煩悩を断て!

■ショートシナリオ


担当:ゆうきつかさ

対応レベル:1〜5lv

難易度:易しい

成功報酬:1 G 35 C

参加人数:12人

サポート参加人数:-人

冒険期間:09月13日〜09月18日

リプレイ公開日:2004年09月18日

●オープニング

 江戸から何日か歩いた場所に、女性が入山する事の出来ない寺がある。
 この寺は僧侶達の煩悩をなくすため女人禁制になっているのだが、年に一度だけ修行の成果を試すため女性を寺に入れる慣わしになっているらしい。
 普段から女性と接した事がないため、普通の僧侶は女性達に対して恐怖心を持っているのだが、稀に煩悩の塊のような僧侶がいるため排除する必要があるようだ。
 病気と同じでそういう奴がいると、次々と増殖していくからな。
 そこでお前達に僧侶が煩悩をきちんと断てているか確かめて欲しいんだ。
 とりあえず酒、博打、女の順番で試して欲しい。
 煩悩をきちんと断っていない僧侶は必要ないらしいから、思いっきり厳しくやってくれて構わないそうだ。
 また寺には女人結界と呼ばれる妙な置物が置かれており女性の入山を拒んでいる。
 この置物は女性が嫌悪感を感じる置物らしい。
 僧侶達が女性を鬼と同一視している事から、その手の置物が置かれているのかも知れないな。

●今回の参加者

 ea0031 龍深城 我斬(31歳・♂・浪人・人間・ジャパン)
 ea0380 リゼル・メイアー(18歳・♀・レンジャー・エルフ・ノルマン王国)
 ea0461 由深 歌澄(30歳・♀・僧侶・人間・ジャパン)
 ea0908 アイリス・フリーワークス(18歳・♀・バード・シフール・イギリス王国)
 ea0912 栄神 望霄(30歳・♂・僧侶・人間・ジャパン)
 ea1569 大宗院 鳴(24歳・♀・志士・人間・ジャパン)
 ea2034 狼 蒼華(21歳・♂・武道家・人間・華仙教大国)
 ea2476 南天 流香(32歳・♀・志士・人間・ジャパン)
 ea3899 馬場 奈津(70歳・♀・志士・パラ・ジャパン)
 ea5011 天藤 月乃(30歳・♀・忍者・人間・ジャパン)
 ea5164 大曽根 浅葱(28歳・♀・浪人・人間・ジャパン)
 ea6719 神酒 月城(32歳・♀・志士・人間・ジャパン)

●リプレイ本文

「ふむ‥‥不心得物の生臭坊主を燻り出すのか。‥‥ま、タダ酒呑み放題ってのは悪くねえ。つまみは炙った烏賊でいいな」
 市場で調達してきた食材を抱え、龍深城我斬(ea0031)が石段を上っていく。
 寺は山の天辺にあるため、辿り着くまで時間がかかる。
「僧侶になる方も大変ですね。信仰する神格は異なりますが、ご協力させていただきますわ」
 トテトテと階段を上っていきながら、大宗院鳴(ea1569)が汗を拭う。
 階段の数が半端ではないため、水の入った瓢箪を口に含んで休憩する。
「へぇ〜、お寺と云うとこは女の人は入れないのね〜。ま、今回は入れるからいっか♪」
 ようやく見え始めた寺を見つめ、リゼル・メイアー(ea0380)が暢気に笑う。
 普段は女人禁制のためか、寺からはやけに硬派な雰囲気が漂っている。
「なんでも今回は公然と男衆に悪戯ができるらしいな。まぁ、わしらを鬼と勘違いしているようじゃから、ほどほどにしておくかの‥‥」
 苦笑いを浮かべながら、馬場奈津(ea3899)が酒瓶を揺らす。
 早く酒が呑みたいため、階段を上るスピードも速い。
「‥‥女の人が鬼‥‥? 僧のお母さんは、肝っ玉母さんが多いのかしら? それじゃ、僧の人達から見て、エルフの女の子はどう見えるのかしら?」
 疑問に思った事を口に出し、メイアーが首を傾げて呟いた。
 僧侶達については色々と噂を聞いているが、かなり奥手でウブらしい。
「そう言えば、変わった置物が有るらしいですが、どんなのでしょうね〜?」
 寺の入り口にでぇ〜んとそびえる怪しげな置物の横に立ち、アイリス・フリーワークス(ea0908)が辺りをキョロリと見回した。
 この置物は女人結界と呼ばれるものだが、アイリスは全く気づいていない。
「煩悩を打ち払うというのも大変ですねえ‥‥。それに、この入り口にある置物‥‥何なのでしょうかぁ?」
 目の前の置物をマジマジと見つめ、大曽根浅葱(ea5164)が不思議そうにペタペタと触る。
 かなりリアルに出来てはいるのだが、それが何を意味しているかは分かっていない。
「でっけぇ〜」
 感動した様子で置物を見つめ、狼蒼華(ea2034)が自分のものと見比べる。
 何かご利益がありそうなので、両手を合わせて祈りだす。
「そろそろ寺に行くか。こら、いつまでも拝んでいるな」
 そして我斬は冷めた表情を浮かべながら、僧侶達の待つ寺へとむかう。

「冠婚葬祭、こういった酒がつきものの席に僧侶はよく遭遇する。相手の気持ちをおもんばかる意味も含め、このような席で酒の誘いを断るのは大変な失礼に当たる。かと言うてもじゃ、そこで酒に呑まれて醜態を晒すなどはもっての外。心して修業の成果を見せてくれぃ!!(本音:げへげへげへへへへぇ☆ 男じゃ男じゃ、それも温室栽培のウブな若い男の集団じゃ〜」
 心の中では邪な事を考えながら、奈津が僧侶達の前に酒を置く。
 何も知らない僧侶達は真剣な表情を浮かべながら奈津の話を真面目に聞く。
「いやー、美味い、良い酒とそれに合う肴、こたえられネエよな」
 上機嫌な様子で酒を呑み、我斬がツマミを食べる。
 僧侶達はしばらく酒を呑んでいないため、羨ましそうにゴクリと唾を飲み込んだ。
「こんなに美味しいお酒が呑めるのに‥‥。本当に損ですよね」
 空になった酒樽を覗き込み、南天流香(ea2476)が新しい酒を呑み始める。
 僧侶達も酒が呑みたい様子だが、何とか我慢しているらしい。
「一口くらいならバチは当たらないと思うけど‥‥。修行だから駄目なのかしら?」
 酒樽の中から酒をすくい、天藤月乃(ea5011)が僧侶達に差し出した。
「‥‥酒を呑んだら破門です」
 悔しそうに杯を見つめ、僧侶達が涙を流して首を振る。
 よほど酒が呑みたいのか、禁断症状が出ているようだ。
「おう、そっちのあんちゃん達も一杯どうだい?」
 僧侶達の前に酒を出し、我斬がしばらく様子を窺った。
 そのため僧侶達も何度か手を伸ばそうとしたが、破門にされるのが怖いため何とか踏み止まっているらしい。
「‥‥仕方ないのぅ。ならばわしらが芸を見せるのじゃ。気に入ってくれたら酒を呑むのじゃぞ」
 手裏剣を使った芸を見せ、奈津が色々な酒をちゃんぽんする。
 僧侶達は一瞬酒を呑もうと手を伸ばしたが、慌ててブンブンと首を振る。
「それじゃ、ツマミだけでもどうですか?」
 酒の肴に山菜のてんぷらを食べながら、流香が僧侶達を誘惑した。
 既に何人かの僧侶が我慢の限界に達しているが、最後の気力を振り絞り我慢し続けているようだ。
「坊主が先に飲み始めんと、皆も飲み始められん。酒は祝いの席では喜びを分かち合い、葬儀では故人を偲ぶ助けとなるのじゃよ」
 ゴロニャンと僧侶に寄り添い、奈津がふふりっと笑う。
「本当に真面目なのね。まぁ、そのおかげで美味しいお酒を呑めるんだけど‥‥」
 色々な酒の味を堪能し、月乃がニコリと微笑んだ。
 普段なら気軽に呑めない高級な酒もあるため、遠慮なしに呑み続けているようだ。
「まあ、そんな離れてないで、こちらに来ませんか。お酒を飲まなくても饅頭等を用意しましたから、遠慮なくつまんでくださいな。はい、どうぞ」
 聖女の如く清らかな笑みを浮かべ、流香が僧侶達に饅頭を配っていく。
 僧侶達もまさか配っている饅頭が酒とは気づかず、満面の笑みを浮かべて頬張っている。
「‥‥食べたわね。それ‥‥お酒入りよ」
 あまりの衝撃に饅頭を吐き出し、僧侶達が一斉に月乃を睨む。
「饅頭でも酒には変わりないからな。‥‥残念だったな」
 トボトボと部屋を出て行く僧侶を見つめ、我斬が大きく手を振った。
「それじゃ、あたし達は呑みましょう」
 残った僧侶に杯を渡し、月乃が笑みを浮かべて酒を注ぐ。
「悪いが‥‥呑めん」
 すぐさま杯をつき返し、僧侶が月乃に頭を下げる。
「まあ、ちょっと位は大丈夫ですよ。将来檀家さん達とお酒を飲む事もあるでしょうからね。それが無理なら匂いだけでも楽しまないと」
 天使のような浮かべ、流香が僧侶達に杯を渡す。
「いい尻をしておるのぉ。その様子では何も知らぬ身体じゃな。緊張のあまり震えておるわい。うひょひょひょひょひょひょひょひょひょひょひょひょひょひょひょ☆」
 僧侶達の尻を手当たり次第に触りながら、奈津が次々と評価をつけていく。
 僧侶達は悲鳴を上げ、這うようにして逃げ出した。
「‥‥そういう事ね。それじゃ、あたしが踊ったら呑んでくれる?」
 色っぽい笑みを浮かべ、月乃が神楽舞を踊りだす。
 僧侶達も禁欲生活が続いていたため、心の中で誘惑と戦っているらしい。
「んー‥‥、まあ、嫌なら無理にとは言わないが‥‥」
 残念そうに僧侶を見つめ、我斬が杯を回収する。
「あ、いや‥‥その」
 慌てた様子で手を伸ばし、僧侶達が杯を取り返す。
「ほらほら、踊りが始まりましたよ」
 ポンポンと手を叩き、流香が月乃を指差した。
「ちょっとだけよ、あなたも好きねぇ☆」
 怪しげな音とともに月乃が色っぽく舞を踊る。
 その瞬間、僧侶達の煩悩が爆発し、次々と月乃に飛びついていく。
「やれやれ、酒じゃない誘惑に負けたようだな」
 そのため我斬は僧侶達をボコスカ殴り、大きな溜息をつくのであった。

「一対一で勝負してみませんか?」
 平然とした様子で50Gをポンと置き、鳴が僧侶達に対して勝負を挑む。
 僧侶達はあまり金を持ち合わせていないため、怯えた様子で首を振る。
「‥‥あら、楽しくないのですの? 100Gあるのなら、イギリスを訪れて見聞を広げ立派な淑女になりたいですわ。あなたがたは、立派な僧侶になるのが夢なのですよね?」
 不思議そうに僧侶を見つめ、鳴が首を傾げて呟いた。
「こらこら、そんな事を言ったら誰も博打をしないだろ。少しずつ金を賭けて、僧侶達が誘惑に打ち勝てるかどうか試さなきゃ」
 鳴の耳元でブツブツと呟き、蒼華が彼女の出した50Gを仕舞ってしまう。
「あら? そうですの? この方が効果的だと思ったのですが‥‥」
 すっかり怖気づいた僧侶を見つめ、鳴がニコリと微笑んだ。
「それじゃ、私が丁半博打の壷振り師をやってみるですよ〜」
 壷の中にサイコロを放り込み、アイリスが冒険者達を囲んで博打をする。
 丁半博打は木札を縦か横に置く事によって丁か半を決め、当たれば掛け金の倍になって手元に戻り、外れてしまえばすべて没収するというルール。
「ん〜私はルールをよく分からないけど、賭博をするよ。なんだか楽しそうだしね♪」
 木札をぽふっと前に置き、メイアーがお金をいくらか賭ける。
 さすがに冒険者同士でお金のやり取りは出来ないため、僧侶達を騙すための罠として遊んでいるらしい。
「わ〜、これ面白いですよ〜」
 目の前で高額なお金がやり取りされるため、アイリスが楽しそうに壷を振る。
「それじゃ、1Gずつ丁に」
 依頼が終わったら全額戻ってくるため、鳴が気軽にお金を賭けて行く。
「ふふふっ、空中大回転三回転半ひねり〜」
 カラコロと壷の中にサイコロを放り込み、アイリスが幻の大技に挑戦する。
 初めてだった事もあり危うくサイコロが壷の外に出そうになったが、運良く壷の中に収まった。
「みんなも一緒にやろうよ。お金は貸してあげるからさ」
 僧侶達も興味を持ち始めてきたため、メイアーが大量の木札を僧侶に渡す。
 僧侶は怯えた様子で木札を見つめ、賭けるか賭けまいか考える。
「自分の金じゃねえんだから、気楽に賭ければいいんじゃねえか? 儲けは全部もらっていいんだぜ」
 そっと僧侶達に耳打ちしながら、蒼華が目の前でお金を賭けていく。
 蒼華が面白いほど儲かっているためか、僧侶達も博打に興味を持ち始めた。
「それじゃ、一度だけ‥‥」
 まわりの僧侶達と話し合い、木札を一枚だけ賭ける。
「わ、当たったですよ〜。皆さん、凄いですぅ〜」
 景気よく木札をポンと積み、アイリスが僧侶の賭けを待つ。
「まさか勝ち逃げはしないよね?」
 僧侶が博打をやめようとしたため、メイアーが念を入れて確認した。
 何人かの僧侶は席を立ったが、数人の僧侶が残って博打を続行する。
「‥‥残念ながらお前達は失格だ」
 残った僧侶達の肩を叩き、蒼華がボソリと呟いた。
「煩悩は断たないと! 年下の女の子にお説教されるようでは駄目だよ」
 僧侶達から木札を奪い、メイアーがニコリと微笑んだ。
「わたくしも煩悩を断って立派な淑女にならないといけませんわね。でも、何の煩悩を断てばよろしいのでしょうか」
 そんな中、鳴は僧侶達の姿を見つめ、真剣に悩むのであった。

「さてと‥‥。この試練にパスできるのは‥‥悟りきった人間か‥‥本当の意味で生臭な輩だけなんですよね‥‥」
 着物の帯を胸の前で締め直し、栄神望霄(ea0912)が目元に紅を入れ、お気に入りの扇子を手にして立ち上がる。
「はなちゃん、お座敷まで上がってきちゃ駄目だよ。あっちで待っていてね」
 はなに声をかけながら、望霄が優しく頭を撫で回す。
「‥‥何か視線を感じるのは気のせいか。‥‥いや、気のせいじゃないっ! いるっ! 絶対いるっ! 腕白小僧好きの奴がっ!」
 自信に満ちた表情を浮かべ、蒼華が拳をぎゅっと握り締める。
「あの‥‥、僧侶達を誘惑するのって、女性だけじゃないんですか?」
 わけが分からなくなったため、浅葱が首を傾げて呟いた。
「気にしちゃ駄目です。色々な趣味がありますからね」
 爽やかな笑みを浮かべながら、望霄がはなを外まで連れて行く。
「酒と博打の煩悩に打ち勝った人達だから、結構苦戦するかもねぇ」
 わずかに残った僧侶を見つめ、神酒月城(ea6719)がクスリと笑う。
 ほとんどの僧侶達は何も言わずに座禅を組み、冒険者達が最後の誘惑を仕掛けてくるのを待っている。
「皆さん、リラックスですよ〜っ」
 優しくゆったりとしてメロディを口ずさみ、由深歌澄(ea0461)が僧侶達の緊張をほぐす。
「お疲れ様です、どうぞ一息入れてくださいね。これは般若湯ですよ」
 妖艶な笑みを浮かべながら、望霄が僧侶達に酒を勧める。
「俺も同じような試練を受けた事がありましたけど、余裕で合格しましたよ」
 自分の体験談を交えつつ、望霄が僧侶の肩を抱く。
 そのため僧侶も全く警戒する事なく、望霄の勧めた酒を呑む。
「修行が足りませんね、出直していらしゃっい」
 僧侶達が酒を呑んだため、望霄がパタパタと手を振った。
「もう帰っちゃうんですか? みゃうっ」
 僧侶達を見送りに行こうとしたのだが、途中でつまずいてしまったため、歌澄がその場でコケる。
 僧侶達は慌てて歌澄を助けたが、胸元がはだけていたのに気づいたため、前屈みになりながら席に戻っていく。
「兄さん‥‥、ずっと我慢しているんだろ? 俺と楽しい事をしないかい?」
 僧侶の前で胡坐を組み、蒼華が僧侶達を誘惑する。
「‥‥男相手なら問題ないか」
 普段からコッソリ妙な事をしているため、僧侶達が遠慮なく蒼華に手を出した。
「問題ないって‥‥まさか、おい!」
 僧侶達の纏わりつくような視線に気づき、蒼華がズルズルと後ろに下がる。
「汗の滲んだ褐色の肌‥‥鍛えられた肉体‥‥せくしぃな鎖骨‥‥たまらねえな!」
 ハアハアと息を荒くしながら、僧侶達が蒼華に獣を開放した。
「はい、残念。そこまでですよ♪」
 コアギュレイトを使って動きを封じ、望霄が僧侶達を外へとつまみ出す。
「ふ〜、命拾いしたぜ。あと数人か」
 乱れた服をいそいそと直し、蒼華がホッと溜息をつく。
「寺の恥さらしが‥‥。あの程度の誘惑に負けるとは‥‥」
 呆れた様子で愚痴をこぼし、僧侶達が再び座禅を組む。
「なんて素敵な殿方☆ あなた様のような方ががなぜ僧侶なんか‥‥僧侶でなければ私の気持ちも伝えられるのに‥‥」
 しっとりと哀願するような目で僧侶を見つめ、月城がとろけるように甘い言葉を囁いた。
「残念だが私は修行の身。女人には興味がないのだよ」
 クールな表情を浮かべ、僧侶が黙って目を閉じる。
「そんな‥‥こんなにお慕い申していますのに‥‥」
 恥じらいながらも大胆に迫り、月城が僧侶に唇を近づけた。
「うっうっ、辛抱辛抱」
 何かが爆発しそうになったため、僧侶がいきなり念仏を唱えだす。
「取りあえずわたくしも頑張らないと‥‥えと‥‥えと‥‥きゃっ!」
 モジモジとした様子で胸に巻いているサラシを外し、浅葱がバランスを崩してつんのめる。
 それと同時に僧侶達が鼻血を吹き、一気に脱落してしまう。
「ひとりしか残ってないね。‥‥いいのかな? こんなに脱落させちゃっても」
 作戦がうまく行き過ぎたため歌澄がダラリと汗を流す。
「母上‥‥蒼華は、ちゃんと漢の操は守りました」
 そんな中、蒼華は自らの無事を喜びながら、お星様に両手をあわすのであった。