雪降月の夢
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■ショートシナリオ
担当:やなぎきいち
対応レベル:1〜5lv
難易度:やや難
成功報酬:1 G 69 C
参加人数:8人
サポート参加人数:-人
冒険期間:12月09日〜12月14日
リプレイ公開日:2007年12月19日
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●オープニング
●雪降月の姫
しんしんと雪が舞う。その景色を見ることも許されず、少女はベッドに横たわる。
もうどれほどそんな日が続いているのだろうか。
「‥‥ラルフ、元気かしら‥‥けほ、けほ‥‥っ」
会えなくなった友を思いながら咳き込んだ少女。その咳に混じった血を見なかったことにして、少女は天井を見上げた。
そのとき、コツ、と窓板が鳴った。
「キリア、いるんだろ。まだ風邪治らねーの?」
「ラルフ‥‥ごめん、なさい。ここ、開けるのも‥‥駄目、って‥‥」
そう言いながらも少女キリアはこっそりと窓を開ける。冷たいが爽やかな風が部屋を吹き抜けた。
「すぐ、治るって‥‥父さんも、母さんも言ってるから、ちょっと待ってて‥‥」
「この間もそう言ったじゃん」
不服そうに口を尖らせるラルフの目の前で、少女は再び咳き込んだ。僅かな血を見て、ラルフは怪訝な顔をする。風邪で血を吐いたことなどラルフは一度もない。そんなに悪い風邪なのかと、途端に心配になって。
「じゃあさ、早く良くなるようにオレ頑張ってお見舞いするよ! 何か欲しいもんとか、見たいもんとかあれば用意してやんよ!」
窓枠に手をかけ、背伸びして、精一杯の笑顔で言うラルフにキリアは夢見るように小さな笑みを浮かべた。
「キリアね、いーっぱいのお花の中で‥‥花嫁さんになりたいの。もちろん、ラルフの花嫁さんよ‥?」
「ん、約束したもんな」
照れながら自慢気に鼻頭を擦り上げ、ラルフは胸を張った。嬉しそうに頷くキリアは、廊下から響く物音に顔色を変えた。
「大変‥‥父さんか、母さんだわ‥‥窓、閉めなくちゃ」
「絶対、絶対、たくさんの花。ほんとに絶対用意すんからな!」
しっかり交わされた信頼の眼差しは、再び閉じられた窓板によって遮られた。
彼らは知らない。
キリアの聞いた物音は、咽び泣く母親を父親が抱きしめた時に立ったものだったなど。
彼らは知らない。
母親が泣いたのは、医者から死の宣告を受けたからだということなど‥‥
●冒険者ギルドINキエフ
息せき切って駆け込んでくる人影。
それは冒険者ギルドではさほど珍しくない光景だ。一刻を争い必死の形相で駆け込んでくるのはたいがい依頼人と相場が決まっている。極まれに、借金取りに追われ慌てて手頃な依頼を探す冒険者もいるが──今日は多分に漏れず、前者だったようだ。
「あいつの、じゃなかったオレの依頼を受けてくれよ!」
目を引くことがあったとすれば、叫んだのが年端もゆかぬ少年だったという事実だろうか。
「ギルドに依頼をするということはお金が掛かることなのじゃが‥‥」
「そんなこと知ってるさ!! だからオレ、貯めてた金全部持ってきたんだ! ‥‥足りないかもしれない、けどさ」
困惑するギルド員の目の前に、決して満足に膨らんではいない財布を置いて、少年はじっとギルド員を見上げる。
中身を確認し、駆け出し冒険者であれば辛うじて手配のできる金額が入っていたことに少々驚きながら、ギルド員は少年を依頼人として扱うことに決めた。
「じゃが、受けられる依頼かどうかは内容によるぞ? ‥‥とりあえず、話してみるといい」
そして少年ラルフは語った。
病に倒れた大切な友人キリアのことを。
沢山の花に囲まれ花嫁さんのまねごとをしたいという、彼女のささやかな夢を。
それを叶えたいという、ラルフの心からの願いを。
依頼を受ける条件は整っていた。
ただ1つ難点があるとすれば、そう、この季節である。
冬というこの季節、どこにでも花が溢れているわけではない。少年の願いをかなえられるほどの花はキエフの花売りの手から買い求めることはできないだろうから、冒険者自身が摘まねばならない。
(「‥‥花の摘めそうな場所はあの森くらいかの‥‥じゃが、あの森にはラージハニービーが‥‥」)
花の咲く地はキエフから約1日。『花嫁さん』になる準備も整えねばならぬことを考えると、猶予は最大で2日。
「よし、冒険者を手配しよう。じゃがラルフ、花畑は危険じゃからな、ついていってはいかんぞ?」
●リプレイ本文
●灰青の空
どこか雲の残るすっきりとしない空は、冒険者たちの心のようでもあった。
「ほんとにたくさん、摘んできてくれよ?」
なかなか出発をしない冒険者に、依頼人の少年ラルフは不安を払拭せんとするように何度も何度も念を押す。
「大丈夫。ラルフ君、きっと、キリアさんの願い、叶えてあげますから」
柔和な笑みを浮かべるシェラ・カーライル(ec3646)の胸中は複雑だ。安易に神に縋ることは良しとされぬもの、しかし今縋らずにいつ縋れというのか。少女の命は風前の灯も同然だというのに。聖職者の末席に位置しようとも、奇跡を行えるわけではなく、できることは道を示し微力を尽くすことだけ。無力感が胸を占める。
「ナイアドさんの調査、芳しくないのでしょうか」
陽小明(ec3096)が小声で呟くと春日谷上総(ec0591)は無言で首を振る。
足を揃えて出発すると決めたからには、ナイアド・アンフェルネ(eb6049)の到着を待つのは当然。ましてや、まだ到着していない仲間すらいるのだから出発を遅らせるもの致し方ない選択。しかし、寸暇も惜しみたい状況は確かに眼前にあり、どこまで調査が進んでいるかも不明となれば‥‥こんなことならば共に調査に赴くべきだったと、臍を噛まずにいられない。
(「花を摘むだけなのに、心配することないのですよ。こんなの、ちゃっちゃと行ってちゃっちゃと帰ってくれば済むチョロイ仕事です‥‥」)
内心で毒づくオデット・コルヌアイユ(ec4124)はもちろんそんなことはおくびにも出さず、か弱い少女の外見のままにシェラの腕にきゅっとしがみ付く。チョロイ仕事に金を出すなどどんな金持ちお坊ちゃんかと思えば見るからに貧乏人の少年で、オデット的やる気ゲージは急降下中なのだろう。
「オデットさん──」
「来た」
励ましの言葉を掛け様としたシェラを遮ったユリア・ヴォアフルーラ(ec4040)の言葉に、一同は揃って視線を転じた。
「遅くなって〜ごめん〜なさ〜い、なのね〜♪」
緊迫した空気とは正反対の悪く言えば間延びした、良くいえば歌うような口調に首を長くしていた冒険者らは胸を撫で下ろす。
「そろそろ、待つのも限界かと思っていたところだ」
「精いっぱ〜い、調べた〜の〜よ〜♪」
「‥‥まだ1人到着していないが‥‥」
ナイアドを視線で労い、ユリアは仲間を促した。これ以上、無駄に時間を費やすわけにはいかぬ。まだ来ぬ仲間への伝言をギルド員へ託し、魔法の靴を履き、あるいは愛馬に跨り、心配をかけぬようラルフに凛々しい笑みを残して、明日から始まる聖夜祭の準備に浮き足立つキエフから出立した。
「雪が降りそうですね‥‥」
鈍い空色を見上げて呟いたヴィルセント・フォイエルバッハ(ec3645)の声が、妙に耳に残った‥‥
●白雪の花
ふわりふわりと粉雪舞う草原に、白花が踊る。淡雪を被ってなお白い花は身を切るような厳冬の寒さのなか、可憐に凛と咲き誇る。
「摘んでしまうのが勿体無いくらいですね」
シェラが目を細めると上総は小さく頷いたものの、手近な一輪を手折る。ラルフの依頼はたくさん摘むこと、眺めていては依頼にならぬ。しゅんとしたシェラだが、オデットもおとなしく花を摘み始めたのを見ると、頭(かぶり)を振って花を摘み始めた。
「セーラ様〜、僕(しもべ)を護〜る〜、聖な〜る結界を〜♪」
寡黙な小明が軽い頭痛を覚えるほどのびのびと楽しげなナイアドの詠唱によって、花を摘む3名を囲う聖なる結界がその場に発生した。結界を張ったナイアドはシフールという決定的に体力に欠ける種族のため花摘みでは足を引っ張るだろうと考え、周囲の警戒に当たる。同様にヴィルと小明もやや離れた場所で、周囲へ間断なく神経を張り巡らせていた。
「ラージハニービー‥‥巨大でもミツバチですから、そうそう極端に生態が違うこともないでしょう」
ヴィルの言葉ににこりと微笑み、ナイアドはそれを肯定する。そしてそれは、この花畑を収集場所と決めたラージハニービーの襲撃が避けられないものだという悪しき予感を掻き立てた。ミツバチは、数多ある花の中からただ1つ『これ』と定めた花の蜜しか集めぬ習性がある。巨大になった分だけ行動範囲は広かろうが、三つ編みヒゲのギルド員がここでしか花が摘めぬと話していた以上、近隣に花畑がある可能性は低い。ましてや、同じ花が咲いておらねばならぬのだ。
冒険者に失策があったとすれば‥‥まず、調査の段階からラージハニービーそのものよりも巣の所在を気にかけていたこと。そして警戒に人手を割きすぎたため花を摘むペースが下がり、結果的に時間を掛けすぎたことだろう。ナイアドが張り続けると決めていた結界は魔力の消費を伴うものだったから。
「溜まってきたな‥‥馬まで運ぼう」
「お願いするです」
ユリアの申し出にありがたく乗ったオデットは、その両手に摘んだ花をたっぷり持たせた。馬は臆病な性質を考慮し、ヴィルの提案で離れた場所に繋いであり──ユリアは一人で、馬まで花を運ぶ。しかし、その花を乗せる籠など用意はしておらず──一先ず地面にと置けば、乗せるべき荷を馬達が食む始末。
「食べるな!」
荒げた声におずおずと下がる馬たちだが、暫く目を離せばまた花を食むだろう。
この悪循環が更に時間を助長させ──結果だけ言えば、ラージハニービーとの遭遇を生んだのだ。
●山吹の羽音
誰よりも先にその異変に気付いたのはナイアドである。
「この花、ちょうど良さそうなのです‥‥別に、気を使ってやったりしないですけど‥‥」
慎重に吟味しながら花を選んでいたオデットの方をそっと押したのはヴィル。
「そっと、逃げてください」
花を抱え驚きに目を丸くするオデットの手を引き、シェラがじわりじわりと距離を置く。護衛を担当するナイアドがシェラの肩で残り僅かな魔力で結界を張れるよう詠唱を行う準備をし、いつでも庇えるよう上総がラージハニービーとシェラたちの直線状に立つ。
しかしミツバチたちは香りに惹かれるように、花の密集した地点──シェラとオデットの腕を狙い、旋回して飛来する!
「動いてはいけません‥‥」
囁くような小明の声が漏れる。じっと状況を見守る彼女の額にも冷たい汗が滲み、稜線に沿って一滴、流れた。
「‥‥寄るなです‥‥っ」
自分の正面に現れた数十センチの巨大なミツバチ。オデットは、手に持つ枝に炎を灯した──
「危ない!!」
敵意を滲ませたラージハニービーへヴィルの剣が翻る!!
「セーラさま〜♪」
後退する間に結界から出ていたことに気付き、ナイアドの詠唱が開始された。傍らで同じくセーラに祈りを捧げたシェラは顔色を変える。
「コアギュレイトが、効かない‥‥!」
正確には効かないわけではない。8の字に旋回を始めたミツバチが効果範囲内に巧く入らないのだ。ラージハニービーは空を飛んでいる上に、その動きは意外に素早い。コアギュレイトの3mぽっちの効果範囲など、接敵しているのも同じこと。そしてその距離に耐えられるほど、シェラは戦闘が得意ではない。
しかし、仲間のために、依頼人のために、何かしたいと一歩踏み出し‥‥
「下がってください、シェラさん! 危ない!」
「きゃあああ、ヴィルさん!!」
ヴィルはシェラを突き飛ばした。そして、ラージハニービーの十数センチに及ぶ針は、ヴィルを貫いた。
「しっかりするですよ、ヴィルセントさん!」
抱え上げたオデットがシェラの震える手から零れ落ちた解毒剤を拾い上げる。
「死にたくないなら飲みやがればいいのです!」
必死に口元に近づけた瓶を傾けると、ヴィルの喉がこく、こくと液体を嚥下していく。
「小明さん、上総さん、時間を稼げ。シェラさんはリカバーを!」
「結界は〜、オッケ〜なの〜よ〜」
ナイアドの報告に頷いたユリアはヴィルの肩口を貫く針に腕を添えた。
「ヴィルさん‥‥歯を食いしばれ!」
抜け落ちぬよう返しのついた針を掴み、ユリアは力任せに引き抜いた!!
「ぐ‥‥っ!!」
「セーラ様‥‥ヴィルさんの傷を、癒してください‥‥!」
必死の光が生んだ柔らかな光がヴィルの傷を癒していく。
「‥‥くっ!!」
「上総さん!」
二本の剣で弾き、浅い傷を与えていた上総だが如何せん3匹のミツバチが相手では分が悪い。小明の声は鋭く注意を促すが、彼女自身もまた2匹のミツバチを相手にし、フォローに回る余裕はない。しかし、カウンター攻撃で着実にダメージを与える小明は2匹を相手にしてもなお、優位に戦闘を進めているようだ。
「コアギュレイト!」
「はあっ!!」
一体が動きを止めた瞬間、闘気を纏わせた拳が鋭くラージハニービーの身体を貫いた!! ミツバチは真っ二つになり、ぼとりと地に落ちる。一方、戦列に復帰したヴィルと入れ替わるように上総の左腕を針が貫く。
「お願い〜するの〜よ〜ユリアさ〜ん♪」
前線に加わりたいユリアだが、応急処置を施せるのは彼女しかいない。幸い、用意した解毒剤よりラージハニービーの数の方が少なく、小明とヴィルが確実に更に1体ずつ仕留めてしまえば冒険者の勝ちはゆるぎないものとなった。
──それでも、針にはまだ貫かれていたけれど。
●紫蒼の挙式
教会の鐘の音が、聖夜祭の喧騒の中‥‥遠く近く、響く。
──カラーン‥‥
冒険者が手に手に持ちきれないほどの花を抱えて戻ると──キリアの容態は一変していた。
「キリア、キリア!! 目ぇ開けろよ! ほら、花届いたんだぞ!」
運びこまれた花で、願いどおり、キリアの部屋は一面の白に染まる。
そしてその中央には、子供用のドレス。
「花嫁衣裳が届きましたよ、キリアさん‥‥」
両親が見守る中、シェラがキリアの耳元で穏やかに囁く──苦しげに呻くキリアに意識は無かった。
‥‥間に合わなかった。
自責の念が、居並ぶ者たちの胸を切り裂いて。けれどキリアの両親やラルフの前で、涙など見せるわけにはいかず。
(「‥‥この力なき身が、今は恨めしい」)
ヴィルは唇を噛んだ。重苦しい空気の中、小明は少しでもキリアが過ごし易いようにと、暖炉に薪をくべる。
パチパチ、と炎が爆ぜる中、長い髪が床に触れることなど厭わずにユリアが床に座り込んだ。胡坐をかいた腿の上には愛用の竪琴。
「聞こえるか‥‥式が、始まるぞ」
そして瞳を閉じて‥‥弦を弾く。決して巧くはないが、爪弾かれるのは結婚式で好まれる、幸せの曲。
「‥‥う‥‥」
‥‥キリアが、目を開けた。
──カラーン‥‥
起き出すことは出来なかったけれど。それでもベッドの上で、身体に併せてドレスを重ね。
キリアは嬉しそうに微笑んでいた。
「それでは〜、誓いの言葉を〜♪」
ナイアドに促され、司祭役のシェラは横たわるシェラと、傍らに立つラルフを穏やかに見つめた。
「ラルフ君はキリアさんを妻とし、生涯愛しぬくことを誓いますか?」
「ああ、誓う!」
「それでは、キリアさんはラルフ君を夫とし、生涯愛しぬくことを誓いますか?」
「はい‥‥誓います」
「それでは、指輪の交換を」
すっ、とオデットが進み出た。その手には、摘んだ花で作った小さく儚い指輪。永遠を示すはずの指輪はすぐに萎れてしまうであろう花で作られ‥‥それはオデットの優しさと皮肉だったのだが、幼き二人には指輪であることの方が重要だった。
はにかみながら、幼い指に花の指輪が嵌められる。
「二人の今後に、セーラ様の惜しみない祝福がありますように」
にこりと、シェラが微笑んだ。
──カラーン
「おめでとう」
無愛想な小明が、怖がられぬよう精一杯の笑顔を浮かべた。
「お二人とも羨ましいくらいによく似合っていますよ。どうかお幸せに」
惜しみない拍手と祝福を、ヴィルが送る。
(「パンピーのくせに有り金はたいたり、馬鹿みたいな夢みたり‥‥そうやって皆気づかないフリして、皆‥‥勝手にしてれば良いです」)
この結婚式はおまま事。所詮は茶番だ。幸せな笑顔も、皆、一時の嘘。だからオデットの心に染みるものなど何もない──はずだった。
「お姉さん‥‥指輪、どうも、ありがとう‥‥」
ブーケと共にオデットが送った、気紛れのプレゼント。だがそれはキリアにとって紛れも無い本物の指輪で、ブーケだった。
「‥‥枯れてしまったらまた作ってあげても良いのです。花、また咲くから‥‥」
ジャパンの言葉では、人の夢と書いて儚い。
文字通り儚い、そして幸せな笑顔と心‥‥天邪鬼なオデットから、隠していた優しさがぽろりと零れ落ちた。
──カラーン
最後の鐘の音と共に、キリアはそっと瞳を閉じた‥‥
「キリア‥‥っ!」
「‥‥眠っているだけだ」
思わず叫ぼうとした母親を上総がそっと止めた。キリアの口からは──穏やかな寝息が毀れていた。
「聖夜の奇跡〜かし〜らね〜、心がしっかり〜すると〜持ち直す〜こと〜も〜あるのよ〜♪」
ナイアドが微笑んだ。運が良ければ‥‥ほんの小さな可能性だが、持ち直すかもしれない。
白い花と共に冒険者が齎したのは──一滴の希望だった。
「‥‥未熟だな。拳も、心も」
思わず綻びそうになる頬を引き締めて小明は穏やかに小さな箱庭を見つめていた。