♯少年冒険隊♭ ミュゼット♪
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■ショートシナリオ
担当:Urodora
対応レベル:11〜lv
難易度:やや難
成功報酬:3 G 50 C
参加人数:6人
サポート参加人数:3人
冒険期間:06月25日〜06月28日
リプレイ公開日:2007年07月03日
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●オープニング
●ぷれりゅーど
少年冒険隊という隊がある。
クールでお茶目なちびっ子たちの冒険集団だ。
その少年冒険隊の一番の年長であるジル・ベルティーニという、ハーフエルフの青少年は、某所である情報を手に入れた。
「わくわくの館・・・・・。いったいどんな館なのだろう? もの凄く気になるぜ」
わくわくの館。
その名を知るものはまだ少ない、とある村の近辺に本部があるという噂の館。
その支部がキエフの闇世界に存在するという。そう、それは都市に伝わる風聞伝説。
ちなみにわくわくの館という仮称の館は確かに存在しているが、知名度は今のところ、ほぼゼロである。
「これは行くしか無いな、といっても俺達駆け出しじゃ、返り討ちに会うに決まっているぜ」
ジルはしばし熟慮を重ねた。聞くところ館があるのは、闇世界である。色々ゴロツキ、時には暗殺者などもいそうだ。ここはトップクラスの冒険者に助力を頼むのが良いだろう。
しかし、お子様である冒険隊リーダーアレクにこんなことを言うと
『やっぱり、ジルってそういう人なんだ、そんなこと冒険者にたのむことじゃないよ』
真面目な顔で言うに違いない。
もう一人の女の子魔法使いであるニーナという少女は
『ジル・・・・・・欲求不満なのデスか?』
何か憐れみを込めた微笑みを浮かべ、分かったように言うに違いない。
どうするか、ジルは迷った。確かに気になるが、一人で探して死んでしまっては元も子も無い。
「でも、好奇心には勝てないよな。この前の冒険で手に入ったアイテム売り払って、頼もう、そうしよう」
好奇心は時に身を滅ぼすもの。
かくして、ジル・ベルティーニの個人的願望を満たすため、ギルドに依頼が持ち込まれた。
わくわくの館探索
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●目的
少年冒険隊、特にジルという青少年の個人的希望によりわくわくの館を探します。
●場所
キエフの闇世界にあるという、わくわくの館。
その存在については謎に包まれています。ジルの資金がなくて数日しか雇えない
ようなので、短い期間ですが健闘を祈る!
●用意したほうが良いもの
特にないかも。
●その他
※登場人物 「少年冒険隊」
■アレクセイ・マシモノフ 人・12歳・♂
駆け出しファイター。一応冒険隊のリーダー。
人を疑うことをあまり知りません。素直で直情型のわりに優柔不断で決断力は低い。
■ジル・ベルティーニ ハーフエルフ・16歳・♂
かなりの腕前をもつレンジャー。
流星の狩人という二つ名をもつ。胸が大きい異性が好きらしい。
■ニーナ・ニーム エルフ・10歳・♀
風魔法使いの女の子。熊が大好きです。甘えん坊。
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●リプレイ本文
●おーばーちゅあ
ある一人の青少年の個人的願望を満たすために発動した依頼。
わくわくの館という謎の館の探索。
それを探すべく集まったのは、六人の物好き、もとい冒険者だった。
館の正体が分かったところで、ろくな事が起きない気もするのだが、仕事は仕事、それでは探索の旅に出かけてもらいましょう。
ジェシュファ・フォース・ロッズ(eb2292)、特徴を詳細に説明すると長くなりそうだ。
よってとりあえずエルフの少年ウィザードでフリーアンサー。
彼は、少年冒険隊、隊員番号3番ニーナになぜか突っ込まれた。
「恋も知らない男は、駄目デス」
「名前だけは知ってるよ、恋はよいものだよね」
「学ぶだけではなくて、身をもって体験してこそ知恵になるデス」
その態度に困惑しているジェシュ。どちらもエルフなので意外と年寄りである。エルフという種族はそのギャップがきっと良いのかもしれない。
「ニーナ嬢は、体験したのかい?」
所所楽柳(eb2918)がニーナにそう聞いた。彼女は最近、哀愁の女のような気もするが、そろそろ吹っ切って新しい道へ進むのも良いだろう。
「・・・・・・」
ニーナは黙った。
「恋っておいしいの?」
冒険隊リーダー、赤毛のアレクが典型的すぎる質問を無邪気にすると、彼の傍にいたアーデルハイト・シュトラウス(eb5856)の無表情な顔に変化があらわれる。
アーデルハイトは普段から何を考えているか分からない、一瞬アレクに何事か言うつもりだったようだが、無言で立ち去った。いったい何を言うつもりだったのだろうか?
「美味しいけれど、きっと毒入りね」
アレクの問いにルカ・インテリジェンス(eb5195)が真面目にそう答えた。 彼女は、色々傷だらけのおねーさんなので、そのあたりもきっと傷だらけなのかもしれない。
「恋ですか。綺麗なおねーさんいっぱいで・・・・・・俺は幸せです」
ジル・ベルティーニこと、単に欲望の主は周りを見回した。
確かにおねーさんだらけのような気がする。彼の視線の先にいたフィーネ・オレアリス(eb3529)とオリガ・アルトゥール(eb5706)。
この二人は彼の持つ二つ名「流星の狩人」と繋がる重要なファクターである。何が重要なのか聞かれても困るのだが、フィーネの母親とオリガは、そう狩人仲間である。
「ジル君、わくわくしようね」
「はい、わくわくしたいです」
フィーネとジルが話している。いったいどうやってわくわくするのか不明だが、そのあたりはご想像にお任せする。
「そろそろ、皆行きますよ。準備はきちんと終わりましたか?」
「はーい」
答える面々、オリガがその場を締める。母親を伊達にやってはいないようだ。
かくして、わくわくの館探索は始まる。
●わくわく探索
わくわくの館を探索する上で手段はいろいろある。
その中で冒険者たちが選んだのは、関係した事件の依頼人について調査することと、蛇の道はスネーク。ようは、裏街調査ということのようだ。
「わくわくの館? お嬢ちゃん。いい年してわくわくはねえだろう。わくわくだぜ、わくわく?」
受付で柳に話を聞かれた中年は、呆れて言った。
「仕事だよ、仕事。そんなことより知ってるの知らないの?」
どうやら、中年は本当に知らないらしい。オリガはその態度を見て、賄賂を贈ることをやめた。
「やはり、行くしかありませんか・・・・・それよりも、あの依頼の依頼人について聞いておかないと」
ということで、オリガと柳はわくわくに関連した依頼人についての情報を手に入れた。
その情報を元にしわくわく村? に旅立つ彼ら。
冒険隊を引き連れて、キエフの近くにあるわくわくの館本部? があるという村に着いた。
人通りの少ない村の通りにいるメンバー。
こんな小さな村に目立つ彼らが来たので奇異の視線を向けられているが、そんなことを気にしていては冒険者などやってはいられない。
「僕は、あんまり気が乗らないけど」
わくわくに不穏を感じジェシュはこぼした。
「だったら、来なければいいのデス」
ニーナは、有象無象そこらへんも容赦しない。良い性格をしている。
「それよりも、この依頼って何のための仕事なの?」
純粋なアレクは、アーデルトハイトに聞いたあと、周りにいたおねーさんがたを見回した。
「きっと、それも人の業ね」
アレクの質問にアーデルハイトは、何が言いたいのかよく分からないが、黄昏ながら返す。
そしてジルは自分の所業がばれる前に、胸を張ってアレクに言った。
「これだからお子様は、いいかよく聞け、わくわくは男の浪漫だ!」
何を根拠にしているだろう、ジルはそう言い切った。なんでも浪漫にすれば許される。
そう考えるあたりが、男のロマンチシズムというものかもしれない。
ちなみに、言い忘れたが柳の流星評価は☆☆半である。
さて、ここから依頼人と出会いうまで、わくわくの館本部で起こった出来事と経緯に触れてみよう。
『ここから先は素人お断り』
彼らの前に現れたのはそんな看板だった。
無意味に極彩色背景に、ピンク色の文字は相変わらずである。いったいこの先に何があるのか分からない。
素人というのが、何の素人を指しているのか?
あまり突っ込みたくない気もする。
「あからさまに怪しいわね」
ルカが腕組みをして看板を見ている。前来たときよりも怪しさがスケールアップしているような気がするのは、きっと気のせいだろう。
「素人さんって何?」
またもや、アレクが微妙なことを聞いた。
「プロじゃない人のことかな」
柳がアレクに答えた。
「何の仕事なの?」
「なんだろうね」
確かに、これだけでは何なのかは分からない。
「わくわく、わくわく」
ジルは一人わくわくしている。
さて、ここから詳しい内容に・・・・・と、なにやら事情により、このあたりは早送りで進めることになる。では、細かいことは飛ばして、次に行こう。
●キエフ
ルカは、結構悪い人である。
悪いという定義は難しいので、ここで真面目に語る気はないが、依頼人があまりに無口で反抗的なので殴って・・・・・・ではなくて眠らせて記憶を盗んだ。そう、それだけだ。
「時に、目的を果たすためには手段を選ばないことも必要なのよ」
その意見には同意である。しかし、良い子のアレクの目からすると、
「ルカさんは悪い人」
というイメージが出来たようだ。
そんな、ルカの尽力をもってしても、わくわくの正確な情報は把握できなかった。
というより、例の依頼人の脳内イメージがあまりピンク過ぎて言葉として形容できないだけなのだが、分かったのはキエフのとある場所と思われる文字だった。
「それでは、私は調査に」
「僕もいってくるよ」
フィーネと柳は色仕掛け・・・・・・交渉能力を用い情報を集めに出かけた。
「さて、お守りでもしますか」
陽も落ちて夜。
オリガが疲れて眠っているニーナとアレクを見てそう言った。
「俺はどうしましょう。情報集めなんて役に立たないし」
そんなジルに向かってオリガは言った。
「ジルも休んだらどうです? 眠れないなら膝枕で、子守歌を歌ってあげますよ」
オリガの言葉を聞いてジルは困惑しつつ。
「オリガさん、からかってるでしょう」
「はい」
「・・・・・・真顔で返されても困るんですけど」
「元々こういう顔ですから」
ジルは黙った。
情報収集に向かった二人は、首尾よく哀れな子羊をみつけ話を聞いた。どうやら、わくわくの館というものは都市伝説のようなものらしい。
しかし、それらしい建物もあるのは確かのようだ。けれど、それがどこにあるかを聞こうとすると。
「知らないほうが良いことがたくさんあるもんだ。特に若いねーちゃんには」
男たちは沈黙する。
しかし一筋の光明が・・・・・。
「ということは、わくわくの館はその場所にあるんですね!」
最終日、ジルはその情報を聞き、声をあげる。
「本当かどうかは分からないけどね」
「私もその話は聞きました」
柳とフィーネの情報をまとめると、どうやらキエフの裏通りの一角にそれらしい建物があるということだ。だが、かなり危険なところのようだ。
「ジル君、行くの?」
フィーネは、心配そうにジルに聞いた。
「当然です。男として生まれたからに行くに決まっています」
相変わらずよく分からない理屈だが、一人息巻くジル。
「おはよう。ってどこか行くの?」
目覚めたばかりのアレクは、寝ぼけた顔をこすりつつ聞く。
「理想郷に行くのさ」
ジルのその言葉を後にして、メンバーは館に向かう。
ジェシュは追われていた。
(どうして僕が)
それは館に向かう途中の出来事。
彼がふと路地裏に入った時のことである。怪しい建物が立ち並ぶ中で、一際目立つ建物。その近くに落ちていた看板らしきもの。
「神聖? ・・・・・・先は読めない」
その時だった。
「貴様、ここが帝国領と知って進入したのか!」
ジェシュの前に現れたのは、一見すると普通の街の人である。
「帝国って?」
「ここは神聖不可侵なる地、何人たりともエロスなくして進むこと違わず。貴様のような無垢な小僧は邪な想念により消し去るのみ、さあ餌食となるがいい」
ってなことで、ジェシュは意味不明な刺客に追われることになった。
「そういえば、ちびっ子仲間が一人いないよ」
ジェシュの姿がない事に気がついたアレクが、アーデルハイトにそう聞いた時だった。
「館があったぞー」
前のほうでジルの声がし。
「っ、敵!」
どうやら簡単に館には入れてはくれないようである。
戦闘といっても、ここは路地裏。目の前にいるのは普通の街の人にしか見えない。どうやら、こちらに危害を加えてくるというよりも
「この場所は死守する。聖地を守るのが使命」
そんな感じなだけで、戦闘意欲があるようには見えない。
「私たちは館の探索に来ただけよ、別にどうこうしようと思っているわけじゃないわ」
ルカが彼ら向かってそう言うと
「素人の言葉は信じられん」
そんな敵対的な彼らに向かって、あの男が言った。
「俺達、皆わくわく仲間じゃないか、仲良くしようぜ!」
ジルの妙に親近感溢れる説得。目の前の街人の警戒心がとけていく。
「まあ、とにかく、目的が果たせてよかったよ」
妙な疲労感を感じつつも柳はそう言うのだった。
『わくわくの館』
ジルが入ったようですが、すぐ逃げてきました。
都合により、詳しい内容を表現できないようです。
ちなみに料金は皆様のお財布から一定額となります。
その頃。
「キリがないよ」
ジェシュの精神力もそろそろ限界である。
「帝国に逆らった末路だ、汚れて死ぬのだ」
囲まれた彼、もはや終わりか?
「そんな子供の相手をしている場合ではない、我々には野望がある。小僧、その命と貞操のかわりに資金を頂くぞ」
その言葉を聞きつつ、ジェシュは気を失うのだった。
●エピローグ
ジルは一人、夕陽を見ていた。
「男を磨いて来い」
師匠であるキールに言われたものの、すぐに逃げ出して来た自分が情けなかった。
「ジル君」
「フィーネさん」
「聞きたいことがあるのだけど」
フィーネはそう言うとジルに今回のわくわくの館について探す動機を聞いた。
「知りたかったんです。何かを失っても」
ジルは落ちていく陽を見つめつつ言った。
「知らないことを知ろうとする向上心は素晴らしいと思いますけれど、お友だちに迷惑をかけないようにしましょうね?」
フィーネは、ジルに顔を近づけしばし見つめた後──。
そっと抱きしめた。
こうして色々あったが、わくわくの館を見つけてしまったメンバー。
さらに新たな帝国という一画も出現。この先いったいどうなってしまうのだろう。
だが、それはまた機会があれば語られるであろう、別の話である。
了