ジャパンの魂を取り戻せ!

■ショートシナリオ


担当:U.C

対応レベル:1〜3lv

難易度:普通

成功報酬:0 G 71 C

参加人数:8人

サポート参加人数:-人

冒険期間:06月26日〜07月02日

リプレイ公開日:2004年07月01日

●オープニング

 これは、ジャパンから来た商人からの依頼だ。
 彼はジャパン産の珍しい物品をこちらで売って商売をしているわけだが、先日、その中のとある商品が盗賊達によって盗まれてしまったらしい。
 その商品と言うのが‥‥Fundoshi、という、男性用の下着で、商人本人の説明によると、ジャパンの心を体現する、男の装備品であり、魂なのだという。万が一それを汚されてしまった場合などは、ハラキリをして果てる者がいるほどのモノだというのだが‥‥本当かどうかは不明だ。たぶん言い過ぎだとは思うのだが、異国の風習なのでよく分からない。
 まあ、なんにせよ、この奪われたフンドーシを取り戻してもらうというのが、この依頼の内容である。
 奪った盗賊達については、キャメロットから3日程行った所にある洞窟を根城にしているという事が判明している。
 洞窟、と言っても、それほど深いものではなく、岩山にある大きな穴倉、と言った方が適切かもしれないようなもので、内部はほぼ1本道、複雑な構造ではないようだ。岩山の周りは林になっているようなので、木々に隠れて近寄れば、接近も容易だろう。ただし、入口にはもちろん見張りがいるだろうし、中には少なくとも10数人の盗賊達がいるものと思われる。十分注意するように。
 それと‥‥この盗賊達は、奪ったフンドーシがたいへん気に入ったらしく、全員がこれのみを身に付けているらしい。無論、全員男であり、いずれも筋骨逞しい者達のようだ。
 商人からの依頼は『可能な限り多くのフンドーシを取り戻す事』なので、洞窟内部にあるものや、盗賊達が身に付けているモノも含めて、全てが回収対象と思って欲しい。フンドーシさえ取り戻せればそれで良いとの事なので、盗賊達は別に捕まえなくても構わないそうだ。無傷でなるべく多くのフンドーシを回収できた暁には、依頼料とは別に、感謝料も上乗せすると商人は言っている。頑張って取り戻して欲しい。
 ‥‥では、そういう事で、健闘を祈る。

●今回の参加者

 ea0003 瓦 耀(42歳・♂・浪人・人間・ジャパン)
 ea0310 ローゼン・ヴァーンズ(38歳・♂・ウィザード・人間・フランク王国)
 ea0616 太郎丸 紫苑(26歳・♂・志士・パラ・ジャパン)
 ea0705 ハイエラ・ジベルニル(34歳・♀・ジプシー・人間・神聖ローマ帝国)
 ea2731 レジエル・グラープソン(29歳・♂・レンジャー・人間・イギリス王国)
 ea3203 アルト・エスペランサ(24歳・♂・ナイト・人間・イギリス王国)
 ea3749 葛城 伊織(37歳・♂・忍者・人間・ジャパン)
 ea3991 閃我 絶狼(33歳・♂・志士・人間・ジャパン)

●リプレイ本文

「‥‥いい? アルト君、まずは敵を知らなくちゃね」
「はい、それはわかるんですけど‥‥」
「うん、できた。わぁ、とっても似合うよ。初めて締めるなんて思えないくらいだ。来世ではジャパンに生まれて、いっぱい締められるといいね♪」
「‥‥あぅぅ‥‥それはちょっと‥‥」
 太郎丸紫苑(ea0616)によって服の上から褌を締められたアルト・エスペランサ(ea3203)が、木に寄りかかりながら泣きそうな顔になっていた。
 紫苑の言葉にもあるように、全ては敵を知るため、という理由だ。これから2人して、囮として盗賊が潜む洞窟へと向かう予定‥‥だったのだが‥‥。
「おい、そこのお前ら! 一体何モンだ!」
「‥‥え?」
「わっ!?」
 気が付くと、背後に3人の男達が立っていた。いずれも身につけているのは褌一丁という姿だ。どうやら、アジト周囲の見回り役らしい。あっという間にアルトと紫苑の周りを囲むと、じろりと睨んでくる。
「え、ええと、ボク、何にもしらないよ。だって、ほら、子供だもん♪」
 と、紫苑は目をキラキラさせて盗賊達を見上げる。小柄なパラである事を生かし、子供だとシラを切るつもりだった。格好も半袖半ズボンに白いタイツという、いいとこのお坊ちゃん風だ。専門用語で言うと‥‥ショタっぽい。
「あの、その、ええと‥‥」
 一方のアルトは、筋肉に囲まれ、丁度目の高さに漢達の褌が燦然ときらめいていた事もあり、思考がいささかパニックを起こしていた。
「お、おおお兄さん達、その姿、かかかっこいいですね。しし真の漢って感じがします。ぼぼぼ僕もそんな立派な漢になななりたいです‥‥」
 おもいっきり不自然にどもりつつ、とっさにそんな誉め言葉を口にしたが‥‥。
「ほう、そうかい‥‥」
 それを聞いた男達が、髭だらけの口元にニヤリとした笑みを浮かべる。
「近頃のガキにしちゃ、いい心がけだ。いいぜ、たっぷり俺達の漢っぷりを見せてやらあ。一緒に来な」
「手取り足取り教えてやるぜ!」
「それもガチンコでなぁ!!」
 とかなんとか言われ、あっという間に担ぎ上げられて‥‥。
「え、あのちょっとー!」
「うわーん! ごめんなさいごめんなさい! やっぱりゆるして下さーい! お家に帰してくださーい!」
 後はそのまま男達と共に、アジトの洞窟へと連れ去られて行ってしまった。
「‥‥うーむ、ある意味予定通りだが‥‥果たして大丈夫か、あの2人‥‥」
 それを物陰からじっと見つめる忍び、葛城伊織(ea3749)。隠密行動万能の特技を生かし、周囲を色々調査していたのだ。
「まあ、何はともあれ、仲間に連絡だな」
 そう判断すると、そっと踵を返すのだった。


「ふははは! 賊どもめ! ジャパンに伝わるという『ハラキリスキヤキフジヤマゲイーシャの刑』で必ずやその罪を後悔させてやろう! あー‥‥ところでコレ、どんな刑なのだ?」
「‥‥黙ってろ」
 伊織の報告を聞き、いきなり高笑いを始めたローゼン・ヴァーンズ(ea0310)の肩を、瓦耀(ea0003)が、開いた掌の裏で軽く叩いた。
「むぅ、さすがはジャパンの者、そのタイミングといい角度といい、見事なツッコミだ‥‥」
 とたんにシリアスな顔で耀に目を向けるローゼン。構っていたらややこしくなりそうなので、耀はもちろん、他の皆もとりあえず無視する。
「で、連れて行かれた2人はどうなったのです?」
 レジエル・グラープソン(ea2731)が、聞くと、伊織は頷き、
「そのまま洞窟の中、だな。おかげで外を見回っていた奴らはいなくなってくれた。あとは洞窟の入口に2人見張りがいるだけだ。残りは全員中だろう」
 そう、こたえる。
「ちょうどいい。それなら盗賊もお宝も、全てあの中に揃っている。早速行って終わらせよう」
 簡単に言うのは、ハイエラ・ジベルニル(ea0705)だ。今回唯一の女性である。
「お宝ねぇ‥‥あれってそんなに凄いものだった‥‥か?」
 ふと、首を捻るのは閃我絶狼(ea3991)。ジャパンの生まれだが、その辺も含めて、彼は殆どの記憶を失っている。
「何を言う。褌は漢の魂ではないか」
 すぐさま、伊織が強い瞳と言葉でそう断言した。
「う、うぅ〜む‥‥」
 そう言われれば、確かにそんな気もするような絶狼。失われた記憶の中で、褌の姿がぐるぐる回り始め、それに手を伸ばしかけて、いや、果たしてコレに関わっていいんだろうかと、彼の中の何かが警告する。しかしその警告の意味すら分からない。記憶喪失の辛い所だ。
「‥‥」
 そのやり取りを眺めつつ、ハイエラはハイエラで、ただの布切れのような物がそんなに大切とは思えないな、とか考えていたが、もちろん口には出さない。ただ、異国の風習は理解し難いと思うのみだ。
「とりあえず、やろうぜ。今が好機だ。そうなんだろ?」
 最後に耀が言い、皆が彼を見た。異論はない。悩んでいても仕方がないのだ。
「ふはははは! その通りだ! 捕まった紫苑とアルトの死を乗り越え、我らは華麗なる栄光と勝利をこの手に!」
「‥‥勝手に殺すな、コラ」
 高らかに宣言するローゼンの肩を、耀のツッコミハンドがすぱーんと叩いていた。


「はっはっは、よう、元気か兄弟!」
 乾いた笑い声を上げながら、片手を上げ、堂々と耀が洞窟の正面より近づいていく。
「な、なんだてめえ!」
 当然、とたんに見張りが身構えたが‥‥。
「俺を忘れたのか? 顔は忘れても、この褌は忘れたと言わせねぇぜ!」
 ぶわっと服を一気に脱ぎ捨てると、そこから現れたのは褌一丁の肉体美。
「おお、こ、これは‥‥なんという褌力(ふんどしちから)!」
「す、素晴らしい! まるで輝いているかのようだ‥‥!」
 褌の聖地、ジャパン生まれは血に褌が流れている。他国の者とは一味違うのだ。
 自分達の褌力(ふんどしちから)を軽く凌駕する耀の姿に神々しささえ感じた見張りの盗賊達は、自然と膝を折って地面にひざまづき、思わず褌の神に感謝した。ありがとう褌、ビバ褌、褌・イズ・ファンタスティック!
「‥‥」
「‥‥」
 その隙に音もなく忍び寄ったハイエラとレジエルが、無言のうちに感動に打ち震える盗賊2人の頭を背後から張り倒した。ぼこっ、という音と共に、白目を剥いて倒れる盗賊2名。
「‥‥耀殿、誠にお見事な褌っぷり。感服したぞ」
 耀に近づき、深く頭を垂れる伊織。
「ふっ、いやなに」
 額に浮かんだ心地の良い汗を、手の甲で軽く拭う耀である。
「うむ、褌一番勝負はこちらの勝ちだな。天晴れ天晴れ。うは、うははははは!」
 腕を組んで眺めていたローゼンが、ふんぞり返って高笑いしている。
「‥‥なあ、だからフンドーシってなんなんだ?」
「私も聞きたいですね」
 ハイエラとレジエルが、やや疲れた顔で絶狼に尋ねたが‥‥。
「いや、すまない。俺に聞かないでくれ」
 そっと目線をずらす彼であった。


 それからすぐさま、伊織が春花の術を使用し、眠りの香を洞窟内に送り込む。ほどなくして内部から人の倒れる音が連続して聞こえ、さらにローゼンがブレスセンサーで寝息をチェック。内部の盗賊達は約10数名。春花の術の効果範囲を考えると、そのうちの半数が寝たのではないかと推測する事ができた。
「火の用心ならぬ息の用心。ふははは、いつも思うが我輩最高だ。自分で自分を褒めたいな!」
「‥‥黙ってろ」
 笑うローゼンにツッコミを入れる耀。
「では、行くか」
 春花の術の効果が切れるのを待ち、絶狼が言う。
 後は、全員が疾風のように暗い入口から侵入していった。


「やぃやぃ、てめぇら! そんな中途半端な締め方をするんだったら、おとなしく剥ぎ取られろ!」
 スタンアタックの拳をもって一撃で気絶させ、褌を回収していく耀。
「はぁっ!」
 手数の多さで押し、相手の上体に攻撃を集中して、褌の無事を図るレジエル。
「‥‥悪いな。こちらも仕事だ」
 絶狼は複雑な顔でブレイクアウト→スマッシュのコンビネーションで相手を昏倒させていた。
「褌を締めたきゃ、まずは山賊なんかやめて、褌に見合うだけの漢になれ!」
 倒れた盗賊達をロープで縛り、伊織が説教する。密閉された洞窟のような空間でこれ以上春花の術を使うのは味方にも危険が及ぶので、そっちの使用は控えていた。
「‥‥やれやれ、本当に理解に苦しむ仕事だな」
 裸に剥かれ、縛られた盗賊達から目を背けつつ、ハイエラが呟く。さすがにこういう仕事なので、他のメンバーが女性である彼女に気を遣い、庇うような空気もあったようだ。ハイエラにしてみれば余計なお世話なのだが、まあ正直進んで相手にしたい盗賊でもないので、とりあえず前には出ないでいた‥‥のだが‥‥。
「ややっ! 敵の中に女がいるぞ!」
「貴様! 女の分際で褌の聖域に足を踏み入れおって! 恥を知れ!!」
「‥‥む、とはいえこやつ、本当に女か? なにやら胸がないようだが‥‥」
「おお、本当だ! 女だとすれば、こいつはかなりの『ひんぬー』の使い手に違いない!」
「ひんぬーだ! ひんぬーだ!!」
 などと、生き残りの盗賊達が、ハイエラに指をさしてそんな事を言い始めた。
「‥‥なあ、『ひんぬー』ってなんだ?」
「さあ‥‥貧乳の事ではないか?」
「うむ、なるほど‥‥」
 と、耀、伊織、絶狼の3人までもが彼女をチラチラ見ながら小声で言い交わしている。
「‥‥‥‥ふっ」
 ハイエラが‥‥小さく笑った。
 ただし、目の奥には煉獄を思わせる真っ赤な炎が燃え盛り、背後に竜とか虎の幻影が浮かび上がったような‥‥気がする。
「死にさらせーーーーー!!!」
 ‥‥吼えた。
 瞳が三角になって鋭い光を帯び、全身から怒りの魔神もかくやと思わせる程の闘気を発して‥‥彼女は生まれ変わる。
 それまでは流れるような、舞うような鮮やかな動作で戦っていた動きさえ、狂戦士のような力任せ、筋肉任せの攻撃に変質した。怒りの咆哮が洞窟内の空気を揺るがし、ハイエラの破滅の拳が見境なく盗賊に、洞窟の壁に、目に付くもの全てに振るわれ、破壊する。ガラガラと音を立てて次第に崩れていく洞窟。震える大地。盗賊達の恐怖の悲鳴がこだまする。
「‥‥いかん。これはまずいぞ」
「どうやら盗賊達は、決して言ってはならない破滅の言葉を口にしたようだな‥‥」
「お、恐ろしい‥‥」
 人外の恐怖に、耀、伊織、絶狼の3人は息を飲み、戦慄した。
「急いで出るぞ! フンドーシの回収急げ! 我々もこのままでは危ない!」
 レジエルの叫びに、はっとして我に返る。
 その時、
「みんな、そこにいるの〜?」
 洞窟の奥から、小柄な影が走ってきた。先に捕まり、連行されていた紫苑だ。両手一杯に褌を抱えている。
「おお、無事だったか」
「うん。みんなが突入してきたゴタゴタで、なんとか逃げてこれたの。ついでにアグラベイションで相手の動きを遅くして、褌も取ってきたよ」
「そうか、そいつはえらいぞ!」
 耀に頭を撫でられ、えへへと笑う紫苑だったが、すぐに表情を曇らせると‥‥。
「でも、アルト君が‥‥」
 と、傍らに目を向けた。
 そこには‥‥。
「ああ‥‥お母さんごめんなさい。初めての仕事で、僕は汚れちゃいました‥‥冒険者としていつか故郷に錦を飾るつもりだったのに‥‥いきなり崖に落ちた気がします‥‥あぅぅ‥‥」
 褌一丁で体育座りをしたアルトが、どよ〜んとした空気を背負って泣いている。
「無理矢理裸にされて、褌締められたのがショックだったみたい‥‥ずっとああなんだ」
「そうか‥‥」
 紫苑の説明に、哀れみの目をアルトへと向ける一同。
「しかし‥‥今は一刻も早く退却せねば」
「そうだな。もうじきここは、女神の怒りで崩壊する」
 伊織と絶狼が言い、皆が揃って頷く。
「だが、その前に‥‥」
 耀がふと、近くにあった石造りの地蔵に目を向けた。ジャパン好きな盗賊達が、どこからか盗んできたもののようだ。それが、がははははと、ローゼンの声で笑っていた。彼は今、洞窟の前にいて、外に逃げ出してくる盗賊を待ち構えている。万が一の用心だ。笑い声はヴェントリラキュイの魔法の効果であり、盗賊達を混乱させる意図らしいが‥‥。
「‥‥」
 無言で耀は足元に落ちていた子供の頭くらいある石を拾い上げ、入口へと向かって思い切り放り投げた。すぐに、うぎゃーというローゼンの悲鳴が聞こえて‥‥笑い声が止まる。
「これで良し。じゃあとっととずらかろうぜ!」
 拳をぐっと握り、満足そうに言う耀である。
「できることなら盗賊も全部外に引っ張り出せ! このままじゃ皆死んじまうぞ!」
「わー! アルト君が崩れてきた岩の下敷きにー!!」
「急いで掘り出せー!」
「アルト君息してないよ!!」
「心臓マッサージができる奴、いないかー!!」
 ‥‥などと大騒ぎしつつも、なんとか脱出に成功する一同であった‥‥。


 かくて‥‥戦いは終わった。
「いいか? 健全な身体に健全な魂は宿る。褌を締めたかったら、盗賊は金輪際止めるんだな」
「そうよ、なんてったって、褌は漢の下着だ! お前ら! まずは褌に負けないだけの漢になってみせろ!」
 冒険者はもちろん、盗賊達も奇跡的に全員無事だ。盗賊が身につけていた褌は既に回収され、縄で縛られた上、耀と伊織にそう説教されていた。
「‥‥大丈夫だよ、アルト君、ほら‥‥なんていうかさ、とっても似合ってるし、その褌」
「うわぁぁぁぁん、おかーさーん!!」
 傍らでは、アルトが紫苑に慰められていたが、紫苑の言葉がことごとく逆効果のようだ。泣きじゃくる声がどんどん高くなっていく。
 ついでに‥‥崩れてきた岩に埋まって天に召されかけたアルトにマウストゥマウスの人工呼吸を施して蘇生させたのは、盗賊の中でも特にマッチョで髭の濃い、素敵なナイスガイ(=おっさん)であった。その彼が今、泣きぬれるアルトに熱い視線を送っている。アルトは気付いていないが‥‥素敵な恋の予感、かもしれない。
「うははははは! 我輩の伝説は、今始まったのだー!! 見ていろ夕日よ! 今にお前すら脅かす存在にまで上り詰めてやるぞ! ふははははははは!!」
 その隣で、沈み行く夕日に向かって、ローゼンが高笑いをしている。盗賊達から取り戻した褌を締め、それ一丁という姿である。意外と尻のラインが綺麗だったが、そんな事はどうでもいい。
「‥‥‥‥褌は、全て回収するのが任務、だったな‥‥?」
 そして‥‥そのアルトとかローゼンを見ながら、低く呟く破壊の女神が‥‥いた。
「あ、ああ‥‥」
 絶狼が頷く。怖いので近づけないし、近づく気もない。
「では‥‥成敗ーーー!!」
 恐るべき速さと気合で、最後の獲物に襲いかかる女神様。
 アルトとローゼンの悲鳴が高くこだまし‥‥最後の褌も無事回収されたのであった。

■ END ■