おっす、おらオーガ!!
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■ショートシナリオ
担当:若瀬諒
対応レベル:8〜14lv
難易度:普通
成功報酬:4 G 15 C
参加人数:5人
サポート参加人数:-人
冒険期間:11月19日〜11月24日
リプレイ公開日:2006年11月26日
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●オープニング
●メイの国の冒険者
現在の冒険の依頼人は、その半分は一般人である。
王宮に足を運ぶのは気が引けるから、多くはその領地の領主(騎士領主から分国領主まで)を介して、依頼は発せられる。
もちろん最初は、理解の範疇に無いので依頼そのものが無かった。だが口コミでその威力(?)が広まり、認知され、そして「もしかしたら‥‥」と思って足を運ぶ者が出始めたのである。
そして成果と依頼は雪だるま式に増えて行き、このごく短期間で冒険者ギルドは、メイの国全土に至るほどの認知を受けた。
まさに、『口コミ戦略』である。
もっとも、悪評も無いではない。天界人は、アトランティス人のタブーである『地面に穴を掘る』を平気で行うし、強力なパートナーであるペットを連れている場合もある。いろんな意欲が高まりすぎて、何かと『やりすぎて』しまう事もある。
まあ何でも『ほどほどに』、がいいのだが、世界の違いから来るメンタリティの違いはしょうがない。すまない、許せ、ゴメンだ。
しかし冒険者は、真実優秀な守護者である。特に弱い者たちにとっては、まさに『英雄』なのだ。
現在、冒険者は国レベルという枠を離れ、地域密着型の依頼も受けるようになった。報酬の無い依頼を受ける非常に善良な冒険者もいるぐらいで、まさに『人々の味方』となりつつあるのである。
●おっす、おらオーガ!!
鬼(オーガ)種の中でもオーガという生きものには、時々変わり者が出ることがある。
昔話の中に『善い鬼』の話しがあるように、オーガには時々、気の良い者も出るのだ。理由は分からないが人間に近しいメンタリティを持ち、人間を襲うことなく力比べで勝負して、もしも勝ったら何か宝物をくれるという、そんな子供の寝物語。
しかしそこはアトランティス。本気でそんなオーガもいたりする。
「オッス! おらゴフー! 強いヤツに会いに来た! 力比べをして勝ったら、いい物をやるぞ!」
ゴフーというのは名前なのか、はたまた荒い鼻息だったのか。
ともかく、突如村に現れたそいつは、開口一番そう言った。
村人達が振り向いた先にいたのは一体のオーガ。
『のわーっ!』
当然、いきなりそんなのが現れて驚かないはずがない。
悲鳴を上げながら猛然と逃げ、オーガからかなり離れたところで、ようやく冷静さを取り戻した。
「……あのオーガ、力比べで勝ったらいい物をやるって言ってなかったか?」
「確かに、そう聞こえたような……」
冷静になった村人はこそこそと集まって緊急会議を始めた。
あいつは一体何なのか、村を襲う気はないのか、いい物とは何なのか……。
しばらく会議した結果、とりあえずもう一度オーガと話し合ってみようことになった。
恐る恐るオーガの前に戻り、恐る恐る質問する。
「あの……力比べをしに、ここへ来た……のですか?」
「そうだ! おらは強いヤツに会いに来た! 力比べで勝ったらいい物をやるぞ!」
村人の問いに、やはり最初に言ったのと同じ答えが返ってきた。
そこで再び緊急会議が開かれる。
彼らの中にも力自慢はいる。しかし、あくまで彼らは一般人。小石を握り砕く剛の者もいるという戦士や騎士、そしてそれに勝るとも劣らぬ力を持つというオーガに対抗出来るわけがない。
襲ってくる様子はないし、あまり横暴な人物(?)とも思えないが、下手なことをして機嫌を損ねたら一大事。
再び悩んだ結果……村人達は冒険者ギルドの門扉を叩くこととなった。
オーガの不興を買わず、穏便にお帰りいただくために。
●リプレイ本文
●意外な面子
「ようこそいらっしゃいました、冒険者の皆様」
村の入り口で出迎えたのは、見るからに長老だった。一歩下がったところには村の人たちが集まっている。
「初めまして」
ティス・カマーラ(eb7898)が一歩前に出て、軽く頭を下げる。その幼い顔立ちと小柄な体格に、後ろにいた村人たちがざわめきだした。
「あはは‥‥」
そのざわめきに、困ったように頬をかくティス。まあ、お世辞にも力があるようには見えない。
「仕方ありませんよ。村の方々は、力自慢が来ると思っていたのでしょうから」
なだめに入るシルビア・オルテーンシア(eb8174)、そしてキリィ・シーグル(eb8232)、二人の女性の姿に、村人たちのざわめきがまた大きくなる。一部、嬉しそうな声もあがるが。
「なんにせよ、あたしたちは依頼をこなすだけよぉん」
言いながら、フォンブ・リン(eb7863)はしなやかな動きで前に出る。
『‥‥』
同時に、村人たちのざわめきがぴたりと止まり‥‥誰からともなく、半歩後ろへ下がった。
一人冷静な顔をしている長老も、よくよく見ればわずかに後ろへ下がっている。
「あら、どういう意味かしらぁん?」
筋肉質のひげ面パラがレースでフリフリの服を着てこの口調。‥‥まあ、判らないでもない。
「それより、オーガは今どこに?」
キョロキョロと辺りを見回しながら、南雲 康一(eb8704)が尋ねる。
「あそこで寝ておると思います」
長老が答え、村の中腹にある一軒の小屋を指差した。炭焼き小屋だろうか。
「なるほど。それじゃあ、今のうちに準備を済ませておいたほうがいいね」
●オーガの居ぬ間に
「滑車は‥‥車輪を使って、と」
呟きながら、康一は拝借した馬車の車輪に加工を施していく。
作るのは、シルビアから頼まれた滑車。もちろん、オーガとの力比べに使うためのものだ。
力比べと言っても、この面子でまともにやり合って勝てる相手ではない。力では勝てない。ならば、知恵で腕力の差を埋めるのだ。
「さて、次は‥‥っと、流石に忙しいな」
加工を一手に引き受けた康一はてんやわんやだった。
「すみませんが、何か重い物はありますか? 酒樽等で良いのですが」
そして当のシルビアは、やはり対決に使うため、村人たちに尋ねて回っていた。
「酒樽? 酒樽なら倉の中にあるけど‥‥まさか、オーガを酔わせるつもりか?」
村人は眉をひそめ、怪訝そうに聞く。
が、シルビアはあくまでも涼しい顔で。
「いいえ、勝負はもっと正々堂々と行います。もっとも、真っ向勝負というわけにはいきませんけど」
「フォンブさん、頼まれていた物、完成したよ」
準備運動をしているようなフォンブに、康一が声をかけた。
手には一本の木の棒が握られている。
「あら、完成したのね。感謝するわ〜」
フォンブの受け取ったそれは、一端が太く、一端が細く作られている木の棒だった。
「これくらいでよかったかな?」
「ええ、これなら十分よ」
満足そうに頷き、手にした棒を掲げてみせる。
「さて、シルビアさんの滑車も完成したし、あとは僕のだけど‥‥」
「あら、何か問題でもあったの?」
言葉を詰まらせる康一に、フォンブが尋ねる。
「思ったよりも必要な物が揃わなくてね、なかなか難しいや」
「大変なのねぇ」
少し口を尖らせながら、自分の頬に手を添えるフォンブ。
「まあ、上手くやるしかないか。ここが腕の見せ所だ」
●甘いお土産
康一の使うものもどうにか形となったところで、オーガに挨拶へ行くことになった。
「ん? 誰だ、おめえら」
小屋に入ると、オーガはあぐらをかいたまま、一行が口を開くよりも早くそう聞いてきた。
「あたしたちは、あなたと力比べをしに来たのよぉん」
「ほんとか!?」
フォンブが言うと、オーガはばっと立ち上がり、駆け寄ってきた。
「そんならすぐやろう! 最初は誰からだ? みんないっぺんにか!?」
「あ、え、えっと、その前に‥‥」
早口でまくし立てるオーガをなだめるように、ティスはぱたぱたと手を振って、オーガの前に綺麗に飾り付けされた箱を差し出した。
「なんだ? これ」
不思議そうに、とりあえずオーガはその箱を受け取る。
「まあ、とにかく開けてみてよ」
言われるままオーガを箱を開け、中を覗き込む。
「お?」
入っていたのは、真っ白のクリームでデコレートされた‥‥紛れも無い、ケーキだった。天界人の来落によってもたらされた高級菓子だ。
「食べられるのか?」
「もちろん。美味しいよ」
オーガにとっては見たことも無い食べ物。初めてのケーキに恐る恐る指を伸ばし、端の方のクリームを掬い取り、やはり恐る恐る口に入れる。
「どう?」
「‥‥」
ティスの問いにも答えず、オーガは指を咥えたままクリームを味わい――
「ぅんめー!!」
飛び切りの‥‥おそらく笑顔で絶叫するオーガ。どうやらオーガの口に合ったようだ。
美味しい物だと認識してからは、早いものだった。
箱から取り出したケーキを両手で持ち、リンゴか何かのように丸かじりしていく。一、二分ほどで箱まで綺麗に舐め終わった。
「ふぅー、食った食ったー」
満足そうにぽんぽんとお腹を叩く。
「おめえの持ってきた食いもん、すんげーうまかったぞ! サンキューな!」
「気に入ってもらえて、よかったよ」
オーガの気さくな礼に、ティスも笑顔で応える。
「よーし、そんじゃあそろそろ勝負すっか!」
●酒樽ダッシュ
改めて挨拶を一通り済ませ、一行はオーガ――やはり名前はゴフーというらしい――と対峙する。
命を懸ける戦いではないが、それでもお互いに負けるつもりがない以上、そこには多少なりとも緊張感というものが存在していた。
「そんじゃあ、まずは誰からだ?」
「私からいきます」
風の舞う中、オーガに促されるようにシルビアが動く。その足はオーガへではなく、道に置かれた酒樽の方へ向いていた。
「私とは、この酒樽を使って勝負しましょう」
言いながら、ぽんぽんと蓋を叩く。
「これを向こうの木の枝まで、先に持っていったほうが勝ちです」
指差した先には、道の脇から長く伸びた一本の枝。その下がゴールのようだ。
「ですが、私は少しハンデを頂きますね」
言って、隣に置いてあるもう一つの酒樽を叩く。
なにやらロープが巻かれていて、滑車に繋がっている。どうやらシルビアは動滑車の原理を用いて力の差を克服するつもりのようだ。
「ハンデとかオラよくわかんねーけど、あそこまで持っていけばいいんだよな?」
「ええ、そうで‥‥って、えっ、ちょ、ちょっと!?」
答えるよりも早く、オーガはロープを点検していたシルビアごと、酒樽をひょいと持ち上げた。2つとも。
「よーし、いくぞー!」
「ちょっと、そうじゃなくて‥‥!」
一行と村人が呆気に取られる中、シルビアの抗議にも耳を貸さず、オーガは猛然とゴールへ向かって駆け出していった。
●球体剥がし
「はぁ‥‥」
ようやくゴール地点から戻ってきて、シルビアは疲れたようにため息をついた。
「まさか、あそこまで怪力だとは‥‥」
「あたしたちも、あれには驚いたわぁ」
うなだれるシルビアの肩をぽんぽんと叩き、慰めるフォンブ。
オーガのほうは、まだ足りないといった感じで腕をぐるぐると回している。
「それじゃあ、次は僕だね」
シルビアと入れ違いに、今度は康一が前に出た。
手にしているのは、二つの半球体をぴったりと合わせ、球状にしたもの。思いのほか製作に苦戦し、完全に満足のいく物ではないが、ともかく形にはなった。
中には少量の水が入っている。正確には、元・水蒸気だ。水蒸気を充満させて密封、温度が下がって水に戻れば、中は限りなく真空に近くなる。理論的には。すると、気圧差の関係により2つの半球は互いに密着。まともに引きはがすにはすさまじい力がいるという。理論的には。
「今度は、これを剥がすことが出来るか勝負しよう」
「これをか?」
オーガは首を傾げながらもそれを受け取り、振ってみたり眺めてみたりしている。
「線を真ん中にして、左右を持つんだよ」
「こ、こうか?」
横にして持っても剥がれるわけはなく。康一はオーガに球体の向きを直させる。
「よーし、そんじゃあいくぞー!」
準備の出来たオーガが、球体を思い切り左右に引っ張る。
「とりゃっ‥‥ありゃ?」
かぽん、と間抜けな音を立てて半球が引きはがされた。
「オラ、まだちょっとしか力入れてねぇぞ?」
「あ、あれ‥‥?」
どうやら、どこかから空気が入り込んでしまったらしい。
「‥‥はぁ‥‥もっと時間と、十分な設備があればなぁ‥‥」
『十分な設備があれば』‥‥それは、天界人技術者としてこの地に来落した者の、誰もが一度は言う台詞だった。
●木の実ジャンプ
「次は、僕の番だね」
仕方なく真っ向勝負で相撲を試みてみたものの、あっさり負けた康一に続いたのは、ティスだ。
「おう! 今度はなんだ?」
オーガは得意げに、ふんふんと鼻息を鳴らしている。
「じゃあ‥‥ジャンプ力を競おうよ」
「ジャンプ力?」
「うん。どっちのほうが高いところにある木の実を取れるか、だよ」
言いながら歩み寄った木には、ややくすんだ赤色をした木の実。
「あれを取ってくればいいんだな」
「高いところにある木の実を取った方が勝ちだからね」
「おーし、そんじゃあ早速‥‥」
「あ、ちょっと待って。精神統一くらいさせてよ」
今にも跳ぼうとするオーガを制してから、ティスは静かに目を閉じ、大きく深呼吸をしながら、口の中で詠唱を始める。
「‥‥リトルフライ‥‥!」
オーガに聞こえないよう、風のざわめきに乗せて魔法を発動させる。
同時に、ティスの体が淡い光に包まれた。
「おっ? なんだ、今の?」
「え、あ、いや」
ほんの一瞬だったが、じっと見つめていたオーガは見逃さなかったようだ。
流石にティスも、どう説明していいものかと困る。が。
「よくわかんねえけど、おらワクワクしたきたぞ!」
何故か、先ほどよりも楽しそうにはしゃぎだすオーガ。何か気に入るモノがあったようだ。
「えっと‥‥とにかく、始めようか」
「負けねーぞ!」
言って、二人とも跳躍の体勢に入り、
「せー‥‥の!」
オーガの掛け声で、二人が跳ぶ。わずかにオーガのほうが早い。
オーガは人の背丈よりも高い位置にある一番下の枝を跳び越し、それよりも上の枝についた実をむしり取った。
そこを頂点として空中で一瞬停止すると、一気に落下を始め、『ふわふわと浮上する』ティスとすれ違い、豪快な音を響かせながら着地した。
見上げれば、オーガの届いた枝よりも更に上の枝に、ティスの姿があった。枝の上に乗り、取った木の実を見せるように手を振っている。
オーガがその姿を確認すると、ティスはするすると幹を伝って地面に舞い戻ってきた。
「僕の勝ち、だよね?」
「おめえすんげーなー!」
木の実を見せながらにこりと笑うティスに、オーガは素直に感心した様子でバンバンと手を叩いた。
●回転棒
「最後はあたしねぇん」
妙にしなやかな動きで、フォンブが前に進み出る。
「あたしは、これを使うわよ」
フォンブが差し出したのは、康一に作ってもらった『両端で直径の違う』木の棒。仕事量は力の大きさと移動距離の乗算で決まる、という単純な力学を用いた方法だ。勿論、原理が判っているのは一行の中で康一だけだが。
オーガに向けた先端は、その細くなっている側。
「この棒で何すんだ?」
「お互いに棒を持って、相手と逆の方向に回すのよ。判りやすいでしょ?」
説明しながら、フォンブはくるくると棒を回転させて見せる。
「つまり、思いっきり回せばいいってことだな」
理解したのかしていないのか、ともかくオーガは両手でしっかりと棒を握り、準備万端という体勢をとった。
「準備はいいようね。それじゃあ、あたしもちょぉっと本気でいくわよぉ〜っ!」
わずかにトーンを落とし、フォンブが口の中で詠唱を始める。
そして。
「ダズリングアーマー!」
叫び、魔法を発動させた瞬間、フォンブの体が強い光に包まれた。
「うわ‥‥わわわっ! すげぇぇっ! まぶしいぞ!」
煌々と輝く光に包まれたフォンブの姿に、オーガはきらきらと目を輝かせる。
「さっきの奴もすごかったけど、おらもっとワクワクしてきたぞ!」
視力を奪われるほどの光の中、それを全く気にすることなく目を見開き、はしゃぐオーガ。
「うふふ。それじゃあ、始めましょうか」
フォンブは満足そうに笑うと、オーガと同じように両手で棒を握り締めた。
「いくわよぉん‥‥それ!」
声と共に、ぐっと左向きに力を入れる。同時にオーガも力を入れ、わずかに回りかけた棒の動きをぴたりと止めさせた。
太さの違う棒を回転させる場合、太い側の方が有利になる。太さが倍違うだけで、必要な力の差は4倍にもなるのだ。加えて今は、ダズリングアーマーの光によってゴフーは本来の力を出し切れないはず‥‥なのだが。
「ふぬぐぐぐぐぐ‥‥!」
両足を踏ん張り、歯を食いしばり、全力でフォンブに対抗するオーガ。
長い膠着状態のまま、それでもわずかずつ動いてはいるものの、まだ勝利とは言いがたい。
「んぐぐぐぐぐ‥‥! だありゃあぁーッ!」
オーガもまだ負ける気はなく。叫び、体を傾けるようにしながら、更なる力を加え‥‥た、瞬間。
ビキっという音と共に、棒の中央に小さな亀裂が走った。
ごく小さな亀裂だったが、そこからは一瞬だった。乾いた音を響かせながら、亀裂を中心に棒が砕ける。折れたと言うよりは、ねじ切れたという感じだった。
残った棒の残骸を手にしたまま、二人はしばし硬直し、やがてどちらからともなくふぅっと息を吐いた。
いつの間にか、フォンブを包んでいた光も消えている。
「あなた、強いわね」
「おめえもつええなー!」
棒は左手に持ったまま、がしっと強い握手をする二人。
「今回は引き分けね。お互い修行を積んで、来年の『天下一力比べ』で戦いましょう」
「そんなのがあるのか!?」
「ええ、各地の力自慢が一同に会する大きな大会よ」
「つええ奴らがいっぱい集まるのか! おら負けねーぞ!」
フォンブの言葉に、オーガはぐっとこぶしを握り締める。もちろん、そんな大会があるという話は、寡聞にして聞かないのだが‥‥
●戦の後
オーガとの勝負も無事に終わり。その夜はオーガとの親睦を深めるということで、盛大な宴会が行われた。
村人とオーガもすっかり打ち解け、宴会は大いに盛り上がった。
「来年また来るんじゃないか?」という疑問も忘れるほどに。
なお、冒険者達がすっかり『いい物』を貰い忘れていた事に気付いたのは、メイディアへの帰り道のことであったという。