●リプレイ本文
●合宿してみたみた
はい、こにゃちわー!
ってことで恒例の合宿にやってきた冒険者さんたちは、今日も今日とて平和な一日をすごしてるみたいよ、うん。
何か砕けすぎてないか? ってね、いつもの記録係は不調で休んでるみたいだから代わりで来たのだけど、まあとにかくさ、いこうじゃん合宿、楽しければいいじゃん。
じゃー参加メンバー紹介。一言独断つきねー。
ミィナ・コヅツミ(ea9128)♀ はーふえるふ
「まるまるごっど」
シャリン・シャラン(eb3232)♀ しふーる
「羽」
リディア・ヴィクトーリヤ(eb5874)♀ はーふえるふ
「後家相が出ている」
アクエリア・ルティス(eb7789)♀ にんげん
「胸と態度は超一流」
マイア・アルバトフ(eb8120)♀ えるふ
「酒の匂いがする」
王冬華(ec1223)♀ にんげん
「れっつ☆ついん尻尾」
ソリュート・クルルディアス(ec1544)♀ はーふえるふ
「砂漠の嵐大作戦」
イヴァン・ボブチャンチン(ec2141)♂ じゃいあんと
「使用上の注意をよく読んで、ご使用ください」
あんまりきにしちゃだめだよー、ほら第一印象ってやつ、やつ。
何か男一人だよね。女だらけ? まあGとかいうのいるみたいだけど、いつまでもこの調子だと代理にならないから、真面目にやるって、ぽろって、さらばいばい。
●気を取り直して合宿してみた
ほどほどの暑さの中、湖のほとりに立つという貴族の別荘にやって来た合宿メンバー、なぜか男が一人しかいないが、きっとこれも運命というものだろう。
ちなみに流星の狩人は、チョット遅れてくるらしい。
道中、それなりに説明したいことはあるのだが、その話をはじめると合宿自体。
「みんなで楽しく合宿しました」
めでたし・めでたし。
などとなりそうなので、諦めて合宿に行こう。
どうやら、流星のみを警戒している女性が多いようだが、傍から見て結構危険そうなのは、あの黒一点のジャイアントだ。それなりに注意せよ。
イヴァン下の名はチャンチン、そこはかとなく触れてはいけない名前の気もする、いかにも悪人顔。しかし、悪役というものは難しいもので、時と場合によっては・・・・・・。
は、なぜか論説しそうになってしまった、なぜだろう。
まあ、そんな感じではじめましょうか。
「ふ、ふっ、、、ふはっ、ふははははッ!! ここが、変態の幻桃郷わくわくの館か! ついに俺はやってきた。さあ好みの女の子はどこだ」
登場からして、いきなりすぎるテンションのイヴァンは、目の前に立つ館をみるなり、欲望の使徒であることを証明する言葉を呟いた。
わくわくの館については、彼のちょっとした勘違いだろう。
さすがに、ギルドが謎のピンク組織と繋がっているとは考えたくない、よね。
よく考えるとジャイアントの彼の相手を色々できるのは、ジャイアントが一番無難であるため、可愛い女の子も何もないような気が今回するのだが、特にシフールなど、考えるだけで・・・・・・。
脱線した。
どこに色々脱線したのかは、あまり深く突っ込まないように、そのあたりは妄想という空間での出来事である。
さて、館は思ったより・・・・・・ボロい。所々壁にカビが生えていたり、扉も妙な角度で曲がっていたり、本当にここが貴族の別荘なのか疑ってしまう。
疑惑の視線を受けた、随行員の中年は挙動不審になり。
「すまん、経費を使い込んだので、色々借りられなく」
尻すぼみで途切れる中年ギルド員の弁明。その場の空気が一気に冷たくなる。
突き刺さるような何かを一心に浴びる中年へ、最初に声をかけたのは。
「やってしまったことは仕方ありません。けれど、経験に学ばない人にはお仕置きが必要です。詫びなさい、沈んで詫びなさい」
湖を指し言うリディア、その抑揚の無い口調は諭すかのようにも聞こえる。だが、実際容赦ない。
一歩下がった中年は、振り向き逃げ出そうとするが、その彼を背後より羽交い絞めにする、まるごとトナカイ
「逃げようなんてダメですよ。皆さんどうしますか?」
ミィナだ。
暴れる中年だが、トナカイの前に無意味。ミィナの意見に、周辺をふわりふわり飛んでいたシャリンは、
「使った分は働いてもらう、これ常識よね。ちょうどテントを張ってほしいし」
それを聞いた中年は反論する。
「だが、館があるのにテントを張る必要は」
「いいの、あたいが張りたいんだから、それでいいの。文句ばっかり言ってると、湖が待ってるわよ」
シフールのわりに意外と凄みが効いているシャリンの態度に、中年はあきらめ、テント張りをはじめた。
一人慣れない作業に戸惑っている中年、それをぼんやりと見ている胸デカな女騎士、そして周りを飛びつつ作業を監視しているシフール、二人は何か話している。
「でも、テントなんてやっぱり必要なかったんじゃない?」
アクアが挑戦的態度で言った。
「え、バカンスにテントを必須じゃない、水浴びのあとはテントよ、テント」
シャリンは返す。
「そうかな」
「細かいことを気にしてるとモテナイわよ」
「べ、べつにモテなくていいもん」
アクアの内心が、どうなのかは彼女だけが知っている。
あまりにも目が細すぎて、何を考えているか表情で読めない。その代名詞的存在の一人であるソリュートは、館の前に立っていた。
「ここには、違うGがいそうですね」
彼女が呟いたG。
その言葉が何を意味しているのか? あまり想像したくない種類の生物のような気がヒシヒシとする。
暫く時は経つ。
駆け足で目的地にやって来た聖少年は、切れる息を整え深呼吸をした後、なぜか開かない扉をなんとか開き。
「ただいま到着! って、あれ? 立派な館は? リゾートは、みんな? どこ」
返事はない。
中を見る限り、それこそゴーストが出そうな館。
その気配に不安を感じた彼は、辺りの様子を探る。
どうやら、湖のほうで人の声がする。
ジルは急ぎそちらに向かうと、すでに一人酒盛りしているマイアを発見した。
「遅いわよ、少年。ほら呑みなさい、呑むのよ」
「マ、マイアさん。見るたびにパワーアップしてませんか」
「そうかな、ね、ジル君。寂しいなら可愛がってあげようか」
上気した頬、ほつれた髪が無造作にうなじにかかっている。酔っていることもあり、マイアの発した言葉には妙な艶があった。
ジルは年上に好かれるタイプなのだろうか? ともかく、彼は動揺したが冷静に。
「マイアさんって・・・・・・そういう人でしたっけ」
「クレリックやってるとね、色々疲れるのよ。たまには弾けないと」
この状態のマイアに、不用意に近づいてはいけない。
ジルは、早速回避する。
マイアは、ジルの付き合いの悪さに悲しそうな顔した。ちょっと可哀想。ジルも思ったが、酔っ払いに同情すると碌なことにならない。
それを経験則で知っている彼は、マイアを振り切った。
すると叫び声が
「湖に、湖に!」
ともかくジルは声のほうに行く。
そこには、懐かしい胸。もとい、冬華という名の二本尻尾髪の少女がいた。冬華はジルの姿を見るなり駆け寄ってきてなぜか腕を組み、妙に密着する。
「ジルくん、ゴブリンのとき以来お久しぶり☆」
「久しぶりなのはいいんですけど、なぜ腕を組んでるのかなと」
「サービス」
「・・・・・」
ジルは、肘のあたりにあたる感触を楽しみつつも、腕を解くほど潔癖でもないため、流れるままにくっついている。
さて、微妙な空気が流れる場と二人。これからいったいどうなる、それでは、また次週!
「来週とかいってる場合ではない、狩人よ。お前だけがいい目にあうなど許せん、俺も」
イヴァン氏がやって来ました。
お客様に申し上げます。
諸般の都合により、これより少しの間は色々なことがありましたが削除されました。
かいつまみますと、まるごとトナカイが八の字を描く必殺拳をチャンチン氏にぶっこみましてドドドKOでございます
イヴァン氏のご冥福を心からお祈りいたします。
ということで、そうだ、それよりも湖が変だった気がする。
「湖に、湖に変な猫が!」
タブン、それミィナが連れて来たジュエル猫のポポロたんだと思う。
はい、じゃ次いこー。
いつの間にか夜になりました。
夜というと恋、濃いの話。
このメンバーで恋が関係していそうなのは、トナカイさんだけかな?
「私は怪盗の一味のレンジャーさんを追っかけてて、なかなか会えないし無茶してないかなと心配なんです」
きっと、彼にはすぐに会える気がする。
「リディア君、気になる人はいないわけ」
行き遅れコンビであるマイアとリディアは、溜息をつきつつ呑んでいる。そろそろいい人が見つかっても良い頃だ。
「最近、暑さですっかり参ってしまいまして。今回はゆっくりとさせてもらいますよ」
「何、会話になってないわよ、リディア君。嫌なことには触れないつもり」
二人とも、はやく嫁に行ってください。
恒例? というかそういう遊びがあるのかしらないが、トニカクいってみよう。
「お・う・さ・ま・げーむ!!!!!!!!!」
やってまいりした、老いも若きも男も女も一時の権力を満喫できるという、Sな貴方、下僕になりたいMな君たちにぴったりな、王様ゲーム。
さて、早速GO。
一番=王様は、無難なところでイヴァン氏にきまりましたー!
作為的、ええ、作為的。
ともかく、彼の命令は。
「禁断の壷の中身を口移しで飲ませる」
ようは酒? 誰に実行させるか指令を発する前に・・・・・・。
「まあ、とにかくどうぞ、どうぞ」
イヴァンにソリュート酒を勧めまくる。豪快な彼は二つ返事で、
「おう」
呑みまくる。
しかし、さすがにそろそろ限界らしく、ふらふらしている様子を確認したソリュートは(撃墜スコア1)
心の中で微笑むのだった。
あれ、なぜかいつのまにか、まるごとが二名に増えている。
「着替えたの?」
ジルが興味を冬華にもって聞いた。
「似合うかな」
似合うも何も着ぐるみなので、返事に困ったジル。視線を胸に向けても着ぐるみだ。
すると、冬華はいきなり着ぐるみを脱いだ。
「男の人って、こういうの大好きでしょ」
ジャパンの奇跡MIKO、MIKO様が降臨なされたありがたや。
その光景を横目でみつつ、女は言った。
「この会場は、いったい何なのかしら」
冷静を装いつつ、すでに顔は赤いアクア、いっそのこと酔った勢いで脱いで湖に泳ぎにいって目立とうと一瞬思ったようだが、さすがにその行動は蛮勇とあきらめた。
「アクアも、胸の大きさなら負けてないわよ」
シャリンがそう言ったときだった。
「王様以外は全員湖で泳ぐ!」
泥酔状態のイヴァンが自らの欲望を満足させる発言をした。
これにより、湖で楽しい水遊びが始まる。
ジル・ベルティーニ、流星の狩人は、黒い手帳と共にその場にやって来て一言。
「イイ、凄く」
「ジル君、何を書いているのですか?」
「うお、リディア先生、こ、これは」
リディアも良いもの持っている。秘密メモみつけた彼女は。
「あらあら、やっぱりジル君も男ですね。止めろとは言いませんが程ほどにしておくように」
って、多分、リディアは一糸纏わぬ姿とかいう奴・・・・・・なわけないよね、うん、ファイヤーボムも飛んでこないようだし。
さて、詳しく書きたい。
しかし、これ以上詳細を報告するとギルド倫理委員会で査問にかけられたあげく投獄されて、極北に島流しである、そのあたりは仕方ない。
ソリュートあたりもあれはあれで良い感じなのだが、アクアも良いわね。
ミィナも捨てがたい、マイアも、シャリンはどうだろ、冬華は言わずとも。
ちなみにイヴァンは、不覚にも大事な時に泥酔していて、残念な結果に終わったようだ。
なぜか満足気にその様子を眺め、
「やっぱり飲みすぎはいけませんよね」
そういう自分が呑ませたような気がするのですが、ソリュートさん。
●帰り道
結局、館を一度も使用するなく合宿を終えたパーティー。
夜は暴れまくり、昼は昼寝ということは秘密。
しかし、あの館の内部にはいったい何が?
最終日の朝、ジルはアクアに声をかけるついでに、胸を測定した。
「アクアさん」
「何よ」
「怖い」
「怖いって失礼ね」
寝起きの彼女は機嫌が悪かったようだ。
結果は☆☆半らしい。
そういえば、ジルはミィナにも声をかけたようだ、彼女もまた二つ半。
というより、この合宿は妙に豊かな人たちが多かったような気がする。
「今回、俺普通だったなあ」
一人独白して道を進む、ジル。
彼をしてそのセリフを言わしめるとは、周りがきっと濃すぎるのだろう。
「Gは湖に帰らないのですか?」
ソリュートがふと呟いた。
「まだ、やり遂げていないんです。色々と」
「そうですか、それなら仕方ないですね」
しかし、湖に帰るとは、いったい・・・・・・。
ジルの隣を歩いていたマイア。
「ジル君、何か悩みってないの?」
マイアの問いかけに、
「悩みですかあ」
ジルの表情が翳った。
彼はそれきり言葉を発することはなかった。何を思っているかは別として、マイアはそれ以上何も聞かず、彼の背を軽く叩くとリディアのほうに去って行く。
道の遠くのほうで、トナカイとシフールが踊っている。その姿は楽しげだ。
ジルは黒い手帳を胸にしまい一度首を振ると、踊る二人へ向かって歩むと彼の後を追って冬華も進む。
太陽の陽射しは、まだ夏の残り香を感じさせる。
「☆★☆同好会、俺の次の野望はそれだな」
眩しげに天を仰いだイヴァンが言った。
彼は空の青さを確認すると、道の先、陽炎のように見える人影を見つめ、ゆっくりと歩きだした。
了