【もえでび】白やぎさんが出たぞ!

■ショートシナリオ


担当:やなぎきいち

対応レベル:6〜10lv

難易度:やや易

成功報酬:2 G 40 C

参加人数:4人

サポート参加人数:2人

冒険期間:09月27日〜10月02日

リプレイ公開日:2007年10月06日

●オープニング

●冒険者ギルドINキエフ

 広大な森林を有するこの国は、数年前より国王ウラジミール一世の国策で大規模な開拓を行っている。
 自称王室顧問のラスプーチンの提案によると言われるこの政策は、ラスプーチンの企てたクーデターが潰え、彼がデビノマニと化した後も‥‥まるで壮大な協奏曲の如く彼の存在を誇示しながら、皮肉にも国民の希望となり支えとなり続けていた。
 けれど希望だけではどうにもならないことが多いのも事実──特に、反逆の徒ラスプーチンが姿を消した『暗黒の国』とも呼ばれる広大な森の開拓は、そこに潜む膨大で強大なデビルたちが存在の片鱗を見せた今、従前から森に棲んでいたモノたちとの衝突以上の恐怖を伴うこととなった。
 そして、それは終わらない輪舞曲。広き森を抱き開拓へ希望を抱く公国、歴史ある都市を築き上げ開拓の余地のない公国、牽制しあう大公たちの織り成す陰謀の輪は際限なく連なっていく。まるで、それがロシアの業であるとでも言うように。
 不穏と不信、陰謀と野望。それらの気配を感じた人々や、それらを抱く人々による冒険者への依頼も増え、皮肉なことに冒険者ギルドは今日も活気に溢れていた。もっとも、夫婦喧嘩の仲裁や、失せ物探し、紛争の戦力要請など種々多様な依頼が並ぶ状況に変わりは無いのだが──‥‥


●白やぎさん、参上!

「きゃあああああ!!!」
 昼日中、突如襲来したモンスターの群に、その村は悲鳴に包まれました!
「「「か‥‥かーわーいーいー!!」」」
 白くふさふさした毛。
 きゅるんと愛らしい眼。
 額に生える角もどこか愛嬌を孕んでいます。
 そう、それは──白やぎさんの群だったのです。
「あ、だめ! そっちは──!」
 備蓄食料を無造作に踏み荒らし食い散らかして。
「この‥‥っ!!」
 つるはしを振り上げた男を見つめる、潤んだ瞳。
「う‥‥」
 ぺこぺこと頭を下げる白やぎさんの足元には、まだ小さな子やぎさんの姿もあります。
 すりすりと足にすりよられて、怒る気持ちも瞬時に萎えてしまいました。
「このやろう、可愛いじゃねえか!!」
 おじさん、子やぎさんをぎゅむりと抱きしめ、まだ柔らかいふさふさの毛にほおずりしてみたり。
 卑怯なまでの愛くるしさを振り撒いて、扉を蹴破り畑を食い荒らし、ほんの数分後、白やぎさんの群は怒涛のように去っていきました。
「可愛かったわねぇ‥‥」
 うっとりと後姿を見つめるおばさまとお姉さんたち。
 そう、とても可愛かったのです。だから許す気にもなったのです。
 でも流石に、毎日襲撃されてはたまったものではありませんでした。

「だれか、あの白やぎさんの群を追い払って!!」
 それは村人たちの心からの叫びでした。でも退治しちゃ困るみたい、可愛いから。


■白やぎさんの化けの皮

 村からちょっと離れた森の中に、白やぎさんたちは住んでいました。
 でも、ちょっと待って? 何か変です。
 にゅにゅーんと姿が変わって、白やぎさんたちだったものは──なんということでしょう! 子供くらいの大きさのゴブリンに姿を変えてしまいました。毛むくじゃらの茶色い‥‥何だか不思議な生き物もいます。どうやら、この生き物がゴブリンたちを白やぎさんに変えているみたいです。
 でも、そんなことは‥‥村の人は誰も知りません。もし知っていたとしても‥‥可愛い白やぎさんたちにぺこぺこ頭を下げられたら、ちょっと‥‥退治できないかもしれません。それがお仕事の、冒険者さんたちであっても──

●今回の参加者

 eb3232 シャリン・シャラン(24歳・♀・志士・シフール・エジプト)
 eb5604 皇 茗花(25歳・♀・神聖騎士・ハーフエルフ・華仙教大国)
 eb8703 ディディエ・ベルナール(31歳・♂・ウィザード・人間・フランク王国)
 ec1007 ヒルケイプ・リーツ(26歳・♀・レンジャー・人間・フランク王国)

●サポート参加者

ゴールド・ストーム(ea3785)/ フィニィ・フォルテン(ea9114

●リプレイ本文

●ピクニック日和

 今日は快晴、ピクニック日和☆ でも冒険者さんたちは今日もお仕事です。白くてもこもこでふわふわの白やぎさんに困らされている村の人たちを助けてあげるのですって。
「ふわもこきゅるんな白やぎさんか‥‥MMO部員としては愛でるしか‥‥こほん、黙ってられないな」
 クールな皇茗花(eb5604)さんも目じりがちょっぴり下がってしまいます。だって、相手は白やぎさんですもの!
「ほら、ヒルケイプ。早くヒヒンに乗っちゃいなさいよ」
 シフールなのにボン! ボン! ボン! ‥‥じゃなかった、ぼん! きゅっ☆ ぼん! のないすばでぃ〜なシャリン・シャラン(eb3232)さん、細身でちょっぴり発展途上のヒルケ──ヒルケイプ・リーツ(ec1007)さんをせっつきます。
「はわわ、ありがとうございますっ。これで早く白やぎさんに会え‥‥じゃなかった村に着けますね♪」
「元気に駆け回ったりウルウルした眼で見つめてきたり、ですか。いや〜一目見てみたいものですねぇ」
 ペットのお馬さんの背に、日の当たるよう向きもよくよく考えながら育てかけの植木鉢をしっかり備え付けて、ディディエ・ベルナール(eb8703)さんもおっとりと微笑みました。
 やっぱり、ピクニックではなさそうで‥‥
「最近何かと物騒ですしたまには和みも必要ですよ〜」
 ‥‥‥ピクニックでは‥‥ないはず‥‥ですよね?
「うむ、張り詰めるばかりでは余裕がなくなる一方だからな」
 ‥‥‥ピクニック、では‥‥ない‥‥はず‥‥
「白やぎさん‥‥」
 ヒヒンの背でほんわりと頬を染めるヒルケさん、って、あの、本当にピクニックではないんですよね?
「さ、お日様も元気いっぱいのうちに行きましょう!」
「がんばってきてくださいね♪」
 まるごとしろやぎさんを着たフィニィさんに見送られて、さあ、出発です!!


●うっとりと‥‥

「〜〜♪」
 鼻歌交じりに午後の空を見上げながら進む冒険者さんたちを待っていたのは、うっとりと幸せそうな村の人たちでした。ほんのちょっと前、白やぎさんたちが帰ってしまったらしいのです。
「‥‥せっかく急いだのに‥‥」
 しょんぼりとしたヒルケさんの頭上で、シフシフのシャリンさんが、ちちち、と指を振りました。
「追いつけるかもしれないじゃない! 諦めるのはまだ早いわよ♪」
 取り出した金貨をえいやっ! とお日様にかざすと、むにゃむにゃ呪文を唱えます。一瞬だけ、淡い金色の光を帯びたシャリンさんは、ほこほこと皆を照らすお日様に訪ねました。
「白やぎさんたちはどっち?」
『さあねえ、わからないなぁ〜』
「んもう! ちゃんと答えなさいよっ。村を襲った白やぎさんたちは、今どの辺にいるのっ!?」
『知らないなぁ〜』
 今日はお日様ものんびりピクニック気分だったのでしょうか、のんびりしたお返事が帰ってきました。けれど、何か変です。曇ってなければ、太陽さんは、見える範囲で一生懸命教えてくれるはずなのに‥‥白やぎさんたち、洞窟へ入ったり、屋根のあるところに入ったりしちゃったのでしょうか? でも、それも何だか変なことです。
 白やぎさんたちには、可愛さの他にも何か秘密があるのでしょうか?


●お仕事です!

 白やぎさんがいなくても、お金を貰ってお仕事に来ているのですから遊んでいるわけにはいきません。
「あ〜、今日の被害を教えていただけませんか〜?」
 ディディエさんの声で、うっとりとしていた村人さんたちも少しずつ我に返り始めたようで、今日の被害に顔色を変えました。
「今日は家畜小屋を蹴破って馬と牛を野放しにしたのと、奴らの飼料をぶちまけてくれたぜ」
「オレの父ちゃんなんか蹴られてアザつくったんだぜ、ダッセェの」
「ケガをさせていったのか‥‥それは良くないな。多少だが治癒魔法の心得もある、治療をしよう。案内してくれ」
「でも‥‥オレんち、お布施なんてないぜ?」
「白やぎを追い払う依頼の一環だ、気にするな」
 ちらりとシャリンさんを見て、茗花さんは少年のお父さんのケガを治しに行ってしまうようです。話を聞いてくるつもりだと察して、シャリンさんは「よろしくね〜」と背中に手を振りました。
「あら? 飼料はひっくり返しただけなんて、今日はお腹が空いていなかったんですねー」
 一方、エサを食べないで帰ったという白やぎさんの話に、ヒルケさんはホッと胸を撫で下ろしました。牛さんや馬さんのエサを食べないなら、お腹は空いていなかったはずですものね。でも、ヒルケさんの言葉に村のお姉さんはふるふると首を振りました。
「干してたチーズも食べられたわ。作りかけのご飯もね」
 ──ぐ〜、きゅるるるる‥‥
 お姉さん、真っ赤になりながら盛大に鳴ったお腹を押さえました。
「普通ヤギが食べるのは牧草や木の新芽、よほど困っているときでも木の皮のはずです。チーズなんて食べるんでしょうかねぇ‥‥」
「ミルクを飲むんだから食べるんじゃねぇか?」
 村人さんの言葉に、そういうこともあるだろうかと首を傾げるディディエさん。その頭上を舞うように飛びながら、
「口元に近付けると布とか皮袋とか、もう何でも食べちゃうわよ? あとでお腹を壊すから、やっちゃ駄目なんだけどね」
 と、シャリンさんが教えてくれました。ディディエさんは植物に詳しいですが、動物に詳しいのはシャリンさん。なるほど勉強になります、と頷いて‥‥
(でも、それなら飼料に目もくれないというのは‥‥おかしいですね)
 ‥‥でもやっぱり引っかかるのでしょう、頭を掻いて思索に耽ってしまいました。
「とにかく、荷物とペットを預けさせてもらえるかしら」
 愛馬ヒヒンの背中に疲れたように腰をおろし、むっちりした足を組みながら村人さんにお願いすると、
「そ、そうですね! すみません、気がききませんで‥‥!」
 村に1つしかない宿屋さんに、村人さんたちが総出で連れて行ってくれました。
(本当に困ってるんですね‥‥)
 白やぎさんに会いたいヒルケさんですが、村人さんたちの様子に、少しだけ胸が苦しくなってしまったみたいです。


●白やぎさんが出たぞ!

 次の日もお日様は元気いっぱいで、ジプシーのシャリンさんも元気いっぱい♪
「さあ、今日こそもふもふして癒されるわよーっ♪」
 ちょっと趣旨が違っちゃってる気もしますが、それはそれ☆
 そんなシャリンさんの気合いに吸い寄せられたのでしょうか、白い悪魔が現れたようです。
「白やぎさんが出たぞー!!」
 村中に響き渡る、村人さんの声。
 声のする方へ、村中の足が向かっていきます──先頭はもちろん、冒険者さんたち!!
「こ、これは‥‥凶器だな」
 いつもの凛々しさは何処へやら。茗花さんのうっとりとした視線の先には、真っ白くてふわふわの毛をした白やぎさんの姿!!
「ゆ、誘惑に負けてはいけません‥‥追い払うのが仕事ですからね」
 ディディエさんの言葉は、どうやら自分自身へ向けられているようです。きゅるん、と大きな瞳で見つめられたら頬が赤らんでしまうのは仕方の無いこと。崖っぷちでぎりぎりで堪えながらテレパシーのスクロールを取り出すと、近付いてくる白やぎさん。お手紙を食べてしまうというほどですから、スクロールくらいおやつにしかならないのでしょう。期待に満ちた眼差しで見上げられると、そのまま差し出したい衝動に駆られてしまいました。
「こ、これは‥‥駄目です‥‥!」
「村人たちもディディエも困らせてはいけない。腹が減っているのなら保存食をわけてやる」
 バックパックから取り出した保存食をそっと差し出すと、ぺこりぺこりと頭を下げながら白やぎさんが嬉しそうに受け取りました。
「その‥‥代わりに、少しだけ‥‥」
 ──なぁに?
 まるでそう言っているかのようにきゅるんとした大きな眼差しで見つめられ、ふらりと意識が遠のきながらも‥‥そこはMMO部員の意地と根性で白やぎさんを抱きしめるように前のめりに倒れました。柔らかな毛が頬をくすぐって、なんだかとっても幸せ気分♪
「茗花さん‥‥あなたの犠牲は無駄にはしません」
 羨ましいんじゃない、悲しいんです。きっと。ほろりと滲んだ涙を拭ってディディエさんはテレパシーのスクロールを読みました。
『あなたがたは、なぜ村を襲うんですか?』
『おなか、ぐーぐーなの』
 涙で潤んだような大きな瞳がじっとディディエさんを捕らえました。
『それでも盗みは感心しませんね〜♪ お腹がすいているなら村の方にイイ場所を教えていただきましたから皆さん一緒に行きませんか?新鮮な牧草が食べ放題ですよ〜』
『はっぱより、おいしいもの、たべたいの』
 うるり。白やぎさんの瞳が涙で揺らぎました。
(‥‥あやしい)
『おねがい、ごはん。いっぱい』
 すりすりと、甘えるように足元に頬をすりよせてきます。
『うう‥‥そ、それでも駄目です‥‥』
 理性が勝ってしまうのがディディエさんの敗因でしょう。しょんぼりと頭を垂らしてとぼとぼと歩み去っていきました。ちょっとだけ、鉢植えの人参さんをあげたくなったのは秘密です☆
 そのころ、畑の一角ではヒルケさんが奮闘中でした。
「畑を荒らされたら、村の人たちが困っちゃうの。これをあげるから、村の人たちを困らせないであげてね?」
 たくさん持ってきた保存食を、白やぎさんたちの前に1つずつ広げていきました。嬉しそうに頬張る白やぎさんたち、口の周りや鼻の頭にもパンくずやおかずのかけらがいっぱいです。
「もう、そんなに慌てて食べなくてもいいのよ?」
 くすくす笑いながら食べかすをとり除いていると、白やぎさんたちが地面に置かれたバックパックに気付いてしまいました。正確には、その中にあるヒルケさんの分の保存食に‥‥。
「‥‥だ、だめ。もうあなた達の分は無いの。だからそんな目で見ないでっ!」
 期待にみちた眼差しにふるふると首を振ってささやかな抵抗を示しました。が、そこで進み出てきたのは小さな小さな子やぎさん。ヒルケさんのお腹に頭を押し付け、甘えて甘えておねだり攻撃☆
「うう‥‥じゃあ、1個だけで我慢してね‥‥」
 そう言いつつ、ヒルケさんは保存食を全部、白やぎさんにあげてしまいました。嬉しそうに飛び跳ねる子やぎさんに両手を広げると、抱きつくように飛び込んできました!
「ふわっふわ‥‥!」
 まふまふと抱きしめ、頬を舐められて頭を撫でて、らぶらぶモード満喫タイムです。
「ちょっとヒルケ! 独り占めはずるいわよー!!」
「一緒にもふりましょー♪」
 目聡く見つけて飛んできたシャリンさんも一緒にもふもふまふまふ。子やぎの柔らかな毛が、疑念も敵愾心も払拭してしまうみたいです。
 白い天使の襲撃は、そして今日も数分のうちに過ぎ去っていったのです。


●白やぎさんを助けよう☆

 白やぎさんたちの去った方向を確認し、茗花さんに戦慄が走りました。
「あちらにはモンスターの住処があるらしいぞ‥‥!」
「モンスター? じゃあその影響でエサがなくなっちゃったってことかしらね」
「干し肉もしっかり持って帰りましたけれど、ヤギが肉など食べるはずもありません」
「他のモンスター‥‥例えば悪魔とかに脅されているのかもしれない。奴らは狡猾だからな」
 シャリンさんの言葉に、ヒルケさんは目を輝かせました。
「それを解決すれば白やぎさんも喜んでくれて、村の人も悩まされないで済むってことですよね!」
 茗花さんとシャリンさんが満面の笑みで同時に頷きました。それこそ、まさに狙っていたことだったからです。
「ああ、元の善良な白やぎに戻りもふもふし放題になるに違いない‥‥もとい、人畜無害な大人しい隣人になるだろう」
「それに、なにより白やぎさんがどんな生活をしているか気になりますし」
「うむ」
 ほんのり頬を染めたヒルケさんと茗花さん‥‥やっぱりちょっぴり、ピクニック気分みたいです。
 難しい顔をしているのはディディエさんただ一人。
(‥‥何かが化けているのでは?)
「どこへ行ってしまったんですかねぇ?」
 難しい顔をしているうちに、白やぎさんたちを見失ってしまったようです。

 ──そのとき。

「ウォウ!!」
 茗花さんのリュイが短く吼えました!
 視線を走らせると、リュイが白やぎさんたちの後姿を睨んでいます。見失わないようにという視線ではなく──敵を見る目つきで。
「‥‥まさか」
 4人の見守る先で、白やぎさんの体が歪み──ゴブリンへと姿を変えました。その数、10匹。
「やはり、モンスターでしたか」
「愛苦しい白やぎさんの姿を使っての非道の数々許せません。お仕置きですー!」
 怒りに燃えたヒルケさんの、心からの叫びが狼煙となりました。
「私の怒りよ、重石となりて打ち据えなさい! ──グラビティキャノン!!」
 ディディエさんの放つ魔法にダメージを喰らい、ついでにころころと転ぶゴブリンたち。
「このこのこの可愛かったのに!」
 怒りのこぶしはまるでオーラパワーをかけたかのように力強くゴブリンに炸裂!!
 もちろん、スリングから放たれた石も次々にゴブリンを襲います!!
「命中したのにダメージを受けないなんて、流石白やぎさんを騙っていただけの事はありますねっ!」
「ヒルケが非力なだけでしょっ!?」
 シャリンさんの突っ込みもやり場のない怒りがあふれています。

「「「「あの可愛さを、夢のようなひと時を‥‥返せぇぇぇぇ!!!!」」」」

 一丸となった怒りはゴブリンたちにとって手痛いしっぺ返しとなったようでした。
 結局、ゴブリンが白やぎさんに変身した原因はわかりませんでしたが──村人さんたちも喜んでくれたので、結果オーライでしょう。
 ‥‥その晩、村で開いてくれた宴会がどこか葬式のようだったのは、白やぎさんを失った悲しさからでしょう。
 でも、きっと。本物の白やぎさんが、夢で会いにきてくれますよ、ね♪