくおどった!

「ははははは! 俺達の獲物はどいつだー!」
 雄叫びを上げて、船上に新たに乗り込んでくる2つの筋肉。
 その身体は全身にくまなく塗られたオリーブオイルでテッカテカであり、腰に狼の毛皮を巻いている他は何も身につけていない。彼らこそ、オリーブオイル大好きオリーブオイルブラザーズだ!

 オリーブオイルブラザーズ が あらわれた!

「よーしエモたん! うちらもいくでー!」
「‥‥わ、わかりました」

 シーン&エモジェンのこうげき!

 瞳がキスを投げかけて♪
 Chuck CHU☆ CHU☆
 ドキドキ続ける 胸のリズム♪
 顔はまっすぐ 見れないけれど♪
 Lock on ☆ Shine your Soul
 けして逃がさないからー♪

 シーン は うたっておどった!
 エモジェン も うたっておどった!

「ふっふっふ、出鼻は不覚を取ったが、今度はそうはいかんぞー!」
 と、妖しい泳ぎで相手を翻弄する水の妖精団も船上に上がってきた。身につけているのは、腰に巻いた白い薄布のみ。しかも、水に濡れたその向こうに、なんかえーとあのそのつまり‥‥なモノの影が揺れていたりする。

 みずのようせいだん が あらわれた!

「ふははははは! 我輩もふっかーーーつ!!」
 何故か彼らと肩を組み、ローゼンも一緒に高笑いしている。

 ローゼン は わらっている!

「いやぁぁぁぁ! 変態! 変人! エッチ! 馬鹿ーーー!!」
 ほとんどすっ裸の筋肉男達を見て、マリエナが悲鳴を上げた。

 マリエナ は こんらんした!

「こっちくるなーーー! あっちいけーーー!!」
 目を閉じたまま、適当な方向に向けてウインドスラッシュ。
 別に狙ったわけではなかったが、技の余波で水の妖精団の布がはらりと落ちる。
「うにゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 マリエナ は ますますこんらんした!

「オリーブオイルブラザーズ! どうせマッサージするなら個室で勝負だ!」
「おう、望むところだぜ!」
 オイル兄弟に勝負を挑むレイジュ。
「うはははは! そこのちっこいお嬢ちゃん! どかないとケガするぜー!」
「あんやとコラ! 誰が気をつけないと踏み潰すくらいドチビじゃーーー!!」
 すっ裸の水の妖精団に逆鱗を触れられたシーンは、目を三角にしてウォーターボムを発射しはじめた。高速詠唱付きでAPも十分あるので2連射が可能だ。
「はっはっは、やるな少女よ! どうだ、我輩と共に世界を狙わんか?」
 そのシーンに、ローゼンが笑顔で近づいたが‥‥。
「じゃかましい! 誰が世界に類を見ないくらいチビじゃボケーーー!!」
「いやーーー! 変態! 死んじゃえーーー!!」
 既にまともな会話が成立しなくなっていた彼女の術に吹き飛ばされ、さらにマリエナの杖の一撃でアッパーを食らい、(マウスピース? を飛ばすくらいの勢いでもって)空中に浮き上がる。
「ぐぼぁ‥‥っ! いいもの‥‥もっているではないか‥‥おぬし‥‥」
 床に叩きつけられ、最高の漢笑いを浮かべつつ気を失うローゼンであった。
「おお、ローゼンよ、しんでしまうとはなにごとだ!」
 ハンナが側でそんな言葉を告げる。
「ささやき、いのり、えいしょう、ねんじろ! ぢゃな」
 とかいいつつ、シンがキリキリと弓を引き絞る。矢はあらかじめ用意していた火矢だ。
 ──ひゅん‥‥ぷす★
「いやぁああぁぁぁあぁん!」
 狙い違わず、それは水の妖精団の尻に命中。彼らは何故か頬を染め、気のせいか嬉しそうな悲鳴を上げる。
「これでドワーフ専の道に目覚めるでないぞ、おぬしら」
 にっこり好々爺然とした微笑を浮かべつつ、第二矢をつがえる彼であった。
「えーと‥‥どうしよう」
 エモジェンは‥‥なんかイメージしていたのと少々違う戦いの様子に、大いに戸惑っていたようだ。


「‥‥上が騒がしくなってきたな」
 暗い船室の倉庫で1人佇む男、クレハ・ミズハ(ea0007)。
 彼の背後には、積荷であるフンドーシが収められた箱と、ダミーの箱が一緒になって並べられている。彼はここの守りであり、最後の砦だ。
 しかし‥‥当然ここまで盗賊が侵入してくる事がなければ活躍の場はない。
「少々冷える‥‥な」
 マントを身体の前で合わせるミズハの背中には、なんとなく男の哀愁が漂っているようだった。
 が‥‥。
「うわーーー★」
 どんがらごろごろと転がりつつ、オリーブオイル盗賊団とレイジュが一緒になって転がり込んできた。今まで熾烈なマッサージ合戦を繰り広げていたらしい。3人ともオイルでぬっとぬとである。
「‥‥ふっ、来たか狼藉者どもめ。妙な噂を信じ、何を望んで奪いに来るかは知らんが、自力ではなく、物に頼った時点で、その望みかなわぬ事に気づかぬとは‥‥哀れだな」
 とたんに、それまでの寂しげな雰囲気は消失し、微笑しながら髪をかきあげるミズハ。なんとなくほっとしたように見えるのは気のせいだろうか。
「やかましい! そんな事よりフンドーシだー!!」
 盗賊が叫びつつ、荷物へと飛び込んだが‥‥。
 ──びったーん★
 荷物を守るようにして張られたホーリーフィールドによって、盗賊達と、何故かレイジュも拒絶される。
「ふっ‥‥」
 それを眺め、笑うミズハ。
「愚か者め! フンドーシには選ばれたものしか近づけないのだ。お前達は触れる資格がないからフンドーシに拒絶されたのだと知るがいい!」
「なななんだってーーー!?」
 盗賊2人とレイジュの背後に、ばりばりどかーんと雷が閃いた‥‥ような気がした。
 もちろん口からでまかせだったが、彼らにはショックだったようだ。レイジュから、はらりと葉っぱも剥がれ落ちる。
「おどりゃー! こんな所にいくさったかー! 往生せいやー!」
「いやー! 変態変態変態ーーー!!」
 そこに、獲物を追い求めるシーンとマリエナの暴走姉妹も現れる。
「ふははははは! 甘いぞ盗賊ども! 『我輩の』フンドーシに手を出そうなど百億万年早いわ! くらえ! 華麗なる風の刃! ウインドスラーーーシュ!!」
「‥‥船の中で魔法はよさんかこら」
 高笑いして魔法を放とうとしたローゼンの背中をシンが蹴飛ばし、混乱渦巻く戦闘現場に放り込む。
「もぎゃ〜〜〜!」
 盗賊と一緒に暴走姉妹にボッコボコにされるローゼン。
「さー、いよいよクライマックス! 現場はお約束のように敵味方入り乱れております! おーっと、レイジュ選手がどこからともなく新しい葉っぱを取り出したー! これは葉っぱ男レベル2にレベルアップかー!」
 一歩下がった位置で、嬉しそうに解説に勤しむのはハンナだ。
「‥‥いいのかなぁ‥‥」
 エモジェンは首を傾げている。
 ‥‥かくて、冒険者達の鮮やかな(?)活躍により、盗賊は全て退けられ、フンドシも無事、キャメロットへと送り届けられたのであった。

■ END ■