一人でお使いできるモン♪
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■ショートシナリオ
担当:Urodora
対応レベル:フリーlv
難易度:普通
成功報酬:0 G 52 C
参加人数:8人
サポート参加人数:1人
冒険期間:03月10日〜03月15日
リプレイ公開日:2007年03月18日
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●オープニング
●はじめ
少年冒険隊という隊がある。
伝説? の遺跡『悪魔の門』あたりで宿敵Mr.AFと死闘を繰り返すクールでお茶目なちびっ子たちの集団だ。
そのリーダーである赤毛の少年は
「ボクは負けない! きっといつか夢はかなう」
何か非常に熱い、熱すぎて火傷しそうだ。子供はだから扱いづらい。
そして、隊員の一人であるハーフエルフのひねた青少年は
「よーし、あのお姉さんは二重○だ、チェック、チェック」
まる秘メモを片手に煩悩を追うハンター、しかし中身はネガティヴという難しいお年頃。
そんな隊の中で色々と扱いずらいためなのだろうか、影が薄いニーナという少女が今回のメインである。
●きえふ
ニーナはキエフにある祖父の家にやってきていた。
外見はどうであれ、エルフであるため結構長く生きているニーナは、その言動からは想像できないが、かなり知的な面を持つ。
「んー古代魔法語は難しいデス」
三角帽子と変な杖を脇においたニーナは、まんまるおめめをさらに丸くして机の上の本を読んでいる。
「はぁーい☆ 爺参上」
そこへ登場したのは、ちょっとファンキーなニーナの祖父である。原色系の色彩が好みなのだろうか、目に優しくない着こなしで合わせた服装が色々と痛い。
「お祖父ちゃん、勉強の邪魔デス」
祖父を横目で見た後、ニーナはすぐに本へと視線を戻す。
「つ、つれない。こんないたいけな爺を放置して、一人勉強するような孫に育てたおぼえはないぞ」
どこをどう見てもこの方がきちんと育てたような気はしない。それにしても暦年齢で180歳をそろそろ超えるというのに、その元気はどこから来るのだろう。
「ぶー、またこの前みたいに、裏通りに行って変な呪文を唱えるのはいやデス」
「エロイム・エッサイムをきかんかったか? どれどれぺったんこだな」
どうやら、きっちり胸を確認したらしい
「・・・・お祖父ちゃん、いっぺん死んでくるデスカ?」
「我輩はその、孫とのスキンシップ」
「我輩ってやめるデス、変態、アビスに帰れ、デビルに食われろー」
肉親とのスキンシップは、ほどほどにしましょう
●おつかい
ということでキエフに滞在しているニーナ。
今日から祖父のおつかいに行くらしい。
その中身は
1、近くの洞窟のきのこ狩り
2、冒険者街でグリフォンの羽とドラゴンの鱗採取
3、おいしいお水
何やら一つ達成困難な条件があるような気がするのだが。
「ふふふ、これはお祖父ちゃんの挑戦状デス。そっちがその気なら、やってやるデス」
こうして、いつになく真剣な表情でニーナはギルドへと向かうのだった。
おつかいあれこれ
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●もくてき
おつかい。
●ばしょ
きえふ。
●よういしたほうがいいもの
ぐりふぉん。どらごん。
●ほしいもの
ゆめみるこころがほしいデス。
※登場人物
■ニーナ・ニーム エルフ・10歳・♀
風魔法使いの女の子。銀に近い柔らかい髪とまんまるの薄緑の瞳、身長はちっちゃい。
愛用の大きな三角帽と曲がった杖は両親の形見。普段はみせないけれど、根は寂しがりや。
見かけによらず賢いが言動はちょっと天然系。
ウインドスラッシュ・レジストコールドが使える、ただいま他の魔法も勉強中。
脳内は少しまともなお花畑のようだ・・・・。
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●リプレイ本文
●おつかいはじめ
小春日和という言葉が似合いそうな日。
ニーナはお出かけ用の熊さんポーチに探検グッズを詰め込んでいた。お使い勝負といっても他人から見れば、他愛のない遊びのようなものだが、彼女にとってはそれなりに真剣で意味のあることらしい。最後に財布の中身を確認するニーナ、今回の依頼料は彼女のおこずかいから出した。だから、ちょっとクマの刺繍お財布の中は寂しいけれど冒険するには足りるだろう。
チェックを終えた彼女は、愛用の杖を握ると
「いってきまーす」
元気よく家を後にするのだった。
ギルド着いた彼女を出迎えた冒険者には旧知の仲間も多かった。一番最初に挨拶をした彼は、ニーナの手の甲に口付けしたあと、仰々しく
「いやぁ、もう一度ニーナお嬢様に会えるとは夢にも思いませんでした」
「サーガインも元気そうでなによりデス。再会を祝して、ご主人様にお手」
「これは麗しい、このサーガイン、ニーナお嬢様のためなら、例え火の中水の中、モンスターの中にも、今回もわたくしに全てお任せ下さい」
サーガイン・サウンドブレード(ea3811)とニーナは相変わらず主従ごっこをしているようだ。彼は小さな女の子好きなのだろうか・・・・アヤスイ。
「はじめまして私はフィニィ・フォルテン(ea9114)、この子はリュミィといいます」『ます♪』
そう言って礼をするフィニィとリュミィの挨拶に、ニーナもちょこんとお辞儀を返す。
フィニィは流れるような金の髪に軽く手をやる、髪に隠した少し尖った耳が気になるのかも知れない。リュミィは、サーガインのほうを睨んでいるようだが、フィニィ自身はそれに気づいていないようである。
ひとまず、仲間達はお使いについていくつかの点を話し合う? ことにした。
一番困難だと思われる課題、ドラゴンの鱗とグリフォンの羽については、メイユ・ブリッド(eb5422)のウォータードラゴンパピーのシードラ君とケイト・フォーミル(eb0516)のセルディウス君から入手することで話がついた。
そんな中、内心大暴れしようとしていた約一名は心の中で
(ドラゴンの鱗とグリフォンの羽はあっさり手に入ってしまうのですね・・・・チッ)
悪鬼、ではなくて人間の理瞳(eb2488)は最初から騒動を起こすつもりだったのだろう、ニーナに挨拶をするなり
「にーな、コノ機会ニタクサンモラッテオキナサイ」
といいながらシードラ君に突撃するが、ンギャオー!!!!!
「あら、おいたはいけませんよ。一枚だけです」
メイユの近くには、伸びた変な生物が居る。ドラゴンレンジャー、そんな称号で呼ぼうと思ったのだけれど、今回はやめておこう。
「よう、ニーナ元気か?」
「炎さんデス、必殺マグナぶろー!」
「・・・・別に必殺じゃないけどな」
ラドルフスキー・ラッセン(ec1182)は困惑しつつ返した。彼は今回ニーナとお勉強が目的らしい。ついでにお酒も呑むとほどよく狂気の世界へようこそになりそうなのだが、今回はその要素はあまり必要もないので、やめておこう。
「よ、よしニーナ、おつかいを無事成功させるぞ!うむ!」
そう力一杯言うケイトは、なぜか壁に隠れている。特に隠れる要素が見当たらない気もするのけれど、それが落ち着くのだろうか。
「また、愛用の壁デスね」
実際持ち運べる壁があるのかは知らないが「持ち歩き専用壁」などあったら欲しいようないらないような?
「あら、みんな変人ちゃんね」
そういう貴方もちょっと変な、マティア・ブラックウェル(ec0866)。心は男、言動はちょっとカマーに見える最終兵器。何ゆえ心も身体も正当男子なのにカマー言葉なのか不明だが、きっと色々なヒストリーがあるのだろう。
これで全部、そう最後にユーリィ・マーガッヅ(ec0860)。マーガッツ家では珍しいツンデレ要素を備えた彼。その特徴についておいおい語るとして、ひとまずお使いをはじめよう。
●鱗と羽
「ウォータードラゴンの鱗は船乗りのお守りとして珍重されているんですよ」
「そうデスか?」
微笑むメイユから鱗を受け取ったニーナは、シードラ君に一緒にお魚をあげていた。
「お手デス」
「ニャゴー」
ドラゴンにお手だと潰されるような気もするが、そういう物理法則を知らないふりをするのがほのぼのというものである。あまり気にしてはいけない。
「にゃんこみたいな反応をするんですよ。シードラ」
「かわいー!」
その背後で、影のように何かを狙うドラゴンレンジャー瞳の姿もあるが、とりあえず鱗は手に入った。そのまま次のお友達であるケイトのセルディウス君を訪ねるニーナ。
「セ、セルディウスは見た目は恐いが自分の頼れる相棒だ。良ければ撫でてやってくれ」
「なでなで」
・・・・グリフォンの鳴き声はあまり聞いたことがないのだが
「キシャー」
あたりにしておこう、そのままニーナは喜ぶセルディウス君に乗ったらしい。大空翔る魔法少女というのも一つのロマンである。ただ、あとでケイトにかなり叱られたらしい。まあ、それはそれで微笑ましい光景ともいえるだろう。
●きのこー
きのこ狩りに近くの洞窟にやって来たパーティー。まず最初にまるごとの名を知るものよ来たれ!
「ふぃにぃMMO部員とうじょー」『とうじょー♪』
まるごときのこに身をつつんだフィニィに唖然とするメンバー。
「まるごとを着ればふかふかのぬくぬくで、それにとっても楽しいですよ」『ですよ♪』
「暖かいの良いであるが、恥ずかしいだろう。き、着たいとなど思っていないであるぞ」
ユーリィは、フィニィの姿をちらちらと横目で伺っている。内心着てみたいのかもしれない。
「それにしても、普通の洞窟だな」
なぜか、まるごときのこを見ないふりをしているラドルフスキー。
「そうよね、蛇の一匹や二匹いても冒険だし良いわよね、普通」
マティアもきのこを黙殺したようだ。そんな和気藹々? とした近辺で遊んでいるのは。
「わーい」
「にーな、アタマブツケル」
瞳ちゃんはニーナちゃんを肩車して洞窟の中を駆け回っている。精神年齢は同じくらいのようだ。
「ニーナお嬢様、そんな化物で・・・・ではなくて、わたくしにお乗りください。貴方のためなら、このサーガイン馬にでも豚にでも変身しましょう」
サーガインは下僕志願をしている、懲りない男である。
「ほのぼのしますね」
「そ、そうだな。たまにはピクニックも良いものだ」
この混沌の中、メイユとケイトは持参したお茶をまったり飲んでいる、なかなか安らかだ。というよりピクニックなのだろうか、なんとなくハイキングのような気もしないでもない。
そんな時、サーガインが高らかに叫んだ
「見なさい、あそこにいるのは、さぁ、サーガインに続くのです!!」
あそこ→いのししみたいな生物。
サーガインは、その威勢のいい掛け声とは裏腹に回れ右をして、後ろへ下がると。
「ぜっ前衛の皆さん、御仕事ですよ」
サーガインくーん、騎士はお姫様を守るのが仕事じゃないの。そんな複数の心の声が聞こえた気もするがとりあえず一番前に立ったのは。
「母なる大地に連なる親愛なる友人達、我が意に応え、その力示せ!」
マティアと
「風の名において・・・・ナントカ・カントカ 飛べ真空の刃」
ユーリィに
「火焔の洗礼、炎の拳(略)必殺マグナブロー」
ラドルフスキーの
三属性一体魔法攻撃マグナキャノンスラッシュが発動した。(注、たんに一斉魔法攻撃です)
「あらケイトさん、綺麗な花火ですね」
「き、きれいだな。ほらニーナあれを見るんだ」
いのししみたいな生物相手に容赦ない一撃を食らわした魔法部隊ズたち。彼らがやり遂げた感に浸っている最中、メイユやケイトとニーナはお茶を飲みながら、まったりしている。
そういえば・・・・何か大事なことを忘れているような気がする。
そう! きのこだ。
「コレハ毒キノコ?」
瞳が目を輝かせて怪しい模様のキノコを採取している。雰囲気は彼女とキノコは似たような感じで仲間意識たっぷりだ。
「どうであろうか、瞳君自らで実験するのも面白いである」
多分冗談だと思うのだが、そのユーリィの言葉に
「パクリ」
「た、食べるなんて」
・・・・その後、瞳の姿を見たものは誰もいない・・・・かも。
●お水
水については深く触れる必要もないのだが、せっかくなので抜粋しよう。
メイユは高級料理店においしい水の在りかを聞きにいった。
「雪解け水なんかどうでしょうか」
ケイトはケイトで近所の湧き水を採取にいったらしい。ラドルフスキーは近くドニエプル河の水にしてみた。
「あとは蒸留よね」
マティアの意見の通り、マティーの錬金術師がスタートしそうだったが、よく見ると誰も錬金術のスキルを持っていないので却下。
フィニィは飛んでいる鳥さんにテレパシーでお話を聞いて、近くの水源に行ってきた。そんなこんなで、お使いは揃った、あとは・・・・。
と、その前に。
●ニーナと遊ぼう
ひとまずニーナのおうちに帰ってきた面々。祖父は留守だったらしく帰ってくるまでそれぞれ時間を潰すことにした。
「ぶー、難しいです」
「ほら、ここはこうだ初歩だぞ、これは」
「ニーナは始めたばっかりなのでよくわかんないデス」
ニーナとラドルフスキーは古代魔法語のお勉強をしている。フィニィはそれを眺めていたが何か思い出したのか
「そういえば、おつかいって結構大変ですよね。私も子供の頃はいろいろ失敗しましたよ」
「デスデス、お祖父ちゃんは無謀デス」
「この文字はこう、憶えたかい」
「はーい」
リュミィを手に乗せたフィニィはさらに続ける。
「どこからか聞こえてきた歌の音を追っていたら道に迷ったり、広場で吟遊詩人さんの歌に聞き惚れていたら日が暮れていたり。色々ありました」
「お使いか、私も姪が小さい頃は一緒によく出かけたものである」
傍らで本を読んでいたユーリィも懐かしそうに言った。
「姪さんデスか?」
「うむ、そういえば、ニーナ君も風使いであるな。他に何を覚えたいのであるかな? 私で教えられる魔法ならコツを伝えられるし、共に練習することもできるのであるな」
「うーん! ストーム」
「そういえば、ニーナちゃんのお友達は最近何をしてるのかしら」
なんとなく割り込んだメイユの問いに、ニーナは
「アレクは剣ばっかり振ってて、ジルは変なメモをつけてるデス。あのメモは面白いデス」
「そう、一度見てみないとね」
何事かメイユは考えているようだが、何かは分からない。
「ニーナ、まずこれを終えてから遊ぼうな」
ということで、ラドルフスキーとユーリィに色々教えてもらったニーナは少し疲れたのか一休みしていた。そこへケイトがやって来たようだ。
「ニ、ニーナ」
「ケイトーケイトー抱っこ」
現れたケイトにニーナ抱きつく、ケイトはニーナの髪を撫でながら
「ニーナは甘えん坊だな」
「えへへ、ケイトはお母さんみたいデス」
ケイトに抱かれたニーナは、そっと撫でられているうちに眠っていた。彼女は両親の顔も知らない。夢の中で感じる温もりはまだその姿かも知れない。
幸せそうに寝息を立てるニーナを抱きかかえ、ケイトは少しの間その寝顔を見つめてるのだった。
少し後、目覚めたニーナの元へ彼がやって来た。
「ニーナお嬢様、何か御悩みがあればこのサーガインに御話下さい。私にお任せ下されば、万事解決致します。何時までも貴方の味方です」
「サーガイン頼みがあるデス」
「はい、お嬢様」
真剣なニーナの表情、続けられたのは
「ニーナはお父さんが欲しいです」
その爆弾発言にサーガインは困惑した。ここはどういうリアクションを取るのが最善だろう悩む彼。
「サーガイン?」
「では、不肖わたくしめが、今だけパパに」
「お父さん、お父さん」
ニーナはお父さんが出来て嬉しそうだ。
「あら、サーガインちゃん何やってるの」
そこへ、ちょうど通りかかったマティアが好奇心から立ち寄った。
「紹介します、サーガインお父さんデス」
聞いたマティアは驚きを隠せない。
「・・・・ついに道を踏み外したのね、だめよ」
「ち、ちがいますよ、お嬢様がパパが欲しいって」
なぜか挙動不審のサーガイン。
「あら、本当かしらね。まあいいわよ、じゃニーナちゃん、アタシはお兄ちゃんね」
「マティアお兄ちゃんデス」
「弟もいいけど、妹もいいわねーいい子いい子」
とりあえず今日もロシアは平和のようだ。
●お使い完成
ってなことで、ついに舞台は整った、対峙する祖父と孫娘。
「ニーナ、我輩の目が黒い内は嫁にはいかせんぞ」
「お祖父ちゃん、何意味不明なことを口走ってるんデスか」
「うるさい、その怪しい男はなんだ」
多分、サーガインとかその他だろうか。
「この人たちは、お使い助っ人隊デス、ふふふ」
誇らしげに差し出したそれは、お使いシリーズだ。
「ちっ、やるようになったな。爺は嬉しいぞ」
「いつまでもお祖父ちゃんの天下だと思ったら間違いデス、さあ、負けを認めなさい」
この二人はいつもの何の勝負をしているのだろうか、そのニーナの言葉を聞いたファンキーな祖父は
「ヤダモーン」
言うなり逃げ去った。
その姿を呆然と見送るパーティーメンバー。しばしの沈黙、始めに口を開いたのは
「で、この依頼は成功なのか?」
ラドルフスキー。その問いに答える前に、たどり着いた者が一名。
「ド、ドク・・・・」
「きっと食あたりである。あのキノコは」
「猫さん、おいでー」
ユーリィの言うように食あたり瞳の服の袖から、にゃおーん現れた猫のグレートタイガーをフィニィは可愛がる。
「とにかくニーナ、お疲れ様だ。が、頑張ったな!うむ」
動揺しつつも、ケイトがなんとか場をまとめようと精一杯努力した結果。ニーナは満面の笑みを浮かべ言った。
「一人でお使いできるモン♪」
その後、今回の活躍を讃え、ニーナから彼女秘蔵の四葉のクローバーが配られた。きっと明日はラッキーデーになるだろう。
こうしてお使いはどうやら完了した。
だが、祖父との戦いは決着していない。彼あるかぎり、その火花が消えることはないはずだ。次にやってくる戦いはどんな戦いだろうか? その戦いを話す日が来るかは分からないが、今は筆を置く事にしよう。
了